2020-11-22
【小説】キノの旅XXIII レビュー
今年は少し時期が遅れましたけど、やっぱりこれがないと寂しいですね。20周年おめでとうございます。
キノの旅XXIII the Beautiful World
著者:時雨沢恵一
レーベル:電撃文庫
価格:630円(税別)
レビュー
今回の帯名言は「『みんながそう言っている』の”みんな”は、あなたが選んだ人達だ。」です。大体主語が大きい人は論拠が薄いことが多いんですけど、そこを鋭く突く名言ですね。
23巻に収録されているのは、キノがメインの「ロボットがいる国」「眠る国」「愚か者は死んでもいい国」「狙撃犯のいる国」「始まりと終わりの国」、シズがメインの「ペンの国」「戦える国」、師匠がメインの「赤い霧の湖で」、フォトがメインの「ピンクの島」、キノ・師匠・シズがそれぞれ登場する「演技の国」でした。後書きはショートストーリー「わらしべキノの旅」が掲載されています。いつものようにハチャメチャ話じゃなくて、普通の「キノの旅」っぽい話になって…ないな。これも冷静に読んだらハチャメチャだ。学園キノと比べたのがまずかった。
印象深かったのは、「狙撃犯がいる国」でしょうか。今回キノがメインの話は風刺が効いている短編ものが多かったのですが、この話はアクションメインです。最近はちょっと薄めになりましたが、キノの冷酷さというか、必要であれば利害関係がない相手でも冷酷に撃てるという性格が出ていてハラハラしながら読みました(珍しくキノが罠にはまったシーンもあります)。しかし小説でここまでアクションが描ける方は希少なのではないでしょうか。推理ものとしても面白く、今回は犯人はわりとすぐ分かりましたけど、動機は見抜けませんでした。
印象深いと言えば、「赤い霧の湖で」がいまいちよく分からなくてすごく引っかかってますね。「男の独り言」「船がそれぞれ一度ずつ汽笛を鳴らした」「カチュアが笑顔で手を振っている」というあたりから、彼女は死んだし少年はもともと死んでるんだと思うんですけど、「給仕係のボスに男は何を頼んだのか」「ガスマスクを持った男はどこへ行ったのか」「そこから戻ってきた男が連れていた少年は誰か」あたりの謎が解けなくてよく分からないんですよね。誰か謎が解けた人、教えてください。ネットでもツイッターでも情報集めたけどよく分からないの…
あと「始まりと終わりの国」は何かモチーフがあるんでしょうけど何だこれ…と思いながら読みましたけど、本の末尾の「初出情報」を読んでようやく意味が分かりました。…まさか実話じゃないよね?ネタだよね?(電撃文庫MAGAZINEの休刊号に掲載された話)
「時々、『旅人さん聞いてくれ! この国はひどい独裁国家なんだ!』って、入った国で言われるじゃん?」
「あったね。外から来た人に自分の国の愚痴を聞いて欲しいって人は、ボクが思うよりたくさんいるみたいだ」
「でも、そのたんびに思うけど、それを国の中で、あんな大声で言える国は、全然独裁国家じゃないね」※第四話「愚か者は死んでもいい国」より引用
ドールもうすぐですか あのロボットを動かせるシステム どうにか今後のゼノシリーズ…