2022-02-23
PS4最後(yukkun20的に)の花道にふさわしい作品。
英雄伝説 黎の軌跡
スプラッシュ画面はこんな感じ
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ストーリー
ときに七耀暦1208年。帝国と共和国を巻き込んだ世界大戦は去り、巨額の賠償金を得た共和国は未曾有の好景気に沸いていた。そんな共和国の首都イーディスで、裏解決屋スプリガン として名の知られた青年がいた。ある時は探偵、ある時は交渉人、ある時は賞金稼ぎとして、表と裏の世界双方に張り巡らされた人脈と高い戦闘能力で、主に表沙汰にできない人々の悩み事を解決する稼業―ある日、その腕を見込んだ一人の少女が青年の事務所を訪れる。少女の頼み事は、曾祖父の遺品を探してほしいという至極普通のものだったが、その依頼は新たな物語の始まりだった―
ということで、軌跡シリーズの最新作です。リベール王国を舞台とする「空の軌跡」、エレボニア帝国を舞台とする「閃の軌跡」に続き、これまでほとんど名前しか出てこなかったカルバード共和国を舞台とする新たなシリーズが始まりましたね。今回は舞台が大きく変わったので、過去のキャラクターはほとんど登場せず、過去作をプレイしていなくても楽しめますが、端々にこれまでの展開を踏まえた台詞回しとかもあるので、せめて閃の軌跡だけでもプレイしておくとより楽しめるのではないかと思います。物語は伏線などを残しつつⅡに続くようになっていますが、空FCは閃Ⅰのように話がぶった切られて終わることはなく、作中の事件はきちんと完結しています。
今回もストーリーはよかったと思います。主人公は変わりましたがいつもの方式で、首都を拠点に、国内の様々な都市を巡りつつ、人々の悩み事を解決しつつ、悪の組織と対決していく、という流れになっています。今回は早いうちから敵の正体が明らかになり、最後までそれがぶれずに進んでいき、きちんと敵の目的を阻止して終わるようになっていたのでカタルシスもありましたしね。ただ過去作と違い、ネームドキャラが死ぬ重めの展開もありますし、敵の外道度はシリーズ最悪かもしれませんので、気になる人は気になるかもしれません。
サブクエストも過去作と違い、ダークな内容のものもあります
話も全体的にわかりやすかったのですが、第5章の展開だけは必然性がよくわかりませんでした。あのデスゲームで敵は何がしたかったんでしょうか。邪魔者を一掃するつもりならやってることがぬるすぎるし、「器」を探すのが目的なら効率が悪すぎると思うのですが…yukkun20の理解力が足りてない?
話はきれいに終わったのですが、「ヴァンの過去」「8つ目のゲネシスの行方」「エプスタイン博士の意図」「リゼットの過去」「カトルの過去」「ニナの正体」「大統領の目的」「結社の目的」など、気になる謎も多く残されました。また今回はシリーズお約束の「七の至宝」や「聖獣」などが登場しませんでしたし、黎の軌跡全体から言うと前哨戦というところでしょうか。物語が本格的に動き出すⅡ以降にも大いに期待したいです。
システム
ADVパートにおける基本的なシステムは前作までと同様で、前作をプレイした人はそのまま違和感なくプレイできると思います。
いつも言っていますが、声優も豪華だしイベントの質も高いので、パートボイスなのは残念です。せめてメインシナリオだけでもフルボイスにしてほしいんですけどねぇ。
それでも決めるところはきちんとボイス付きです
今回は図鑑などのコンプリート要素が少し減ってしまったのは残念でした。モンスターはいちいちアナライズしなくても自動的に図鑑に掲載されるようになったのはよかったのですが、モンスター図鑑以外だとレシピ、書籍集め、好感度上げくらいでしょうか。特に今作でなくなってしまった人物図鑑は毎回内容を楽しみにしていたのでちょっと残念です。ミニゲームもなかったしなぁ。最近のゲームは時限要素が流行らなくなってしまっているので、これも時代の流れなのかもしれませんね。
いつでもセーブは本当にすばらしいです。長丁場のRPGだからこそ、短い時間でもプレイしやすいこういうのは大事にしてほしいです(ただロード時間の長さは結構気になるレベル)。また会話ログをいつでも見直せるのも、普通にありがたい。
キャラクター
PCキャラは全部で8人と常識的な人数になりました(前作は51人だったからな)。
今作の主人公は、過去作に比べて明確にリーダーとしての立ち位置になっています。閃Ⅲ・Ⅳのリィンも教官として生徒を導く役割でしたが、その一方で旧Ⅶ組の仲間とは対等な立ち位置でもありました。しかしヴァンははっきりと、仲間を引っ張っていくタイプに描かれていたのが新鮮でした。仲間が困っているときは自然に手を差し伸べ、自分が困っているときは自分一人で抱え込むキャラでしたが、最後の最後で仲間たちに頼りました。思うに今回の物語は、仲間たちがヴァンの立ち位置に追いつくまでの過程を丁寧に描いていてくれたように思います。
いざというときには変身して戦うのも熱い
そんなヴァンですが、全体として頼れる兄貴分としてきちんと描かれていて、仲間を引っ張っていくのにふさわしいキャラになっていました。他の仲間たちもそれぞれの目的はありながら、そんなヴァンを慕って、自分自身が助けられた恩を返したいと思っているところがよく現れていて、人間関係は総じて見ていて楽しかったです。
スイーツと車とサウナには一家言ある男、ヴァン・アークライド。
またサブキャラクターたちも魅力的でした。ヴァンの幼なじみで、過去を共有するエレインやルネ、大家のビクトル一家、ときにライバルとなる遊撃士協会や警察、教会の面々、かつての依頼者であるレンや結社メンバーなど、ヴァンがこれまで人との縁を大事にして仕事をしてきたことがわかる物語になっていて、一人の社会人としても考えさせられるものがありました。
仕事では頼れるリーダーも、プライベートでは基本的に振り回されっぱなし
ただ、今回ヴァンの強さと、この世界観の中で上位の強さを持つサブキャラ(準S級のジン、閃主人公のリィンを上回る能力を持つシズナ、最年少A級遊撃士のエレインなど)との強さは結構開きがあると思うんですよ。ヴァンは正面火力というよりは、搦め手を使って戦うタイプのキャラですから余計そう思います。しかしゲーム的にこの強さの差があまり描かれていなくて残念でした(一時期仲間になるのですが、その性能差はPCキャラと大差ない)。それこそ強キャラの加入期間はもう少し減らして、その代わり圧倒的な性能を持たせてくれた方が、彼らの強さが際立って良かったような気がします。
まあしかしエレインはかわいかったですね。あれだけツンツントゲトゲして、重たいものを抱え込んで、最後の最後でちょいデレるとか最高か。アニエスも正当派ヒロインでもちろん良かったのですが、yukkun20は幼なじみとしての強みがあるエレインを推したいと思います!
きゅんきゅんするわ。一緒に行く?
え?ジュディス?ジュディスも愛嬌があって好きなんだけど、彼女はお友達として好きなのであって異性として好きかと聞かれると…(別に聞いてない
ノリツッコミの切れ味が良すぎるのが問題w
今回もモブキャラも膨大なセリフ差分が用意されていて、ストーリーが進むたびにすべてのキャラに話しかけたくなります(し、話しかけました)。
バトル
過去作に比べると大幅にテコ入れされました。シンボルエンカウントですが、フィールド上を動いているモンスターとそのままの状態で戦闘するアクション性の高いフィールドバトルと、従来作同様コマンド入力で進めるコマンドバトルを併用する形になっています。ボス戦はコマンドバトルが強制されますが、ザコ戦はフィールドバトルでも、コマンドバトルでも、両方を切り替えながらでも戦えるようになっています。切り替えもシームレスなので快適。
フィールドバトルでは、プレイヤーは操作キャラのみを操り、残りのパーティメンバー3人はオートで行動します。プレイヤーができるのは、移動、攻撃、回避、チャージアタックくらいでかなり単純化されています。フィールドを自由に動きながら敵に攻撃を当て、HPを0にすると敵はフィールドから消滅し、リザルトが入手できます。敵も反撃してきますが、こちらのHPが減少した状態で攻撃を食らうと、強制的にコマンドバトルに切り替わり、かつ不利な状態で戦闘を始めさせられますので、そうなる前に敵を倒すか、逃げるか、こちらからコマンドバトルに持ち込むかの選択を迫られることになります。
できることが少なく、アクション戦闘と知ってもかなり簡略化されているので、このあたりは賛否両論だと思います。ただyukkun20的にはこの試みは歓迎したいですね。yukkun20はシンボルエンカウントの場合、進路上のシンボルは全部倒していくスタイルなのですが、このシステムのおかげでザコ戦はほぼすべてフィールドバトルのみで処理できるようになったので、進行が楽になりました。コマンドバトルも好きなのですが、はやり敵味方が交互に行動するので時間はかかりますからね。
コマンドバトルの方はこれまでとあまり変わっていません(これまでより多少単純化されています)。行動順が回ってきた順番に、「攻撃」「クラフト」「アーツ」「道具」などのコマンドを選択して戦います。それぞれのコマンドに別のボタンが割り当てられていて、ボタン一つでどの行動にもアクセスできるのがいいですね(回復アーツのみ2回ボタン入力が必要ですが)。選んだコマンドによって次の行動順が回ってくるまでの時間も変わる、変則的なコマンド制+ターン制です。戦闘に参加できるのは4人です。戦闘中は近くのキャラとペアを組むことが出来、追撃してもらったり、術技の威力を底上げしてもらったりすることが可能です。その他は控えメンバーで、途中で交代も自由。
フィールドバトルは基本的に少数の敵にしか攻撃できませんが、コマンドバトルは範囲攻撃がしやすいので、敵の数によってはこちらの方が早いことも。
攻撃には、威力が低く射程も狭いがリソースを消費しない「通常攻撃」、威力が高く射程もほぼ無制限だが発動まで時間がかかる「アーツ」(テイルズでいうと術)、威力が高く即時発動するがCPを消費する「クラフト」、CPを多量に消費するが極めて威力が高く、ターンに関係なく割り込んで使用できる「Sクラフト」を使い分けて戦います。その他、ブーストゲージを消費して自身の能力を大幅に高める「シャードブースト」などがありますが、今回は戦闘で消費するリソースの回復が比較的楽なことと、遅延が非常に効きやすいということもあり、戦闘の難易度は従来に比べると少し低めだったかもしれません。ただこれまでは、敵味方が同じタイムラインを流れていて、その順番を入れ替えることで、ATボーナス(キャラではなく、行動順に付与されたボーナス。例えば、「現在行動中のキャラから3番目に行動順がくるキャラの行動はクリティカルになる」など。行動順はプレイヤー側である程度操作できるので、敵に有利なボーナスを取られないように立ち回ることが必要だった)を取り合うという戦略が必要だったのですが、今回から敵のタイプラインと味方のタイムラインが分かれてしまい、取り合いがなくなったばかりか、行動順が視認しにくくなったのはちょっと残念でした。このあたりは次回までに改善してほしいです。
画面上にあるのが行動順。次に行動するキャラは「NEXT」という表示があるが、それ以降のキャラの行動順はデフォルトでは表示されない
また、発動しようとしている術が敵の弱点かどうかが表示されるのはありがたいのですが、弱点ではない場合も、どの程度効くのか表示してほしいです。100%効くのか、80%しか効かないのかでは変わってきますからね。
オーブメントシステムもちょっとわかりにくかったですかね。今回はホロウコア、クオーツ、アーツドライバなどカスタマイズできる箇所が多いのですが、それがUI上集合されておらず、またクオーツを入れ替えてもどこがどう変わったのかが一覧しにくいし、チュートリアルも不十分なこともあって、過去作のように組み合わせを深く考えるモチベーションが持てませんでした。カスタマイズ箇所が増えたのは悪くないと思うので、もう少しわかりやすくシステムを提示してほしかったです。
今回もクオーツの取り合いは厳しい上に、周回しても1つしか手に入らないクオーツも多い
総評
ハイファンタジーだったこの作品もいつの間にか作中の科学力の発展に伴いロウファンタジーになってしまいましたが、いつも通り、JRPGのお手本のような作品で、文句なしの名作です。ストーリー、バトル、キャラクターというRPG3大要素(あくまで私見です)にほとんど不満がなく、それでいてそれらがシステム的にもうまく結合されていますね。新シリーズ移行と共に、いろいろ新たな挑戦をしているのも、マンネリ化を防ぐという意味ではいいことだと思います。他方でまだまだフラッシュアップできる箇所はあると思いますので、続編ではさらに進化した作品を見られることを期待しています。
言いそびれたけどオデットかわいいよね。失恋が確定しているアルベールを救ってあげてください(ひどい
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2021-02-11
空FC始めてから6年半、ようやくここまで来ました。…生きている間にこのシリーズが完結しますように(現在折り返し地点らしいので)
英雄伝説 創の軌跡
プラットフォーム
PlayStation®4
ジャンル
ストーリーRPG
価格
通常版 : 7,800円(税抜)
限定版 : 10,800円(税抜)
DL通常版:7,590円(税込)
デジタルデラックス版:11,000円(税込)
公式
英雄伝説 創の軌跡 (はじまりのきせき) | 公式サイト – Falcom
プレイ時間
1周目:81時間(ノーマル)
2周目:69時間(ナイトメア)
スプラッシュ画面はこんな感じ
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ストーリー
リィンたちの活躍により、帝国全土を巻き込んだ黄昏は食い止められた。帝国の体制が崩壊したことで、2年間帝国の属州として冬の時代を過ごしていたクロスベルは、再び自治州として再独立を果たすことになった。しかしその当日、特務支援課のロイドたちが見守る中開催された再独立調印式は、投獄されていたはずの前クロスベル総督ルーファスの襲撃により蹂躙された。ルーファスは自治州としての独立ではなく、クロスベル独立国の樹立と、クロスベルによる大陸西部の統一を宣言し、それを阻止しようとしたロイドたちを一蹴する。一方、帝国でも、新婚旅行に出かけたオリヴァルト皇子とシェラザード妃が行方不明になるという事件が発生していた。そして「新帝国解放戦線」を名乗る正体不明の男《C》からの犯行声明が出される。クロスベルのため再び立ち上がるロイドたち特務支援課、密かにオリヴァルト捜索の任につくリィンたち新旧Ⅶ組、そして何らかの目的を持って動き出す《C》一行。三者三様の戦いは、やがて一つの大きな流れへ収束するのだった―
ということで、軌跡シリーズの最新作です。過去4作に渡って描かれてきた「閃の軌跡」が前作で完結し、本作は閃のエピローグであるとともに、次回から始まる「黎の軌跡」のプロローグとも言える物語になっています。それでいて、碧の軌跡以来ほのめかされていたものの、明確に描かれなかった「クロスベル再独立」がしっかりと描かれる、これまでのファンにはたまらない作品になっています。ストーリー的にもきちんと一作で完結しているのは久しぶりですね(空3rd以来か)。
相変わらずストーリーは最高でした。今回は3つのルートを切り替えながら進めていくオムニバス形式になっているため、一つ一つのストーリーは短めです。しかしどのルートもきちんと起承転結や謎解きのあるストーリーになっていて、みんなに見せ場があり、冗長な感じもなく駆け足でもなく、とても面白かったです。あと台詞回しがこれまで以上に洗練された感じがしました(気のせいかもですが)。
また本作では、メインストーリーと独立した「真・夢幻回廊」があります。ここではストーリーの進行とは(概ね)無関係に、各ルートのキャラや、メインストーリーではPCにならないサブキャラたちを仲間に加えて、ランダムダンジョンを攻略し、強力なクオーツ(パラメーターを上げたりアーツ(術)を使えるようになるアイテム)や装備品を集めて、好きなキャラをとことん強くすることができます。今作は50人以上がパーティに入り、その中で好きなキャラでパーティを組めるというのは思った以上に楽しかったです。また夢幻回廊ではそれ以外にも、ミニゲームを楽しんだり、閃の軌跡Ⅳと創の軌跡の間に何が起きていたかを描くエピソードを見たり、また次回作の予告編(のようなもの)を見たりと、お楽しみも満載です。正直130時間のうち40時間くらいは夢幻回廊にこもってたくらいです。
こんな笑顔を見られる日が来るとは。
今回ストーリーは一本道ですが、夢幻回廊の最深部にはもう一つのエンディングとも言うべき展開が待ち受けています。是非プレイしてみてください。これまで謎に包まれていた少女キーアの出自に迫る、いい話でした。
しかし今回もというべきか、結社についての話はほとんど進展しませんでしたね。今回も伏線張るだけだったなぁ。ゲームのパッケージ(上のスプラッシュ画面と同じ)に描かれている女性が結社のトップなんですけど、こんな風に3本の光を束ねているところ見せられたら、そりゃメインストーリーにがっつり絡んでくると期待するじゃないですか…!まさか3本の光は3つのストーリーの比喩ですらなかったとはorz。しかも次回舞台になるであろう共和国とは不可侵の約束をしてしまったので、次回作でもほとんど結社は絡んでこないんだろうなぁ…。これ本当に決着がつくのでしょうか。
システム
基本的なシステムは前作までと同様で、前作をプレイした人はそのまま違和感なくプレイできると思います。
いつも言っていますが、声優も豪華だしイベントの質も高いので、パートボイスなのは残念です。とはいえ今回はキャラクターの見せ場はきちんとボイスが入っていたように思いますので、不満は大分減りました。また夢幻回廊では、これまであまり絡みのなかったキャラ同士や、意外な共通点を持つキャラ同士の会話が充実していて非常に楽しめました。ああこういうやりとりいかにもしそう…という感じでしたね。
相変わらず人物図鑑やモンスター図鑑、レシピ、釣り、カードゲーム、書籍集め、好感度上げなどコンプリート要素が満載なので、そういうのをちまちま集めるのが好きなyukkun20のような人にはたまらない仕様です。ただ参戦人数が増えたせいで、「VM」(カードゲーム)と「ポムっと!」(落ちものゲーム)の対戦人数がすごいことになっていて、コンプするのは大変でした。基本的にどっちも対戦相手による大きな差はないですからね。一戦一戦が短いのがまだ救いですけど。
いつでもセーブは本当にすばらしいです。長丁場のRPGだからこそ、短い時間でもプレイしやすいこういうのは大事にしてほしいです。またログをいつでも見直せるのも、普通にありがたい。
キャラクター
PCキャラは全部で51人と、過去最多だった前作よりさらに10人以上増えています(ちなみにパーティにいるが戦闘には参加しないキャラがあと2人)。本編のラスボス戦に挑めるキャラだけで41人おり、残りはゲストという扱いですが、ゲストキャラは本編では参戦しないだけで出番はきちんとあるので(まあ厳密にはない人もいますけど)、今作をプレイしただけでも、好きなキャラはできると思います。どのキャラも概ね過去作の能力を引き継いでいるので、これまでのシリーズをプレイしていればキャラの把握は余裕だと思います、他方でこれまでのシリーズをプレイしていないと、キャラの特性がつかみづらく苦労するのではないかと思います。せめてキャラクターの大まかな傾向が何らかの形でまとめられてたらよかったんじゃないかなと思います。例えばサラ先生は普通に運用すると中途半端な感じは否めないんですが、装備とクオーツをきちんと整えて回避型にすれば無双できますし。
ほぼ全員パーティメンバーである
51人は設定上の強さにも結構差があるのですが、設定的に最強格のキャラは、きちんとそれに応じた能力が付与されていて、「設定上は最強なのに仲間になったら弱くてがっかり」というのも少なかったと思います。
また今作から新たに登場したキャラが3人いますが、3人ともこれまでいなかったタイプのキャラでした。その出自故、ほかのキャラとは少し距離を置いていましたが、その3人(+《C》)は非常に仲がよく、ストーリー的にはシビアでありながら明るい雰囲気で進んだのもよかったです。でもそこに加入したデュバリィさんはなじむの早すぎませんかね…?
今回は主人公が3人いるからか、いつものような好感度システムはありません。しかし、しかーし!夢幻回廊内のミニゲームで、女性陣とバナナボートに乗ったり、仲良くカクテルを飲んだ大人のデートをできるようになりました!しかもデートイベントはPSVR対応なのですが、どのモデリングもすごくよくできていて、ほんとこの時代に生きててよかった、(ろくに使ってないけど)PSVR持っててよかったと思わされる出来でしたね。
攻略王もついに年貢の納め時か。
以前少し書きましたが、女性陣の中ではティオの中の人の演技がズバ抜けてよかったです。
ここが人生のピークだー!
ただ、そのミニゲームにはデュバリィさん(yukkun20お気に入りキャラ)も登場するのに、女性陣の中で彼女だけデートイベントがなかったことは絶許。幸い彼女は結社関係者で次回作以降も出番がありそうなので、ファルコムさんほんとマジよく考えて。
今回はモブキャラの数は少し少なめでしたが、いつも通り膨大なセリフ差分が用意されていて、ストーリーが進むたびにすべてのキャラに話しかけたくなります(し、話しかけました)。
バトル
シンボルエンカウント制。フィールドも広めで敵の密度も薄いので、戦闘を避けるのも容易ですし、不意打ちで有利に戦闘開始するのも難しくないので、総じてストレスはたまりにくいですね。ただ2周目向けに完全にエンカウントを避けられるアイテムはあってもいいと思いますが。
戦闘画面も基本は変わっていません。行動順が回ってきた順番に、「移動」「攻撃」「アーツ」「道具」などのコマンドを選択して戦います。選んだコマンドによって次の行動順が回ってくるまでの時間も変わる、変則的なコマンド制+ターン制です。戦闘に参加できるのは4人で、2人ずつペアを組んで戦います。その他1~3人は控えメンバーで、途中で交代が可能。
今作は全体的に敵が固い感じがします
攻撃には、威力が低く射程も狭いが連発しやすい「通常攻撃」、威力が高く射程もほぼ無制限だが発動まで時間がかかり、回復しにくいEPを消費する「アーツ」(テイルズでいうと術)、威力が高く即時発動するがCPを消費する「クラフト」、CPを全消費するが極めて威力が高く、ターンに関係なく割り込んで使用できる「Sクラフト」を使い分けて戦います。その他クリティカルが出た攻撃に「追撃」したり、追撃によって貯まったBPを消費することで、行動を消費せずに全員に有利な効果を付与できる「オーダー」や、高火力の攻撃が出来る「ラッシュ」「バースト」などの連係攻撃を繰り出すこともできます。また今作からヴァリアントレイジという、敵に大ダメージを与えたり味方を回復させたりしながらBPを回収できるシステムも搭載されたので、一層派手な戦闘を楽しむことができます。
ようやくティオにSクラカットインつきましたね
今作から、発動しようとしている術が敵にどの程度効果的なのかが一目でわかるようになったのはありがたいですね。これまではいちいち敵のステータス画面を開かなければ確認できませんでしたが、今作はターゲッティングだけで表示されるので効率的に戦えます。
今回のクオーツシステムは前作とほぼ同じです。パーティ人数が増えましたが、マスタークォーツも増え、同じような性能のマスタークォーツも出てきたので、取り合いは大分減ったような気がします(ただ戦略上重要な「イージス」と同じようなマスタークォーツがもう1個くらいほしいところ)。ただ今作はロストアーツによるステータス変化が大きい割に、非常に手に入りにくいため、結局その取り合いで阿鼻叫喚でしたけどね。
総評
いつも通り、王道ファンタジーのお手本のような作品で、文句なしの名作です。ストーリー、バトル、キャラクターというRPG3大要素(あくまで私見です)にほとんど不満がなく、それでいてそれらがシステム的にもうまく結合されています。ストーリーは深みがありながらもわかりやすいですし、バトルは爽快感があり、キャラクターには深く感情移入ができ、描写も濃厚と、素晴らしいゲームですね。このシリーズはずっと大きな不満はないのですが、それでも少しずついろんなところが改善されて言ってるのも素晴らしいことだと思います。
プレイを終えたときのyukkun20の気持ち
トロコンの難易度は最近の作品の中では若干高いでしょうか。「ポムっと!」の難易度が高いのと、1500回が作業になるくらいかな。とくに「ポムっと!」は苦手な人は本当に苦手だと思うので、そろそろ救済措置用意してあげてもいいかと思います。
CPUの強さが変更できないのは結構ネック
あとゲーム本編とは関係ないんですが、限定版についてきた、軌跡シリーズのボーカル曲集めっちゃよかった。特に閃以降の曲はどれもしびれました。最近までずーっとヘビロテしてます。特に閃ⅡのED「I’ll remember you」と、創のOP「NO END NO WORLD」は最高すぎる。これだけで限定版は買う価値があると思いますよ。
ちなみにyukkun20の夢幻回廊攻略パーティは…
リィン…言わずと知れた超火力。徹底的にクリティカル率とクリティカルダメージを上昇させておけば、ボスだろうと一発でガタガタにできます。神気合一での火力底上げと強力なSクラで、ステ以上に強い。
ノエル…yukkun20お気に入りキャラの一人。碧以来の参戦で入れないはずがない。エンブレムとカレイドを装備させ、開幕にSクラをぶっ飛ばして敵を一掃すると同時にセピスを荒稼ぎするのが仕事。今作で常時不足しがちなセピスを量産できる、縁の下の力持ち。ちなみに火力も普通に高い。
エマ…俺の嫁。物理火力エース(STR6000)のリィンよりもさらに火力の高いアーツ火力(ATS6912)と、徹底的に詠唱時間を短縮したことで、詠唱の必要なアーツ使いなのにリィンよりもさらに回転が速いというよくわからない存在。Sクラは完全反射付与なので攻守ともに隙がない。
サラ…俺の嫁2。クォーツと装備品で驚異の物理回避100%&アーツ回避100%。つまり敵の必中攻撃以外は当たりません。回避特化はほかのキャラでもできるのですが、サラ先生は特化できるキャラの中でも射程が長いため、敵の攻撃を回避するとほぼ確実にカウンターを打てるところが強み。高難易度になればなるほど輝く。
しかしこれで一段落しましたね。実は閃Ⅰから、敵味方のSクラカットインをすべて保存しているんですけど、これそろそろ整理して世に出そうかな。今作は隠しカットイン(特定のタイミングや、特定の衣装を着てないと見られないカットイン)も多かったので探すの大変だったんですよ…。
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2020-05-30
ようやく軌跡シリーズを発売直後にプレイできる身になりました!
英雄伝説 閃の軌跡IV
スプラッシュ画面はこんな感じ
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ストーリー
大陸制覇の準備を着々と進める帝国。帝国を蝕む黄昏の呪いが大陸全土に広がることを懸念するリィンたちは必死にそれに抗おうとするが、戦いに敗れ、大切な仲間を失い、リィン自身も捕われの身となってしまう。なんとか戦場を離脱した新旧Ⅶ組の面々は意気消沈するが、彼の教え子であるユウナの言葉に立ち直り、リィンを取り戻して黄昏を食い止めるため、再び立ち上がる。果たして彼らはリィンを助け出し、大陸全土を巻き込む悲劇を食い止めることが出来るのだろうか―
ということで、軌跡シリーズの最新作です。過去3作に渡って描かれてきた「閃の軌跡」の物語の完結編として、またそれ以前のシリーズの総まとめとして位置づけられた本作は、これまでの伏線の多くを回収し、過去作に登場したメインキャラクターのほぼ全員が登場する、まさに集大成とも言える作品でした。ストーリーも(トゥルーエンドまで行けば)これまでの苦労全てが報われるハッピーエンドになっているので、シリーズファンも安心です。
今回もストーリーは最高でした。序盤はリィンを取り戻すため、新Ⅶ組が前作でリィンから学んだ教えを旨に帝国各地をめぐり、リィンを取り戻してからは、世界大戦へ流れていくこの世界をなんとか食い止めようと抗う新旧Ⅶ組の活躍がしっかり描かれていました。その分ボリュームも過去最大でしたが…。前作では新米教師として学生たちを導く立場だったリィンも、今回は騒動の当事者として、そして新旧Ⅶ組の重心として、少し違う立場から仲間たちを引っ張っていく存在になっていて、Ⅰからその成長を見守っていたファンとしては感慨深い物がありました。
そして過去作に登場したキャラクターたちがこれでもかと登場するのも、シリーズファンにはたまりません。半端ない人数が登場するのですが、それぞれにそれなりの見せ場が与えられていて、過去作の冒険が全てこのエピソードに繋がっていることを感じました。
空の軌跡シリーズの主人公・エステル嬢
今回はノーマルエンドの他に、トゥルーエンドが用意されています。ノーマルエンドは…なんですが、トゥルーはその印象を吹き飛ばすくらい幸福感に溢れたエンディングで、ご都合主義と言えばそれまでなんですけど、yukkun20としては満足のいく内容でしたね。
みんなに幸せになってほしいですね
ただ、いつものことなんですが、全ての元凶になっている結社と決着が持ち越しになってしまったのが気になりますね。今回人材という意味では結社もそれなりのダメージを受けたと思うんですけど、カンパネルラやマリアベル、シャーリィ、セドリックと言った結社のヘイト集め担当が全員ノーダメで逃げちゃったからな…。特にセドリックは社会的にも責任を取るべき立場にいるはずで(実際彼が逃げたおかげでその後の政局も相当混乱している)、かなり引っかかるものを感じました。いい結社メンバーは死んだメンバーだけ。しかもエンディング後の隠しイベントで、結社の盟主が全部予想通りみたいなこと言ってるし…。
システム
基本的なシステムは前作までと同様で、前作をプレイした人はそのまま違和感なくプレイできると思います。
前作でも言いましたが、声優も豪華だしイベントの質も高いので、パートボイスなのは残念です。特に主人公以外のボイスはあるのに、主人公のボイスだけないシーンが結構多いのは気になりますね。サブイベントも抱負なのでフルボイスは大変だと思いますが、せめてメインだけでもフルボイスにしてほしい。でもストーリーが進んでモブキャラの台詞が変化するときちんと教えてくれる仕様になっているのは◎。
相変わらず人物図鑑やモンスター図鑑、レシピ、釣り、カードゲーム、書籍集め、好感度上げなどコンプリート要素が満載なので、そういうのをちまちま集めるのが好きなyukkun20のような人にはたまらない仕様です。零の軌跡でプレイできた落ち物ゲーム「ポムっと!」もプレイできますよ!
ついにネコ(4段目中央)まで攻略可能になった我らが主人公
いつでもセーブは本当にすばらしいです。長丁場のRPGだからこそ、短い時間でもプレイしやすいこういうのは大事にしてほしいです。
キャラクター
PCキャラは全部で39人と過去最多です(というかRPG界でも最多ではなかろうか)。本編のラスボス戦に挑めるのは16人で、残りはゲストという扱いですが、ゲストの中でもほぼストーリー全体で参加しているキャラもいますし、スポットで参戦するだけのキャラもいて、扱いには差がありますね。これだけいると、各キャラの特性を把握するのも一苦労…と言いたいところですが、メインの16人とはもう長い付き合いで、どういうキャラかはよく分かっているので、苦労はあまりありませんでした。
ここにいるキャラのほぼ全員がプレイアブルキャラ(実話)
39人は設定上の強さにも結構差があるのですが、設定的に最強格のキャラは、きちんとそれに応じた能力が付与されていて、「設定上は最強なのに仲間になったら弱くてがっかり」というのも少なかったと思います。前作はパーティの自由度がやや低めでしたが、今回はプレイヤーが慣れたことを想定しているのか自由度も大きいので、好きなキャラを好きに使えると思いますよ。
設定上も最上位に近い実力の持ち主である主人公が、ちゃんと強いのも◎
今回も女性キャラとの好感度イベントが用意されていますが、前作と違って各キャラとかなり深い関係になることが出来ますね。反面、11股すると、ある程度深い仲になった女性10人をフラないといけないので、ちょっと心が痛いな…。いつもどおり今作も委員長ことエマと、サラ教官の2人でエンディングを迎えました。トワ先輩も捨てがたかったけど…。あとデュバリィさん、明らかにリィンに惚れてると思うんだけど、なんで彼女のエンディングはないんじゃい!
こんな可愛いヒロインを攻略できない不具合
過去作のメインキャラのみならず、閃の軌跡シリーズに登場したモブキャラも多くが続投していて、懐かしい気持ちになれます。ワールドマップも広くモブキャラの数も多い上に、いつも通り膨大なセリフ差分が用意されていて、ストーリーが進むたびにすべてのキャラに話しかけたくなります(し、話しかけました)。
バトル
シンボルエンカウント制。フィールドも広めで敵の密度も薄いので、戦闘を避けるのも容易ですし、不意打ちで有利に戦闘開始するのも難しくないので、総じてストレスはたまりにくいですね。ただ2周目向けに完全にエンカウントを避けられるアイテムはあってもいいと思いますが。
戦闘画面も基本は変わっていません。行動順が回ってきた順番に、「移動」「攻撃」「アーツ」「道具」などのコマンドを選択して戦います。選んだコマンドによって次の行動順が回ってくるまでの時間も変わる、変則的なコマンド制+ターン制です。戦闘に参加できるのは4人で、2人ずつペアを組んで戦います。その他1~3人は控えメンバーで、途中で交代が可能。
攻撃には、威力が低く射程も狭いが連発しやすい「通常攻撃」、威力が高く射程もほぼ無制限だが発動まで時間がかかり、回復しにくいEPを消費する「アーツ」(テイルズでいうと術)、威力が高く即時発動するがCPを消費する「クラフト」、CPを全消費するが極めて威力が高く、ターンに関係なく割り込んで使用できる「Sクラフト」を使い分けて戦います。その他クリティカルが出た攻撃に「追撃」したり、追撃によって貯まったポイントを消費することで、行動を消費せずに全員に有利な効果を付与できる「オーダー」や、高火力の攻撃が出来る「ラッシュ」「バースト」などの連係攻撃を繰り出すこともできます。
ようやくティオにSクラカットインが!…ってこれ立ち絵の流用じゃん(´Д⊂ヽ
今作も、「バーストゲージ」システムは続投しています。ゲージは攻撃を当てると減っていき、0煮なると敵がバースト状態になります。バースト状態だと、全ての攻撃がクリティカルになる、次の行動順が大幅に遅くなり、さらに行動不能など、かなりこちらに有利な効果が発生します。前作ではこれがあまりに協力で、一度バーストを起こすとそのまま押し切れることも多かったのですが、今回はバランス調整がなされてそこまで強くはなくなりましたね。なので若干爽快感は落ちているかも知れません。まあアッシュの即死攻撃が強過ぎるので、雑魚戦はそれを使えば問題ありませんけど。
今回のクオーツシステムは前作とほぼ同じです。パーティ人数が増えすぎて、マスタークォーツの取り合いで阿鼻叫喚になるかと思いましたが、今回からメインマスタークォーツは取り合いですが、サブマスタークォーツは無制限に装備できるようになったので、前作より帰って楽になりました。まあせめて2個ずつ入手できればよかったですけど。
総評
いつも通り、王道ファンタジーのお手本のような作品で、文句なしの名作です。ストーリー、バトル、キャラクターというRPG3大要素(あくまで私見です)にほとんど不満がなく、それでいてそれらがシステム的にもうまく結合されています。登場人物も多いですが散漫になっておらず、それぞれのキャラがそれぞれの立場で、それぞれの意思を持って行動しているのがよく分かる物語になっていました。
複雑な立場でしたが最後までリィンを支えてくれた善き魔女・エマ
トロコンの難易度はいつも通りくらいだと思います。攻略サイトか攻略本があれば問題なし。ポムっと!は苦手な人はちょっと苦戦するかも…
プレイ終了後のyukkun20の感想
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2018-11-17
Ⅲいつプレイ出来るかな…
英雄伝説 閃の軌跡II:改-The Erebonian Civil War-
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ストーリー
帝国宰相ギリアス・オズボーンの暗殺に端を発した貴族連合によるクーデターは、いつしか帝国全土を巻き込む内乱に発展していた。そんな中、貴族連合の手に落ちたトールズ士官学院から仲間たちの助けで脱出したリィン・シュバルツァーは、帝国北端のユミル山脈で目覚める。故郷まで帰り着いたリィンだったが、自分を逃がしてくれたⅦ組の仲間たちは行方が分からなくなっていた。折しも故郷も貴族連合の襲撃を受け、リィンの妹エリゼと、その親友で帝国皇女アルフィンが拐かされてしまう。リィンは仲間達と合流し、妹たちを助け出すため、旅立つのだった―
ということで、軌跡シリーズの最新作です。前作閃の軌跡Ⅰがクライマックスで終わってしまったため、今回は純粋な続編になっています。一応作中でも前作ストーリーを振り返ることは可能ですが、可能なら前作だけでもプレイしておいてほしいですね。
今回もストーリーは秀逸の一言です。というか、前回のエンドがどん底だったわけで、そこから這い上がるストーリーが面白くないわけがない。前半はⅦ組の仲間たちとの合流、後半は他の学院の生徒たちを集めながら帝国の各地を周り、虐げられている人々を解放していく展開で、前作で仲良くなった各地の人々と再会していく旅は本当に面白かったです。
ただ、今回ストーリーを手放しで褒められるかというとそういうわけでもなく、いくつか気になったことがあります。まず(これは軌跡シリーズ全体の問題なのですが)、作中で倒せるのはいわゆる表向きのボスで、全てを裏から操っている黒幕には全く手が届きません。ストーリーの展開的にもそうなんですが、実力的にも黒幕は主人公達よりはるかに高い位置にいるので、カタルシスがいまいち得られにくい展開になっています。ラスダンではそういった黒幕達が勢揃いして、バトルタワー形式(いわゆる階層ごとにボスがいるダンジョン)になってるんですが、じゃあ途中の黒幕達をどうやって突破するのかと言えば、味方サイドの超人達がピンチで颯爽と登場して敵を引き受けてくれるわけです。…熱い展開ではありますが、それを4連続でやるのはどうなんだよ。それに中ボスを倒せない主人公達がラスボスを倒しちゃう展開には若干引っかかるものを感じました。
あと内乱なのに、いまいち緊迫感がないのが気になります。これは人死にが少ないからですね。敵も味方も死なないですし、特に敵のボス達は基本的に手を抜いています。またお互い相手の実力を認めて敬意を払っている節があるので、なんとなく戦争というよりスポーツみたいになっちゃってるんですよね。特に○○○との決着に主人公が執着するのはわからなくはないんですけど、彼は基本的にテロリスト(で実際人も殺している)なのであんまり正々堂々の果たし合いに拘るのはどうなのかなぁ。
今回もストーリーは結構中途半端に終わります。前作ほどではなく、話は一区切り尽きましたが、さらなる謎も大量に撒かれてしまいました。Ⅲがどういう展開になるのか楽しみです。
システム
フィールドの美しさは前作と変わらず。今回は学院を離れたので、仲間たちもちゃんと私服になっていたのは良かったです。
前作は仲間はほぼ全員制服でしたが、私服になった今作は並んでいるだけで華やか。
前作でも言いましたが、声優も豪華だしイベントの質も高いので、パートボイスなのは残念です。特に同じイベントの中で声のあるキャラとないキャラがあるのは頂けません(というか主人公だけ声がないパートすらあるのはどうにかならんのか)。せめてメインだけでもフルボイスにしてほしかったですね。声優陣も非常にレベルが高かったのでもったいない。
今回からショートカットキーでデータベースにアクセス出来る機能は廃止されました。データベースの量が増えましたからこれはしかたないですね。しかし人物図鑑やモンスター図鑑、レシピ、釣り、書籍集めなど相変わらずコンプリート要素が満載なので、そういうのをちまちま集めるのが好きなyukkun20のような人にはたまらない仕様ですね。データベースが更新された時に即そのページにアクセス出来るようになってたらなおよし。
データベースが埋まっていくことに得も言われぬ快感を感じる…
サブイベントの網羅率も評価に影響するのでついついやりこんでしまいます
またいつでもセーブは本当にすばらしいです。長丁場のRPGだからこそこういうのは大事にしてほしいです。
あいかわらず会話ログ機能自体がないのは残念です。高速スキップモードでうっかり大事な会話を飛ばした救済のためにもこれは何とかしてほしい…。
また今回はギャラリーがありますが、スチル絵を見直せないのは残念です。しかし1週で基本的に一人しか見られない絆イベント(いわゆるデートイベント)も、特定のフラグさえ立てておけばイベント自体を見ていなくても見られるようになったのは超朗報です。
今作も高速スキップモードがあります。これはイベント&フィールド移動を2倍速で、戦闘は4倍速で進められるという代物。2周目の高速プレイに非常に役立ち、プラチナも楽々でした。
その他、ストーリーの展開に合わせてタイトル画面が変わったり、各地へのショートカットが充実して徒歩で歩き回らなくても良くなったりと、快適なプレイのためにいろいろ気を使ってくれている感じがしました。
前作は鉄道で移動していましたが、今作は飛行船で各地に楽々アクセス出来ます。
キャラクター
PCキャラは全部で18人。うち11人は中盤までに揃い基本的に離脱しません。残りの7人はストーリーの展開に合わせて加入・離脱し、最終ダンジョンでのみ全員が揃います。といっても前作で各キャラクターについては十分に描かれ、今作では前作ではあまり触れられなかったキャラにスポットが当てられているので、人数が多すぎて散漫になっているという印象は受けませんでした。ただしこのゲームは同じパーティに入っているキャラクター同士は絆が強化され戦力も上がるので、メンバーが揃った中盤以降はどうしてもメンバーが固定されがちでしたね。ただ、経験値補正がきちんとしているので、しばらく使っていないキャラをいきなり前線に入れても基本的に困ることはありませんでした。
前作から引き続き、今作も委員長ことエマと、サラ教官の2人を狙ってプレイしました。てっきりリィンはよくいる朴念仁キャラだと思っていたのですが、絆イベントは自分から告白したり、特定のキャラとハグしたりキスしたりと結構男の子らしいところも見せてくれて安心しました。最後の絆イベントでは明確に恋人関係になれるキャラも数人います。
1周目のヒロイン・サラ教官。大人の女性らしく、大きな責任を負ってしまったリィンを受け止めてくれました。
2周目のヒロイン・エマ。彼女はその立ち位置的にリィンの真のパートナーという気がする。
なお彼女の飼い猫の方がヒロイン力が高いという説も(笑)
そしてモブキャラたちも前作の設定を引き継いでいるので、前作でモブキャラにも話しかけまくっているほど、仲間に入ってくれた時の喜びもひとしおです。今回も台詞が定期的に変わりますので、こまめに話しかけるのが楽しい。またその中の数人には意外な展開が用意されていて、本当に一人一人のキャラが立っていると感じました。
バトル
シンボルエンカウント制。不意打ちを取るにはやや手間がかかりますが、前作と大差ないので慣れていれば問題ないです。オートバトルはなくなりましたが、今回は1周目ノーマルでも割と戦闘バランスがシビアなのと、高速スキップモードがあるのであまり気になりませんでしたね。フィールドも広めで敵の密度も薄いので、戦闘を避けるのも容易でした。
今回戦闘画面もマス目状のフィールドではなく普通のフィールドになりましたが、基本は変わっていません。行動順が回ってきた順番に、「移動」「攻撃」「アーツ」「道具」などのコマンドを選択して戦います。選んだコマンドによって次の行動順が回ってくるまでの時間も変わる、変則的なコマンド制+ターン制です。
戦闘に参加出来るのは4人。2人ずつペアを組んで戦います。
攻撃には、威力が低く射程も狭いが連発しやすい「通常攻撃」、威力が高く射程もほぼ無制限だが発動まで時間がかかり、回復しにくいEPを消費する「アーツ」(テイルズでいうと術)、威力が高く即時発動するがCPを消費する「クラフト」、CPを全消費するが極めて威力が高く、ターンに関係なく割り込んで使用できる「Sクラフト」を使い分けて戦います。その他敵の弱点を突くことで「追撃」したり、追撃によって貯まったポイントを消費することで「ラッシュ」「バースト」などの連係攻撃を繰り出すこともできます。今作ではさらに、HP/EP/CPを回復し、3ターン連続で攻撃出来る「オーバーライズ」が使えるようになりました。
必殺技は前作を引き継いでいますが、カットインは新規書き下ろし。
こちらはオーバーライズ。カットインは必殺技の使い回しですが。
今回のクオーツシステムは前作とほぼ同じです。前作のようにメンバーの入れ替わりが激しくないため、クォーツがしょっちゅう外されてしまうという問題はなくなりました。
戦闘バランス的には、さらに下がりました。味方が出来ることが増えれば増えるほどダメージ量がインフレしていくので、1周目の終盤から苦戦することはほぼなくなりました。特にロストアーツが猛威を振るい、ボスは全てそれだけで片付けられます。そして周囲のサポートが欠かせないとはいえ、ロストアーツ以上の火力を連発出来る主人公の強さは特筆すべきものがありました。
総評
いつも通り、王道ファンタジーのお手本のような作品で、文句なしの名作です。ストーリー、バトル、キャラクターというRPG3大要素(あくまで私見です)にほとんど不満がなく、それでいてそれらがシステム的にもうまく結合されていて、ファルコムの底力を改めて感じましたね。
トロコンの難易度は、割と楽だった前作に比べてももう少し楽になりました。もちろん軌跡シリーズらしく、期間限定要素満載なのですが、攻略本などできちんとチェックしながらプレイすれば、取得が難しいトロフィーはないと思います。前回は戦闘回数1000回が作業だ…と言いましたが、今回から600回で良くなったのでさらに○。つっても結局1300回くらい戦闘したけど。
次回作「閃の軌跡Ⅲ」は、来年1月の新作ラッシュを乗り切ったらプレイする予定です。
前作が面白かったのならプレイしないという選択肢はないです
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2018-09-10
JRPGをプレイする楽しさを教えてくれます。
英雄伝説 閃の軌跡 I:改 -Thors Military Academy 1204-
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ストーリー
ゼムリア大陸における二大国の一つ、エレボニア帝国では、伝統的な政治体制を守ろうとする「貴族派」と、平民出身の宰相オズボーンを中心とする「革新派」の対立が次第に高まりつつあった。そんな中、いずれの派閥にも属さない帝国皇子・オリヴァルトは、帝都近郊にある伝統的な士官学校「トールズ士官学校」において、才能ある若者達を集めた特科クラス「Ⅶ組」を立ち上げる。
自らの出自を知らないまま、シュヴァルツァー男爵家の養子として育てられた青年・リィンは、この春、トールズ士官学院の門をくぐり、Ⅶ組に所属することになる。大貴族の子女、大企業の跡取り、外国からの留学生など、個性的な面々が集められたⅦ組の生徒は、特別なカリキュラムを通じ、時に対立し、時に協力しながら学生生活を送っていく。しかし、帝国のうねりは、否応なく彼らを飲み込もうとしていた…
ということで、軌跡シリーズの最新作です。リベール王国を舞台にした空の軌跡3部作、クロスベル自治州を舞台とした零/碧の軌跡に続くシリーズになっています。舞台は一新されていますが、時系列的には零/碧の軌跡とほぼ同じ時期が描かれており、事件もリンクしていますので、そちらもプレイしておくと二倍楽しめると思います。
今回もストーリーが良かったですねぇ。リィンたちは士官学校の学生として、月の前半は学校内で授業を受けたり青春イベントをこなしたり、生徒会のお手伝いをしながら過ごします。後半は特別実習という名目で帝国の各地を巡り、そこで住民達からの依頼をこなしながら、帝国が直面している問題を観察し、時には介入して解決をしていくことになります。全体的に明るいトーンで話は進みますが、緊迫感のある場面ももちろんあり、バランスが非常に良く取れていたと思います。また、帝国各地をめぐる旅は、本当に架空世界を旅行しているような気分になる演出が随所に盛り込まれていて良かったです。思うにリベールもクロスベルも基本は徒歩移動だったのですが、今回は鉄道で移動するのでスケールの広さを感じますね。
仲間との関係を深める絆イベント。ボイスがなくて残念。
ストーリーは、かなり中途半端なところで終わります。まさか最後に主人公が叫んでエンディングとか予想もしませんでした。かなり大量の伏線も張り巡らされたままになっていますので、Ⅱは絶対プレイすべきですね。今回もラスボスの正体には驚かされっぱなしでしたけど、でも多分今回のラスボスはシリーズ通じてのラスボスじゃないんでしょう。そういう意味ではカタルシスは得られにくいかもしれません(もっとも、それが欠点にならないほどストーリーが練ってありますが)正体を隠しているキャラ、正体は明らかになっているものの目的を隠しているキャラも結構いそうなので、この先が楽しみです。
システム
今回からフィールドがドットではなくポリゴンになりました。キャラクターのモデリングも可愛いですし、シリーズおなじみの緻密な背景は健在でした。
アニメ調の表現も残しつつリアルな表情も描くいいバランス。
今回からパートボイスになってしまったのは残念なところ。しかも同じイベントの中で声のあるキャラとないキャラがあるのは頂けません(というか主人公だけ声がないパートすらあるのはどうにかならんのか)。せめてメインだけでもフルボイスにしてほしかったですね。声優陣も非常にレベルが高かったのでもったいない。
前作でも言いましたが、フィールドでもショートカットキーで、必要なデータベース(クエスト一覧、モンスター図鑑、人物図鑑、料理レシピ、釣り図鑑、書籍など)にアクセスできるところや、いつでもセーブができる仕様は本当にいいですね。セーブポイントを限定する仕様に何か意味があるのかと最近は思うようになってきました。
手伝いをしたり、課題を上手にこなすことでAPを集め、学生としてのレベルを上げていくシリーズおなじみのシステム。
あいかわらず会話ログ機能自体がないのは残念。また今回はギャラリーもないため、作中の印象的なスチル絵を見直せなくなったのも残念でした。
あと特筆すべき点として、高速スキップモードがあります。これはイベント&フィールド移動を2倍速で、戦闘は4倍速で進められるという代物。2周目の高速プレイに非常に役立ち、プラチナも楽々でした。
その他、ストーリーの展開に合わせてタイトル画面が変わったり、各地へのショートカットが充実して徒歩で歩き回らなくても良くなったりと細かい点まで気を使っている感じがしました。
タイトル画面。進行に合わせて登場するキャラクターや服装が変化する。
キャラクター
PCキャラは全部で13人。うち2人は中盤で加入、2人はゲスト加入です。さらに特別実習中はクラスが班分けでバラバラになるので、基本的には4~7人パーティとなります。主人公だけは固定ですが、その他のメンバーは上手い具合にローテーションしていくので、1周目はいろんなキャラを使いやすくなっています。これだけキャラクターがいるのに、それぞれの見せ場がきちんと心得られていて、どのキャラクターも非常に心に残る感じになっていました。
彼らは士官学院のクラスメートなので、最初はお互い面識がなく、また貴族と平民の対立などの影響もあったりして、関係は円満とは言えません。リィンはクラスの重心として、人間関係を取り持ち、時にはなだめ、時には煽りながら、自然とクラスの中心になっていく姿がじっくりと描かれていて、見ていて気持ちのいい主人公でしたね。彼も出生の秘密があるみたいなんですけど、それはⅡ以降ということで。
プレイ前はツンデレで中の人がほっちゃんのアリサが気に入ってましたが、実際にプレイしてみると、エマがよかったですね。委員長!お下げ!眼鏡!結局1周目はエマエンドでした。そして2周目はサラ教官エンドだったという…P5をプレイしても好きなキャラが千早とべっきぃなので、yukkun20はお姉さん風のキャラと、女教師キャラに弱いみたいです。でもまだ恋人関係になった!というレベルではなかったので、こちらもⅡ以降に期待。
後夜祭イベントでちょっと良い感じに。
相変わらずモブキャラたちのセリフもしっかりしていて、それぞれにドラマ性を感じます。というかもうモブキャラじゃなくてサブキャラといっても過言ではないのでは。1章の間に3~4回台詞が変わるので、そのたびに話しかけてしまいました。各PCにも、モブの中にライバルや因縁のあるキャラがいたりして、よくありがちな「主人公を中心とした人間関係しか見えない」ということもありませんでした。
バトル
シンボルエンカウント制。不意打ちを取るにはやや手間がかかりますが、慣れればなんと言うことはないです。オートバトルはなくなりましたが、今回は1周目ノーマルでも割と戦闘バランスがシビアなのと、高速スキップモードがあるのであまり気になりませんでしたね。フィールドも広めで敵の密度も薄いので、戦闘を避けるのも容易でした。
今回戦闘画面もマス目状のフィールドではなく普通のフィールドになりましたが、基本は変わっていません。行動順が回ってきた順番に、「移動」「攻撃」「アーツ」「アイテム」などのコマンドを選択して戦います。選んだコマンドによって次の行動順が回ってくるまでの時間も変わる、変則的なコマンド制+ターン制です。
攻撃には、威力が低く射程も狭いが連発しやすい「通常攻撃」、威力が高く射程もほぼ無制限だが発動まで時間がかかり、回復しにくいEPを消費する「アーツ」(テイルズでいうと術)、威力が高く即時発動するがCPを消費する「クラフト」、CPを全消費するが極めて威力が高く、ターンに関係なく割り込んで使用できる「Sクラフト」を使い分けて戦います。特にアーツは発動までに時間がかかり、その間に敵が動いてしまったり、あるいは詠唱をキャンセルする技を使われたりといいアクセントになっています。その他敵の弱点を突くことで「追撃」したり、追撃によって貯まったポイントを消費することで「ラッシュ」「バースト」などの連係攻撃を繰り出すこともできます。
リィンのSクラフト。刀使いがかっこよく刀を使えるゲームはいいゲーム。
こちらはラッシュ。カットインが使い回しなのは気にしない方向で。
今回はクオーツシステムが変わり、術を覚えるクォーツと、ステータスを上げるクォーツが完全に分離されました。一応キャラクターはステータスが偏ってくるので得意な戦術は決まってきますが、クォーツの選択である程度育成の自由度は確保されています。この辺りは前作とほぼ同じですね。ただ、メンバーの入れ替わりが多く、そのたびにレアクォーツが外されてしまうのには困りました。レアクォーツが貴重な1周目はともかく、2周目以降ほとんどのキャラはレアクォーツで固めることになるので、再加入の度に着け直さないといけないのがかなり手間です。せめて自動取り外しをON/OFF出来るようにしてほしかったところ。
戦闘バランス的には、過去作に比べると低めです。敵も強くなりましたが、それよりも味方のインフレの方が強いので相対的に敵が弱くなりました。特に今作はこれまでと状態異常の扱いが代わり、ボスなどにも通りやすくなっています。時に遅延(敵のターンが回ってくる速度を下げる)が非常に強く、大抵のボスにも通る上に、リィンが初期に取得するクラフトが範囲攻撃でなおかつ強い遅延がかかるという強力な技なので、基本的に遅延ゲーでしたね。
総評
いつも通り、がっつりした王道ファンタジーを楽しみたいなら文句なしに進められる作品です。ストーリー、バトル、キャラクターというRPG3大要素(あくまで私見です)にほとんど不満がなく、それでいてそれらがシステム的にもうまく結合されていて、全てのJRPGのお手本になるような作品でした。過去作で気になったバトルシステムの古さも概ね解消され、本当に隙のない作品になったと思います。
トロコンの難易度は、これまでのシリーズと比べても蒼Evoに並んで楽でした。もちろん閃の軌跡らしく、期間限定要素満載なのですが、攻略本などできちんとチェックしながらプレイすれば、取得が難しいトロフィーはないと思います。戦闘回数1000回が作業になる位かな…
次回作「閃の軌跡Ⅱ:改」も旅行から帰ったらプレイするつもりです。
JRPG好き、学園物好き、世界設定濃いめが好きなどの皆様にお勧めです
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2018-05-09
そろそろプラチナ50個が見えてきた(現在47個)。
英雄伝説 碧の軌跡 Evolution
プラットフォーム
PlayStation®Vita
ジャンル
ストーリーRPG
価格
【PlayStation®Vitaカード版】5,800円(税込)
【ダウンロード】 4,800円(税込)
公式
英雄伝説 碧の軌跡 Evolution
プレイ時間
1周目:85時間(イージー)
2周目:27時間(ナイトメア)
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2017-04-09
やっぱり王道とは良いものだ。
英雄伝説 空の軌跡 the 3rd Evolution
ジャンル:ストーリーRPG
価格:5800円(パッケージ版)・4800円(ダウンロード版)
公式:英雄伝説 空の軌跡 the 3rd Evolution
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ストーリー
前作で描かれた事件の収束から半年。秘密結社・身喰らう蛇の陰謀を潰し世界を救った一同も、元の生活に戻っていた。パーティの一人で教会神父でもあるケビンは、身喰らう蛇が残した遺物の調査のため、助手のリースと共に再びリベールを訪れる。しかし、ケビンとリースの前で遺物は突如光を放ち始め、二人は謎の異空間に転送されてしまう。同じくその世界に転送された仲間達と共に、ケビン達はこの事態の黒幕である「影の王」との決戦に挑むのだが―
というストーリー。
前作まででメインストーリーはひとまず終わり、今回はケビンを新たに主人公に据えたスピンオフ作品となっています。ストーリー立ては割とよくあるもので、RPG好きなら序盤でこの異空間の意味も、影の王の正体も当たりが付くのではないかと思いますが、だからといって陳腐な感じにはなっておらず、王道のストーリーを存分に楽しむことが出来ました。このシリーズについては毎回言っていますが、終盤の盛り上げ方が上手いですね。
またストーリー中にはミニエピソードとして、前作以降の仲間達のその後や、メインストーリーとは絡まない過去話などが描かれていて、シリーズファンにとっては必見です。お気に入りのキャラの新たな側面が見えると思います。
もっとも、ストーリーはあくまでFC、SCありきのものですので、過去作をプレイしていないとおもしろさは半減どころではないと思います。ぜひFCからプレイしてください。前作のエンディングデータを引き継げますし、今作はSCとシステムがほぼ共通なため、SCでの戦略がそのまま流用できますから、スムーズに世界観に没入できます。またFCでレベル1から鍛え始めたキャラが、今作でレベル140にまで成長するのは感慨深いものが。
システム
Evolution仕様になってますが、オリジナル版も十分システム的には洗練されていますので、特に問題はないと思います。
前作でも言いましたが、フィールドでもショートカットキーで、必要なデータベース(モンスター図鑑、依頼図鑑、料理レシピ、マップ)にアクセスできるところや、いつでもセーブができる仕様は本当にいいですね。
あいかわらず会話ログが会話中にも見られないのはどうにかして欲しいです(会話イベントが終わらないとログは見られない仕様)。
戦闘バランス的には前作までよりは楽だった気がします。パーティの強化幅と敵の強化幅に違いがありますので…。特に1周目は全然レベル上げしなくても、いくつかのボス戦以外はほとんど苦戦しないレベルでした。しかしながら難易度ナイトメアの特定のボスは、どうやって勝てばいいのか想像も付かないほどの強敵でしたので、戦闘マニアの方も安心です。
イベント時も、その時点でパーティに参加しているキャラによってかなり細かいセリフ差分があり驚かされます。
あとクリア特典のイラストギャラリーの充実ぶりが半端ないです。FC、SC、3rdで立ち絵のあったキャラのイラスト集(表情差分はありませんが、服装差分はあり)があります。またスチル絵も3作すべての分が収録された充実ぶり。特に僕はFC Evoをプレイしていないため、イラストをここで見られたのは本当に嬉しかったです。
キャラクター
PCキャラは全部で16人。前作の12人も大概でしたが、パーティは16人なのでさすがに多い感じがします。しかし散漫になるかと思っていましたけど、全然そんなことなかったですね。他のゲームにも見倣って欲しいところです―といいたいところですが、これはFCやSCで各キャラの背景がしっかり描かれていたのでそう感じるのでしょう。
どのキャラも一芸に秀でたところがあり、特定のキャラが強すぎるということもなかったように思います(まあ大佐は若干あれですが)。仮に使用頻度が偏っても、獲得経験値が、それぞれのキャラと敵のレベル差によって増減するシステムなので、レベルの低いキャラでも何回か戦ううちに問題なくなります。好きなキャラを好きなように使いましょう。基本的に主人公のケビンが補助型なので、あとは物理キャラ、術士キャラ、回復キャラなどをバランス良く入れてあげればいいです。クォーツの組み合わせ方でどのキャラも大体複数の役割を持てるので、パーティの編成自由度はかなり高いかと。
今作では、過去作で強い強いと言われていたあのキャラとついに戦うことが出来、自重しないファルコムオヤジの恐ろしさを思い知ることが出来ます。若者が世界を救うストーリーももちろんいいんですけど、こういう大人の世代がビシッと上を締めてくれているとやっぱり安心感やリアリティがありますね。
新キャラのリースも最初は食いしん坊なコメディエンヌかと思いましたが、仲間も姉も思いやれる素敵なヒロインでした。桑島法子さんもベテランらしい安定した演技で盛り上げてくださいましたね。
戦闘
シンボルエンカウント制。前記の経験値システムから、ある程度レベルが上がるとザコ戦は時間の無駄になるので、この仕様は助かります。こちらのレベルがある程度高いと、敵シンボルの方から逃げてくれるようになるため、さらに楽になります。ただし一つ問題があって、こちらが敵に近づく→敵がこちらに気づく→敵がこちらの方を向く→向いている方向に前進しながら方向転換してこちらから遠ざかっていく、と言う挙動を取るため、逃げ出し初めは必ずこっちに突っ込んでくることになるんですよね…。
戦闘画面はマス目上のフィールドになっていて、行動順が回ってきた順番に、「移動」「攻撃」などのコマンドを選択して戦います。選んだコマンドによって次の行動順が回ってくるまでの時間も変わる、変則的なコマンド制+ターン制です。
攻撃には、威力が低く射程も狭いが連発しやすい「通常攻撃」、威力が高く射程もほぼ無制限だが発動まで時間がかかり、回復しにくいEPを消費する「アーツ」(テイルズでいうと術)、威力が高く即時発動するがCPを消費する「クラフト」、CPを全消費するが極めて威力が高く、ターンに関係なく割り込んで使用できる「Sクラフト」を使い分けて戦います。特にアーツは発動までに時間がかかり、その間に敵が動いてしまったり、あるいは詠唱をキャンセルする技を使われたりといいアクセントになっています。クラフトはキャラクター依存ですが、アーツはかなり自由に覚えさせることができるので、育成の自由度はまあまあ。この辺りは前作とほぼ同じですね。
戦闘回数が多くなりがちなので、早送りやオートバトルが使えるのはありがたいです。ただし早送りはボタン長押しなので、そろそろボタンを長押ししなくても早送りできるようなシステムにして欲しいですね。
今作はボスが軒並み状態異常無効になっているので、ステータス低下の術技が輝きます。ただ終盤になるとそれすら効かないボスが結構います。前述の通り雑魚戦はあまり苦戦しないバランスのため、今作は物理で殴る方が楽な感じがしました。ただ終盤になると術士キャラも詠唱破棄のクォーツなどでかなり強くなりますし、ボス戦は補助や回復を入れないとどうにもならないバランスなので、戦略性は十分あると思います。
総評
4人パーティのゲームでPC16人というあまり見ない仕様ですけど、過去作で使用したキャラをそのまま使いたい!というファンの気持ちに答えた思い切った仕様になっていることは高く評価したいと思います。
続編ものなので単体での評価はやや下方修正すると思いますが、間違いなく名作だと思いますので、FC、SCをプレイした方にはぜひ楽しんでもらいたいと思います。
またEvolutionになるにあたり、オリジナル版では若干弱かったアネラスが装備により救済されているのはうれしいところ。特に中盤のアネラス無双はすばらしいので、彼女のファンはぜひプレイしてみてください。
今回は過去作に比べればトロコンは楽(取り逃し要素が少なめ)ですが、相変わらず宝箱コンプは辛いです。そろそろ開封宝箱の個数だけでも確認できるようにしてほしいんですけど…
相変わらずプレイ人数は少ない(PSNProfileによれば現在334名)のが悲しい…。ただこれほどプラチナ取得が大変なゲームにもかかわらず、達成率が3割超というのは、やはり熱心なファンが多いんでしょうね。1年前はSCのプレイ人数も400人以下でしたが現在は倍増してますし、今後も布教を続けていきたいと思います。王道RPG大好きな方、一緒にプレイしましょう!
ということで次回は零の軌跡ですね!あれもトロコンまで3周必要な上に取り逃し要素満載と言うことですので、プレイ時期は未定です!(え
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2016-04-29
ついに初めてプラチナトロフィーをあきらめることになる作品かと思いましたが、なんだかんだで結局プラチナ。でも面白かったので、言うほど苦行じゃなかったです。まあもうちょっと何とかして欲しい感はありますが。
英雄伝説 空の軌跡SC Evolution
ジャンル:ストーリーRPG
価格:5800円(パッケージ版)・4800円(ダウンロード版)
公式:英雄伝説 空の軌跡 SC Evolution
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ストーリー
情報部によるクーデターを阻止し、晴れて正遊撃士となったエステルとヨシュア。しかし、その晩ヨシュアは姿を消してしまった―。ヨシュアの失踪、そしてクーデターの陰で暗躍する影。その先が繋がっていることを知ったエステルは、再び仲間達とヨシュアを探す旅に出る。それは、王国中を騒がせる秘密結社「身喰らう蛇」との戦いの始まりでもあった―
と言うストーリー。
前作同様、世間を騒がせる秘密結社とガチンコ勝負、という王道ストーリーです。敵幹部もキャラが立っています。敵は様々な異能の持ち主で、一対一ではとても勝てないのですが、こちらはうまくチームを組んで総合力でぶつかっていくため、敵の強大さが最後まで薄れないのはいいですね。そして終盤の盛り上げ方はやはり見事。最終ダンジョンが、幹部たちが各階で待ち受ける塔、というのも、お約束ではありますがやはり盛り上がるものです。
ファルコムのRPGらしく、前作との繋がりもすごく意識した造りになっています。レベルや技も基本的に前作のものを引き継げますし、街の人たちのモブ会話も、前作の話を踏まえたものになっています。SC(Second Chapterの意味)のとおり、前作を遊んでいないとわからないことも多々あるので、ぜひFCからプレイしていただきたいです。なお続編としてthe 3rdもありますが、あちらは外伝的な話で、メインストーリーは本作できっちり完結しています。
システム
Evolution仕様になってますが、オリジナル版も十分システム的には洗練されていますので、特に問題はないと思います。
前作でも言いましたが、フィールドでもショートカットキーで、必要なデータベース(モンスター図鑑、依頼図鑑、料理レシピ、マップ)にアクセスできるところや、いつでもセーブができる仕様は本当にいいですね。一つ言えば、会話ログは会話中にも見られるようにして欲しいです(会話イベントが終わらないとログは見られない仕様)。
個人的には、クオーツの組み合わせを模索するのが楽しかったです。中盤までは適当にやっていて、ボスけっこう強いなぁ…とずっと思っていたのですが、中盤に本腰を入れて組み合わせを考え、戦術も「レベルを上げて物理で殴れ」じゃなくした途端に、ボス戦も安定して戦えるようになり、「ああ、これが戦術というものか…」と悦に入れるようになりました。まあ高難易度の終盤は、クローゼによる水属性アーツ祭りですが。
グラフィックも相変わらず精緻です。SDキャラも特徴をとらえてうまく動かしており好印象。
キャラクター
PCキャラは全部で12人+2人。さすがの多さです。今回は終盤エステルとヨシュアが強制加入と言うこともあり、使うキャラと使わないキャラの差が結構付きましたね(経験値はパーティキャラにしか入らない仕様)。とはいえ、獲得経験値が、それぞれのキャラと敵のレベル差によって増減するシステムなので、レベルの低いキャラでも何回か戦ううちに問題なくなるため、好きなキャラを好きなように使っていいと思います。相変わらずエステルが万能型なので、足りない役目を担わせるようにしてやれば大丈夫です。さすがに高難易度になるとクローゼやケビンなどの強キャラに頼ってしまいがちですが。
今回ちょっと残念だったのは敵キャラです。敵幹部は皆個性的ですし、味方キャラとも因縁があっていいんですけど、信念がなさ過ぎるんですよね。もちろん敵の中に一人くらい愉快犯とか戦闘狂とかいてもいいんですけど、全員それっていうのはどうなの。そんなわけで全く協調性もないので、戦力を逐次投入するという愚を犯したあげく、全員で乗り込んできた主人公たちに畳まれてしまうラスボスなのでした。
モブキャラにもほぼ全員名前がついていて、モブ台詞が深いのも相変わらず。今回はさすがに疲れて会話を全部回収するのはあきらめましたが、やろうとしたらもう20~30時間はかかるかも。
それからはっきり苦言を申したいのが中の人です。もちろんメインキャラは皆さんすばらしく文句はないのですが、サブキャラやモブキャラの中に時々ひどい演技の人が混じってます。それも本当の端役なら、「ああ、新人にチャンスをあげたんですね…」と温かく見守れるんですけど、メインキャラに次ぐようなポジションにいるキャラにそういう演技されると…。この人のやってる別の役ではそんな事なかったのに、なんでこれだけ。
戦闘
シンボルエンカウント制。前記の経験値システムから、ある程度レベルが上がるとザコ戦は時間の無駄になるので、この仕様は助かります。こちらのレベルがある程度高いと、敵シンボルの方から逃げてくれるようになるため、さらに楽になります。ただし一つ問題があって、こちらが敵に近づく→敵がこちらに気づく→敵がこちらの方を向く→向いている方向に前進しながら方向転換してこちらから遠ざかっていく、という挙動を取るため、逃げ出し始めは必ずこっちに突っ込んでくることになるんですよね…。それで何度戦闘に巻き込まれたことか。
レベル上げだけなら、各章にいるボーナスキャラとだけ戦っていても問題ないです。
戦闘画面はマス目上のフィールドになっていて、行動順が回ってきた順番に、「移動」「攻撃」などのコマンドを選択して戦います。選んだコマンドによって次の行動順が回ってくるまでの時間も変わる、変則的なコマンド制+ターン制です。
攻撃には、威力が低く射程も狭いが連発しやすい「通常攻撃」、威力が高く射程もほぼ無制限だが発動まで時間がかかり、回復しにくいEPを消費する「アーツ」(テイルズでいうと術)、威力が高く即時発動するがCPを消費する「クラフト」、CPを全消費するが極めて威力が高く、ターンに関係なく割り込んで使用できる「Sクラフト」を使い分けて戦います。特にアーツは発動までに時間がかかり、その間に敵が動いてしまったり、あるいは詠唱をキャンセルする技を使われたりといいアクセントになっています。クラフトはキャラクター依存ですが、アーツはかなり自由に覚えさせることができるので、育成の自由度はまあまあ。この辺りは前作とほぼ同じですね。
戦闘の早送りが出来るようになったのは助かりました。ボス戦でやるとうっかりATボーナスを取り逃してひどい目に遭ったりしますが…
前作の戦闘もなかなかでしたけど、今作の方が補助の比重が重く、戦略性があっておもしろかったです。シリーズもので前作の不満点を次回に生かせているのは名作の証拠。
総評
続編ものというのは決して珍しくないですが、ここまで世界をきっちりとつなげてある作品は珍しいですね。特にレベルや技を引き継いでいるというのは面白い。街やフィールドは前作のほぼ使い回しなのですが、ストーリーががっちり繋がっているため、前作と世界が共通なのは当たり前という認識が強くすり込まれるため、手抜きとは感じませんでした。モブもみんなキャラが立っているので、少し会話するだけで、あー前作も確かこういうこと言ってるキャラだったわ、と思い出せるのはいいですね。世界に入り込みやすくなります。
仲間との信頼関係も既に存在しているわけですが、そんな中で新規キャラのケビンや、道を違えたヨシュアなどのキャラがいいアクセントになっていました。エステルとヨシュアの恋物語もしっかりと進展しましたし、クローゼの成長や、アガットの過去、オリビエの正体、ジンの昔話など、それぞれのキャラごとに見せ場がきちんと用意されていたのも良かったです。最後親父がまとめて持って行ったのもファルコムらしいw
トロフィーは相変わらずかなり大変でしたね。ここだけはもう少し自重して欲しいです。特に宝箱コンプをやらせるなら、せめて開けた宝箱の数だけでも記録するようにして欲しいんですよね…そのほか、隠しイベント、隠し宝箱、隠しモンスターなどの要素が多すぎて、自力でコンプするのは至難だと思います。なのに公式攻略本がないとか何考えてんの!
それはさておき、人気タイトルと言うだけあってさすがの出来でした。あまりプレイ人数が多くなくて、PSNProfileでチェックしてもプレイヤーは400人以下なのですが(僕がプレイしたゲームで1000人を割っているのはこれだけ)、本当名作なので、RPG好きの方はぜひ!
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