2023-09-14
紛れもない三部作完結編。ところでこのシリーズ名って「秘密シリーズ」でいいよね!?
ライザのアトリエ 3~終わりの錬金術士と秘密の鍵~
プラットフォーム |
PlayStation®5, PlayStation®4, Nintendo Switch™, Steam® |
|
ジャンル |
錬金術RPG |
価格 |
- 通常版(パッケージ):8,580円(税込)
- 通常版(ダウンロード):8,580円(税込)
- プレミアムボックス:11,935円(税込)
- スペシャルコレクションボックス:22,550円(税込)
|
公式 |
ライザのアトリエ3 〜終わりの錬金術士と秘密の鍵〜 |
プレイ時間 |
1周目:97時間(プラチナ+DLC) |
スプラッシュ画面はこんな感じ
続きを読む(ネタバレ注意) »
ストーリー
- 王都での冒険から1年。フィーとの別れに落ち込んでいたライザも少しずつ元気を取り戻していた頃、クーケン島の沖合に、突如謎の群島が出現したというニュースが飛び込んでくる。群島が錬金術と関係があると考えたライザが島の調査をしていると、そこには大きな門があった。そして門の前で謎の声がライザに、「万象の大典」へやってくるよう呼びかけてくる。扉の先に群島をコントロールする者があると考えたライザは、仲間達と共に、扉を開く方法を探して旅立つのだった―
- 前々作「ライザのアトリエ」および前作「ライザのアトリエ2」の続編で、三部作の完結編です。今作は主人公続投で、これまでのように続編が出る度に前作主人公の弟子が主人公を引き継ぐという流れにはなっていませんが、これはこれでシリーズの安定感を出すのに一役買っていたと思いますし、今作のエンディングで再びライザが旅立つ理由に説得力も持たせることができていて、よかったと思います。
前作までの物語を振り返るムービーもありますが、できれば1からプレイしてほしいところ
- このシリーズは大体ストーリーラインが大味だと思うのですが、今作は三部作で広げた伏線を概ねうまく回収できていて、なかなか練られていた感じがあります。続投していたキャラクターの成長の描き方が前作ではやや不十分だと感じていたのですが、今作でもさらに成長したところを見ることが出来ました。特にライザは前作では錬金術士として、今作は人間として大きく成長していたところが描かれ、さらに好感が持てるようになりました新しい仲間もしっかりなじんでいました。今作は割と明確な「悪」が出てくるのでアトリエらしくないなと思いきや、最終的には錬金術の功罪というおなじみのテーマに落とし込まれていて、よかったと思います。個人的には前作のような考察のしがいがあるストーリーも好きですが、今作のように綺麗に収まるストーリーも好印象でした。
- またライザの師匠であるアンペルの、門を巡る旅も一段落が付いたのが良かったですね。アンペルは前々作でも前作でもある種完成された人間として描かれていましたが、今作は弟子のライザが立派になったこともあって人間的な弱さや過去についても話題に上るようになり、さらに人間としての魅力が増したと思います。
こんなこと言ってますが、キースグリフとはまた違うタイプの、偉大な師匠でした
システム
-
- 全体について
- ストーリーの良さに反して、システムについては言いたいことがいろいろあります。特に今作はこれまでのシステム全部のせ+新しい鍵システムのっけ盛りになっていて、非常に把握するのに苦労しました。そもそもアトリエシリーズは調合という太いシステムが特徴なので、そのほかのシステムは控えめにしないと胸焼けしちゃうんですよね。序盤は新しいシステムを呑み込むのに時間がかかり、ストーリーの牽引力も弱めだったことがあって先に進めるのにかなり苦戦しました。基本的にこのゲームは終盤の方が圧倒的に楽しいのですが、今作は序盤と終盤との差が看過できないくらい大きかったのは残念でした。「ぷに育成」「ラムロースト」「種栽培」「多彩なフィールドアクション」「料理」「霊獣」「見聞録」「ランダムクエスト」「ロール」「コアクリスタル」…本当に全部が必要ですか?
メニュー画面が洒落ている(この画面自体がキャラクターをセレクトするメニューになっている)のはいいですよね
- 探索について
- 前作ではフィールドの時間の概念の使い方があまり良くないとか、ファストトラベルが不便すぎるとかいろいろ言いましたが、本作ではその点はかなり改善されていたと思います。時間も一部の敵やサブイベントの出現に影響するくらいで、あまり気にせずプレイすることができましたし、ファストトラベルのアクセスポイントも十分な数が用意されていたと思います。
グラフィックも相変わらず美しいですね
-
- ただ今回からオープンワールド制になったのですが、正直アトリエにオープンワールドはあってないと思います。そもそもアトリエは素材を採取できるフィールドは明確に決まっているので、フィールドの区切りはむしろはっきりしているべきなんですよね。そして例によって何の説明もなくオープンフィールドの真ん中に放り出され、行き先もあまり分からないまま探索範囲を広げていくというのは、好きな人は好きなのかもしれませんがyukkun20には合いませんでした。あとマップもいくつかのエリアに区切られていて、そのエリアに存在するランドマークに到達するとそのエリアの地図が全て見えるようになるというシステムなのですが、これもランドマークが見つかるまで地図のない道をうろうろしなければならず微妙にストレスの溜まる仕様でした。せめて通ったところは地図上でも見えるようになり、ランドマークを見つけたら全部見えるようになる、という古のシステムで良かったんじゃないですかね。アトリエのフィールドは探検の対象じゃなくて、アイテムを入手するための場所だって何度言えば分かるんだよ!(超個人的意見
ジップライン↑とエアスライドは存在意義が謎
- 鍵について
- 今作で導入された「鍵システム」は、様々な力を持つ鍵を生成して冒険を便利に進めるというものなのですが、鍵でできることが多すぎて、かなりわかりにくいです。そもそも鍵の生成は、フィールドアクションとして生成するか、戦闘中のアクションとして生成するかの2パターンあります。この全く違うパターンで同じ鍵ができる理由は一応あるのですが(DLCのサブイベント参照)、本編プレイヤーは知ったこっちゃないのでまずそこで混乱します。次に1本の鍵は最大で4種類の効果を持つことができますが、その効果も「キャラクターに装備させることでステータスを変化させる」「戦闘中に強力な効果を発揮する」「調合中に使用することでアイテムに有利な効果を与える」「フィールドで使用することで結界を解除したりアイテムを入手したり出現する敵を変化させたりできる」とバラバラで、しかもそれぞれについて実際にスキルは数十種類ありとても全部把握できない上に、どの効果が付くかはランダムということでもう何が何やら。きちんと理解できなくてもクリアに支障は無いんですけど、ちょっとモヤモヤします…
- 調合について
- 今回も前回のシステムを引き継いでいるので、とっつきやすく感じましたね。…鍵のことを除けばですが、通常の調合は基本的にこれまでと同じですが、投入する素材の種類が限定されたのと、投入できる素材の個数制限が緩くなったことで、割と新しいアイテムをガシガシ作っていけます。アイテムリビルドは一度調合したアイテムに追加で素材を入れることで、さらにアイテムを強化することが出来ますが、このときには品質は変化しません。ということは、高品質のアイテムでとりあえず高品質なアイテムを作成し、そこに低品質だけど強力な効果を持ったアイテムを入れてリビルドすることで、簡単に高品質・高効果のアイテムが作れるようになっています。特性の合成もない上に、最強の特性が簡単に手に入るのも○。ただし鍵やらリンクコールやら付随するシステムがその簡便さを損なっているのは否定できないというか、正直その辺なくても良かったんじゃないですかね…鍵、リンクコール、リビルド、超特性など完成品を強化するシステムが多すぎます(特にリンクコールは説明不足すぎるし正直ない方が良かったくらい)。
- とはいえ中毒性のある調合システムは健在ですね。終盤は賢者の石を番版複製してボンボン投入することで強力なアイテムをどんどん作れるのでリアルで数時間アトリエで釜をかき混ぜ続けるのもしょっちゅうでした。
キャラクター
- PCキャラは全部で11人と比較的多めですが三部作の最後だから仕方ないですね。今作も全員パーティに入れることが出来、そのうち3人を前衛(実際に戦闘を行う)、2人を後衛(途中で前衛と交代可能)、残りの6人は控えになります。今作も前衛後衛の区別はなく、編成は完全に自由です。
- 前々作からのキャラが6人、前作から1人、今作から4人。パーティももちろん仲がよく、前々作の悪役から前作でツンデレに変身していたボオスもすっかり常識人になって臭い台詞まで吐くようになってしまいました(笑)前作から引き続きタオへの恋心があふれて止まらないパティは相変わらず魅力的なキャラでした。
恋心隠そうともしなくなってきたなw最後報われて良かった。なおツインテールをポニーテールにしたことだけは絶許。
- 今作から登場したキャラだと、カラさんがよかったですね。いわゆるロリBBAですがお茶目であまり年長者っぽいところもなく、それでいて普段は飄々としていながら感情の起伏も大きくて、目が離せませんでした。終盤はパティとカラをパーティに入れて楽しませてもらいました。
仲間思いのいい子…じゃなくて仕事から逃げたいだけだろw
- あと久々にサブキャラにはまってしまいました。アンナ・ミランダちゃんです。エクストラトークで「陰キャ」って言われてましたけど全然そんなことなくて、等身大で、フェデリーカのことを心配する素敵な女の子でした。今野宏美さんの声であんなしゃべり方されたらそりゃ惚れちゃうよね(yukkun20はサモンナイト2のミニス役以来今野さんのファンです)。ところでサブキャラと言えば今作パメラさん…じゃなくてパミラさんの扱いぞんざいすぎん!?
意外とミーハーなところもあるのがかわいい
- 今作はいろんなキャラクターの成長が描かれていましたが、中でもライザの成長がちゃんと描かれたのが良かったと思います。正直1や2のライザは錬金術士の才能は超一流ですが、人間的にはまだまだ未熟で、思うがままに突っ走っていく感じがあったのですが、今作では自分のことを心配してくれる家族や、島の発展のことを考えている指導者層の心情にも思い至ってきちんと配慮ができるようになっていましたし、仲間達のことを心配するだけではなく的確なアドバイスができるようになりましたし、新しく加入した仲間達には先輩そしてきちんと頼りがいのあるところを見せてくれるようになって好感度がぐっと上がりました。そりゃディアンも「ライザ姉」って呼ぶわ。
機転の効かせ方も一流にw
- あと1のキロが再登場したのも嬉しかったです。…セリとクリフォードさんも出してあげてほしかった(笑)DLCで出ると思ったのに。そういえばフォウレのトレジャーハンターが昔組んでた相手ってクリフォードさんのことですかね。
戦闘
- シンボルエンカウント制です。今作はレベル差に関係なく敵はこちらを見つけると寄ってきますが、霊獣に乗っていると逃げていってくれるようになっていたのはよかったと思います。最も霊獣の移動速度はもっと速くてもいいと思いますが。また前作ではフィールドの解像度が上がったせいでキャラと背景の密度が近づいてしまい、敵を見落とすことも多くなったと言いましたが、今作はそのあたりの問題は改善されていました。
- 今作も一応ウェイトターンバトルですが、コマンド選択中に時間が止まらないため、リアルタイムバトルに近いです。しかも前作ですらやることが多くて忙しかったのに、今作もタイミング良く通常攻撃やスキルを繰り出してつなげなければならず、できることも通常攻撃、スキル、フェイタルドライブ、オーダードライブ、シフトスキル、アイテム使用、キーチェンジ、キーメイクなどやれることも多岐に及んでいて慣れるまでかなり時間がかかりました。しかも相変わらずチュートリアルも不十分だった気がします。そして戦闘に慣れても結局やることは強力な爆弾を投げつけるだけなので…
- 前作同様、雑魚戦が非常に冗長です。戦闘の流れは概ね、戦闘開始→通常攻撃でAPをためる→APを消費してスキルを使い、CCをためる→CCを使ってアイテムを使う→通常攻撃で…、というサイクルになっています。そのため開幕即爆破というわけにもいかず、特に序盤は戦闘が面倒くさくなりがちです。
- ただ戦闘時演出は相変わらずスキップできないものの、演出自体はかなりコンパクトにまとまっていて、前作ほどリアルタイムバトルのサクサク感が阻害されているとは思いませんでした。総じて戦闘はまあまあだったと思います。
フェータルドライブ(必殺技)にカットインがあるのはやっぱり嬉しい
総評
- そんなわけで、前作のまずいところは大きく改善されたものの、改善されれば全部盛ってもいいって訳じゃないんだよなぁという感じでした。特に序盤はかなり面白みが少なく、本当にどこが面白いんだ…と思いながら進めていました。その反面中盤以降は毎日数時間プレイするくらい面白かったので、全体としてみれば十分合格点なのですが。
- それはさておき、結局アトリエシリーズで一番大事なのは調合ですが、今作でもその中毒性は健在です。必要もないのにアトリエにこもって賢者の石を大量に錬成したり、巨大な竜を一撃で爆殺するやばい爆弾を開発したり、敵から受けるダメージより自動回復するHPの方が多い防具を開発したりしているとあっという間に時間が過ぎていきました。これがある限り、次回作以降もプレイする予定です。…次回作?次々回作か。
« 続きを隠す
2022-04-29
4年ぶりの不思議シリーズですけどプラフタこんなにかわいかったっけ!?
ソフィーのアトリエ2 ~不思議な夢の錬金術士~
プラットフォーム |
PlayStation®4, Nintendo Switch™, Steam® |
|
ジャンル |
錬金術再生RPG |
価格 |
【PS4版】【NSW版】【Steam版】
通常版・DL版:8,580円(税込)
プレミアムボックス:11,935円(税込)
スペシャルコレクションボックス:23,100円(税別)
Digital Delux版:9,900円(税別)
Digital Delux with Season Pass版:14,740円(税別) |
公式 |
ソフィーのアトリエ2 ~不思議な夢の錬金術士~ |
プレイ時間 |
1周目:68時間(トロコン)
DLC:+2時間 |
スプラッシュ画面はこんな感じ
続きを読む(ネタバレ注意) »
ストーリー
- 故郷の村キルヘン・ベルを離れ、相棒のプラフタと共に、プラフタが人間に戻る方法を探して、そして祖母のような公認錬金術士になるため、旅をしているソフィー。ある日訪れた大樹の前で、突然空間に穴が開き、ソフィーとプラフタは吸い込まれて離ればなれになってしまう。ソフィーが流れ着いたのは、人々の夢幻によって形作られた世界、エルデ=ヴィーゲ。そこでソフィーは、プラフタと名乗る少女、そして自身の祖母と同じラミゼルという名の女性と出会う―
- というわけで、完結したと思っていた不思議シリーズが帰ってきました。時系列としては第1作ソフィーのアトリエと第2作フィリスのアトリエの間を描いています。時が止まった不思議な世界で、前半は離ればなれになったプラフタ探しを、後半はエルデ=ヴィーゲで起こる問題の解決を目指すストーリーになっています。
- 今回のストーリーは個人的には微妙な感じでした。作中でピリカも言っていましたけど、この世界はすごく都合の良すぎる世界で、全然リアリティを感じなかったというのが一番大きいでしょうか。これだけの大きな街を維持していくには行政とか防衛とかきちんと組織が必要だと思うんですけど全然そんなものはないし、自分の夢を追求したい人間ばかりが集まっているからもっともめ事とかあっても良さそうですけどそんなでもないし…
- 錬金術で問題を解決していくのはいつも通りなんですけど、今回は過去作の中でも群を抜いて錬金術の万能性が際立ってましたね。その世界の神でもどうにもできない問題を鮮やかに解決できるって、それはもう神様を越えてるんじゃ…。そんなソフィーが時系列的にはエンディング後に公認錬金術士の試験を目指しているとか、いまいち感情移入できませんでした。
遠くの場所どころか時間も次元も隔てたところとつながるとかやばすぎる
- それからこの世界にはソフィーから見ると過去の世界から来ている人間がいる(プラフタとラミゼル)のですが、今プラフタが過去プラフタに、未来の情報をあまり与えないようにしている(未来が変わる可能性がある以上それが自然だと思います)のに、ソフィーはラミゼルに対してそのあたりが結構ぞんざいなのも気になりました。ソフィーの時代にはラミゼルは死んでるって、本当に言っちゃって良かったんですかね…
- ただ、要所要所でレベルの高いエピソードもありました。過去プラフタが、未来のことを教えてくれない今プラフタにやきもきしつつも、最後きちんとした結論を出す所とか、エンディングでソフィーがラミゼルに…というところとか。個人的には不思議シリーズはメインストーリーの牽引力でガンガン転がすタイプのゲームではないので、ストーリー全体としてみるとさほど悪くはなかったと思います。いつもの不思議シリーズが好きなら楽しめるんじゃないでしょうか。
久々の温泉&水着イベントも(男もあるよ)
システム
- 調合について
- アトリエシリーズと言えば調合。今回は不思議シリーズの正統進化という感じで、調合自体の難易度はかなり高いと思います。効果レベル、効果レベルの上限、錬金成分の形状、リンク、協力スキル、触媒、特性、特性の合成、品質…と考えることが多過ぎます。これが3作目のリディスルの直後に出ているなら受け止め切れたかもしれませんが、ライザの比較的楽な調合や、ルルアのコンパクトなシステムに慣れたミニは少々重かったです。…といっても錬金釜をひたすらかき混ぜる中毒性は健在です。今回も一度錬金術の前に立つと、延々何時間も素材をどうはめ込むかで試行錯誤を繰り返していました。
- レシピについて
- 今作は、特定のアイテムの入手や戦闘中の行動などによって、レシピを順次ひらめいていくようになってるんですけど、これも結構手間でしたね。レシピが解放できる状態にならないとそもそも解放条件が表示されず、条件判定も行われません。なので条件が判明してから、以前のフィールドに戻ってすでに山ほど持っているアイテムを採取したり戦闘で同じ行動を繰り返したりするという事が結構ありました。必要なアイテムの入手先は図鑑に書いてあるのですが、これがかなり概括的な記載しかなく、しかも本作は天気によって地形や採取物や出現する敵が変化するため、探し出すのも一苦労でした。
図鑑からダイレクトに調合画面に飛べるともっといい…気がする
- その他について
- 今作もキャラクターエピソードは充実しています。基本的にメインエピソードの進行に従ってフラグが立つ(過去作にあったような、行動を共にして友好度を上げるシステムではない)ので、メインエピソードが一段落するたびに大量にイベントが起こり、それを消化するとしばらく何も起きない…というのはちょっと残念でしたけど。
- あとエピソード完結時のスチル絵がなくてちょっと悲しい。あれある時はそんなに大切なものだと思っていなかったのですが、なくなって初めてあれを楽しみにしていた自分に気づいてしまいました。予算の都合なのかもしれませんけど…
- クリア後のおまけももちろん充実です。特に今回キャストコメントに反訳文が付くようになったのはちょっとうれしくなる改良でした。でもBGMのライナーノートがないんだよな…やっぱりこれも予算なんでしょうか。ゲーム中の図鑑では、アイテムやモンスターの一つ一つにソフィーとプラフタの掛け合いによるコメントが付いていて、今回も手を抜かずに作ってるなぁと思っていただけに、少し残念でした。
アトリエシリーズお約束で、いつも楽しみにしています
-
- あとUIが今回はいつにも増して気になりました。今回はソフィーとプラフタで錬金を分けてるんですが、「錬金術士を選ぶ→アイテム」を選ぶ方式になっているので、目当てのアイテムが見つからなくてイライラ…ということが非常に多かったです。アイテムを作成するために調合するんだから、「アイテムを選ぶ→錬金術士を選ぶ」とすれば解決するのに…。またマップはアイコンが見づらい(種類が違う物を同じアイコンで表示するのはやめろ)し、家庭菜園はどの種をまいたか確認できないし…クエストの対象になったアイテムやモンスターがマップ上に表示されるようになったのは良かったけど、褒められるのはそこくらいかな。
キャラクター
- PCキャラは6人。今作は前衛3人+後衛3人でパーティを組むので補欠はいません。前衛と後衛はツインアクションによって常時入れ替わりながら戦うため、あまり前衛後衛の区別は大きくありません。強力なアイテムが使えるソフィー、デバフを使いこなし、最終的には最大火力になるプラフタ、錬金術士なのに物理が強いラミゼル、タイムカード発行と素早さ特化のアレット、火力が高く器用に立ち回れるオリアス、防御能力が高いのに火力も頼れるディーボルトとどのキャラもそれなりに強く、戦闘は結構楽しかったです。
- ソフィーは相変わらず、錬金術の無限の可能性を信じ、いつも明るく前向きないい子でした。前述の通りもはやその腕前は神も越えていると思うんですが、そんな彼女に臆せずダメ出しできるプラフタ、どんだけ錬金術に通じてるんだ…(; ・`д・´)ゴクリ
他人の悪口を言ったり、うじうじ悩んだりしないのも彼女のいいところ
- そんなプラフタの若い頃を垣間見られたのはよかったですね。変な口グセと若さ特有の万能感を見た今プラフタが羞恥に悶えている所は思わず笑ってしまいました。yukkun20も過去の日記を読むとそんな気持ちになりますorz
生暖かい目で見守ってあげましょう
- 今回ディーボルトはかっこよかったですね。彼は元騎士でありながら、騎士としての行き方をやめた人間なのですが、騎士としての誇りを胸に抱き続け、最後は再び騎士として剣を握るという物語になっていて、その苦悩が深く描かれていたのが良かったと思います。メインストーリーだけでは彼の本当の良さはわからないと思うので、ぜひキャラエピソードを最後まで堪能してほしいですね。
戦闘
- シンボルエンカウント制です。今回はフィールドの広さに余裕がありますし、主人公の移動速度も快適なので、エンカウント事故はほとんど無くなりました。
- 戦闘の難易度はまあまあです。レベル上限が50と低い(レベル上げしなくても終盤には到達します)ですし、図鑑埋め以外の目的でザコ戦を積極的にこなす必要はあまりなさそうです。ただボス戦はかなり壁として有能なので、やはり装備もアイテムもある程度作り込んでおかないと苦戦すると思います。最終的にはプラフタのトワイライトプリズムでどんな敵も焼却できるのですが、それは最終盤なので…
トワプリは発動時の演出もかっこいいので好き
- 戦闘はアトリエお馴染みのウェイトターン制のコマンドバトルです。キャラクターの取れる行動も、通常攻撃、スキル、防御、アイテムくらいでしょうか。ただし各キャラは戦闘中に溜まるゲージを消費して、ツインアクションを繰り出すことができます。これは前衛にいるキャラが任意の後衛キャラと交代しつつ、両方のキャラが攻撃するというもので、単純に火力を倍にすることができますし、キャラによっては入れ替わり先のキャラにバフをかけることもできます。また敵の攻撃を後衛と入れ替わって受けてもらうことで、柔らかいキャラも安全に戦えたりできます。
前衛と後衛がタッグで放つ「デュアルトリガー」は相変わらずの超演出
- また今作は敵に「オーラ」というものがあり、それを破壊しないとまともにダメージを与えられないようになっています(ただしツインアクションで後衛からでて来たキャラは、そのときだけオーラを貫通できるので、強引に倒すことも可能)。実は一部のアイテムを除くと、攻撃回数を増やした通常攻撃がオーラ削りには有効なので、通常攻撃にも十分な出番がありました。武器の調合時は通常攻撃回数を増加させておくのがお勧めです。ザコも平気でオーラをまとってくるのはちょっとうっとうしいのですが、上記の通りザコ戦の回数が少なめなのと、戦闘速度を2倍まで上げることができるので、さほど負担には感じませんでした。
総評
- 不思議シリーズですが、過去作とのつながりはほとんどないため、これまで全くプレイしたことがない方でも全然問題なく楽しめると思います。第1作「ソフィーのアトリエ」のストーリーを簡単に振り返るムービーも付いているので安心です。他方で過去作のキャラはソフィーとプラフタ以外登場しないため、過去作キャラのファンはちょっと物足りないかも。
懐かしのシーンも振り返れます
- 全体的に愚痴が多くなってしまいましたけど、グラフィックの美しさや、戦闘時のキャラアクションの充実など見るべきところもあるんですよ。なんだかんだで今作も毎日2時間くらいプレイして一気にクリアしてしまったですし、やっぱりアトリエの調合が好きなんだよな…。とはいえ不思議シリーズはいつもストーリーの荒さが気になってしまうのですが、今回もその流れからは逃れられていなかった気がします。次回はストーリーにも力入れてほしいなぁ。
今作から用語集がついたのは高く評価したい。こういうの大好き。
« 続きを隠す
2021-08-28
2015年からプレイしているアーランドシリーズもようやくコンプ。
ルルアのアトリエ ~アーランドの錬金術士4~
プラットフォーム |
PlayStation®4, Nintendo Switch™, Steam® |
|
ジャンル |
新約錬金術RPG |
価格 |
【PS4】【NSW版】【Steam版】
通常版・DL版:8,580円(税込) |
公式 |
ルルアのアトリエ 〜アーランドの錬金術士4〜 公式サイト |
プレイ時間 |
1周目:58時間
プラチナ:+5時間 |
続きを読む(ネタバレ注意) »
スプラッシュ画面はこんな感じ
ストーリー
- アーランド共和国の辺境の村アーキュリス。そこに住む錬金術士の少女・メルルは、偉大な錬金術士である派はロロナのような錬金術士になるため、師匠ピアニャの元で錬金術の修行に明け暮れていました。そんなある日彼女は、一冊の本と出会います。彼女にしか読めないその本―アルケミリドルは、彼女が困難にぶつかる度に、その行くべき路を指し示す不思議な本でした。―
- というわけで、一度は完結したアーランドシリーズの続編です。作中では時代が明言されていませんが、第1作ロロナのアトリエからは21年後(と言ってもロロナのアトリエは4年間の物語なので、実質的にはエンディングの17年後)、第2作トトリのアトリエからは13年後(トトリのアトリエは5年間の物語なので、実質的にはエンディングの8年後)、前作メルルのアトリエからは7年後(メルルのアトリエは5年間の物語なので、実質的にはエンディングの2年後)の世界が舞台です。今回は全3作と違って時間制限はなく、前半は錬金術の修行、後半は友人の救出という大目標が与えられているだけです。アルケミリドルの出す課題をこなしながら進めていくところはロロナのアトリエに近いかも知れませんね。
- 今回はストーリーがやや薄味だったと思います(前作のメルルが濃いめだったので)。今作はどちらかというと主人公がもっと大きな存在(と言っていいのかは微妙ですが)に引っ張られて進んでいくスタイルでしたし、また中盤からはちょっと変わった物語になるのですが、アーランドシリーズでは以前にも似たような展開があった(ロロナの延長戦)ので、もう少し濃い味付けでもよかった気がします。ただアトリエはメインシナリオは大体薄味なので、これは無い物ねだりかも知れません。
- ルルアは初代主人公のロロナの娘ということで、父親が誰かやきもきしていましたけど、ちょっと肩透かしなオチでした。というかこの話、ステルクさんとサブイベントを進めないと話題にすら挙がらないんですよね。てっきり出生の秘密でドロドロした展開もあるかな…と思っていたのですが、ロロナもルルアも本当にいい子でアトリエらしい爽やかな物語になっていて安心しました。でもロロナエンディングはちょっとひどくない?w
ピアニャに預けてた期間が長すぎませんかね!?
システム
- 調合について
- アトリエシリーズと言えば調合。今回は全3作とは大きく変わっていて、全3作よりは複雑になっています。特性の合成とか久々に復活しましたし、覚醒効果という新しいシステムも導入されています。ただ覚醒効果のおかげで、特性の融通が利きやすくなり、目当ての特性の付加されたアイテムを求めて延々ドラゴン狩り…みたいなことはしなくて良くなりましたね。採取も調合も、全3作よりはコンパクトになっていると思います。
- とはいえほしいアイテムを求めて錬金釜をひたすらかき混ぜる中毒性は健在です。
- 今作も戦闘の難易度は高めで、中盤から装備とアイテムをそれなりに作っておかないと、ザコ戦はかなり苦労します。ボスは中盤まで強いのはいないんですが、中盤過ぎたあたりで出てくるボスが本当に壁なので、それまでには調合を一通りマスターしておいた方がいいでしょう。アイテムの複製も復活し、お店の品揃えも良くなったのと、装備の更新があまり頻繁ではない(インゴット/クロース系の種類が少ない)ので、横着せずにこまめに調合することで、結果的に戦闘に費やす時間を減らせるはずです。まあ最終的には一撃必殺のオメガクラフトでザコはどうにでもなるけど。
理想の完成品から素材を逆算しているとあっという間に時間が経ちます
- アルケミリドルについて
- 今作は、アルケミリドルを解読していくのがメインシナリオのフラグになっています。アルケミリドルに書かれているヒントから条件を導き出し、その条件を満たすことで解読し、新たな採取地や新たなレシピを習得出来るようになっています。
- ヒントが若干ざっくりしているものもありますが、この作は図鑑がわりとしっかり作られていて、足りない原材料がどこで獲れるのか、どのモンスターが持っているのか、そのモンスターはどこにいるのかなどかなり調査がはかどるようになっていたので、詰まるところはほぼありませんでした。逆にもっと複雑でもいいんじゃないかなーと思ったんですが、よく考えたらこれを複雑にしたのがライザ2の遺跡関係のシステムだ。あのシステムはyukkun20お気に入りなのですが、ルルアあってのライザ2だったんですね。
こういうのは自分で進めている感が出るので好きです
- その他について
- 今作もキャラクターエピソードが非常に充実しています。中盤過ぎくらいでエピソードが完結してしまって、あとはあまりイベントが起きない…ということも多いですが、今作は終盤までずっとイベントが詰め込まれていて、本当に楽しかったです。DLCでロロナとメルルのイベントが大幅に追加されたのはうれしかったですね(ボイスはないですが)
オーレルは初対面の印象が最悪でしたが、尻上がりにかっこよくなりましたね
-
- 過去作に登場したマップを回れるのも地味にうれしかったです。今回はアーランド、アールズも訪れることが出来て、懐かしい建物とかそのままになっていますし、前作までに登場した採取地も回れるので、過去作をプレイしていると楽しめると思います。ただ町から町へワープするアイテムがあるんですが、いちいちワールドマップにでないと使えないのはちょっと面倒でした。終盤になるとあちこち町を移動して買い物したりイベント起こしたりしないといけないので…
- クリア後のおまけももちろん充実です。キャストコメントとBGMのライナーノートはこのシリーズには欠かせませんね。
キャラクター
- PCキャラは8人+DLC2人。今作は前衛3人+後衛2人でパーティを組みます。前衛が直接戦闘し、後衛2人がサポート兼交代要員という感じでしょうか。相変わらずアイテムが使える錬金術士(主人公4人とピアニャ)の面々が強いですが、武器が大砲というヤバすぎる幼馴染みエーファ、序盤から全体攻撃が使えるフィクス、序盤から高火力のオーレル、手数が非常に多いニコ、そして満を持して登場する皆勤賞のステルクとどのキャラもそれなりに強く、好きな組み合わせでプレイすればいいと思います。
ついに師匠とその弟子とその弟子とその妹弟子とその弟子がそろい踏み
- 今作の主人公のルルアは最初、「なんか声がイメージと違う…」と思ったのですが、進めていくとすごく明るく元気で前向きで、応援したくなるかわいいキャラに仕上がっていてあっさりファンになってしまいました。今となってはあの声じゃないと(*´Д`)ハァハァ
ロロナ、トトリ、メルル、ルルアと全員異なるキャラクターなのですが、全員本当魅力的な主人公だと思います。
自覚がないって怖い(ルルアは超が付くカレーマニア)
- まあでも一番かわいいのはピアニャ師匠なんだけどな!師匠なのにすごくノリが軽くて、それでいて弟子のルルアのことをしっかり信頼していて、ほんといい子に育ったなーと思います。声もなんかもにゃもにゃした感じ(表現が主観的すぎる)でyukkun20は大好きです。
yukkun20の言い訳名言録に刻んでおきます
- あとすごい冒険者のサイン集めが趣味のイエルチェさんや、シリーズではお馴染みのパメラ嬢もよかったですね。二人にはもっと出番あげてほしい!
家賃払えなくて困ってましたが、そもそも彼女は雇われ店長だったはずでは?
- ただ、せっかくアーランドシリーズの続編として出たのに、過去キャラの扱いがちょっとぞんざいな気がしました。もちろん全員出せと言うつもりはないんですけど(立ち絵用意するのも大変そうだし)、過去作でPCだったのに、話題にすら挙がらない人も多いし、過去作キャラ同士の絡みも少なめで、続編でやっている意味が少し薄いような気がしました。フィクスが過去作とのつなぎ役かと思ったんですけどそんなこともなかったですし…(というかフィクス(の本体)って過去作では被害者じゃなくて純然な加害者じゃなかった?)アラフォーどころかアラフィフになったエスティさんとか、ステルクの弟子のジーノくんとか、アールズの面々とかどうなったのか知りたかったな…。あ、ギゼラ(トトリの母)を嫌う理由が一つ増えましたねw
- 過去作のイベントシーンは立ち絵が表示されるタイプでしたが、今回から完全に3Dモデルが動くタイプになっています。yukkun20は立ち絵タイプも好きなのですが、本作は3Dモデルに2次元絵では不可能なコミカルな動きをさせていたりして、表現の幅が大きく広がっていました。3Dモデルに移行するならこれくらいやってほしいですね。
こういうのは3Dモデルならでは
- あと今作はちょっとモブ(あと一部のメインキャラ)の演技のレベルが気になったかな…アトリエは声優の選定もきちんとしているイメージがあるんですが。
戦闘
- シンボルエンカウント制です。今回はメルルの移動はさらに快適になって、エンカウント事故はほとんど無くなりました。
- 戦闘難易度は高めと言いましたが、今回トロコンする上で一番強いキャラはラスボスなので、過去作ほど装備やアイテムを作り込まなくても大丈夫です。ただ中盤以降のザコのHPが非常に高くて、過去作のつもりでプレイすると痛い目見るかもしれません。時間制限ないので全滅しても痛くはないのですが…。
後衛に置いておくと輝くピアニャ師匠
- 戦闘はアトリエお馴染みのウェイトターン制のコマンドバトルです。キャラクターの取れる行動も、通常攻撃、スキル、防御(錬金術士はこれに加えてアイテム使用)くらいです。ただ錬金術士はインタラプトといって、行動に関係なく割り込んでアイテムを使用出来るシステムが採用されたので、戦略的な幅が広がったと思います。蘇生アイテムを持った錬金術士を後衛(敵の攻撃が届かない)に配置し、前衛が死んだらインタラプトで蘇生アイテムを投げるだけで戦線を安定させることが出来ます。
今回の必殺技もはっちゃけてます。でもトトリのちむレンジャーがいなくなった…
総評
- アーランドシリーズなのに過去作との繋がりが薄めだったのは残念でしたが(ただ3作からかなり間が空いて、新規客も取り込む必要があったでしょうから、事情は理解出来ます)、いつものアトリエが好きな方には(アーランドシリーズをプレイしてなくても)オススメ出来ます。またリオネラ、ミミ、ケイナ、パメラなど続投しているサブキャラもいますので、シリーズファンにももちろんオススメです。
ミミちゃんは相変わらずトトリの尻に敷かれてます
- 現在ナンバリングタイトルが22(ライザ2のこと)まで出ていますが、今作で13作、つまり半分以上はプレイしたことになりますので、そろそろシリーズファンを堂々と名乗っていいでしょうか。これからもシリーズを楽しみにしています。そろそろネルケ2作ってくれてもいいのよ?
たーる!!!
« 続きを隠す
2021-02-14
紛れもない正当続編。ところでこのシリーズ名って「秘密シリーズ」でいい?
ライザのアトリエ 2~失われた伝承と秘密の妖精~
プラットフォーム |
PlayStation®4, PlayStation®5, Nintendo Switch™, Steam® |
|
ジャンル |
錬金術RPG |
価格 |
- 通常版:8,580円(税込)
- ダウンロード版:8,580円(税込)
- Digital Deluxe版:9,955円(税込)
- Digital Deluxe with Season Pass版:14,465円(税込)
- プレミアムボックス:11,935円(税込)
- スペシャルコレクションボックス:26,873円(税込)
|
公式 |
ライザのアトリエ2 〜失われた伝承と秘密の妖精〜 |
プレイ時間 |
1周目:67時間(プラチナ) |
続きを読む(ネタバレ注意) »
スプラッシュ画面はこんな感じ。
ストーリー
- あの夏の冒険から3年。島に残り、子供たちの教師となっていた錬金術少女・ライザは、自身の錬金術に行き詰まりを感じてもいた。そんな夏のある日、王都に留学したタオから来た手紙をきっかけに、彼女も王都へと旅立つ。タオから「王都の近くに錬金術と関係してそうな遺跡がある」と聞いた彼女は、再び心躍る冒険の旅に出る。そしてそこで不思議な生き物と出会うのだった―
- 前作「ライザのアトリエ」の続編と言うことになります。今作は主人公続投ですが、これは長いアトリエシリーズでも始めてのことですね。前作はアトリエシリーズの知名度を一気に高めた作品でしたし、終わり方も続きを匂わせるような展開だったので、正解だったと思います。
- 今回のストーリーですが、前作同様、全体的なストーリーラインはやや大味な感じはあります。初っぱなからオチが見えているような話で、あまり予想外の展開もなく、落ち着くところに落ち着いた感じがありました。あと錬金術が万能技術過ぎて、ストーリー的に詰まるとライザが錬金術を使って超絶解決!という展開が多すぎたのもちょっと残念でした(タオは多少知識で役に立ってましたけど)。ほかのキャラクターの成長ぶりも見たかったですね。
- 遺跡探索というありがちなモチーフでありながら、終盤まで遺跡探索自体が目的、というのは珍しく、要所要所では面白い展開もありました。遺跡にちりばめられた謎はぼんやり流しているだけだと全体像がつかめず(これは好き嫌いあると思いますが)深く読み込んで初めて理解できるようになっていたのもyukkun20好みでした。
- ただ今回キャラクターイベントがあまり…何というか、こっちもライザに頼りっきりな人たちが多いです。錬金術は、自分で壁を乗り越える人を後押ししてあげるくらいでちょうどいいと思うんですよね。今回パティは自分の力で頑張ってたと思いますし、セリはそもそもライザをあまり頼っていませんが、あとの面々(とくにNPCたち)はなぁ。
貴族のお嬢様。しかし貴族のたしなみだからって武器が大剣なのは勇ましすぎるw
システム
- 調合について
- 今回は前回のシステムを引き継いでいるので、とっつきやすく感じましたね。通常の調合は基本的にこれまでと同じですが、投入する素材の種類が限定されたのと、投入できる素材の個数制限が緩くなったことで、割と新しいアイテムをガシガシ作っていけます。アイテムリビルドは一度調合したアイテムに追加で素材を入れることで、さらにアイテムを強化することが出来ますが、このときには品質は変化しません。ということは、高品質のアイテムでとりあえず高品質なアイテムを作成し、そこに低品質だけど強力な効果を持ったアイテムを入れてリビルドすることで、簡単に高品質・高効果のアイテムが作れるようになっています。特性の合成もない上に、最強の特性が簡単に手に入るのも○。特に今作は、強力なアイテムを調合していること前提の戦闘バランスなので、システムがわかりやすいのはよいことだと思います。(※ただし、最初から開いているマテリアル環を埋めないとアイテムを完成させられない、という点について説明がなかった気がする。)
- あと錬金術レベルが廃止されました。ライザは前作以降も錬金術の訓練を続けていたという設定なので、錬金術レベルが1に戻るのはおかしいですから、これ自体はよかったと思います。代わりに「アトリエの場所が変わって器具も十分ではないので、慣れるまでできることが限られている」という設定になっていましたね。レシピやスキルは、調合や冒険の過程で手に入るSPというポイントを消費して、ツリーに沿って取得している形式に変わりました。
ただこれまで錬金術レベルは、その時点で採取できる素材と、その時点で調合できるアイテムのバランスをコントロールする役割を持っていましたが、そのコントロールが効かなくなったせいで、「苦労してツリーの先の方にあるレシピを取得したのに、それを調合するための素材を採取できる場所がない!」という悲劇に度々見舞われました。
レシピとスキルは分けてもよかったのではないかと思う。
-
- 今回高品質のアイテムは、畑で栽培・採取することになります。このシステム自体はいいんですが、畑がアトリエから結構遠いのが大変でした。しかも植えてから採取までは2日かかるのですが、ベッドで眠る時間は調整できないので、高品質の種を複製する→アトリエから畑に向かう→10カ所手作業で種をまく→アトリエに帰る→朝まで寝る→朝まで寝る→畑に向かう→10カ所手作業で採取、というかなり面倒な作業を繰り返させられることになります。前作ではアトリエ内で完結していたのに、なぜ畑にした…
- といっても前作はシリーズ最高の調合システムでしたが、今作もそれと同じ評価でいいと思います。終盤は品質999のアイテムを作っているだけで楽しく、リアルで数時間アトリエで釜をかき混ぜ続けるのもしょっちゅうでした。
- 遺跡探索について
- 今回の目玉のシステムです。冒険する遺跡には、先人の残したアイテムや思念、構造物などが置いてあり、そこから情報を集めていきます。「探究手帖」を開くと、集めた情報を虫食い穴にはめられるようになっているので、ヒントを元に情報をはめ込んでいきます。きちんとはまると、はまった複数の情報を元にライザが新しい情報を引き出してくれたりして、単純ながらも謎を解いているという興奮を味わうことができました。
これが探究手帖。6つの遺跡に隠された謎は、すべて一つにつながっています。
-
- ただ、遺跡に置かれている情報は最初は見えなくなっており、その遺跡で一定の条件を満たすと見えるようになります。遺跡は3マップ構成なのですが、その条件を満たせるのは大抵2マップ目の終わり頃なので、そこまで行くとまた1マップ目から情報探しを繰り返さないといけません。後述しますが本作は戦闘が冗長で、探索はあまり快適とは言えない状態だったので、このあたりは賛否両論なのは理解できます。ただyukkun20的には、これは演出として十分受け入れられるものだったと思います。
- また情報をコンプリートしても、すべての謎が解けるわけではなく、意図的に謎のままになっている部分もあります。そういう部分をいろいろ考察するのも楽しかったので、個人的にはこのシステムをさらに改良していって、次回作以降に生かしてもらいたいですね。
- その他について
- フィールドでは時間の概念がありますが、あいかわらずあまりうまく使えてないような。今作も時間帯による変化があまりなく、NPCのイベントフラグくらいにしか影響がないです。フラグが出たり消えたりしてうっとうしいので、もういっそのこと時間帯の影響は景色が変わるだけにしてもいいと思う。あと明るいイベント中に土砂降りだったりするとリアルのテンションに影響します。
- ファストトラベルもマジでいい加減にしてほしいレベル。今回もアクセスポイント制なんですけど、ポイントが1マップ1つ(しかも端っこ)なのですごく不便です。おまけにマップは段差や障害物が描かれていないので役に立ちません。特に序盤は、ものすごく広大なフィールドにぽつんと放り出され、だだっ広いのですぐ道に迷うし、どうやってもたどり着けない場所があったり(が、そこにたどり着くのに何かアイテムがいるのか、それとも探し方が悪いのかはわからない)して、序盤は特にフィールド探索が苦痛に感じるレベルでした。中盤以降慣れてくるとまあいいのですが…。ところで前人未踏の遺跡を探索しているのに、フロアに入った時点で地図が完成しているのはどういう理屈なの?今回ばかりはマッピングシステムを導入してもよかったと思います。
- というわけで前作をそのまま引き継いでいるという感じでした。
ステータス画面もしゃれてますよね。
キャラクター
- PCキャラは全部で7人。今回、パーティ編成でキャラをおけそうな場所が13枠あったのでどうなるんだ…と思いましたが、結局いつもの同じでしたね。今作も全員パーティに入れることが出来、そのうち3人を戦闘メンバー、1人をパートナー(途中で戦闘メンバーと交代可能)、残りの3人は控えになります。今作から前衛後衛もなくなったので、編成は完全に自由です。
- 今回はアトリエらしく善人ばっかりでしたね。パーティももちろん仲がよく(レントが若干やさぐれてましたけど)、前作は悪役ポジション(途中からライバルポジション)だったボオスもすっかりアトリエの水に染まったただのツンデレ野郎になってましたし(笑)クリフォードもCVから裏切りを警戒しましたが、ザ・竹本英史っていう感じの深みのあるおっさんでよかったですね。ただ、イベントがこれまでのような友好度依存ではなく、時間経過で発生するようになったのはちょっと残念だったかな。ただのフラグに何言ってんのと思うかも知れませんが、友好度依存だと、普段から戦闘パーティに入れているキャラはイベントの進行も早かったりして、ちょっとしたリアル感があったんですよね。今回はどのキャラもほぼ同じ速度でイベントが進むのでなんだか味気ない感じがしました。面倒くさい意見ですみません。
- 今回新規加入したパティことパトリツィアはかわいかったですねー。発売前から目をつけていたとおりのかわいさでした。特に誰にも恋愛感情を持たないライザとセリ、ライザしか見てないクラウディア、色恋沙汰に縁がないNPCたちを差し置いて、一人で今作の恋愛成分を補充してくれました。ちょっとツンデレっぽいところもあり、家のために自分を押し殺すけなげさもあり、父親と反目しつつもきちんと尊敬しているお嬢様らしいところもあり、CVも大空直美さんだしで、ライザ1、2の中で一番好きなキャラです。
ばれてないつもりのパティたんカワイイ
- ただ今回、ライザが遺跡探索をしているのに、遺跡そのものに対する配慮がないのがちょっと気になりました。まあアトリエの主人公たちは大体遺跡なんて材料採取ポイントとしか思ってないし、冒険をしているうちに解いちゃいけない封印を解くのもお約束なんですが…。今作は、遺跡がなんかやばいもの…というか、3年前にライザたちが苦労して倒した敵を封じていることには、最初から気づけたと思うんですよね。なのに明らかに封印の要っぽい(実際要だった)水晶を、何のためらいもなく破壊して回っている(しかもその動機は、「フィーが元気になったように見える」というだけ)のはちょっと気になりました。その軽率な行動の結果、アンペルさんがいなかったら王都が滅亡しててもおかしくないくらいのピンチを招きましたし。
- あと、せっかく仲間たちとフィーとの関係を時間をかけてしっかり描いたのに、別れの葛藤があっさりしていたのも少し残念な気がしました。それこそ錬金術で超解決策探せば(結果的に見つからなくてもいいので)よかったんじゃないかな…と思う。
戦闘
- シンボルエンカウント制です。今作はレベル差があると敵の方から逃げていきますが、ダンジョン探索中は大抵適正レベルなのであまり意味なし。あとフィールドの解像度が上がった弊害なのですが、キャラと背景の密度が近づいてしまい、敵を見落とすことも多くなった気がします。いい加減エンカウントキャンセルシステム搭載してくれないかなぁ。
- 今回戦闘難易度は高いです。何カ所かそれまでの敵と比べものにならない中ボスがおり、そのたびに装備やアイテムを更新しないとだめだと思います。後述するとおり本作はリアルタイムバトルに近いのですが、基本はあくまでコマンド式なので、ステータス差を戦闘技術でひっくり返すことはできません。
- 今作もウェイトターンバトルですが、コマンド選択中に時間が止まらないため、リアルタイムバトルに近いです。しかも今作は1ターンにやらなければならないことが多く、またターン待ち中もキャラクターの交代や攻撃のガード、アイテムの使用などやることが多くて、非常に忙しいです。なのに最初から解放されているシステムが多く、慣れるまでかなり時間がかかりました。続編だからなのかも知れませんが、チュートリアルがもう少し丁寧でもよかったと思います。
- あと(ボス戦はともかく)雑魚戦が非常に冗長です。戦闘の流れは概ね、戦闘開始→キャラクターたちが走って配置につく→通常攻撃でAPをためる→APを消費してスキルを使い、CCをためる→CCを使ってアイテムを使う→通常攻撃で…、というサイクルになっています。敵のHPも多めですし、前述の通り戦闘は結構忙しいので、だんだん戦闘自体面倒になってきます。ライザのステータスを上げ、強力なアイテムを開発すれば、開幕即爆破でよくなりますが、それができるのは中盤も過ぎたあたりなので、それまではかなり戦闘が冗長に感じました。ちなみにPCたちは、提示された条件を満たすことでスキルを習得するなどして強くなるのですが、提示された条件が戦闘に関するものだったりすると、開幕爆破ではほとんど条件を満たせないので、そういう意味でもシステム同士がちぐはぐな感じがしました。まあアイテムを完全に強化すれば、ライザが爆弾3つ投げるだけで雑魚でもボスでも倒せるので、仲間を強化する必要はほぼありませんけど…。そのせいで、他のキャラ(特に物理キャラ)は完全に割をくってましたね。
結局初期CCを唯一3まで上昇させられるライザ一強。なおこのコアエレメントシステムも説明不足な気がする。
- 戦闘時演出がやや長く演出もスキップできないので、リアルタイムバトルのサクサク感が阻害されているのもいつものこと。
必殺技よりちゃんと調合した爆弾の方が普通に強いのはご愛敬。
総評
- そんなわけで、よいところも欠点も、前作をそのまま承継しているという感じでした。ある意味正当続編。ちょっと愚痴が多くなりましたが、前作もかなりいい作品でしたし、今作も同じくらいは楽しめました。でも続編だから、やっぱり明確な改良点が見たかったのもまた事実。特にアクセスポイントの問題は本当になんとかしてほしいです。演出上の意味もないし、何でかたくなに改善しないのか…。
- それはさておき、結局アトリエシリーズで一番大事なのは調合ですが、今作でもその中毒性は健在です。必要もないのにアトリエにこもって賢者の石を大量に錬成したり、人間の3倍くらいある鉄のゴーレムを一撃で爆殺するやばい爆弾を開発したりしているとあっという間に時間が過ぎていきました。また今作は久しぶりにパティというお気に入りキャラもできたので、そういう意味でもプイレイしていて楽しく、不満点はありますがそれを補ってあまりある魅力もあった作品だと思います。
- 次回はどうなるんですかね。ライザたちの物語は一区切りついたような気もしますが、投げっぱなしになっている伏線もあるので、もしかすると続編あるかな?いずれにせよ楽しみに次回を待とうと思います。
« 続きを隠す
2020-09-19
アーランドシリーズがこんなに面白かったとは…プレイが遅れたのが悔やまれます。そしてプラチナ70個目達成!
メルルのアトリエ ~アーランドの錬金術士3~ DX
プラットフォーム |
PlayStation®4, Nintendo Switch™, Steam® |
|
ジャンル |
新約錬金術RPG |
価格 |
【PS4】【NSW版】【Steam版】
通常版・DL版:5,280円(税込) |
公式 |
アトリエ 〜アーランドの錬金術士1・2・3〜 DX 公式サイト |
プレイ時間 |
1周目:25時間
2周目:52時間 |
続きを読む(ネタバレ注意) »
スプラッシュ画面はこんな感じ。
ストーリー
- アーランド共和国から遠く離れたアールズ王国。5年後にアーランド共和国との合併が決まっているこの国の最後の王女―メルルは、国内開発のためアーランドから招聘されたトトリに錬金術の手ほどきを受け、錬金術士を目指すことになる。王女として開発の陣頭指揮を執るメルルに、父親は錬金術を使って3年の間に開発を成功させれば、メルルが錬金術士の道へ進むことを許そうと条件を出した。果たしてメルルは3年間でその目標を達成できるのか―
- というわけで、前々作ロロナのアトリエからは14年後(と言ってもロロナのアトリエは4年間の物語なので、実質的にはエンディングの10年後)、前作トトリのアトリエからは6年後(トトリのアトリエは5年間の物語なので、実質的にはエンディングの1年後)の世界が舞台です。今回も、3年後までに国内人口を30000人にするという大目標が与えられているだけというトトリのアトリエに近いスタイルですが、トトリと違ってメインストーリーが比較的濃厚で、農地の整備、軍事施設の建設、鉱山の再開発、かつて開発を阻害した要因の除去と、きちんと設定を生かしたストーリーが用意されていました。それでいてキャラクターエピソードが薄いと言うこともなく、まさにアーランドシリーズの集大成という感じでした。
- まあ国の合併とか開発とかってこんな単純な話ではないと思いますけど(特に国民が手放しで喜んでいるのは、いかにもアトリエっぽいという感じ)、このゲームはこれでいいと思います。ドロドロした政治劇とか国民の争いとか、このシリーズでは見たくないですし。
システム
- 調合について
- アトリエシリーズと言えば調合。今回もロロナ・トトリと大きく変わってはいません。最近の調合システムに比べると単純で、せいぜい特性と品質くらいしか気をつけることがありません。ただ今回はワールドマップが小さくなったので、採取にかかる時間はコンパクトになりましたが、反対に調合にかかる時間が増えた感じがあります。
- 今作は戦闘の難易度がかなり高く、今までは装備かアイテムのどちらかを作り込めば隠しボスまで楽勝でしたが、今作は両方作り込まないととてもトロコンできないレベルです。しかしアイテムを複製する手段が乏しいので強力なアイテムを作るのは結構大変です。他方で装備作りを究めるとすごいお金がかかります。隠しボスに勝てるまで頑張ると、素材集めと調合と金策で1年以上かかったりもするので(今作は全部で3年+延長2年)、素直に周回しましょう。どうせトロコンには2周必須ですし。まあ極めようとすると2周でも足りないんですけど。
- その他について
- 今作もキャラクターエピソードが非常に充実しています。中盤過ぎくらいでエピソードが完結してしまって、あとはあまりイベントが起きない…ということも多いですが、今作は終盤までずっとイベントが詰め込まれていて、本当に楽しかったです。フラグも緩めで、友好度も上げやすく、普通に進めているだけでガンガンイベントが起きる賑やかさは健在です。
- ワールドマップが狭く採取地も少なめですが、ストーリーを進めていくと開発に合わせて採取地の景色が変わっていったり、ワールドマップ上に建物が建ったりして、国が発展しているという感じを強く得ることが出来て面白かったです。
- 目立った欠点はなく、システム的にも良作だったと思います。これまでの作品と少し違うテイストを入れながらも正統進化したという感じでした。
- もちろんクリア後のおまけも充実しています。キャストコメントとBGMのライナーノートはこのシリーズには欠かせませんね。あとBGMの「錬金少女メルルのうた」がいろんな意味でヤバすぎるので(昭和のノリが)、作中で聞いていない方はぜひお聞きください。アマプラなら無料ですよ。
キャラクター
- PCキャラは全部で13人。今作もメルル+2人でパーティを組みます。どのキャラもそれなりに強く、本編をクリアするだけであれば自由に組み合わせを決めていいと思います。幸い控えにもEXPが入るようになりましたし。
- 今作の主人公のメルルは王女らしからぬ気さくな元気少女で、国民からも慕われています。王女でありながら尊大だったり物知らずだったりすることもなく、師であるトトリや尊敬すべき周囲の大人から素直に教えを請い、父親との関係もよく、安心してみていられる主人公でした。
まあとりあえずカワイイは正義
- 登場人物の多くがあまりにメルルにぞんざいなしゃべり方をする(きちんと敬意を払っているのは、メイドのケイナと宰相のルーフェスくらいでは…)のが少し気になりましたが、それも彼女の人徳と理解すればまあ。
- 前作はトトリの母ギゼラのキャラ立てがどうにもこうにもと言いましたが、今回はロロナの師匠アストリッドのキャラ立てが…。いや、この人はロロナのときからそういう性格なのは分かってるんですけど、今回はストーリーのもう一つの柱にがっつり絡んでいるので無視することも出来ず、結構辛かったです。この人が(ほぼ)不老不死というのは、アーランドの未来にすごく暗い影を落としていると思うのですが…「魔女のお茶会」エンドヤバすぎません?
- しかしロロナのアトリエから14年も経っているので、当時の大人はいい年に、当時の少年少女も既に20代になっている訳で、彼らの再登場はうれしい反面…なことも。特に敏腕騎士エスティさんは当時26歳で、結婚できないことをいじられていましたが、今作では40歳(もちろん未婚)になっていて、もう笑えないよ…。え?ロロナも30歳!?ウソだっ!
ステルクさんの厨二病は悪化してましたw
- 前作で気になったキャラクターモデリングも、今作では非常に可愛くなっていて、岸田先生の設定がきちんと生かされて。反映されるようになりましたね!ペーターは前作のモデルが流用されているから可愛変わらずアレでしたが、出番が少ないからOK。
OPもこの美しさ。ちなみにこういうシーンはゲーム中にありません。どゆこと?
- 個人的には、主人公のメルル、トトリに対するツンデレキャラとして大成したミミ、今作で「恋多き女」の属性が追加されたパメラあたりが好きでした。
相変わらずの美しさ&声のかわいさ
戦闘
- シンボルエンカウント制です。今回はメルルの移動やジャンプなどがかなり快適になり、敵シンボルをよけるのもずいぶん楽になりました。
- 戦闘難易度は高めと言いましたが、大変なのはボス戦だけで、ザコはあまり問題ないレベルです。今作はストーリー上必ず倒さないといけない強敵はいない(ラスボスすらいない)ので、エンディングにたどり着くのは問題ないでしょう。ただ全てのエンディングを見たり、トロコンを目指したりすると大変ですが…幸い装備は周回しても引き継げるので、1周目に強力な装備を作り込んでおく(できれば無限回廊を余裕で周回できる程度)と2周目余裕が出来ます。
- 戦闘はアトリエお馴染みのウェイトターン制のコマンドバトルです。キャラクターの取れる行動も、通常攻撃、スキル、防御(トトリとロロナはこれに加えてアイテム使用)くらいなので、戦術的にはあまり取れる幅はありません。そういう所もアトリエらしくて、個人的には高評価です。今作は各キャラの戦闘ユニットとしてのバランスも良く、好きなキャラでパーティを組めばいいと思います(ただ、一番強いのは多分ライアス+トトリですが)。
必殺技演出も相変わらず個性的w。「ビッグ・ちむ」ってなんだよw
総評
- 今作は自由度でいうと、トトリとロロナの中間くらいで、いいバランスだったと思います。ロロナ、トトリどちらのファンにもお勧めできます。話としてはロロナ→トトリ→メルル→ロロナ延長戦なのでどれからプレイしてもいいと思いますが、往年のアトリエファンにはぜひ全部プレイして欲しいですね(どの口で
前作までのあらすじムービーもあります。
- 今作は2周必須だったので、アトリエシリーズにしてはプレイ時間が長めでした(過去作は大体60時間程度)が、だれることなく一気にプレイできました。アーランドシリーズはどれも本当に面白くて、アトリエシリーズを再評価することが出来ました。ライザ2にも期待していますし、ルルアのアトリエも早めにプレイしたいですね。
おまけ
トロコン時の装備&アイテムの紹介。ちなみに以下のサイトが参考になりました(というかこのサイトまんまですが)。
- メルルはパーティの命綱。誰の攻撃を食らってもほぼダメージを受けない鉄壁。あとは一人でアイテムを投げていれば勝てますが、それでは時間がかかりすぎるので、仲間は火力重視で。
トトリの装備(ライアスも同じ)。毎ターンHPが激減するのですぐ死にますが、「命の言霊」でターンが回ってくる度に復活するので無問題。ライアスで火耐性を下げ、トトリのスキルで攻撃すれば1~2万ダメージくらい安定して入ります。アクセサリは品質101以上必須。
無限メテオールは、上は最初に投げるデバフ用、下はダメージ優先の攻撃用です。
神秘のアンクは使用した仲間の行動順を早められます。武器の「影の言霊」で全員2回行動になっているので、メルルやトトリは、1回目で攻撃し、2回目で自分にアンクを使えば、実質無限に行動できます。神秘のアンクは特性が主効果にあまり影響しないようなので、特性は適当でも行けます。品質も自動充填なので、101を超えたらパメラ屋に登録しておきましょう。
メルキシル剤はHPとMPの回復量がそこそこあり、特性を価格が下がるものにしておけば1個25コールで買えるので非常に経済的。上記装備ならメルルは死なないし仲間は生き返るので回復アイテムを持ち歩く必要がなく、戦闘の合間にMPを回復できるアイテムがあれば問題ないので。エリキシル剤は装備が完成するまでは多少使いどころがあるんですが、完成したら不要です。消えないフラムもマキナ3層までは出番があります。
« 続きを隠す
2020-06-20
往年のアトリエらしいアトリエ作品。
トトリのアトリエ ~アーランドの錬金術士2~ DX
プラットフォーム |
PlayStation®4, Nintendo Switch™, Steam® |
|
ジャンル |
新約錬金術RPG |
価格 |
【PS4】【NSW版】【Steam版】
通常版・DL版:5,280円(税込) |
公式 |
アトリエ 〜アーランドの錬金術士1・2・3〜 DX 公式サイト |
プレイ時間 |
1周目:57時間(プラチナ) |
続きを読む(ネタバレ注意) »
スプラッシュ画面はこんな感じ。
ストーリー
- アーランド共和国の外れの漁村・アランヤ村。彼女は幼い頃行方不明になった母を探しに行きたいという夢を持っており、前作の主人公・ロロナに錬金術の手ほどきを受けてからというもの、その想いは強くなる一方だった。彼女は冒険者資格を取り、母を捜す旅に出る。冒険者免許の有効期間は3年。次の更新を乗り越えるため、彼女は冒険者として腕を上げながら、母を探し始めるのだが―
- というわけで、前作ロロナのアトリエから8年後(と言ってもロロナのアトリエは4年間の物語なので、実質的には4年後)の世界が舞台です。前作は錬金術師としての腕を上げるため、定期的に審査がありそれを乗り越えるのが目標でしたが、今回は3年後の免許更新までに冒険者ランクを上げるというのと、母親を捜すという大きな目標が2つ与えられているだけで、小目標はありません。そのためメインストーリーはかなり薄く、その分キャラクターエピソードを中心に話が進んでいきます。とはいえ、アトリエはこれくらいでいいと思います。ライザのようにメインストーリーがはっきりしているのもいいんですけど、アトリエはキャラゲーなので、キャラクターエピソードが充実していればそれで十分なんですよね。
- そういうわけでストーリー全般としてはかなり高評価です。ただ、一つ気になることも。ストーリーの柱の一つである母捜しですが、トトリはあまり母の記憶がなく、話が進んでいくうちに、徐々に母を知っている人から、母がどういう人だったか…ということが明らかになっていきます。でも母親の性格がいまいち受け入れられないというか、人間的にyukkun20が一番苦手なタイプ(悪意なく迷惑をまき散らすタイプ)なのでモチベーションが…。
「なぜか人に好かれる魅力がある」キャラをうまく描くのはすごく難しいのです。
システム
- 調合について
- アトリエシリーズと言えば調合。今回はロロナと大きく変わってはいません。最近の調合システムに比べると単純で、せいぜい特性と品質くらいしか気をつけることがありません。また序盤はアイテム探しのリスクが高い(採取にかかる日数が多い)ので、都合の良いアイテムを捜すというよりは、あるものでどうにかすると言う感じが強いです。それでも十分調合を極めることは可能です。最近だと時間制限を無くす(または緩める)代わりに強力なアイテムの回収に時間がかかるシステムになっていることも多いですが、yukkun20的にはこちらのシステムも響きました。
- とはいえせっかく作った強力な爆弾をポンポン投げるわけにはいきません。そのためアイテムを複製する手段として、お金で増やせる「量販店」と、時間経過で増やせる「ちむ」の2つが用意されています。とくにちむ複製は前作と違い、材料がなくても完全に複製が可能なので重宝しました。
- 終盤になると、湧水の杯というアイテムを使って、強力な素材を簡単に手に入れられるようになるので、強力な装備やアイテム作りに没頭できるようになるのも良かったですね。
- その他について
- 上でも述べましたが、今回はキャラクターエピソードが非常に充実しています。大体中盤過ぎくらいでエピソードが完結してしまって、あとはあまりイベントが起きない…ということも多いですが、今作は終盤までずっとイベントが詰め込まれていて、本当に楽しかったです。反面、フラグが結構厳しいものもあり、かなり計画的にプレイを進めないと、1周目でプラチナに行くのはかなり困難でしょう。yukkun20はあらかじめ攻略サイトで情報をしっかり集めてプレイしたのでうまくいきましたけど、途中何度かヒヤヒヤさせられました。
- 今作はお金に大分苦労させられました。多分普通にプレイすると、クリア直前くらいまで金銭的にはカツカツで、数百コールレベルでのやりくりを求められるのではないでしょうか。お金をまともに稼ぐ手段がクエストの報酬しかないのですが、イベントを優先すると採取や調合をしている暇がないので、クリアできるクエスト数も少ないし、採取地で拾った素材ではなく店売りの素材を使うので原価がかかって利益が出ない!みたいな感じでした。参考書を買うお金もないよ…。前述の湧水の杯が手に入ればお金も無限に稼げるのでいいのですが、トゥルーエンドには50万コール貯めないとダメなのでちょっとバランスが悪いかも。
- とはいえ、そのほかに目立った欠点はなく、システム的にも良作だったと思います。yukkun20は自由度が高いゲームより、ある種の制限の中で創意工夫するゲームが性に合っているのですが、そういう意味でこのゲームは非常にしっくりきていたと思います。
キャラクター
- PCキャラは全部で10人。今作はトトリ+2人でパーティを組みます。どのキャラもそれなりに強く、本編をクリアするだけであれば自由に組み合わせを決めていいと思います。ただしトロコンを狙うと、冒険者レベルMAXが必要なミミはパーティに入れっぱなしの方がいいですし、今作もアイテム最強なので、隠しボスと戦うならアイテムを使えるロロナは外せないと思いますし、そういう意味では最終的なパーティは絞られてくると思います(トトリ+ロロナ+ミミ/ステルク/ツェツィあたり)。
- 登場人物はみんな温かく、前作の主人公であるロロナが人々から尊敬されていることもあり、その弟子であるトトリにも皆親切にしてくれます。前作同様ほんわかした世界をのんびり楽しむことが出来ますね。
当のロロナは相変わらずこんな感じですけど。
- 前作に登場したキャラも8年経っているのでそれ相応に大人になっていて、ちょっと感慨深いものがありますね。くーちゃんも前作に引き続き冒険に同行してくれるのはうれしいところ。ステルクさんも相変わらずの苦労性でした。
- ただなぁ…キャラクターモデリングが、時代の限界なのかすごく微妙です。特に男性。まあ元々10年前のゲームで、3DモデルがRPGでもようやく一般的になり始めた頃の作品なのでそこを突っ込むのは野暮なのですが…
一番表情が気になる(悪い意味で)ペーター君。
- 個人的には、表情がコロコロ変わって飽きない主人公のトトリ、謎の怪力を持つ先輩冒険者メルヴィア(結局怪力の秘密は明かされませんでしたね。どう考えても人外のパワーなのに生まれつきで片付けていいのだろうかw)、ミンゴスのシスコンボイスがたまらないトトリの実姉ツェツィ、相変わらずのロリータボイスとジェラシーがたまらない師匠のロロナあたりがお気に入りです。
おねーちゃーん!
- あ、今回もyukkun20お気に入りのパメラさんが登場し、しかも美味しい役どころだったので大歓喜。しかしアレ、結局なんで鍵が開いたんですかねぇ。必要だったのは生け贄で、魂ではないはずですが…
戦闘
- シンボルエンカウント制です。今作も敵はこちらを認識するとレベル差があっても襲いかかってくるのでちょっと面倒なことも。そろそろエンカウントキャンセルシステムが欲しい。
早送り機能が搭載されたので大分テンポが良くなりました。
- 戦闘難易度は結構高めです。と言ってもザコに苦戦することはほぼありません。しかしストーリー中盤で登場するボス2体はなかなかの強敵で、本気でアイテムを作り込まないと勝てないと思います。あと最後の隠しボスはそれ以外のボスと比べても異常な強さで、アイテムと装備を完璧に作り込んでも、わりと運ゲーになりがちだと思います。
- 戦闘はアトリエお馴染みのウェイトターン制のコマンドバトルです。キャラクターの取れる行動も、通常攻撃、スキル、防御(トトリとロロナはこれに加えてアイテム使用)くらいなので、戦術的にはあまり取れる幅はありません。そういう所もアトリエらしくて、個人的には高評価です。最近のアトリエは戦闘の比重がちょっと重すぎるんですよね。個人的にはネルケくらい戦闘はさらっと流してくれてもいいと思うのですよ。このシリーズだけは。
総評
- やれることの制限がシリーズの中でも比較的大きく、それでいて締め切りまでにクリアする課題が抽象的にしか提示されないこともあって、やや人を選ぶ出来だと思いました。最近の作品だとアーシャのアトリエが一番作風として近いので、それが好きだったのであれば楽しめると思います。実際yukkun20の好みにはがっちりはまりましたので、アーシャ≧ネルケ>トトリ≒ライザ>ロロナ>その他というあたりの位置づけです。
- なんだかんだでキャラエピソードは先が気になるし、調合もさくさく出来るのでついつい時間を忘れてプレイに没頭してしまい、2週間ほどでトロコンしてしまいました。アトリエシリーズは大体プレイ時間が60時間前後になることが多いんですが、これほどの短期間でトロコンまで到達したのは、アーランド以降ではこれとライザとアーシャくらいです。大体数ヶ月はかかりますからね。
- そんなわけで、メルルのアトリエの近いうちにプレイしたいと思っています。
作中美少女勢揃い!
おまけ
ブラッドエレメント撃破時の装備&アイテムの紹介。ちなみに以下のサイトが参考になりました。
- 武器の特性…いずれも「炎の力」「大地の力」「雷の力」「冷気の力」「品質アップ・大」
- 防具の特性…いずれも「炎ダメージ軽減」「氷ダメージ軽減」「土ダメージ軽減」「雷ダメージ軽減」「HP+30」
※ヴェルベティスに特性を集約し、銀糸のワンピース/鉄人の服/バトルコートを調合→分解でスケイルクロスにダウングレードすると楽です
- 精霊の首飾りの特性…「冷気の力」「大地の力」「品質アップ・大」「全能力+10」「技威力30%増」
- 実影の腕輪の特性…「軽量化された」「全能力+10」「全能力+5」「全能力+3」「速度+10」
- ブレイブマスクの特性…「品質アップ・中」「技威力20%増」「魔族特効」「ドラゴン特効」(かなり適当)
- ボスの倒し方
- ロロナが時空の卵→ダイオクラフト→ヒンメルシュテルン→妙薬ドラッヘン
- トトリが時空の卵(デュプリ)→メンタルウォーター(特性適当)→エリキシル剤(品質51の方。デュプリ)→エーテルインキ
- ロロナが自ターンでエンゼルフルハートor必殺技
- これで大体倒せます。品質120のエリキシル剤は、ブラッドエレメントの初ターン猛攻に耐えられない場合の保険です。
« 続きを隠す
2019-04-18
KH3ですが、ついに明日からアナ雪のワールドに入れそうです!超楽しみ。
今日はネルケのアトリエのレビューです。最近のアトリエではアーシャの次くらいに面白かった。
2019-06-02追記:エクストラストーリーの感想を追加しました。
ネルケと伝説の錬金術士たち~新たな大地のアトリエ~
プラットフォーム |
PlayStation®4, PlayStation®Vita, Nintendo Switch™, Steam® |
|
ジャンル |
街作り×RPG |
価格 |
【PS4】
通常版/ダウンロード版 7,800円
ダウンロード版 販売価格 7,300円
プレミアムボックス 希望小売価格 10,800円
アトリエ20周年ボックス 希望小売価格 26,100円
ほか |
公式 |
ネルケと伝説の錬金術士たち ~新たな大地のアトリエ~ |
プレイ時間 |
1周目:86時間(プラチナ) |
続きを読む(ネタバレ注意) »
ストーリー
- 錬金術師に憧れながら、その能力がなく夢を諦めた貴族令嬢「ネルケ」は、辺境の村・ヴェストバルトの管理官を命じられ、村の発展のために尽くすことになる。彼女には新たな夢があった。ヴェストバルトを発展させること、幼馴染で行方不明になっている「ソルト」という男性を探すこと、そしてかつてグランツヴァイトの賢者と呼ばれた偉大な錬金術師の遺物を探すこと。ある日、一人の錬金術師との偶然の出会いが、彼女の運命を大きく変えていく―
- 20周年記念タイトルとして作成されたアトリエシリーズ最新作です。今回は上記の通り3つの大きな目標があり、それを達成するために細かく設定された目標を一定ターン内に達成していくというストーリーになっています。
- メインストーリーは割と単純で薄めですが、今回は後述するとおりRPGというよりSLGなので、ここはあまり気になりませんでした。とはいえ単調とか言うことはなく、それなりに事件があったり意外な展開もあったりで決して悪くなかったです。
- 今回はちょっと恋愛色が強いってどこかで言われてましたけど、そんなことないと思いますよ?まあアトリエ作品にしては若干そんな感じのイベントもありましたけど、むしろネルケ淡泊すぎない?エスカとロジーの方がよっぽどイチャイチャしてたわ。
この子たちはいつでもどこでもイチャイチャして!
- 過去の主人公が全員登場するお祭りゲーですので、キャラクター同士の掛け合いは大事です。今回もサブイベントは半端ない数用意されていて、一応100ターンでエンディングを迎えるゲームであるにもかかわらず、1周目で見られるイベントをコンプしたのは159ターン目でした。
- ただ、サブイベント自体はあまりいい出来ではなかったです。ほとんどのイベントが、各主人公たちが自分たちの出身世界の似ているところや相違点なんかを話しているところに、ネルケが「何の話をしているんですか?」と混ざっていく感じになっていて、ワンパターンな感じがします。話の内容も過去作の振り返りになりがちなので残念。もっと新しい人間関係を築けるような切り口のイベントを充実させてほしかったですね。
システム
- 従来のアトリエ作品は、主人公が錬金術師として、アイテムを作ったりモンスターを倒したりしながら、課題や目標を達成していくという普通のRPG形式でした。しかし今回は、錬金術師たちを束ねて指示を出していくという、経営シミュレーションになっています。限られたリソースをうまく管理して、人口と資金を増やしていくのが目的です。
- 1ターンは休日と平日に分かれています。
- 休日はキャラクターとのイベントが発生したりするADVパートと、フィールドを探索してモンスターと戦う戦闘パートが融合しています。どちらかだけ行うこともできますし、両方をバランスよくこなすことも可能です。
- 平日はSLGパートになっていて、街の建設、仕事の割り当てなどを行います。ターンを終了すると自動的に住民が割り当てられた行動を取り、その結果が表示されます。
- お金を増やすにはまず仕事。住民たちを採取地に派遣したり、畑や林で農作物を栽培してもらったりしてアイテムを集めます。それから錬金術師たちがその集めたアイテムを錬金術で商品に加工します。最後にショップに配置された住民たちが商品を販売しお金を稼ぎます。稼いだお金で新しい建物や農地を設置し、さらに効率よく生産ができるようにします。増えたアイテムを素早く加工するためにアトリエを拡張し、作ったアイテムが余らないよう店を増やし、そうしているうちに町が発展して人口が増え、増えた人口をさらに派遣や栽培に回して…という繰り返しです。中盤辺りは1ターン回すのに30分くらいかかったりするんですが、これが本当に楽しい。
一次産業、二次産業、三次産業…社会の縮図ですね
- 「アイテム倉庫」という、そのターンに予想されるアイテムの消費量と入手量を一覧できる表があるのですが、それをにらめっこしながら、入手数より消費が上回っているから、栽培や派遣に回す人間を増やそうか、いや人間が足りないから、アトリエに指示して一旦別のアイテムを作ってもらおう、あれ、そうすると今度は店の商品が足りなくなった、じゃお店の販売品は一旦製造コストが安いアイテムに切り替えて…ん?今度は安い商品に変えたせいで売り上げが下がって人件費とかで赤字になってる!赤字が続いたせいで住民からの支持率が…みたいな感じで常にリソースの配分には悩まされますが、経営がうまくいって、自分が計画した街作りを進め、そして増えていく貯金残高を眺める喜びは格別です。
アイテム倉庫を見ればうまく経済が回っているか一目瞭然。
見よ!この成長率!日本経済もこうなればいいのに
- そんなわけで、アトリエと言えば調合ですが、今回はあくまでシステムの一つに組み込まれていますので、いつもの作品のように良質な素材を集めたり、パズルのような調合をしたりと言うことはありません。必要なアイテムを必要な個数用意していれば、指示したアイテムを同じクオリティで作成してくれます。時々調子がよく予定より多くの数を作成したり、あるいは逆に失敗して予定数を作れなかったりといったランダム要素もあり、それもまたいいアクセントになっていました。
1人で最大10種類のアイテムを調合できます。
- ターンの終わりにはそのターンの全体的な状況がわかりやすく表示されます。このターンの問題点が浮き彫りになるので、次のターンではこういうところに力を入れようとか、それを眺めながら計画を立てるのもまた楽しい。
常に人手は不足気味。
- また、街作りもいろいろなアトリエやお店を好きなように配置していくことができて、ジオラマ的な楽しさもあります。建物を建てるのにもお金やアイテムが必要なので、あまり建てすぎると赤字経営になり、建てないと町が発展しないとこれもうまくジレンマを演出しています。ただ、建てた街の中を歩き回れる機能がないのだけは非常に残念(一応街を眺める機能はあります)
最初は中央区画しかなかったのに、いつの間にかこんなに大きくなりました。
- 効率を求めた結果こんな街になりましたが、中央にネルケの像を建てて彼女の名誉を称えたり、飛行船発着場を置いて他の街区との流通をスムーズにしたり…と言った妄想も可能。
街の中心区画には錬金術師のアトリエ(波形の屋根の建物)がひしめいてます。
- 100ターンで一応エンディングを迎えますが、そのままプレイを延々と続けることも可能です。そもそもキャラを全員加入させるだけで140ターンくらいかかりますから。
- いつもどおり、各種図鑑(人物、モンスター、アイテムなど)、イラスト/ムービーギャラリー、サウンドテスト、キャストコメントも充実。あれ、今回サウンドテストにプリキュアネタがないぞ…?
りえしょんのいつも通りの長コメントにご期待ください。
キャラクター
- 今作品のオリジナルキャラは4人、過去作からは111人が出演します(それ以外にガストの他のゲームからのゲストもいます)。
- 過去作のキャラのうち、イベントがあるのは過去作の主役キャラ+αの32人だけです。それ以外に数人、メインやサビベントに絡むキャラもいますが、大多数は加入時に軽いイベントがあるだけで、あとはシステム的なセリフしかない(当然ボイスもない)です。もちろん残念なのですが、しかしこれ以上キャラの数を増やすとどうにもならなくなると思います。主人公キャラを全員出し、きちんと活躍させるためにはやむを得なかったのでしょう。ウィルベルさんだけは本当に残念だったので、ネルケには常に初回特典のウィルベルコスチュームを着させていましたが。
親友のアーシャも弟子のロッテも活躍しているのに…
- 戦闘に参加できるのはさらに少なく、オリジナルキャラ4人と、錬金術師15人だけです(設定上は錬金術師でも、参戦しないキャラもいます)。とはいえ戦闘の比重も他のシリーズ作に比べれば軽いのでそんなに気にはなりませんでした。
- 今回のお気に入りキャラは主人公のネルケです。ネルケは非常に明るく前向きなキャラで、管理官に任命されるくらいですから随所に優秀なところを見せてくれます。こういう上司の下で働きたいなと素直に思わせてくれるキャラでした。そのほかのオリジナルキャラも、メイドの鑑のようなミスティ、村のために一生懸命働く村長のクノス、ネルケのお目付役でありながら何か秘密を抱えているようなロータスと魅力的なキャラばかりで、いつもののんびりした世界観で温かい人間関係を楽しめます。
喜び顔で常によだれが垂れてるのもポイント高いw
- また過去作のキャラの活躍を再び見られるのもよかったです。yukkun20としてはやはり初代主人公のマリーが思い出深いですが、改めてこんな賑やかで前向きなキャラだったなぁと思い出せました。キャストもそのまま続投してくださっているのもうれしいですよね。でも松来さんのイリスだけ声が変わっていたのは(涙)
トトリやメリルは初めて見ましたけどいいキャラでした。早くプレイしたい。
戦闘
- 今回は戦闘もあくまでSLGの一パートというポジションなので、過去作に比べると結構単純な作りになっています。
- パーティは5人です。オリキャラ4人はアタッカー、錬金術師15人はサポーターという役割があり、好きに組み合わせて(ただしネルケは固定)パーティを組みます。戦闘は素早い順に行動するいつものコマンドバトルです。
アタッカーは素早く、サポーターは行動が遅め。
- アタッカーは基本的にプレイヤーが毎ターンコマンド入力で行動を指定します。行動には、通常攻撃と、毎ターン1ずつたまるゲージを利用したスキルがあります。アイテムの使用もスキルに含まれます。
アイテム投げるキャラが強いのはこのシリーズのお約束。特にネルケは優秀。
- サポーターは毎ターン自動で行動します。序盤は火力に優れていますが、中盤以降はアイテムの火力が高くなり、アイテムを仕えるアタッカーの方が優位になります。しかしサポーターには前述のゲージを4つ消費することで任意のタイミングで放てる大技があります。大技の追加効果はアタッカーでは真似ができないものも多く、そこで差別化がはかられていました。
- 戦闘はソシャゲのような感じで、制限時間内に進行度を100%にするとそのステージはクリアになります。キャラは歩くか走るかを選択できます。歩くと進行スピードは下がりますが、アイテムを拾ったり、戦闘を有利に行えたりします。走ると進行スピードは上がりますが、アイテムは拾えませんし、戦闘も不利になります。休日にサブイベントをこなすと制限時間がその分減らされるので、イベントを優先して走るか、イベントを犠牲にして歩くかと、ここもジレンマになっています。
進行中はパーティキャラのたわいもないトークを楽しめます。
- 戦闘の難易度はあまり高くなく、繰り返してレベルを上げ、戦闘アイテムをきちんと開発していればラスボスもスムーズに戦えると思います。
総評
- 20周年記念作品なのに、今までと全然違うシステムの作品をぶち込んでくるというなかなかの意欲作でした。SLGは好き嫌いがあるので人を選ぶ作品だと思いますが、個人的には非常に高評価です。これをアトリエのメインストリームにしろとはいいませんが、3年に1回くらい続編を出してほしいですね。
- でもよく考えると、初期のアトリエってこんな感じだったと思うんですよ。戦闘はあくまで添え物だったし、限られた時間でアイテムを作りながらイベントをこなすって言う、まさに「世界を救うのはもう飽きた」というキャッチコピーにふさわしい作品でした。最近のアトリエは、調合というシステムが乗っかった普通のRPGだからなぁ。もちろんそれがだめっていうわけではないのですが。
- いずれにせよ、個人的にアトリエに求めていたのは、今回のようなゲームだったことに気づかされました。なんだかんだで1ヶ月ほどでクリアしていることからも、熱中度をわかっていただけると思います。
- もし次回作があるとしたら、ジオラマパートの充実と、キャラクターイベントのフラッシュアップ、そしてフルボイス化をお願いしたいですね。あと台詞の自動送りね。
- ということで、経営SLGが好きな人は是非一度プレイしてみてください。アトリエプレイしたことがない人でも、十分楽しめる内容になってますよ(実際yukkun20もプレイしている作品は半分以下でしたし)。
エクストラストーリー
- DLCとして1000円で発売されている「エクストラストーリー」を導入すると、エンディング後のネルケたちの様子を知ることが出来ます。「グランツヴァイトの樹を発見」「100ターン目を達成後に任期延長を選択する」の両方の条件を満たしていれば、すぐにプレイすることが出来ます。
- まず、新規キャラが20人追加されます。全員イベントもいくつかついてきます。ほぼ知らないキャラだったのでちょっと残念でしたが…。ちなみにこの20人は、本編のサブキャラのように、毎ターン1人ずつ加入してくる形ではなく、DLCを導入すると全員一度に加入しました。
新たに仲間になった若きイングリド先生を自分好みに育成しようと企むマリー。
- 次に、クノスとロータスの会話イベントが追加されます。
- クノスのイベントは9回で、ミスティとの関係に焦点を当てた物語になっています。昔なじみの2人で、ミスティは憎からずクノスのことを思っていたようですけど、本編ではネルケへの愛が深すぎてほぼ関係が進展しませんでした。しかしこちらでは一つの事件をきっかけに…みたいな感じになっています。
- ロータスのイベントは11回で、ラストに簡単な分岐があります。こちらは当然ネルケとのラブロマンスになっています。お互い素直になれず、身分も違う二人が距離を縮めていき、最後はアトリエでそこまでやっていいの!?というシーンまで描かれています。アトリエでここまで濃密な恋愛模様が描かれたのは初めてなのでは…かなり衝撃的な内容です。
ちなみにこのイチャイチャ方法はエスロジの指南です(笑)
- さらに、パメラについての非常に深いストーリーがあります。これまでスターシステムがごとく過去作に登場しているパメラですが、彼女が何者なのか、なぜいろいろな世界に、そしてこの世界にいるのかというあたりが明かされ、アトリエシリーズの根本に迫る内容になっていました(まさかアトリエシリーズ終わるんじゃないだろうな…)。また賢者との関係、ネルケが錬金術を使えない理由、どうしてこの街には錬金術士が集まるのか、など、ふんわり残されていた伏線をきれいに回収し、最後はロータスとネルケのイベントと合流するその流れは見事でした。これだけで1000円の価値はあります。
ネルケとミスティに押されてますが、こちらの色恋話も大概。
- ということで、満足度の高いDLCでしたね。これがなくても本編の価値が下がることはありませんが、本編を楽しんだ人には是非こちらもプレイしていただきたいです。一つ難があるとすれば、ボイスが全くないってことだね…。サブキャラや歴代キャラはともかく、メインキャラの4人にはボイスほしかったよ…
- というわけで本当に楽しませてもらいました。ガストが今やってるアンケートで、「3年後くらいに続編お願いします」と意見するくらいに愛してます。
« 続きを隠す
2018-06-27
アトリエシリーズはまだ頑張れると思う!
リディー&スールのアトリエ~不思議な絵画の錬金術士~
プラットフォーム |
PlayStation®4, PlayStation®Vita, Nintendo Switch™, Steam® |
|
ジャンル |
錬金術再生RPG |
価格 |
【PS4】
通常版 希望小売価格 7,300円
ダウンロード版 販売価格 7,300円
プレミアムボックス 希望小売価格 10,300円
アトリエ20周年ボックス 希望小売価格 25,600円
ほか |
公式 |
リディー&スールのアトリエ 〜不思議な絵画の錬金術士〜 |
プレイ時間 |
1周目:91時間(プラチナ) |
続きを読む(ネタバレ注意) »
ストーリー
- アダレット王国の首都メルヴェイユに建つ、一軒の小さなアトリエ。そこには双子の錬金術士の少女が、「国一番のアトリエ」を目指して日々仕事に励んでいた。ある日地下室から聞こえる不思議な声に導かれた二人は、その絵の中の世界に引き込まれてしまう。そこには見たこともない素材が転がっており、双子はそれを使って自分たちの錬金術のレベルを上げようとするのだが―
- ソフィー、フィリスと続いてきた不思議シリーズ3部作の最終作です。定期的に行われるランクアップ試験をこなしてアトリエランクを上げつつストーリーを進めていく形式ですが、今作はソフィーと同様時間制限がありませんので全体としてはのんびりしています。
- 今回はシリーズ最終作なので、過去作で回収されなかった伏線がかなり回収されていて良かったです(特にプラフタ回り)。前作はキャライベントが後半に集中していましたが、今回は全体にバランス良く配置されていてこちらの方が良かったと思います。このシリーズは全部そうなんですが、サブイベントの充実は本当半端ないんですよね。
- しかし、今回はメインストーリーが本当に残念な出来でした。特に物語の根幹をなす「アトリエランク制度」がすごく引っかかります。(ここから愚痴長文)
そもそもアトリエランク制度は、アダレット王国が、腕の良い錬金術士を集めて、錬金術で国を発展させるために始めた制度です。ところが中盤で、王国がファルギオルというモンスターに襲われます。ファルギオルは過去にも王国を襲ったことがあり、その時国は滅亡寸前まで追い込まれましたが、一人の優秀な錬金術士によりどうにか封印することが出来ました。アトリエランク制度は、ファルギオル復活に備えて錬金術師を集めるのが真の目的だったのです!
…詐欺じゃん!ちなみに復活したファルギオルに立ち向かうために集まったのは全員双子の関係者です。明らかに戦力が足りていないので、後方で指揮を執るミレイユさん(この国の王女)が作戦を考えてくれるんですが、その作戦が「別働隊が足止めしている間に主力部隊が総攻撃をかける」というもの(僕が端折っているわけではなく、ほんとうにこのまんま)。
…作戦でもなんでもないじゃん!案の定全員まとめてボコられます。そこでようやく一行は対策が必要だと考え、かつてファルギオルを封印した錬金術士(の残留思念)に相談します。その子は人間不信になっていて、双子達の頼みも最初はあしらうのですが、双子達が友だちになろうと言葉をかけると、やがて心を開いてくれるようになります。ちなみにこの子がメインストーリーに絡むのはこの時だけで、これ以降最終章までサブイベントも全くない状態で放置されます(ちなみに最終章のサブイベントも、ある問題の解決するための方法を聞きに行くというもの)。
…友だちじゃないじゃん!利用してるだけじゃん!とにかく彼女の協力でファルギオルをぶちのめしました。するとミレイユさんは「アトリエランク制度の目的も果たしたし、制度を廃止するという話が出ている」と言い出します。
…本当に詐欺じゃん!国家の公認を得ようと考えて移住してきた錬金術士を用が済んだとばかりに放り出す最悪の政策です。結局ミレイユさんは最終的に制度存続に回り、アトリエランク制度は維持されます。しかしその理由が「これを目標に頑張っている錬金術師がいる」という非常に感情的な理由。アトリエランク制度は国家予算が投入されている(ランクに応じた資金援助がある)のに、それでいいのか。
それで、結局双子は国で初めて最高ランクに登りつめるんですけど、正直双子の錬金術の能力の高さについてのエピソードも少なく、作中には明らかに彼女たちより能力の高い錬金術士が登場する(彼女たちの師匠、その師匠のライバル、そのライバルの師匠、その師匠の師匠、その師匠の同僚など)ので、余計ご都合主義な感じが否めません(一応彼らはアトリエランク制度に興味が無くなったみたいな感じで脱落していますが)。
ネージュ(ファルギオルを封印した錬金術士)は犠牲になったのだ…友だちという口先だけの約束の犠牲にな…
- フィリスのアトリエも、幼い少女が荒野を旅するという世界設定に馴染めませんでしたが、今回もやっぱりストーリーに馴染みきれませんでしたね。マリーやエリーみたいに、落ちこぼれなら落ちこぼれっぽいストーリー立てにすればいいし、黄昏シリーズみたいに世界を救うのなら、基礎能力は高く設定すべきだと思うんですよね。
システム
- アトリエと言えば調合。今作は前作、前々作の正統進化で、良くなったと思います。強力な特性(少なくともやりこみボス以外と互角に渡り合える程度)の入手難易度も低く、強力なアイテムも作りやすくなりました。量販店も復活しましたし、一度に複数個錬成することも比較的容易に出来るようになりました。アイテムを全部作っていれば、ほとんど錬金レベルもカンスト出来るのも手軽で良かったです。
製作個数を増やせるルビナイトは非常に重宝
- 今回は戦闘難易度が高くて、途中でアイテムか装備を作り込まないと攻略が難しくなっています。ただ今回はスールとフィリスが強すぎて、ある程度強力なアイテムと武器を準備すれば隠しボスもほとんど倒せるので、ちょっとバランス悪かったかも。せっかくDLCキャラを2人追加したのにうまく使いこなせませんでした(これはyukkun20の責任です)
- フィールドでは時間の概念がありますが、これはちょっとうっとうしかったです。時間はアトリエで自由に進めることが出来ますが、出先では時間を調節する手段がありません。特定の時間しか出現しないモンスター、採取出来ない素材、開いていない店などがあるのに、一々時間を調整するのは煩雑で、没入感より面倒くささが先に立ちました。時間制限がないのに、時間の概念をこんな不自由な形で残す意味はないと思うんだけどなぁ。
- あと、街のグラフィックがダメダメ。キャラモデリングの等身が高いので、それに合わせて建物とかも構築されているんですが、街の住民の数がそれに見合う人数いないので、ものすごく人口が少ない感じがします。しかもモブキャラの会話内容が非常に適当なのも気になりました。この程度ならモブキャラに会話させなくていいから、もっと適当にキャラを並べておけばいいと思うよ。このあたりテイルズは上手だと思う。
一国の首都の目抜き通りがこの有様。
- それから細かい部分で気になったことが。
- 相変わらずマップが使いにくい。前作は全体マップの情報が足りずに使いにくい!と愚痴を言いましたが、まさか全体マップを廃止する対策を取るとは。逆転の発想過ぎる。天気が悪い日は視界も狭くなるので最悪です。
- マップは相変わらず広いのに、ワープポイントが少なくて面倒くさいです。特にこのゲームはザコ敵もこちらを発見すると襲いかかってくるのですが、これを回避するシステムがないので、よそ見しながら適当に歩くわけにも行かず…
- ただ、前作で気になった、レシピ獲得が作業だという欠点はだいぶ解消されていました。
- とはいえ、ソフィーの時から評価の高い図鑑のコメントの充実ぶりや、豊富なキャストインタビュー、声優達の熱演など見るべきところもたくさんあります。終盤で調合の自由度が解放されてからは調合も面白く、最後はうたわれそっちのけでこればっかりプレイしていました。そういう意味でシステム的には決して悪くないです。
おなじみ中の人コメント。尺もかなり長いです。
キャラクター
- PCキャラは全部で6人+2人(DLC)。今作は全員パーティに入れることが出来、そのうち6人を戦闘メンバーにします。戦闘メンバーは前衛と後衛のペア3組を作る形式で、その組み合わせにより戦術が大きく変わるので、そこを工夫するのが面白かったですね。…といっても、その面白さがわかるのは終盤に調合がガンガン出来るようになってからなのですが。アトリエシリーズはいつも思うのですが、チュートリアルをもっと充実させた方がいいと思うんですよね。全然説明がなかったり、ごく簡単な説明しかないシステムが多すぎる。
- 今回のお気に入りキャラはやはりルーシャです。彼女はアトリエシリーズではよく見かける、「ちょっとおしゃまな主人公のライバルポジション」のキャラです。yukkun20はいつもこのポジションにいるキャラを推すことが多いですが、今作も例に漏れず。ルーシャはかまってちゃんなところとややポンコツなところが見ていて楽しかったですし、それでいて双子のことを従姉として見守っているというギャップが良かったですね。でもやはりこのポジションにいるキャラの中ではウィルベルさんが最高!(個人的な意見です
スライドショーには JavaScript が必要です。
- 前作・前々作キャラも多数登場しますが、リアーネさんだけはシスコンがかなり重症化してましたね(前作は「妹が好きなんですね」というレベルでしたが、今作は完全に病気)。どうしてこうなった。
目が ヤ バ イ
戦闘
- シンボルエンカウント制です。敵の動きは鈍いのですが、視界が悪かったり足下が見づらいことも多く、意図しない戦闘に巻き込まれることが少々ありました。
せめてホーリーボトルかエンカウントキャンセルがあれば…
- 戦闘はオーソドックスなコマンドタイプ。今作は装備の比重が上がりましたので、錬金術士でないキャラにも活躍の機会があります。
- 最終的には、前衛にスール、後衛にフィリスを置き、それぞれ↓のアクセを持たせて、
他のキャラで↓のアイテムを順番に投げ、
最後にスールが↓のアイテムを投げると、フィリスが8連続追撃を繰り出してどんな敵でも葬ってくれます。(難易度NORMAL。ただしトロコンに関係ない一部の強力なボスは除く)
総評
- 今回もシステムは良作でしたけど、メインストーリーの出来の悪さがかなり足を引っ張りました。最近はいつもプレミアムボックスを購入していますけど、次回作はちょっと考えます。え、次回作はお祭りゲー?だったらやっぱり買うか…
- とはいえ、3部作の集大成になっているので、前2作をプレイした方には問題なくおすすめ出来ます。いきなりここから入っても大丈夫ですけど、やはりソフィーのアトリエからプレイしてもらいたいですね。
« 続きを隠す
2017-05-01
この「ゲームのクリアタイミングがかぶる」現象に何か名前を付けるべきでは。
フィリスのアトリエ~不思議な旅の錬金術士~
プラットフォーム |
PS4/PSV/Steam |
|
ジャンル |
錬金術再生RPG |
価格 |
【PS4】6800円(通常版/ダウンロード版)
【PSV】5800円(通常版/ダウンロード版)
【Steam】5800円(ダウンロード版) |
公式 |
フィリスのアトリエ ~不思議な旅の錬金術士~ |
プレイ時間 |
1周目:140時間(プラチナ) |
続きを読む(ネタバレ注意) »
ストーリー
- 岩山の中にある町エルトナ。そこに住む少女フィリスは、外の世界に憧れ、村と下界を隔てる大扉を眺める日々を送っていた。ある日、その大扉をいともたやすく壊して現れた女性・ソフィーから、錬金術という技術の手ほどきを受けた彼女は、その力を村のために使うことで外出許可を得る。しかし外出期間はわずか1年。1年後に開催される錬金術士公認試験に合格できなければ村に強制送還されてしまう。フィリスは受験に必要な実力を身につけるため、旅をしながら錬金術の腕を磨いていくのだが―
- 今作は時間制限のある前半部分と、時間制限のない後半部分とに別れています。前半は試験に合格するという明確な目標があるのですが、そのためにすべきことは試験が行われる町まで旅をすることと、その途中にいる5人の公認錬金術士のうち3人から推薦状をもらうことだけなので、ストーリー的な牽引力に欠ける感じがしました。
- 後半部分は主として仲間との絆を深めながら、フィリスがやりたいことを探していくという内容になっています。こちらはメインのストーリーがない代わりに、キャラごとのイベントが大量に用意されていて、むしろこちらの方が先が気になる展開でした。そういうわけで後半部分の評価は高いのですが、前半部分はそこそこ。この問題点(メインが弱くサブが強い)は前作ソフィーのアトリエにもあったのですが、前半と後半に分化されたことで余計問題点が引き立っちゃいましたね。
- あと明確なボスがいないのは好き嫌いが分かれるかも。アトリエらしいと言えばそれまでですけど。
システム
キャラクター
- PCキャラは全部で9人+2人(DLC)。うちパーティに加入するのはフィリスを含めて7人で、さらにその中から戦闘メンバー(フィリスは固定)を4人選びます。今作は仲間に入れていないと経験値が入らない仕様になったのが残念。しかも仲間を入れ替える手順が面倒くさい(特定の場所でしか交替できないのに、その場所では装備品の入れ替えが出来ないため、まずアトリエで装備を引っぺがし、入れ替え場所(しかも2カ所に別れている)に行って該当キャラを加入させなければいけないという誰得仕様だったのが気になりました。
- ちょっと驚いたのですが、DLCの2人にも他のキャラに負けないレベルのイベントが用意されていますし、他のキャラとの絡みも少なくありません。2人とも加入させるとなんとOPムービーでも2人のカットが挿入されるなどしており、力が入っているのが分かりました。アトリエ好きならぜひDLCも楽しんでほしいですね。
- 今回のお気に入りキャラはイルメリアです。彼女はアトリエシリーズではよく見かける、「ちょっとおしゃまな主人公のライバルポジション」のキャラです。かわいい。でもそのポジションにはウィルベルさんという強力な先人がいるからなぁ。イルメリアも十分魅力的なキャラでしたし、フィリスとのイベントはなかなかにほんわかした展開で良かったのですが、やはりウィルベルさんには勝てなかったな!(個人的な意見です
あとは公認錬金術士の天才少女キルシェさんが良かったですけど、これはキルシェというより中の人(山本彩乃さん)に対する愛のような気がする。中の人と言えば谷井さんのパメラが再登場したのはうれしかったところ。もうちょっとイベントがあればなぁ。彼女の店がワープポイントから妙に遠いのは嫌がらせですか!
- フィリスは前半部分はちょっと脳天気すぎて愛せなかったんですが(あと「お外」「お空」「お歌」など何にでも「お」をつけるのが結構耳ざわり)、後半からは突如ツッコミに目覚めたのか面白い反応もするようになって良かったと思います。
戦闘
総評
- 全体的に批判的な論調になりました。確かにダメな部分もあるんですけど、しかし後半部分はそれをカバーするだけのおもしろさがあり、全体としてみれば良作に仕上がっていると思います。
- プレイ時間もなかなかになってますが、強力なアイテムを調合しようとするとすぐに時間がたってしまうこともあり、プレイ時間が長すぎたという感じはしないです。
- 次回作ももちろん購入する予定ですが、移動に関するストレスだけはどうにかしてほしいですね。せめてワープポイントを増やすか、ホウキ(高速移動のアイテム)に一瞬で乗れるようにするかするだけでもだいぶ印象変わると思うんですよ…。
- 毎度おなじみのキャストコメントもあるよ!
« 続きを隠す