2014-10-26

【コミック】ああっ女神さまっ レビュー

というわけでちょっと前になりますけど、藤島康介先生の代表作「ああっ女神さまっ」が25年の連載の末に最終回を迎えましたね。

ああっ女神さまっ

レビュー

僕がこの漫画に出会ったのは、今から10年以上前、大学生だった時です。それより前から存在は知っていたのですが、そのころ漫画喫茶に通うようになり、ちょっと長めの漫画を読むか…と思い立ってこれをチョイスしました。藤島先生は僕が愛してやまないテイルズオブファンタジアのキャラデザもされていましたし、北欧神話は厨二病のたしなみでもありますしね。

初めの数巻を読んで、「これは漫喫で軽々しく読むような作品ではない」と思い、本屋を巡って1巻から買い集めました。当時はまだ20巻くらいしか出てなかったのですぐ集まりましたが。一時期は本当にはまっていて、特設サイトを作ろうとあれこれ企画を考えていたこともあります。序盤~中盤にかけての展開は本当に素晴らしいものがありました。ただ個人的にはリンドが出てくるあたりがピークで、その後はちょっと下降気味…だったかな(あくまで僕の中でだけです)

思うに僕はこの作品を日常コメディとして読んでいたので、話が天界・魔界方向にシフトしすぎて合わなくなったのかなぁと。女神が免許制だったり、法術がプログラムだったり、恐怖の代王がウイルスだったりと突拍子もないアイデアが好きだったので。北欧神話は~とか言っといてなんなんですが。
でも結局最終巻まできっちり買い続けたのは、それだけの魅力があったからだと思います。藤島先生の優美なイラストは,月刊連載でもしょうがないやと思わせるに十分でした。でも読みづらくはないんですよね。

個人的に好きなキャラとしては

  • ベルダンディー

CVが喜久子おねえちゃんだから―という冗談はさておき、やはりメインヒロインは外せないでしょう。女神だけに文字通り完璧超人なんですけど、時にちょっと焼きもちを焼いたり、免許の更新を忘れてしまったり、とほんの少しだけ見せる隙にぐっとくるんですよね。でも実際にいたら多分劣等感でこっちが死んじゃいそうな気がします。森里君はえらい。
連載が長いせいで顔の変化が最も大きいキャラの一人ですが、個人的には2003年ころの顔が好きです。

  • 森里鷹乃

主人公森里螢一の母親。放任主義なところもあるけど、子供のことを信頼していていい母親です。麻雀が強いという勝負巧者なところも好きです。
しかし最後が結婚オチで、ベルダンディーの親のことはあんなにしっかり描かれたのに、なんで螢一の親は出てこなかったん?

  • マーラー

序盤の(つまりヒルダが出てくるまでの)天魔戦争を象徴する人物。最初はどう考えても男だったのに、編集の意向でいつの間にか女性になっていた、ある意味時代を先取りしているキャラ(個人的には昼だとのバランスもあるので男のままでよかったと思いますけど)。しかも女神たちが強すぎて完全にコメディリリーフだったという悲劇も。
めでたいものに弱いという設定は、最終話まで忘れていました。藤島先生よく覚えていたなぁ。

あたりでしょうか。

好きなセリフは、ウルドの「才能なんて言葉はやる事をやった人が言うことよ」ですかね。

あーこんなレビュー書いていたらまた読みたくなってきましたが、既刊のほとんどは倉庫の中に押し込めてしまいました。電子書籍でキャンペーンでもしてくれたら買うかもなぁ。あとアニメもあまりきちんと追いかけていなかったので、いつかまとめてレンタルしたい。

 ※10/27 若干内容を修正しました。


2014-10-24

【ゲーム】英雄伝説 空の軌跡FC:改 ファーストインプレッション

ファンタジーな王道RPGがやりたい!と思い、いろいろ悩んだ挙句、「英雄伝説 空の軌跡FC:改」を始めました。わかってるんだよ、これをプレイしたら続編をすべてプレイすることになるであろうことは…ですが最近発売された「閃の軌跡」シリーズも評判がいいようですし、TOZが発売されるまで頑張ってみようかなと。あとトロフィー非対応なところが少々ありがたい。TOS-Rが完全に苦行に入ってるからなぁ。

現在プレイ時間7時間ほどで、序章が終わったところです。

ストーリー

  • 若き遊撃士(なんでも屋さんみたいなもの。テイルズでいうとギルド)になったエステルとヨシュアの姉弟が、最初はご近所トラブルなどを解決していたんだけど、やがて世界規模の事件に巻き込まれていく…というわかりやすいストーリー。
  • と言ってもまだ序盤でようやくメインストーリーが転がりだしたあたりなので、これが陳腐になるも王道になるも今後次第。

システム

  • やや古いRPGであるものの、それを感じさせない優秀なシステム群。
  • 特にショートカットですぐ図鑑などコンプリートに必要なデータベースにアクセスできる、戦闘中に敵のステータスをボタン一つで確認できる、必ず逃走できるなど、「プレイの快適さ」が大事にされているところが素晴らしい。
  • グラフィックはファルコムらしく、特に背景は精緻に書き込まれていてびっくり。情報量が多すぎてむしろキャラが目立たなくなるくらい。キャラデザはやや時代を感じるが、プレイしているとあまり気にならなくなってきた。
  • その他、いわゆる依頼システムがあるが、それぞれの依頼にもきちんとストーリーがつけられており、マンネリ化するのが避けられている。主人公は遊撃士なので、依頼システムとの親和性も○。

キャラクター

  • まだ最初の街しか知らないので何とも言えませんけど、主人公周りの人々はみんないい人たちです。若干一名裏切りフラグが立っている人がいますが…。主人公の父親は人格者なうえに戦闘能力も高すぎ、「これは序盤で死亡確定だな…」と思っていたのですが、無事行方不明になりました。ただ逆にフラグが折れた気もする。
  • 主人公は元気娘と冷静少年というこれまた王道の組み合わせですが、お互いが足りないところを補い合っている感じで、好印象です。
  • ボクっ娘も出てきましたけど、これはライバルポジっぽいですね。
  • モブキャラにも全員名前がついていて、話す内容が切り替わる頻度も高く、話す内容も自分たちの生活に関する内容が多いため、妙に存在感があるのもいいところです。

戦闘

  • シンボルエンカウント制。背景の情報量が多く、敵シンボルが見えづらかったため、当初は不意打ちされることも結構あってイラッとしたんですが、敵シンボルがマップ上に表示されるアイテムを手に入れてからはずいぶん楽になりました。近寄らなければ襲われることもないので、急いでいるときは敵を避けて進めばいいですし、経験値を稼ぎたいときはスムーズに戦闘に入れるのでいい感じです。
  • 戦闘画面はへクス(じゃなかった。スクエアだ。)になっていて、行動順が回ってきた順番に、「移動」「攻撃」などのコマンドを選択して戦います。選んだコマンドによって次の行動順が回ってくるまでの時間も変わる感じ。
  • 攻撃には、威力が低く射程も狭いが連発しやすい「通常攻撃」、威力が高く射程もほぼ無制限だが発動まで時間のかかりEPを消費する「アーツ」(テイルズでいうと術)、威力が高く即時発動するがCPを消費する「クラフト」を使い分けて戦います。敵の動きを読んだり、行動順を考えて立ちまわったりと結構面白い。クラフトはキャラクター依存だが、アーツは特別なアイテムの組み合わせでかなり自由に覚えることができるので、育成の自由度はまあまあ。

というわけで、さすがファルコムの名をコンシューマー業界にも知らしめた作品だけあって、つかみはオッケーという感じです。
あまり事前にネタバレに触れていないため、今後どう展開していくかにわくわく。


2014-10-19

【小説】ガンパレード・マーチ 2K 未来へ① レビュー

11/13に、ガンパレ関係の書籍(小説、コミック、ファンブック)が電子書籍化されるとのこと。まだ読んだことがない方は、この機会にお買い求めください。

とりあえずBOOK☆WALKERで配信予定、その他のサイトにも広がるかも…とのこと。また2巻も11/10発売予定です。

ガンパレード・マーチ 2K 未来へ①

著者:榊涼介
レーベル:電撃ゲーム文庫
価格:600円

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2014-10-17

【Webラジオ】マヨナカ影ラジオ ザ・ゴールデン 第16回 レビュー

「シャリーのアトリエ」プレイしています。前作からは6年、前々作からは10年が(作中時間で)たってるんですよね。

当時14歳だった魔女っ子ウィルベルさんも、すでに24歳ですっかり大人に…なってないなぁ。

それはさておき、いよいよこの番組も最終回です!

マヨナカ影ラジオ ザ・ゴールデン 第16回(終)

mayokageパーソナリティ:森久保正太郎(花村陽介 役) / 関智一(巽完二 役)
公式:マヨナカ影ラジオ ザ・ゴールデン | インターネットラジオステーション<音泉>/
   響 – HiBiKi Radio Station -「マヨナカ影ラジオ ザ・ゴールデン」

レビュー

  • オープニング
    • この人(関さん)これで演出家だからな…警察に捕まるわ!
  • ふつおた
    • アニメ最終回にちなんでタイムカプセルネタです。
    • タイムカプセル埋めたことないなぁ。…と思うんですけど忘れているだけなんでしょうか。そして知らない間に同級生たちが掘り出したあとなんでしょうか。
    • 今回作成するタイムカプセルは、この番組が復活するときに開けるそうです。次に復活するのは劇場版ができたときかな。たぶんP3劇場版が完結まであと1年くらいはかかると思うので、その後あたりで。
    • 森久保さんの話を聞く限り、再婚する前に収録したっぽいですね。ということは少なくとも3か月以上前ということか。しかし森久保さんの前妻が浅川悠さんだったのは今回調べるまで知りませんでした。
  • マヨナカ横断メモリークイズ!
    • Q「とある番組で寝起きドッキリを仕掛けられた森久保さんの部屋に、2冊置いてあった本は?」 A「とらばーゆと「仕事ができる人の伝わる話し方」」
      実は転職するために手に入れたわけではないとのことですが…
    • 関さんの「当時は若かったから」っていうの、免罪符になってない事件が多すぎる。
  • 俺たち、男の娘!
    • 女性用のシャンプーっていう概念を今知った。うちの実家はみんな同じシャンプー使ってましたけど…
    • 腕時計の文字盤が大きいと、腕が細いのが目立つから困るんですよね。
    • 女性のカバンって何が入ってるんですかね。僕も手荷物は持たないタイプです。なぜなら手から離すと忘れちゃうから。
  • エンディング
    • 番組復活を匂わせつつ最終回です。ゲストが少なかったのが残念だったなぁ。そちらはBDのオーディオコメンタリーで補完することにします。
      お二人ともお疲れ様でした。

2014-10-13

【ゲーム】ワイルドアームズ 2nd イグニッション レビュー

ようやく「シャリーのアトリエ」を始めることができました。

それというのもWA2が終わったから。僕はなぜか複数のゲームが同時期に終了することが多いんですが、多分それはエンディングに近づけば近づくほどプレイのスピードが遅くなることが原因だな。

ワイルドアームズ 2nd イグニッション

ジャンル:RPG
価格:617円(税込。ゲームアーカイブス版)
公式:ワイルドアームズ 2nd イグニッション | ソフトウェアカタログ | プレイステーション® オフィシャルサイト

以下ネタバレあり!

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2014-10-12

【ゲーム】絶対絶望少女 ダンガンロンパ Another Episode レビュー

無事にプラチナトロフィーをゲットできました。

「希望の先にある、絶対的絶望」にふさわしい展開でした。しかし1、2の時もそうでしたけど、このシリーズはむちゃくちゃな風呂敷を広げておきながら、最後きれいに畳んでくるところがすごい。

他のシリーズ作品のレビューはこちらをどうぞ。

今回もほぼネタバレはありませんが、若干ストーリーに触れているので気になる人はクリア後に会いましょう。

絶対絶望少女 ダンガンロンパ Another Episode

ジャンル:コトダマアクション
価格:5850円(ダウンロード版)
公式:絶対絶望少女 ダンガンロンパ Another Episode | スパイク・チュンソフト

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2014-10-10

【ゲーム】デモンゲイズ Global Edition レビュー

無事にプラチナトロフィーをゲットできました。
旅行中の暇な時間を彩ってくれたことに感謝。

ちなみに絶対絶望少女もあとエピローグのみ。いろんな意味で絶望した!けど絶望しなかった!

デモンゲイズ Global Edition

ジャンル:デモンゲイズ Global Edition
価格:3685円(ダウンロード版)
公式:デモンゲイズ 公式サイト

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2014-10-09

【Webラジオ】マヨナカ影ラジオ ザ・ゴールデン 第15回 レビュー

「絶対絶望少女」も佳境(5章終盤)に入りました。今週中にはクリアできそう。

「デモンゲイズ」はあと大村正が出れば終わりなんだけどなぁ。村正はあっさり出たのにこっちはもう2時間くらい出てない。

「ワイルドアームズ2」もあとダンジョン1つ半で終われそう。

「シャリーのアトリエ」は限定版がようやく手に入ったので、上3つと入れ替わりでプレイ予定です。もう一つくらい何かプレイ始めようと思ってるんですけどどうしようかなぁ。今のところ可能性が高いのは、「英雄伝説 空の軌跡 FC:改」だったりする。

マヨナカ影ラジオ ザ・ゴールデン 第15回

mayokageパーソナリティ:森久保正太郎(花村陽介 役) / 関智一(巽完二 役)
公式:マヨナカ影ラジオ ザ・ゴールデン | インターネットラジオステーション<音泉>/
   響 – HiBiKi Radio Station -「マヨナカ影ラジオ ザ・ゴールデン」

レビュー

  • オープニング
    • P4GA視聴率良かったみたいです!これは一安心。BD2巻も届いたのでそのうちレビューをば。
    • エピローグでの完二の髪型はやっぱり話題になりますよね。悠をリスペクトしているという考えはなかった。
  • ふつおた
    • 関「(自分の)イメージとか考えたことないし」 かっこいい役多いんですから少しは考えて!
    • でも人前に出る仕事の人はいつも同じ服を着るわけにはいかないし、大変だと思いますね。最近は声優さんも露出多いからなぁ。
    • 編集のせいにするなよ!関さんのペルソナァ!(放送禁止発言)多すぎでしょ。
    • 時価ネットたなかバージョンはラバーストラップのほかに、主題歌リミックスCDやエコバッグなどもついてますよ!
  • マヨナカ横断メモリークイズ!
    • 長澤美樹さんは関さんの悪友だからなぁ…なに教えてるんだよ。
    • Q「森久保さんが昔、元カノに壊されたものは何でしょうか?」 A「ギター」
      歴代の彼女に壊され続けているそうです。まさに呪いのギター。
    • Q「新人の頃、三石琴乃さんに手を出そうとした時、何と言って断られたでしょうか」 A「幸せな結婚をしたいから」
      関さんがデビューしたころは三石さんも20代後半ですしね。幸せな結婚をされて何よりでした。
    • 浪川さんはこの間も「接ぎ木」と書いてあるのが読めなかったそうです。おいおい。
  • エブリデイ・キャプテン・ルサンチマン!
    • 「いつもので」っていう注文したことないわ。ちょっと憧れるけど、行きつけの店でもあまりメニューを固定しないからなぁ。
  • エンディング
    • 番組は毎週木曜更新。次回最終回は10/16(木)更新です。
    • P4GA年明けのイベントまでお別れかな。浪川さんが広島方面に来られるようなのでちょっと期待しています。

2014-10-02

【Webラジオ】マヨナカ影ラジオ ザ・ゴールデン 第14回 レビュー

結局「絶対絶望少女」始めました。まだ序盤ですけど、いろいろ衝撃的なので、ダンロンプレイヤーはTPSだからと毛嫌いせずに(そりゃ僕だ)プレイしてみてください。

マヨナカ影ラジオ ザ・ゴールデン 第14回

mayokageパーソナリティ:浪川大輔(鳴上悠 役) / 山口勝平(クマ 役)
公式:マヨナカ影ラジオ ザ・ゴールデン | インターネットラジオステーション<音泉>/
   響 – HiBiKi Radio Station -「マヨナカ影ラジオ ザ・ゴールデン」

レビュー

  • オープニング
    • 足立さんアカンポリスって呼ばれてるんだ…(失笑
    • ペルソナは若いうちしか出せないという設定があったはずだから、それで身を立てるのは無理じゃないかな。
  • ふつおた
    • 浪川さん意外と苦労人だったんですね。ベテラン声優さんたちは時々本当に無茶するからなぁ。
    • 時価ネットたなかバージョンはラバーストラップのほかに、主題歌リミックスCDやエコバッグなどもついてますよ!
  • マヨナカ横断メモリークイズ!
    • Q「七福神で唯一の女性の名前は?という問いに、浪川さんは何と答えたでしょう?」 A「えびこ(恵比寿+子)」
      知ってると思いますが答えは弁財天です。うる星やつら世代には余裕ですね。
    • 浪川さんはこの間も「接ぎ木」と書いてあるのが読めなかったそうです。おいおい。
  • クマの無限の可能性を示すクマ!
    • 菜々子がクマと結婚だとぅ!それは許さん!
  • ペルソナ次回予報/エンディング
    • 関&森久保チームのことを闇ラジオって言ってますけど、こちらのペアも十分闇でしたよ。やっぱり下ネタが多いラジオは個人的には乗り切れないなぁ。
    • 番組は毎週木曜更新。次回は10/9(木)更新です。
    • 浪川&山口ペアは最終回でした。お二人ともありがとうございました!

2014-10-01

【コミック】信長の忍び外伝 尾張統一記 レビュー

人生50年という言葉の意味をかみしめる一冊でした。10月には「軍師 黒田官兵衛伝」2巻も出ますよ。

信長の忍び外伝 尾張統一記

著者:重野なおき
レーベル:ジェッツコミックス
価格:571円(税別)

あらすじ

特に西暦1546年。「尾張の大うつけ」と呼ばれる男が13歳で元服。その少年こそ、のちの織田信長だった。尾張の国の中ですら、有力者が乱立し、身内同士でも油断できないこの時代、信長はのちの徳川家康、妻となる帰蝶、頼れる部下森可成らとの出会いを通じて、人間的に成長していく。しかし父親が病に伏せると同時に、周囲はにわかにきな臭くなるのだった―

タイトルにあるとおり、「信長の忍び」の外伝に当たる作品です。13歳の信長が父の跡を継いで尾張を支配し、天下統一へ踏み出すまでを描いた漫画です。「信長の忍び」の主人公である千鳥は登場しませんが、そのギャグ描写にいささかの翳りなし!と言えるほど相変わらずの重野節で、笑いながら歴史の知識を増やしていけるところが最高です。

感想

信長がわずか15歳そこそこでかなり過酷な状況に放り込まれるところから物語が始まります。信長といえば確かに日本統一直前まで行ったわけですが、その意味をあまり深く考えたことはありませんでした。しかし応仁の乱以降日本はずっと内乱状態にあったわけで、その「乱世」を終わらせようと本気で戦い、実現したというのはやはり傑出した人物だったのだなぁといろいろ思い知らされる作品です。

しかしそういう真面目な部分を前面に押し出すことなく、ギャグに包み隠してストーリーを盛り上げていくところはさすが。特に「信長の忍び」でも自由に暴れている信長の妻・帰蝶や、後継者の地位を狙う信長の兄・信広、今川義元を支える参謀・太原雪斎あたりは本当にいいキャラしてます。以前重野先生は、「歴史的資料が少ない人はその分好きに書けるからいい」とおっしゃってましたが、まさにその通り。

ワシにもわからん…

可成「森可成 このたび正式に信長様の家臣に配属になりました!!」

信長「うむ…よくぞ来た と言いたい所だがお前はクビだー!!」

可成「いきなり何スかー?」

信長「我が妻・帰蝶の事は知っておろう… お前が来ると聞いたら『顔を合わせづらい』と逃げ出しおった!! 床下を抜け木の葉にまぎれ猪に乗り行方をくらました…

可成「奥方 何者っスか?」

※79ページより引用