2018-02-05
【ゲーム】ゼノブレイド2 レビュー
これくらい事前の期待を裏切らないゲームも珍しい。
※11/27にDLCをクリアしたので追記しました(追記部分は赤文字)
ゼノブレイド2
プラットフォーム | Nintendo Switch | |
ジャンル | コンピュータRPG | |
価格 | パッケージ版/DL版 7,980円(税別) | |
公式 | ゼノブレイド2 | Nintendo Switch | Nintendo | |
プレイ時間 | 1周目:265時間(DLC含まず217時間) |
ストーリー
- 雲海に覆われた滅び行く世界―アルスト。雲海に沈んだものを引き上げて生計を立てるサルベージャーの少年・レックスは、ある日破格の報酬の仕事を受ける。引き上げた船に乗せられていたのは、眠りに就く美少女ブレイド・ホムラだった。レックスと同調して覚醒したホムラの「楽園に行きたい」という願いを聞いたレックスは、彼女に力を貸すことを決める。それは、アルスト全体を巻き込む冒険の始まりだった―
- ということで、Wiiの傑作RPG「ゼノブレイド」の正統続編です。と言ってもストーリー上の繋がりはあまりないので、ここから入っても大丈夫でしょう。さらに言えば、ゼノシリーズに連なる作品なので、ファンタジーとSFが融合した世界観も楽しめます。
- 今回特筆すべきなのはストーリー面です。物語は全10話構成になっていますが、毎話どんでん返しがふんだんに織り込まれており、起伏のある物語を楽しめます。怒涛のように押し寄せるカタルシスで最後まで中だるみすることなく進めることが出来ました。
- ストーリーの主軸は、謎の少女との出逢いから始まるボーイ・ミーツ・ガールです。ホムラは後述するとおり魅力的なヒロインとして描かれており、彼女の目的はレックス自身の目的とも重なるところが多いので、一緒に「楽園」を目指すことにためらいはありません。最近だと男の方があまり乗り気でなかったり、女の方が腹に一物あるような描写に終始したりされていまいち感情移入できないことも多いのですが、今回はそういう事もなく、素直に主人公に感情移入できました。ムービーでの演出もよく練られていて、上質なアニメを見ているかのように物語に没頭できましたね。
システム
- この前にプレイしたゼルダ同様、フィールド探索とシームレスバトルを主軸においたRPGです。とはいえ、ゼルダが探索をメインにおいて、探索をしながらバトルやストーリーを進めていくという感じだったのに対し、こちらはストーリーとバトルが中心で、探索の重要性はやや下がっています。
- フィールドはかなり広く、起伏にも富んでいて、探索の楽しみはあります。ただマップが以下のような問題があって非常に使いにくいのと、フィールドに点在する高レベルモンスターに問答無用で襲われることが多いのと、ストーリーの牽引力が強すぎるので、探索に没頭できないのもまた事実。これを探索の楽しみがあるととるか、探索が面倒くさいと取るかは人それぞれだと思います。モンスターはこちらのレベルを上げると襲ってこなくなりますが、それ以外にも、モンスターに見つかりにくくするスキルとかあれば良かったかも(※アプデで野良モンスターに見つからなくなる設定が追加され解決しました)。
- 二次元マップのため高低差が表現されていない
- マップごとの繋がりが表示されない
- ワープポイントが少ない
- パーティメンバーは、幾人かの固定メンバーに加え、「ブレイド」と呼ばれる、コアクリスタルを消費して仲間にするキャラクターを加入させることになります。クリスタル消費時はオートセーブされるので、ソシャゲのガチャよろしく、どのキャラが仲間になるかは運次第。特に最上位のレアブレイド達はいずれも個性的な外見と能力をしていますが、普通にプレイするとクリアまでに手に入るのは半分くらいだと思いますので、人によって攻略が変わってくることになります。クリアするだけなら固定メンバーと加入が確定しているメンバーだけでも大丈夫ですので、その辺りのバランスもいいですよね。
- ただしレアブレイドの出現確率が低すぎる点には苦言を呈したいです。もうエピッククリスタル99こと引き替えとかでもいいので、欲しいレアブレイドを手に入れられるようにしてくれ…コスモスが…。そもそもガチャ演出もスキップできない上に長すぎるなど、この辺の仕様についてはいくつか言いたいことが(※アプデでガチャ演出はスキップ出来るようになりました)。
最終的にyukkun20はレアブレイドをコンプ出来たので良かったですけど、それまでの間は精神的に結構辛いものがありました。そもそも今日日家庭用ゲーム機で遊んでいる人は、ガチャシステムが嫌い(もしくは好きではない)人が多いような気がするのですが… - レアブレイドはそれぞれ別の絵師さんがデザインされていますが、それを違和感なく一つの世界観に落とし込んでいるところは見事です。
- 攻略要素としては、そのほか住民からの依頼を解決する「クエスト」、手が空いているブレイドたちを派遣してステータスを上げたり報酬を集めたりする「傭兵団」などもあります。またレアブレイドからの依頼である「ブレイドクエスト」は、レアブレイドたちの背景を掘り下げるものになっており、仲間への愛着を増すことができます。これらの要素がうまく組み合わさっており、一度脇道に入るとなかなかメインストーリーに戻れなくなるほどでした。そうこうしているうちに260時間超である。
- そのほか評価したいのは、やはりイベントシアターの実装でしょうか。RPGはストーリーも長いし、伏線も多いのでストーリーを見直したいことも多いので、すべてのメインストーリーとブレイドクエストを見直すことができるのはうれしい仕様。特に今作はイーラ編が1年後に配信されたため、イーラ編をプレイする前にメインストーリーを復習したかった層も多かったのではないかと思いますのでなおさらグッド。
しかもその時の天気や、特定のメンバーが加入しているか否かなどの差分まで収録しているとか嬉しすぎる。明るいシーンなのに背景が雷雨でがっかりした人は、ぜひシアターで天気を晴れにしてもう一度見ましょう。キャラの外見を変更するアクセサリを持っている場合、その状態でセーブするとイベントシアターにも反映されます。
- その他、各所では音楽の評価が高いみたいですけど、個人的にはあまり評価できていません。もちろんいい曲もいくつもありましたが、全体としてものすごくいいというわけではなかったです。※個人の感想です。
- またボイスの量は圧倒的で、いろんな場面で膨大な数のキャラにセリフがいちいち用意されていて驚くほどでした…が、そのほとんどがスキップできないため、場合によっては同じセリフを何度も何度も聞き続けなければならなくて、それはかなりのストレスでしたね。傭兵団派遣とか、ポーチアイテム使用時の音声はアプデでスキップ出来るようになりましたが、意外と使用することが多いフィールドスキル使用時の音声は最後までスキップ出来ませんでしたね。
キャラクター
- PCは5人、そのパートナーとしてパーティに加入するブレイドのうち、メインストーリーに絡んでくるパートナーブレイドも6人(ヒカリとホムラを別にカウントして、ハナは全員で1体とした場合ですが)です。前述の通り、そのほかレアブレイドなどもいます。
- レックスは正統派の熱血型主人公ですが、自立して故郷にも仕送りをしているなど、ある程度大人として描かれています。作中でもパーティの牽引役ではありますが、周りのアドバイスもきちんと聞いて、自分の頭で考えられる子だったのでよかったですね。直情バカは苦手なので…
- ヒロインのホムラはおっとりお姉さん、ヒカリはツンデレと分かりやすいキャラ付けがされています。ちょっとあざとい…と感じる人もいるかもしれませんが、個人的にはストライクでしたね(特にホムラ)。あざといのは見た目とキャラ付けだけで、セリフや挙動があざといというわけではないので、広く万人受けするキャラだと思います。
- トラとハナはマスコット役。主にストーリーではコメディリリーフでしたけど、本当のブレイドとドライバーではないことに悩んだり、逆に普通のドライバーとブレイドには出来ないような芸当をやってのけたりと、彼らがいないとこの物語は大分味気ない物になっていたと思います。個人的にはキクとサクラにもうちょっと見せ場をあげてほしかったけど。
- メレフとジークは大人枠。メレフは厳格な軍人、ジークはイロモノという正反対な登場でしたけど、パーティに加入してからは頼れる大人としての風格を見せてくれます。でも、ジークはもうちょっとギャグ成分を残しても良かったんじゃないかな。
- まあなんだかんだ言って、一番のキャラは散々述べているとおりニアです。見た目もかわいい上に、人間形態とブレイド形態の2種類を持っていて、初対面のレックスを身を挺して守る度胸もあり、本当は孤独を恐れているのに、仲間の迷惑にならないよう身を引こうとしたり、ジークが現れる度に切れのいいツッコミを入れたり、落ち込むレックスに活を入れたり、かつての仲間との訣別に葛藤したり、敵であってもその身を案じたり、レックスと丁々発止の掛け合いをしたり、ホムラとレックスの仲にちょっと妬いたり、とにかくかわいい!言動もエキセントリックなところがなく、常識人大好きのyukkun20としては愛さない理由がないです(一応言っておきますけど、ホムラもヒカリもハナもメレフもサイカも常識人ですよ?)。早くホムラ/ヒカリフィギュアのクオリティでニアフィギュア出してください!まだ諦めてないよ!
- それにしても皆キャラ造形もかわいい!3次元キャラをここまでかわいく描ける時代が来たんですね…
戦闘
- 戦闘は、ドライバー3人に、ブレイド3人を加えた6人で戦闘します。プレイヤーが操作できるのはドライバー一人だけです。各ドライバーにはブレイドが最高3人紐付けされていて、戦闘に参加出来るのはそのうち1人だけですが、他の2人とも自由に入れ替えることが出来ます。戦闘に参加しているブレイドによって、ドライバーが出来ることも変わってきます。
- バトルは完全シームレスで、敵に見つかる、もしくはこちらから戦闘を仕掛けることで戦闘が始まり、敵を倒すか、その場から大きく離れることで終了させることができます。バトル中はフィールド探索(宝箱を空けたり採取したり)ができないので、場合によっては敵の目を盗んで洞窟に侵入し、宝箱をこっそり開いて脱出する、という行動が必要になることも。
- 戦闘に入ると、操作キャラは、全自動で通常攻撃を行います。プレイヤーが操作するのは、「戦闘中の移動」、通常攻撃で貯まるゲージを消費して放つ「アーツの発動」、アーツで貯まるゲージを消費して放つ「必殺技の発動」、これらの行動で貯まるパーティゲージを消費して放つ「チェインアタックの発動」あたりでしょうか。しかし意外とやることは多く、手持ち無沙汰な瞬間はありません。
- このように戦闘システムはそれぞれが別のシステムにがっつり絡んでいるので、きちんと理解すればスムーズに戦闘できます…が、作中での説明が不足気味の上に、その説明すら見直すことが出来ないという二重苦なので、その部分で大分損していると思います(攻略本見ても説明足りてないし…)。幸いネット上には戦闘についての解説が溢れているので、難しいと感じる時はそちらをご覧ください。特にストーリークリア後に強敵に挑む場合、システムをかなり深くまで理解していないとまともな戦いにならないレベルですので。
- メンバー編成は、ストーリー攻略中はアタッカー(レックス/ジーク)+ガーダー(トラ/メレフ)+ヒーラー(ニア)が鉄板ですが、そのほかにもアタッカー+ガーダー*2、回復可能のアタッカー*2+ガーダーなどの変則構成もできます。キャラの役割も、同調するブレイドによってある程度コントロールできるので、編成の自由度はかなり高いですね。ただしブレイドごとの戦力差がかなり大きいのと、やりこむほど回復役が不要になる(会心回復(クリティカルが出ると体力が回復する)装備を使った方が効率がいい)ため、ストーリークリア後のメンツはどうしても固定化されるのではないかと思います。そしてドライバーとしてもブレイドとしても回復特化のニアはだんだん出番がががが
総評
- このゲームには、いくつか非常に目立つ欠点があり、擁護不能なレベルのものもあります(致命的なものはアプデで解消されました)。特に前述したマップ関係、音声関係、ガチャ関係、チュートリアル関係はかなりひどい。またUIも実は使いにくく(アイテムソートが貧弱、クエストログが見づらいなど)、アトラスで3年修行して欲しいレベルです。そのほとんどはテストプレイしていれば気づくレベルの問題だと思うんですよね…(※アプデでアイテムソートの問題はだいぶ解消されました(まだ不便ですが頻繁にアイテムをいじるタイプのゲームではないので許容範囲))
- しかしながら、そういったユーザーからの批判を丹念に拾い上げ、システム的な問題をアプデで一つずつ解決していったモノリスソフトの姿勢は大いに評価出来ると思います。現時点ではシステムも他社のRPGと遜色ないレベルには仕上がっているため、もはやシステムを問題視する必要はなくなっています。
- しかしそのような非常に目立つ欠点がありながら、それを大きく上回る美点があり、全体としてみれば傑作と言って差し支えないレベルだと思います。yukkun20は2013年からゲームのプレイ時間をメモしているのですが、200時間を超えてプレイしたゲームはこれだけですし、これほど毎日集中してプレイしたのも初めての経験でした(ちなみに2番目にプレイ時間が長いのはP5(173時間)ですが、達成に半年かかっています)。トロフィーもないのにこれは明らかに異常で、このゲームがどれほど面白いのかが分かって頂けると思います。
- とにかく引き込まれるストーリーと、魅力的なキャラクター、そして奥深いバトルという、RPGに絶対必要な要素が極めて高いレベルでまとまっていて、モノリスソフトの底力を見せつけられました。なにが恐ろしいって、これもゼルダも、ハード1年目に出たと言うことです。これからのNSの進化から目が離せませんね。この2作品を乗り越えるほどの傑作が出ることを期待したいと思います。
- そしてこれまで中断挟んで約1年にわたり、プレイ日記という名の駄文にお付き合いくださった皆さん、ありがとうございました!次は…今のところ未定です。可能性がありそうなのは「十三機兵防衛圏」かな。その前に「黄金の国イーラ」ももちろんプレイします!
改めて、お疲れ様でしたー!
>タイトル画面が章ごとに変わるのも魅力
ドラクエ11もそうでした。
>ストーリーとバトルが中心で、探索の重要性はやや下がっています
というかここまでメインストーリーが面白いオープンワールドは他にない気がします。
>レアブレイドはそれぞれ別の絵師さんがデザインされていますが、それを違和感なく一つの世界観に落とし込んでいるところは見事です
2Dでこれが出来るゲームはありますが(例えばテラバトル)、3Dでやるゲームは驚異的にスゴい。
>一度脇道に入るとなかなかメインストーリーに戻れなくなるほどでした
寄り道もちゃんと楽しいのですね。安心。
>一番のキャラは散々述べているとおりニアです
やはりそうなりますよね。日記でも彼女のかわいさはひしひしと伝わりました。彼女の魅力をもっと味わいたいと思われるので、アプデでエピソード追加やドラマCDの発売に期待したいですね。
>3次元キャラをここまでかわいく描ける時代が来たんですね…
日記読む前では「言うほどかわいいか?」と思ってましたが、ゴメンナサイ、メチャクチャかわいい。
>天使か
いや全く。
>非常に目立つ欠点がありながら、それを大きく上回る美点があり、全体としてみれば傑作と言って差し支えないレベルだと思います
減点法ではなく、加点法で高く評価できる作品は名作と思います。
New3DSでのゼノブレ1の購入、本気で検討します!
2018.02.06 07:58 | by Ivan
> ここまでメインストーリーが面白いオープンワールドは他にない気がします。
とはいえ、オープンワールドはストーリー牽引型のゲームとはそもそも相性が良くない気がしますね。
> 彼女の魅力をもっと味わいたいと思われるので、アプデでエピソード追加やドラマCDの発売に期待したいですね。
そうなんですよ。もっとマルチに展開してもいいと思うのですよ!
> ゴメンナサイ、メチャクチャかわいい。
どの角度から見てもかわいくモデリングできているのはなかなか凄いことだと思います。
> New3DSでのゼノブレ1の購入、本気で検討します!
ぜひどうぞ!ただしキャラデザがアレなのはあきらめて。
2018.02.07 01:15 | by yukkun20
今のゲームではあまり見かけなくなった気がする「王道」を貫いたRPGでした
酷評しているレビューも見かけましたが 確かにシステムは調整不足な部分があるものの
それを補う「面白さ」がありました
ただストーリーが綺麗に終わりすぎて続編 外伝の可能性がほぼないというのは寂しい所
ゼノブレイド3もこの世界でやってほしいですが 無理だろうなぁ・・
2018.02.06 21:31 | by sasa
sasaさんゼノブレ2もプレイしてたんですね。ブログに感想を書いたりはなさらないのでしょうか。実は新しいレビューを(ゼノブレに限らず)期待してます。
> ただストーリーが綺麗に終わりすぎて続編 外伝の可能性がほぼないというのは寂しい所
おっしゃるとおりで、今回きれいに伏線回収しちゃいましたからね。ゼノブレ3はどうなるのか楽しみでもあり不安でもあり。
2018.02.07 01:21 | by yukkun20
たまたま見つけたゼノブレイド2を酷評しているブログですが・・むかつきますね
そんなにプレイが苦痛だったらやめればいいのに
https://game-hashirigaki.site/jrpg/2018/01/review-xenoblade2
2018.02.06 21:38 | by sasa
まあ別に批評くらい自由にしてもいいんじゃないですか?僕も時々厳しい内容のレビュー書いているので人ごととは思えない…。というか、批判するならきちんとプレイしてからだと思っているので、最後までプレイしておいて批判するとか…といわれると悲しいお。
2018.02.07 01:24 | by yukkun20
フィールドスキルが面倒だった気がする
控えのキャラクターのスキルは反映されないって・・
気づくのに時間がかかった
2021.06.15 15:10 | by sasa
フィールドスキル関係は、音声も含めこのゲームの数少ない欠点の一つですね…
2021.06.16 00:20 | by yukkun20