2014-12-20
ついに榊ガンパレシリーズが電子書籍化されましたね。これを機に読んでくれる人が増えますように。それからうちのサイトのアクセスが増えますように!
ガンパレード・マーチ 2K 未来へ②
著者:榊涼介
レーベル:電撃ゲーム文庫
価格:600円
続きを読む(ネタバレ注意) »
あらすじ
封鎖地域熊本に隔離された5121小隊は、腐ることなく遺体回収の任務を果たしていた。隊員たちには大胆さが戻り、熊本の環境を小隊色に染め直していく。
そんな中、小隊の周囲には、様子のおかしいゴブリンが出没するようになっていた。ののみによれば彼らには戦う意思はないとのこと。小隊にその言葉を疑う者はいなかったが、万が一のことを考えると舞は警戒を解くことはできなかった。そしてそれと同時に、戦意の少ない共生派も出没するようになる。とある戦闘で小隊が捕まえた共生派の一人は、自分たちは九州に置き去りにされた学兵のなれの果てだと語り始めた。その話を聞いた石津は、学兵たちを救い出すことを決意する。
一方、周辺の情勢も動き出していた。中央では5121小隊のシアトルでの暴走を理由に、反首相派が勢力を盛り返してきていた。このままでは反首相派が政権を握り、大原政権に不満を持つ米国からの干渉が強まりかねない。そのことを懸念する大原首相。また有明海では、野間集落を標的とした共生派が出没。事態は混迷を極めていった―
感想
後半部分は、これまで隊の精神的支柱だった瀬戸口が不安定になったことで、全体的に暗い雰囲気がありますね。しかし前半は、小隊が持ち前の元気を取り戻し、大浴場を建設したり、炊き出しをやったりと昔の感じに戻った感があってうれしかったです。
武装共生派は普通に考えると反首相派、場合によってはアメリカの反日分子からの支援を受けているんでしょうけど、それを暴いて大原首相大勝利だと北海道動乱とかとおんなじなので、さすがにそれはないか。新たな幻獣王の伏線もまだ回収されていませんし、どうなるか楽しみ。
そしてついに新たな共生派集団の小隊が少し明らかになりました。九州に取り残された学兵か…人類を見れば即殺害の幻獣の群れの中で、どうやって生き残ったのかは今のところよく分かりません。そもそも当時の共生派は幻獣からは仲間とはみなされておらず、普通に殺害対象でしたからね。そこら辺説得力のある説明がありますように。
« 続きを隠す
2014-12-14
P4GAのBD/DVD第4巻に収録された、映像特典のレビューです。テレビ未放送でネタバレ度が高いので、今回は折りたたみます。
なおaccompliceとは「共犯者」のこと。
続きを読む(ネタバレ注意) »
ペルソナ4 ザ・ゴールデン #Another End Episode : Thank you Mr. Accomplice
コメンタリー
カレンダー「12/5→12/6」
12/5は、原作ゲームでもエンディング分岐がある日です。仲間達と話し合い、真犯人を当てるか、それとも真犯人をかばうか選択出来ます。
今回悠は、真犯人をかばおうと仲間には黙っていることを選択したようです。
足立「これ…覚えてる?」
覚えてない人はP4Aを見直しましょう。
っていうかP4GAでは例によって端折られてます。一応説明しておくと、足立が悠たちの活動を邪魔するために送った脅迫状です。それが原因で足が付いたのは皮肉ですが。
足立「証拠品の隠滅…犯罪だよ犯罪」
刑法第104条によると、「他人の刑事事件に関する証拠を隠滅し…た者は、2年以下の懲役又は20万円以下の罰金に処する。」となっています。
足立「あーあ…つまんねぇ…」
果たして彼は「世の中クソだな」と言っていた時より幸せになれたのでしょうか。
感想
まさか映像化されるわけが無いと思っていた足立エンドが映像化ということで、収録の発表以来楽しみにしていました。
ギャグもネタも無い16分ほどの短編ですが、ゲームの鬱々としたバッドエンドぶりがよく出ていたように思います。少ないながらも自称特別捜査隊の面々とマリーの出番があったのもうれしいところ。真殿氏・浪川氏の演技もすばらしい。作画も安定していて、非常にクオリティの高い作品でした。映像特典でこのレベルの新作が楽しめるとはありがたい限りです。
でもこのエピソード中の足立は、真犯人として比較的分かりやすい動きをしているにもかかわらず、本編の足立と比べるとよほどひねくれているように見えるところはさすがだなと思います。もうちょっと悠が足立に執着する理由を明確に描いてもよかったかもしれませんが、そこは想像の余地ということで。
なお、残念ながらこちらにはオーディオコメンタリーは収録されていませんのであしからず。
« 続きを隠す
2014-12-13
もう3巻どころか4巻が出てるけど気にしない!(前回も同じ事言った
ペルソナ4 ザ・ゴールデン Vol.3
収録時間:約49分
価格:4000円
レビュー
- アニメ本編
#04と05を収録。
【アニメ】ペルソナ4 ザ・ゴールデン #4 THE MAYONAKA OHDAN MIRACLE QUIZ! レビュー | Y.A.S.
【アニメ】ペルソナ4 ザ・ゴールデン #5 Let’s go get it! Get pumped! レビュー | Y.A.S.
副音声でオーディオコメンタリーが収録されており、完二役の関さん、りせ役の釘宮さん、直斗役の朴さん、飯田音響監督、アニプレックスの足立Pが参加しています。関さんによれば「全員全裸でお送りしている」そう。朴さんは女性なんだから乗っかるな!
面白かったネタとしては、
「P4Gの次の作品はP4P(プラチナ)」(※もちろんネタ)「関さんは、P4をリアルプレイ中に真殿さんに真犯人をバラされたが、結局2周プレイした」「男はみんな千枝ちゃん大好き」「関さんは完二のキャラをやって欲しいと頼まれた時、とりあえず「ペルソナァ!」といえばごまかせると思っている」「オープニングは田口監督のセンス」「#05冒頭の釣りのシーンでは、川の流れが放送時より遅くなっている」「真下かなみはP4AとP4GAでは全く顔が違う」「マリーの下手ギターは田口監督が弾いた」「水樹奈々さんはここぞという時にはカツカレーを食べる」
- 特典映像
今回は特にないようです。
- 特製ブックレット
#04と#05のあらすじ、「クマ」「巽完二」の設定画、だいだら・音楽室・クイズ特設ステージ・ライブ特設ステージ・フードコートの設定資料、挿入歌「True Story」の歌詞、森久保さん、山口さんのショートコメントを収録。
- 特典ディスク オリジナルサウンドトラック VOL.1
作中のBGM、りせとマリー(とクマ)による「True Story」(作中のものとは異なり、最初からりせも参加)、エンディングテーマを歌う平田さんの「Ying Yang」の全11曲が収録されたサントラ。
- その他
今回もアイキャッチ画像を描いた大き目(ほぼBOXと同じ大きさ)のカードが封入されています。
2014-12-11
このサイトでもおなじみ「信長の忍び」の作者重野なおき先生の最新刊がでました!1か月以上前に。
軍師 黒田官兵衛伝②
著者:重野なおき
レーベル:ジェッツコミックス
価格:571円
レビュー
2巻は、官兵衛が有岡城に幽閉されてから、秀吉の軍師になるまでが描かれています。
官兵衛と言えば有岡城に幽閉されていた時に、官兵衛が裏切ったと勘違いした信長が官兵衛の長男の処刑を命じたというエピソードはかなり有名です。このエピソードをどう描くのか楽しみにしていたんですが、期待以上のものでした。まさかギャグマンガで泣く日が来ようとは。鼻の奥がいたいわ。
しかしこの時代に一年土牢につながれながらも生き延びたとか、その時の牢番が親切にしてくれて、のちに家臣に取り立てられたとか、その間に死んでしまった官兵衛の尊敬する竹中半兵衛最後の策が官兵衛を救ったとか、本当ドラマチックな人生です。あと秀吉の器のでかさも知った。
そんなわけで今回はギャグ成分薄目ですが、その中でも奥さんの光がツンデレ(というより今回はデレデレ)キャラとして場を和ませてくれました。そして最後には明智光秀登場です。「信長の忍び」では完全な天然ボケ要員と化してしまった彼ですが(もともとツッコミ役として織田家に登用されたのに…)、その彼がいかにして本能寺の変を起こすに至ったのか、重野先生の解釈を楽しみにしたいと思います。
データキャラの定番
石田三成「(鳥取城へ)攻め込む時期はいつ頃でしょう」
官兵衛「敵の米が最も減る…来年六月かと」
三成「敵兵力…村の人口…米の流通量から導くと…(パチパチ←そろばん)来年十月には九割の確率で鳥取城を落とせます!!私の算術に狂いはありません!!」
官兵衛(こいつ いつか「ヤツらの強さは算術では計りきれないのか」とか言って負けそうだな…)
※92ページより引用
現在、第1話、最新話4話分がヤングアニマルDensiで公開されていますので、ちょっとでも興味がある方はぜひ立ち読みしてみて下さい。
2014-12-09
saxyun先生の最新刊「空想科学X」の最新巻にして最終巻が約2年ぶりに出ました。電撃マオウは読んでないから連載が終わったことは知らなかったよ…ひそかにかなり好きな漫画だっただけに残念です。個人的にはみずしな先生、古賀先生に次ぐギャグマンガの星として期待しています。
話自体は相変わらずのシュール…というかナンセンスギャグで、主にツッコミ、時々ボケ、博士の発明品の被害に遭いつつバイオレンスな復讐に走ることもあるコトちゃん(画像一番上のメガネっ娘)と、ボケ一辺倒、トラブルメーカーにしてトラブルシューターの博士(画像中央)のコントで話が進んでいきます。
「改造」
ハカセ「(何かの発明品をいじりながら)ふーむ…むむむ…むふー…」
コト「ハカセ 空気が抜ける音してますよ 穴が空いてるんじゃないですか」
ハカセ「ワシは風船か」
コト「それ風邪のときにネギをスムーズに挿入するネギスルリですよね」
ハカセ「なつかしいじゃろ 改造してパワーアップしようかと思ってな」
ハカセ「…よしできた タマネギスルリ」
※97ページより引用
とまあ一事が万事こんな感じです。しかし最終話も最後までこんな感じで話を転がしつつ、最後の最後はちょっと余韻を残すような終わり方だったのがまた憎い。
4コマなのに次のコマが全く読めない超展開が続いたり、オチが全人類滅亡だったり、深夜に読むと笑いが止まらなくなること請け合いです。全巻揃えても5冊なので、ギャグマンガが好きな方は是非。
いくつか中身を立ち読みできるサイトへのリンクを張っていきますので、ちょっと興味を持った方はチェックしてみてください。
2014-11-29
3冊同時発売関係のレビューも最後です。
たばたちゃん派 2
著者:みずしな孝之
レーベル:バンブーコミックス
価格:562円
レビュー
いろいろなものにきょうみしんしん、ちょっと変わったセンスを持つ「たばたちゃん」を主人公にしたほのぼのシュール4コマです。
たばたちゃんがいろんなものに興味を示しつつも、子供であるがゆえに周囲に振り回されたり、逆に周囲を振り回したりする様子を楽しむ漫画です。みずしな漫画にしては文字が少なく、むしろ間を重視している感じ。これまでのみずしな作品にはない作風が魅力です。最初はちょっとどうかな…と思いながら読み始めましたが、最近は結構好きになりました。やっぱりみずしな先生の真骨頂は4コマだと思うのですよ!
どちらかというと
ママ 「これはすすき」
たばた「す すき」
ママ 「じゃあこれ(いが栗)はなーんだ!」
たばた「なんかピシピシしてていたそうでこわい……」
たばた「き きらい!」
※102ページより引用
今回からたばたちゃんも幼稚園に通うようになり、新しいお友達や幼稚園の先生などの新キャラも登場して少しずつにぎやかになってきました。しかしみずしな先生たしか独身だよな…こういうネタはどうやって思いついているのだろうか、すごく気になります。
2014-11-25
毎年1度の楽しみ、みずしな先生の大人気連載「いいでん!」の最新刊です。
いいでん!3
著者:みずしな孝之
レーベル:BEAM COMICS
価格:950円(税別)
レビュー
みずしな先生が週刊ファミ通に連載している2ページ漫画の単行本です。今回はかつてないくらいゲームしてますね…みずしな先生は忙しくてゲームをする暇がなくなると、日記的なネタでお茶を濁すことが時々あるんですが、今回はそれが少なかったような気がします。気のせいかもしれないけど。
相変わらず先生とはゲームの嗜好が合わないなーと再確認させられるマンガでしたが、ネタ自体はやはりおもしろい。しかしあれだけダンガンロンパ好き好き言ってたくせに、リメイク版をプレイした時にはストーリーの大半を忘れているってどうなんだ(第126回参照)。そして今年もベイスターズは…
この「いいでん!」と同時発売の「たばたちゃん派2」「いとしのムーコ6」をすべて買うと、SNS用のスタソプ(スタンプじゃないところがミソ)がもらえるキャンペーンやってますので、ファンの方はぜひどうぞ。僕も今日ようやく3冊そろえました。また今回もサイン会が企画されていますが、関東と九州のみ…いつになったら地元に来てくださるのか、と!
2014-11-24
帯に「猫好きにも超オススメ」って書いてますけど、猫出ません。
いとしのムーコ⑥
著者:みずしな孝之
レーベル:イブニングKC
価格:562円(税別)
感想
「いいでん!3」「たばたちゃん派2」と同時発売だったのに、本屋には「たばたちゃん派」がなかった件について。コラボキャンペーンやってるんだからそういうところちゃんとしろよ!
今回は割とムーコの心情に焦点を当てた話が多かったような気がします。
雪解けを見たムーコ
こそこそとそのゆきをなくしているやつこそ…そう!!ゆきたべむしだということに!!」
※36ページより引用
とか、子供に遊んでもらっているムーコ
玲奈「(変なお面)ほしかったらここまでおいで―!」
ムーコ「わーまってー!!」
玲奈「こっちこっちー!!」
ムーコ「もー!!はやいよれなー!!」
ムーコ「はっ!!ムーコべつにこれ(お面)きょうみない!!」
※67、68ページより引用
とか。犬ってほんとばかだなー、と思えるエピソードが満載で、犬好きには本当おすすめです。猫好きにはどうか知りませんが。
あと衝撃だったのがうしこうさんが30歳ということ。僕より若いことに絶望した!
今回のカバー裏には、歯磨き粉VSムーコ、うどんの生地VSムーコの2戦が載っています。食べ物を粗末にするのはダメだと思う…ていうか僕がリアルにこの勝負を見たら多分めっちゃ叱ると思う。
2014-11-18
黒星紅白先生(飯塚武史先生)の画集が来春発売予定って帯に書いてあったよ!前作も買ってるから超楽しみだよ!でも前作から12年たってると知って軽くショックだよ!
それはさておき毎年恒例のキノの旅最新刊です。病院の待ち時間であっさり読了。
キノの旅XVIII the Beautiful World
著者:時雨沢恵一
レーベル:電撃文庫
価格:550円(税別)
続きを読む(ネタバレ注意) »
レビュー
全巻は新聞連載の総集編のような感じでしたが、今回から再び書き下ろしに戻っています(2編だけは出典あり)。
18巻に収録されているのは、キノがメインの「牛の国」「草原の話」「スポーツの国」「税金の国」「主食の国」「チョコレートの話」「お金の国」「私の戦争」「キノの旅の国」、シズがメインの「遺産の国」、師匠がメインの「止まった国」、キノ、フォト、シズが登場する「復讐の国」でした。しかし口絵に描かれているフルート(狙撃銃の名前)ゴツイな…キノが持っているとギャグにしか見えません。これを立射で200メートル先の的に当てるとかすごすぎ。
面白かったのは「お金の国」ですかね。お金を稼いで豊かになることではなく、お金を稼ぐこと自体が目的になってしまった国の人々を描いた、風刺のよく聞いた一編でした。どんだけ悲惨なオチが待っているのかとちょっと期待しながら読んだんですが、まさかの展開でちょっとびっくり。それから観光資源とその観光資源に縛られてしまった人たちの悲哀を描いた「遺産の国」かな。これ日本でも同じようなことを考えて悩んでいる人はいるんでしょうね。旅行・観光好きな身としてはちょっとばかし反省。
「キノの旅の国」はいきなりはっちゃけ展開だったので「だれだこれは!?」になりましたけど、オチが秀逸。実際の映画もこうやって原作からかけ離れていくんだなぁ…そういえばキノの旅は一度アニメ化されていますが、時雨沢先生はどう思っているのかちょっと気になる。
恒例のあとがきは「頭のいい人には見えないあとがき」でした。僕はもちろん頭がいいので見えなかった―と言いたいところですが、いつもの習慣ですぐに気付いてしまったのでちょっと複雑。でもシリーズはまだ続くそうですので、来年の19巻を楽しみに待ちたいと思います。
「この国では、どうしてこんなにもチョコレートが食べられているんですか?」
「そりゃあ、もちろん主食だからだよ!たくさん採れて、栄養がたっぷりあって、体にもいい。食べない理由がないよね?」
※第四話「主食の国」99ページより引用
« 続きを隠す
2014-11-16
ついに…ついについについに「テイルズ オブ シンフォニア ユニゾナントパック」に収録されている「テイルズ オブ シンフォニア ラタトスクの騎士」のプラチナトロフィーをゲットしましたー!プレイ時間は84時間とそれほどではないものの、プレイ期間はほぼ6か月と、これまでの最長記録を更新しました(ちなみにPS3/PSVのゲームでこれまでの最長記録は5か月半のTOIR、最短記録は絶対絶望少女の13日)。何度かあきらめかけたけどやりました。調子に乗ってPSNPROFILESでトロフィーカードを作ってしまいました。次は記念すべき20個目のプラチナか…たぶんシャリーのアトリエでしょうね。
シャリーのアトリエは2週目に突入。今回も良作だったので、登場キャラの水着パッチをPSNで購入しました。全6人分で約1000円。これなら許せる。
TOWRUや久々にプレイ再開。そろそろキャラが増えすぎてまんべんなく育てるのが面倒になってきたので対象を絞ろうかな。ていうかお祭りゲーならせめて8人パーティくらい組めるようにしなさいよ!
テイルズ オブ シンフォニア ラタトスクの騎士
価格:6980円(税込)
ジャンル:響きあう心を信じるRPG
続きを読む(ネタバレ注意) »
ストーリー
前作TOSで世界が再生されてから2年―世界統合後の世界も、平穏とはいいがたかった。文明の進んだテセアラ人はシルヴァラント人を蛮族とさげすみ、シルヴァラント人はテセアラ人とその状況を放置しているマーテル教に抵抗し、武装組織ヴァンガードを生み出した。そんな中、ヴァンガードの拠点だったパルマコスタをマーテル教会が襲撃するという事件が起こる。
その事故で両親を失った少年エミルは、ある日魔物の王ラタトスクを復活させようとしている少女マルタと出会う。パルマコスタの襲撃犯である世界再生の英雄ロイドが、それを阻止しようと暗躍していることを知ったエミルは、ラタトスクの騎士としての誓約をかわし、マルタと旅立つのだった。
というわけで、TOD2以来(当時)の正当な続編作品です。前作のパーティキャラも全員仲間に加わるというのは従来のファンにはありがたいところ。ストーリーも続編にありがちな前作の否定や過度な持ち上げもなく、過去キャラ達それぞれもしっかりと見せ場を作りながら、新キャラたちの冒険が中心というところはぶれずに進んでいきます。シリーズ作品の中ではラスボスの心情も非常に理解できかる説得力のある描かれ方をしており、ストーリー的にはかなりの良作だと思います。反面完全な一本道でシーン分岐すらほぼないので、何週もするのはつらいかも。
システム
マップ移動がなくなり地点選択型になっている、モンスター収集・育成という要素がある、といったシリーズの中でもちょっと特異なシステムを作用しています。モンスターたちは種類も多く、育て上げれば立派な戦力として活躍してくれますので(特に高難易度では主人公より強い場面も)自分の好きなモンスター軍団を組ませることもできますし、長い間一緒に旅をしていると愛着もわいてきます。強いて言えば、名前は自由につけられるようにしてほしかったくらいか。
しかしその他のシステムはいろいろ問題が(これは移植の問題ではなくオリジナルの問題)。
- メニューなど操作方法が不親切な所が多い。メニュー横階層のつながりが悪い
- 2週目もチュートリアルが飛ばせなくてウザい。
- イベントスキップがほとんどできない
- サウンドテストがない。
- 合成システムがあるのにコレクター図鑑がない、モンスター育成があるのに育成されたモンスターの図鑑がない(ただのモンスター図鑑と統合されているので使いにくい)、スキットコンプのトロフィーがあるのにチェックリストがないなど片手落ち。
- 旧キャラはレベル固定なので、マニアモード以上だとほぼ役に立ちません。前作で世界を救ったパーティにこれは…
- 旧キャラの服が前作と一緒。さすがにこれは…。版権がらみで何かあったらしいけど、残念。
- 旧キャラに新技が(一部を除いて)ない。
- 旧キャラが戦闘で操作できない(正確に言えばできるけど、戦闘ごとに切り替えないといけないので面倒くさい)
- 技の軸線が時々ずれる。イノセンスを見習って。
- 隠しダンジョンがめんどくさい。中断セーブさせろ。
ここら辺は移植の際に多少修正できなかったものかと。ただ、プラチナトロフィーを目指さない限り、この辺はあまり気にはならないと思います。またあらすじがエミルとマルタの日記形式になっているのも、物語に没入しやすくてグッド。
キャラクター
PCは2人+ゲスト1人+旧キャラ8人。旧キャラたちは性格などはほぼ前作をきちんと踏襲されていて、エミルたちとの会話にも違和感ありませんでした。かといって仲間のうちわネタで盛り上がることもなく、主役の2人を立てている雰囲気が良かったです。テネブラエは最初絶対裏切りキャラだと思っていたのに、シリーズの歴史に残るほどの忠臣キャラだった件について。しいなはかっこよく登場したと思ったが旧作通りの扱いで笑いましたし、ゼロス・ワイルダーは前作の名誉を挽回するような男っぷりでした。マルタもこういうキャラはさじ加減を間違えるとただのウザイ子になっちゃうものですが、そんなことはなく、恋愛に真剣な姿が随所に見られて好感度高でした。テイルズには珍しいストレートなラブストーリーもいい感じ(決して釘宮病にかかったわけではない)。
戦闘
戦闘は最新作に比べるとバランス調整がやや甘く、エミルもマルタも鉄板の無限コンボがあるので基本的には詰まる所はないと思います。とはいえ、デクス&アリス戦は鋼体を付与してくるのでちょっとめんどくさかったですが。
しかし戦闘で最も問題なのは秘奥義の演出。なんで5年前の作品(TOSのこと)より劣化してるんじゃい!
トロフィーはやはり苦行で、オリジナル版から追加された要素がほとんどないなどの問題点はあるものの、TOSを楽しんだなら、ぜひともプレイしてほしい作品です。僕自身、Wiiで2週プレイしていますけど、最初の1プレイはかなり楽しめました(さすがに2週目以降はダンジョンがだるかったですが…)グラフィックも6年前の作品なので特に問題ないレベルです。
そういえば当時はTOSがGCで発売され、その後完全版がPS2で発売されたのに、TOS-RはまさかのWiiということでだいぶ批判がありました。結局PS3に戻ってきたのは皮肉ですが…僕このゲームをプレイするためにWii買ったんですよね。
« 続きを隠す