2025-06-03
【ゲーム】XenobladeX Definitive Edition レビュー
オリジナル版をプレイした当時の人、どう思ったんだろ…
XenobladeX
プラットフォーム | Nintendo Switch | ![]() |
ジャンル | RPG | |
価格 |
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公式 | XenobladeX Definitive Edition(ゼノブレイドクロス ディフィニティブエディション) | Nintendo Switch | 任天堂 | |
プレイ時間 | 1周目:142時間(本編クリアまで) +13時間(調査率100%まで) |
ストーリー
- 西暦2054年。地球は謎の異星人同士の戦争に巻き込まれてしまう。人類は生存のため恒星間移民船に乗って地球を脱出したが、消滅する地球から無事離れることが出来たのは、主人公が乗る「白鯨」の搭乗員を含めたわずかな人々だけだった。「白鯨」は2年間、生存可能な惑星を求めて宇宙を彷徨うが、異星文明の追撃部隊に発見され、激戦の末近くの惑星に墜落する。幸い人類が生存可能だったこの惑星ミラで、人類はNLAという都市を中心に、新たな文明を築いていくことを決意する。主人公はその一員として、ミラの調査・開拓に勤しむのだが、地球人類を執拗に狙う異星人もこの惑星に現れて―
- ゼノシリーズの中でもやや異色な立ち位置にある、シリーズ最新作です。オリジナル版はWiiUで発売された2015年の作品であり、それにグラフィック・システムの向上や追加ストーリーなどが足されたリメイク版となっています。これまで同様、物語は一つの惑星上で進んでいくのですが、広大なマップを駆け回りながら、ランドマークや絶景を探していくというシリーズの特色が、惑星開拓というストーリーとうまく合致していました。
- メインストーリー自体は短めですし、他のシリーズ作品に比べるとどんでん返しは少なめだと思います。またオリジナル版のエンディングの時点では重大な謎が全く解決されずに終わり、伏線なども投げっぱなしになってしまうのですが、リメイク時に追加された13章で概ね謎解きがなされています。そのため若干わかりにくい部分はあったものの(そもそもこのシリーズはどれもストーリー自体は難解なのでこれが味というものでしょう)、ストーリーとして大きな不満はありませんでした。
- またメインストーリーは薄味ですが、キャラクタークエスト(仲間になるNPCを中心にしたクエスト)やノーマルクエスト(主にNLAの住民たちからの依頼)をクリアしていけば、これまで知らなかったキャラクターたちの一面に触れたり、世界観が広がったり、人間関係が大きく変化したりして、ミラで生活しているという感覚が強く持てるようになっていました。ゲームバランスも、そういったサブストーリーをきちんとこなすこと前提で組まれている感がある(全体的にボスが強い)ので、とにかく話を進めたい、という人より、寄り道をしまくりたいタイプの人に合うゲームだと思います。
- また、主人公がアバターであり、台詞がないというのも他のシリーズ作品とは違うところだと思います。そのためメインストーリーは、主人公の所属する部隊の隊長エルマと、同僚のリンを中心に進んでいきます。とはいえ主人公も選択肢で意思表示をすることは可能ですし(はっちゃけたり無情だったりする選択肢も少なくない)、サブストーリーではその選択によって流れが大きく変わったりもする(NPCの生死が変わることもある)ので、存在感が薄すぎるという事もありませんでした。エルマやリンが主人公を立てているところもきちんと描かれていて、アバターだから物語の蚊帳の外、という感じはありませんでした。良いバランス感覚だったと思います。
システム
- システム的にはオーソドックなRPGですが、相変わらずフィールドは美しくそして広大で、歩き回るだけでも楽しめるようになっています。中盤からは巨大ロボに乗れるようになって高所などにも移動できるようになり、終盤は巨大ロボが飛行可能になるため文字通り世界中を飛び回れるようになります。システム的にはゲーム開始直後から世界中のほとんどの場所に行くことができるのですが、移動手段が徐々に解放されていくことで行動範囲が広くなる実感がきちんと持てるようになっていて、未開の地を開拓しているという感じを受けられるようになっていたと思います。
- またフィールドには「フロンティアネットスポット」というポイントが数十個存在します。ストーリー的にはそこに機材を撃ち込むことで、周辺情報の収集ができることになっていて、そのポイントを探し出していくのも、惑星ミラの開拓を行う上で重要なポイントになっています。洞窟の中など目立たない場所に位置するものもあり探すのも結構大変なのですが、それを見つけることでワープポイントとして利用できるようになりますし、その周辺に生息している原生生物や未回収のアイテムの情報が手に入ったりしますし、最終的にはポイント同士がネットワークでつながり、アイテムやお金なども採掘できるようになるので、これも惑星開拓をしているという雰囲気を盛り上げるのに一役買っていました。
- ノーマルクエストなどをクリアすることでNPCたちの人間関係が変化し、それが「キズナグラム」という人間関係相関図にダイレクトに反映され、知り合いの知り合いが知り合いみたいな感じで増えていくので、街にいる多くのNPCたちにも個別に愛着が湧いてきます。キャラクターたちもアクの強い人々が多いですし、惑星ミラにはいろんな異星人がいて、それぞれ生活習慣や価値観が違うので、変なトラブルに巻き込まれたりすることも日常茶飯事。異文化交流って難しいなぁ…と思いながら楽しんでプレイできました。こうした寄り道のボリュームが非常に多いのですが、それぞれのクエストは短いながらも展開が練られていて、飽きることはありませんでした。
- UIはいつものモノリスですが(つまりあまり良くないってことです)、WiiU版をベースに改良されているからか、今作は致命的な問題点はなかったと思います。気になった点としては、以下の点がありましたが、どれもまあ我慢できるレベルです。
- 膨大な数のアイテムが登場するのに、そのソート機能が不十分
- マップに絶景ポイントの場所名が表示されない
- クラスチェンジをする度に装備武器が変更され、アーツやスキルも設定し直さなければならない(セットを保存できるようにして…)
- 他方で、ナビゲーションボール(クエストの次の目的地まで案内してくれるアイテム↓)が優秀(過去作のように、進行不能なルートを示されることが少ない)、ヘルプ機能が充実している、モンスターからのドロップアイテムは、マテリアルチケットというアイテムで購入することが可能(なので延々モンスター狩りをしなくていい)、何をするにも画面遷移があまり多くなりすぎないような配慮があるなど、モノリスソフトおなじみの欠点は随分改善されてきたように感じました。この方向で頑張ってください…!
キャラクター
- 今作のPCは主人公を含めて22人です。その他にメイン級のキャラクターが数名います。登場する人物は皆それなりに重い過去を背負っている(何せ地球は消滅していますし、脱出できたのはエリートだけという設定なので)のですが、未開の惑星に来たことを悲観せず、前向きに、人類存続のためにそれぞれ全力を尽くしている姿がしっかりと描かれており良かったと思います。
- 事実上の主人公であるエルマさんはすごく凜としていて、大局的な判断もできるし、それでいて困っている人を見捨てることもない。でも本当に必要な時には非情な判断をすることもためらわない、というすごくできた人でした、作中でも多くの人から慕われています。こういうキャラは説得力を持って描くのが難しく、説得力が付いてこないとプレイヤーからのヘイトを集めがちなんですが、エルマさんにはそんなところがなく、みんなから頼りにされているのも納得な描かれ方をしていました。
- 同僚のリンちゃんも可愛かったですね。設定上NLAには子供がいないため、14歳のリンちゃんの無邪気な姿は本当に癒しでした。タツとの凸凹漫才も面白かったですが、タツが行方不明になったイベントでタツにも愛情を持っていることがしっかり分かりました。亡くなった両親の夢を叶えるために全力なのもいいですよね。
- 今作のノポン人枠であるタツは戦闘には参加しませんが、序盤で主人公たちに救出されてからずっと行動を共にしているので、メインストーリーにもかなり絡んできます。戦闘に参加しない割りに自慢したがりなところもあるので(まあノポン人は全員そうですが)、最初はこのキャラどうかな…と思っていたのですが、地球人と異星人同士の仲立ちをしたり、落ち込んだ仲間を励ましたり、といった戦闘外での活躍もきちんと描かれていて、最終的には好きなキャラになりました。まあyukkun20の年代の人間としては、阪口大助ボイスのメガネキャラが弄り倒されているだけで面白いのだ。
- またNLAの上層部もみんな危急時の指導者たちという感じでめっちゃ渋いんですよね。特にモーリス行政長官、絶対人類裏切るやろ…と思っていたのですがまさかああいうキャラだったとは。
戦闘
- 戦闘は、フィールド画面との完全シームレスを実現しています。戦闘に同時に参加できるのは、主人公+PC3名です。
- 戦闘では、敵の近くにキャラを立たせるだけで、オートで攻撃をしてくれます。プレイヤーは、必殺技(アーツ)の発動時にコマンドを入力するのが仕事です。
- 他のシリーズ作品では、ヘイト管理とポジショニングが重要でしたが、本作はどっちかというと火力で押し切る感があり、スピーディに進行する感じがしました。例えばアーツ(技)にはリキャスト時間があり、一度発動すると次に発動するまでクールタイムがあるのですが、本作ではクールタイムを無視して再発動できるシステムもあるので、基本アーツ連打になり、オート攻撃の出番は少なめです。戦闘中に色々考えるというより、そこに至るまでの準備が重要な気がします。
- 戦闘ではOCGというシステムがあります。これは一定時間火力上昇やクールタイムの短縮などの効果を受けられるのですが、発動コストがかなり高い上に普通にプレイしていると火力上昇の幅も低くなりがちなため、ほとんど使わずプレイする人もいるのではないかと思います。きちんと専用の装備やスキル構成にすれば、常時数十倍の火力が出せる文字通りの切り札になるのですが、OCGの説明自体があまりに少なすぎるんだよな…。これからプレイする人はぜひ攻略サイトを参照してください。とりあえず↓だけでも読んでおくのを強くおすすめ。
- また中盤からは、ドールという巨大ロボに登場して戦えるようになります。こちらは生身に比べると高火力を出しやすく(生身も鍛えればドール並みの火力が出せますが)、継戦能力は生身より低い(アーツのリキャストが長く、クールタイムも無視できない)ので、序盤で一気に削りきって戦闘を終わらせる方向に傾きやすく、さらに戦闘の速さに拍車が掛かります。とはいえ巨大な原生生物やオーバード(シリーズではおなじみの、二つ名つきの強力な敵)と巨大ロボがビームやドリルでガチンコの殴り合いをするのは男のロマンですし、生身でしか、あるいはドールでしか戦えない敵は多くはないので、お好みで搭乗するかどうかは選べばいいと思います。
総評
- yukkun20はWiiUを持ってなかったので、ゼノブレイドクロスはリメイク待ちだったのですが、今回プレイできて良かったです。正直序盤は何をすればいいか分からず、あまり楽しめてなかったのですが、中盤以降できることが増えてくると自分なりの攻略を考えるのが楽しくなり、終盤は他のゲームをプレイする時間を全部削ってひたすらミラの大地を駆け回っていました。
- オリジナル版が賛否両論だった一番の原因と思われるストーリーの伏線回収の不十分さも改善されました。それでも癖があるのは否めませんが、シリーズの他の作品を楽しめたのであればこれもおすすめできる作品に仕上がっていると思います。未知の惑星を探索するわくわく感、多種多様な宇宙人が登場するSF感、人間の生死や意識に深く切り込むゼノ感、そういうのが好きな方はぜひプレイしてみてください。
- シリーズ作品同士の繋がりも見えましたし、次回作にも期待したいと思います。
>>オリジナル版をプレイした当時の人、どう思ったんだろ…
僕はリアルタイムではなく5年前にプレイしたのですが あまりの投げっぱなしに絶望しました しかししっかり追加ストーリーで補完してくれたようですね
>>未開の地を開拓しているという感じを受けられるようになっていたと思います。
これこそゼノクロの醍醐味ですよね 一度やると時間のとけるゲームでした
>>エルマさんにはそんなところがなく、みんなから頼りにされているのも納得な描かれ方をしていました
ゼノブレ2でゲスト出演しましたけど どういうキャラクターかわかってどうですか
>>14歳のリンちゃんの無邪気な姿は本当に癒しでした
あの殺伐とした世界で リンは華があるよな リンとタツの掛け合いは微笑ましかったです
たださえ今作って硬派なキャラクターが多いですからね
ドールは2や3ではなかったのですが まあこんなのあったらチートすぎるけど なんとか今後のシリーズにも採用してほしいですね
2025.06.04 21:06 | by sasa |
> あまりの投げっぱなしに絶望しました
あれでゼノクロ2が出なかったのはなかなか許されざる所業だと思う…ゼノブレ2が発表された時に、ゼノクロ2じゃないのかって声が出てたのはそれでか。
> エルマさん
こんな複雑な設定の女性とは全然知りませんでしたけど、かっこいいところは変わらないですね。
> ドール
そうですね。空を自由に飛び回るのは他のシリーズにはない楽しさでした。
2025.06.05 01:12 | by yukkun20 |