2017-10-10

【コミック】信長の忍び外伝 尾張統一記③ レビュー

KH0.2ですが1周目クリアしました。短いとは聞いてましたけど4時間でクリアできるとは思わなかった。ただ今作はストーリーが分かりやすく、かつ後付け設定なのにうまく収まっていたので評価高いです。

信長の忍び外伝 尾張統一記③

著者:重野なおき
レーベル:ヤングアニマルコミックス
価格:571円(税別)

あらすじ

時に西暦1551年。織田家の家督を継いだ信長だったが、その地位や支配圏はまだまだ脆弱だった。戦乱の世の習いとして、弟が、そして兄が謀反を起こす。果たして信長が選ぶ道とは―

というわけで、「信長の忍び」の外伝に当たる作品です。前日譚というポジションで、信長が尾張を統一し、千鳥に出会うまでの物語が描かれています。信長というと強引に尾張を統一したような印象がありましたが、やはりそのカリスマ性で織田家を引っ張って来たんだということがよく分かる話になってましたね。

感想

今巻はやはりヤング信長の若気の至りが随所に見られるところがポイントでしょう。大将なのに殿軍やったり、敵城に単身乗り込んだり、敵大将と一騎打ちしたり、潜伏する刺客をわざわざ呼び出したり、むちゃくちゃすぎるだろー!でも人任せにせず前に出るそんな殿だからこそ、いい人材が自然と集まったのかもしれませんね。

あとは信長の忍びでは名バイプレイヤーとして活躍し、黒田官兵衛伝ではもう死にそうな柴田勝家の若き日の活躍が描かれているのもおいしいですね。ほとんどロリコン扱いでしたがw

可愛いけど10歳

可成「帰蝶様も…『柴田殿がお味方なら心強いのに…』―って言ってたぜ」

勝家「見くびるな!!姫様でワシを釣ろうとは…恥を知れ可成!!」

可成「だめかー…お市様も言ってたけどな」

勝家「な なんと お市様が?」

可成(こっちに食いついたか…)「―ってやべえだろオッサン!!」

※36ページより引用

そのほか、信長が身内には結構甘いところもたくさん描かれてましたね。教科書とかでも信長の活躍は桶狭間からだったりするので、それ以前の信長についていろいろ学ぶことが出来ていい作品でした。さすが重野先生だ。


2016-03-07

【コミック】信長の忍び外伝 尾張統一記② レビュー

4月には真田魂が出るよ!

信長の忍び外伝 尾張統一記②

著者:重野なおき
レーベル:ジェッツコミックス
価格:571円(税別)

あらすじ

時に西暦1551年。織田家の家督を継いだ信長だったが、その地位や支配圏はまだまだ脆弱だった。上役や兄弟すら敵に回さざるをえないこの時代、信長はついに下克上の狼煙を上げた。次々に立ちふさがる敵達との戦いの中で、ついに二人の英雄が出会う―

というわけで、「信長の忍び」の外伝に当たる作品です。前日譚というポジションですが、2巻の終わりは本編1巻と時代的にはかぶってきており、本編主人公の千鳥もちょっとだけ登場しています。しかし斎藤道三に援軍を出したときには、まだ尾張の内情もがたがただったんですね…よくこんな状態から天下取り寸前まで行けたものです。世が世なら少年漫画の主人公やっててもいいくらいだ。

感想

今作はやはり織田家のボケ筆頭、秀吉の登場がポイントですね。つーか信長にサル呼ばわりされていたのは知ってましたが、その人相が縁で織田家に仕官したとは知りませんでした。人生何が吉と出るかわからないものだ。まあ結局はパシリ要員として採用されたことにされちゃいましたがw

逸材来たぁ!!

秀吉(これが信長様…)

信長(なんだこのサルは…)

秀吉「特技は体が丈夫なことと…」

信長(ふん…)

秀吉「足の速さと値引き交渉と木を登って柿を取る事と…」

信長「(!!パシリとして使える!!)採用だ!!」

※100ページより引用

それから平手政秀の死も大きいですね。昔は信長を諫めるために腹を切ったというのが通説だったような気がしますが、重野マンガでは息子の裏切りの責任を取って、という事になっていました。最近読んだ別の歴史漫画でも同じような解釈がなされていましたが、今はそういう説が有力なんですかねぇ。どっちにしろ美談っぽい感じです。

あとそれから、「信長の忍び」、2016年アニメ化決定おめでとうございます!これは見るしかないわ。


2014-10-01

【コミック】信長の忍び外伝 尾張統一記 レビュー

人生50年という言葉の意味をかみしめる一冊でした。10月には「軍師 黒田官兵衛伝」2巻も出ますよ。

信長の忍び外伝 尾張統一記

著者:重野なおき
レーベル:ジェッツコミックス
価格:571円(税別)

あらすじ

特に西暦1546年。「尾張の大うつけ」と呼ばれる男が13歳で元服。その少年こそ、のちの織田信長だった。尾張の国の中ですら、有力者が乱立し、身内同士でも油断できないこの時代、信長はのちの徳川家康、妻となる帰蝶、頼れる部下森可成らとの出会いを通じて、人間的に成長していく。しかし父親が病に伏せると同時に、周囲はにわかにきな臭くなるのだった―

タイトルにあるとおり、「信長の忍び」の外伝に当たる作品です。13歳の信長が父の跡を継いで尾張を支配し、天下統一へ踏み出すまでを描いた漫画です。「信長の忍び」の主人公である千鳥は登場しませんが、そのギャグ描写にいささかの翳りなし!と言えるほど相変わらずの重野節で、笑いながら歴史の知識を増やしていけるところが最高です。

感想

信長がわずか15歳そこそこでかなり過酷な状況に放り込まれるところから物語が始まります。信長といえば確かに日本統一直前まで行ったわけですが、その意味をあまり深く考えたことはありませんでした。しかし応仁の乱以降日本はずっと内乱状態にあったわけで、その「乱世」を終わらせようと本気で戦い、実現したというのはやはり傑出した人物だったのだなぁといろいろ思い知らされる作品です。

しかしそういう真面目な部分を前面に押し出すことなく、ギャグに包み隠してストーリーを盛り上げていくところはさすが。特に「信長の忍び」でも自由に暴れている信長の妻・帰蝶や、後継者の地位を狙う信長の兄・信広、今川義元を支える参謀・太原雪斎あたりは本当にいいキャラしてます。以前重野先生は、「歴史的資料が少ない人はその分好きに書けるからいい」とおっしゃってましたが、まさにその通り。

ワシにもわからん…

可成「森可成 このたび正式に信長様の家臣に配属になりました!!」

信長「うむ…よくぞ来た と言いたい所だがお前はクビだー!!」

可成「いきなり何スかー?」

信長「我が妻・帰蝶の事は知っておろう… お前が来ると聞いたら『顔を合わせづらい』と逃げ出しおった!! 床下を抜け木の葉にまぎれ猪に乗り行方をくらました…

可成「奥方 何者っスか?」

※79ページより引用