2026-06-13
【ゲーム】ファイナルファンタジータクティクス – イヴァリース クロニクルズ レビュー
名作と呼ばれるだけのことはある。
ファイナルファンタジータクティクス – イヴァリース クロニクルズ
| プラットフォーム | Nintendo Switch™ 2/Nintendo Switch/PlayStation®5/PlayStation®4/Xbox Series X|S/Steam® | ![]() |
| ジャンル | タクティカルRPG | |
| 価格 | パッケージ版 デラックスエディション 6,800円(税込。以下同じ) 特別装丁コレクターズBOX 22,000円 ダウンロード版 デラックスエディション 6,800円 通常版 5,800円 |
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| 公式 | ファイナルファンタジータクティクス – イヴァリース クロニクルズ | SQUARE ENIX | |
| プレイ時間 | 1周目:80時間(トロコンまで) |
ストーリー
- 隣国との半世紀にわたる戦争が終わり、仮初めの平穏を取り戻したイヴァリース。しかし王の病死により、その幼い王子を王位に就けようとするラーグ公爵と、既に王家を出されていた王女オヴェリアを王位に就けようとするゴルダーナ公爵との対立が日に日に高まっていた。イヴァリースの武門の棟梁ベオルブ家の三男であるラムザ、平民出身だがラムザとともに育てられた青年ディリータ、二人は士官候補生として日々修練に励んでいたが、ある日ベオルブ家に恨みを持つ者により、ディリータの妹が誘拐されるという事件が起こる。その事件は、二人の歩みを分かち、イヴァリース全体を巻き込む大きな争乱の始まりに過ぎなかった―
- 1997年に発売されたSRPGの雄・ファイナルファンタジークロニクルをリメイクしたSRPGです。SRPGの歴史を語る上で、これとタクティクスオウガは欠かせないと思うのです。yukkun20はTOのリマスターはプレイしていましたが、FFTはプレイしたことがなかったので、いつかプレイしたいと思っていました。
- ストーリーですが、重い…というか松野節全開で、正直救いが少なく、権謀術数渦巻く時代に巻き込まれていく主人公の悲哀を描いた物語です。作中の中盤あたりで大きな戦争が起こるのですが、その戦争には黒幕がいて、その黒幕を操る黒幕がいて、さらにその裏にも黒幕がいるという感じです。主人公は苦労して一番奥の黒幕を倒すのですが、それは歴史の影での活躍に過ぎないので、結局彼の戦いは知られず世の中では異端者扱いのままですし、世界は一番表の黒幕を打倒した人物が手に入れてしまうので、カタルシスという意味では少なめです。正直主人公とライバルの熱い戦いを期待していたのですが、そういう王道物語ではありませんでした。
- ですが、ストーリーは期待外れだったかと言われるとそんなことはなく、むしろ面白かったです。王道でない分、先がどうなるのかわからない展開が多いですし、登場人物も多いのですが性格や信念などがしっかり描かれていました。状況図や人物図鑑などの補助資料も充実していて、物語をしっかり理解できるようになっていたのも◎。yukkun20は他のゲームが忙しくて数ヶ月プレイを中断していたのですが、話が分からなくなることはありませんでした。
- ラムザとディリータの関係も、yukkun20が期待したようなものではありませんでしたが、時に敵対し、時に共闘しつつ、お互い心の底では相手に対する信頼が微妙な表現の中で描かれていました。二人は結局決定的な対立を迎えず、最終的にそれぞれ大切なものを手に入れ、また失うのですが、そこに至る二人の信条も丁寧に描かれていて、エンディングも納得のいくものになっていました。TOをプレイした時にも思いましたが、90年代にこの話を書けていたのはさすがです。
システム
- アドベンチャーパートとシミュレーションパートを繰り返す、オーソドックスなSRPGです。
- 本作は、オリジナル版を極力再現した「クラシック」と、UIを刷新しシナリオの加筆・修正が施されフルボイス仕様となった「エンハンスド」の2種類のモードが収録されており、いずれかを選択してプレイすることができます(途中では切り替えられない)。yukkun20はエンハンスドしかプレイしていませんので、以下の感想はその前提でお読みください。
- 難易度は3段階から選べます(途中で自由に変更可能)。yukkun20は基本的に最高難易度でプレイしましたが、敵が硬く火力も高くなり、非常に緊張感のあるバトルを楽しめました。
- FFの名を冠しているため、ジョブやアビリティのシステムが存在しており、各ユニットは1つのジョブに就き、ジョブ依存のアビリティ1つと、「アクションアビリティ」「リアクションアビリティ」「サポートアビリティ」「ムーブアビリティ」を1つずつ選択装備して戦うことになります。戦闘中に行動すると、突いているジョブのJP(ジョブポイント)が手に入り、JPを消費することでそのジョブ固有のアビリティを修得できます。修得したアビリティは、別のジョブでも装備すれば効果を発揮しますので、それを繰り返してキャラを強化していくことになります。
- ただキャラ育成にかかるコストが高く、またピーキーなジョブも多いので、パーティバランスを取るのはかなり大変です(出撃できるのは5人と少ないので、バランスが崩れるとフォローが難しい)、最高難易度で進めようと思うと、それなりに育成に時間をかける必要がありますが、フリーマップも油断していると死にがち(敵のレベルがこちらの最高レベルによって上下するため)なので、特に序盤はかなり苦戦しました。とはいえ難易度を下げれば育成せずともサクサク進めるので、SRPGに苦手でも得意でも楽しめるバランスだったのではないかと思います。最終的には算術というアビリティが壊れすぎているのですが、算術を強く使うには相当程度育成をしなければならないので、バランスも一応取れていたのではないかと。
- 前述したとおり、ストーリーを理解するのに役立つ用語集や人物図鑑、情勢図などの情報も充実していますし、過去のイベントも見返すことができます。yukkun20はこういう世界設定に関する情報が多いゲームが好きなので、そういう意味でも楽しめました。
キャラクター
- 主人公のラムザは理想に燃える好青年ですが、立場・実力ともにそれに追いついてはおらず、歴史の波に振り回されていきます。しかし腐ることもなく、最後まで目的を貫き、現実を変えようとする強い意志を持つ若者でした。あくまで敵に誘拐された妹を助けるという目的で終始動いていたので、終盤のストーリーがヒロイックサーガっぽくなっても、感情移入できるキャラになっていたと思います。とはいえ一人で世の中を変えることはできなかったのですが、そこもリアルではある。
- ライバルキャラであるディリータは、目的のためには手段を選ばないタイプなのですが、かといって必要な努力はしていますし、時に情に流された判断をすることもありますし、また王女オヴェリアに対する愛は本物だったと思うので、なかなか複雑な、というかこれまであまり見たことがないキャラになっていました。
- その他50人を超えるキャラクターが登場します。腹黒いキャラも多いのですが、とはいえ本当の私利私欲だけで動いているキャラは多くはなく、みんな時代という大きなうねりに翻弄されながらあがいているという感じが出ていました。本当に私欲で動いている人物はそれなりの報いを受けていますし、カタルシスも少なめとは言え、ないわけではないです。
戦闘
- バトルパートは、クォータービューのスクエア制シミュレーションになっています。
- FFのアクティブタイムバトルに近いシステムで、それぞれのキャラはそのスピードに応じてCTが溜まっていき、100になった者から敵味方関係なく順次行動することになります。行動順はいつでも参照できるので、それを見据えて自分の行動を決める必要があります。
- 魔法などは行動から発動まで間があるものもあります。大抵は特定の地点を狙うか、特定のユニットを狙うか決めることができるのですが、地点を狙うと発動までに敵ユニットがそこから移動してしまうと当たりませんし、ユニットを狙うと、発動前にそのキャラが自陣に突っ込んできた場合、周りの味方ユニットが攻撃に巻き込まれたりするなど、戦略を高めるのに一役買っていました。
- またこのゲームでは戦闘不能になったユニットにもCTがたまりターンが回ってくるのですが、戦闘不能後4ターン目が回ってくると、そのキャラはロストします。そのためロストする前に復活させる必要があるのですが、復活させる方法がかなり限定的(失敗することもある白魔法、HPが低い状態で復活するアイテム、同じ高さで隣接しないと使用できない格闘などしかなく、しかもそのスキルを装備しないと使えない)なので、難易度は高めだと思います。
- オートセーブ機能もあり、現在ターンの2つ前まで遡ることができます。乱数も変動するので、強敵からアイテムを盗んだりするのに役立つのですが、仕様がやや複雑で、また無限に同じターンを繰り返せるわけでもない(条件が整えばできますが)ので、その辺りも難易度を上げているところです。
- 異常を踏まえると、個人的には、戦闘周りはもう少し説明を加えた方が良かったと思います。たとえば「物理攻撃アップ」をつけて強力な武器を装備するのと、「格闘(素手での攻撃力が上がる)」をつけて素手で殴るのと、どちらが強いのかよくわかりません。「投げる」というスキルがスピード依存であるとか、「風水術」は魔法攻撃力への依存度の方が高いとか、「白刃取り」で受けられる攻撃と受けられない攻撃の区別とこあ、書かれていない仕様が多いので、どういうビルドをすればいいのかわかりにくいです。もし試行錯誤させるなら、育成コストを下げて(フリーバトルの難易度を下げる。EXPやJPを稼ぎやすくする等)バランスを取る方が良かったのではないかと個人的には思います。
- ただ、やっぱりクラスチェンジがあるゲームは楽しいですね。yukkun20は主人公やお気に入りのキャラに全てのクラスをマスターさせて暴れさせるのが大好きなので…
総評
- yukkun20の嗜好(王道・ハイファンタジー・ハッピーエンド等)にどストライクというわけではありませんでしたが、長年名作として語り継がれるだけの魅力のあるゲームでした。確かに時代を感じる部分もあるのですが、リマスターのやり方がいいのか、プレイしていて苦痛を感じる部分はありませんでした。キャラの台詞回しがやや演劇的なところもあって、濃厚な劇を見ていたような満足感があります。サブイベントや本編とは関係ない劇中劇などもかなり凝っていて、スタッフの方の世界に対する愛情を感じました。
- 最近はSRPG自体が下火ですが、本当に魅力のあるジャンルだと思うので、このゲームに触れてSRPGが好きになってくれる人が増えるといいですね。
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