2012-11-21
メグとセロンⅤ ラリー・ヘップバーンの罠 レビュー
メグとセロンの5巻感想です。1ヶ月半ぶりのご無沙汰でした。
既刊の感想はこちらから。
あらすじ
夏休みが明けて、秋学期が始まった。ある日、セロンの親友ラリーの元に1通のラブレターが届く。それは腕時計メーカーとして有名なホイットフィールド社の令嬢、ステラからだった。実際に告白を受けて,ラリーは彼女と交際することに。話を聞いた新聞部の面々も生暖かく見守る。
ステラとは家庭の事情で校内でしか会えなかったが、彼女は積極的にラリーにアプローチし、早くもカップルとして校内の噂になっていた。一方ラリーの依頼を受けた新聞部は、ステラの周りに見え隠れする一人の男性生徒ライナスのことが気になり、ステラの人間関係の調査を行っていた。ある者はステラはライナスにつきまとわれていると言い、ある者は二人は恋人同士だったのではないかと言う。またライナスが隠れるように腕時計制作の技術学校に通っていることも判明した。そうした事実から新聞部は一つの仮説を立てるが―
ステラの目的は。ライナスとの関係は。そして全てを知ったラリーの行動は。
感想
今回はこれまでと違い、メグとセロンではなくラリーが主役の物語になっています。これまでもさわやかな体育会系としていい感じでありながら、頭の回転はさほどでない(決して頭が悪いわけではなく、周囲のメンバーが賢すぎる)ため、謎解きではあまり活躍できなかった彼ですが、今回は主人公ポジションとしてふさわしい立ち回りを見せてくれます。セロンは主にメグの悪気のない発言に凹む役だったのが泣ける。謎解きも他の人に取られちゃったし。
しかし自分がラリーの立場だったらあんな大人な対応は無理だな。そこできちんと自分の役目を理解して、それにふさわしい行動を、しかもかっこよく演じて見せたラリーの姿は男の目から見ても素晴らしかったです。メグセロシリーズは登場人物みんなが人格者だから困る。
そんなわけで、最後にラリーの名言を紹介したいと思います。
いつぞやジェニーが言っていたな。”恋愛は戦いだ”と
ならば、オレは迎え撃とう。”ヘップバーンの騎士は最後まで逃げない”がウチの家訓だからな
―でも補足しておくぞ。”最後まで逃げない”ってのは,”いよいよ最後になったら逃げてもいい”ってことだからな!
※74ページ 第2章「ラブレター」より引用
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