2025-11-03
【ゲーム】SAND LAND レビュー
久しぶりにやり応えのあるアクションゲームを堪能しました。トロコン大変だった…
SAND LAND
| プラットフォーム | PlayStation®5/PlayStation®4/ Xbox SeriesX|S/STEAM® | ![]() |
| ジャンル | アクションRPG | |
| 価格 | パッケージ版/ダウンロード版 :8,910円(税込) デラックスエディション:11,000円(税込) |
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| 公式 | 【公式】ゲーム『SAND LAND(サンドランド)』 | バンダイナムコエンターテインメント公式サイト | |
| プレイ時間 | 1周目:63時間 トロコン:90時間 |
ストーリー
- 果てなき砂漠が広がり、魔物も人間も水不足にあえぐサンドランド。悪魔の王子ベルゼブブが暮らす魔物の里に、保安官ラオが現れる。ラオは水不足を解消するため、砂漠のどこかにあると言う幻の泉を探すための旅をしていた。旅への協力を求められたベルゼブブは、お目付役の魔物シーフと共に泉を探す旅に出る。しかし、この国を治める人間の軍隊がその邪魔に出てきて―
- 鳥山明先生の短編マンガ「SAND LAND」を元に作られたゲームです。映画化・アニメ化もされましたので内容をご存じの方も多いのではないでしょうか。ストーリーは概ね2部構成になっています。
- 第1部は原作に沿って物語が展開します。オリジナルキャラクターやオリジナルストーリーなども挟まれますので、原作や映画を見た方でも十分楽しめるでしょう。それでいて原作のシンプルながらも魅力的なストーリーラインを損なうことなく話が展開していきました。
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- 第2部は隣国のフォレストランドを舞台にしたオリジナルストーリーが展開されます。ストーリー自体は鳥山先生の発案によるものではないようですが、キャラデザやエピソードなどに先生も参加してくださっているようです。第1部より人間臭く、またシリアスな展開もありますが、どちらも鳥山ワールドとして申し分のない話になっていました。
- とにかくストーリーはよく出来ていたと思います。この手のゲームはゲーム化にはボリュームアップが必要になり内容が薄くなりがちですが、本作では水増し感が全然ありませんでした。原作からは想像も出来ない広いフィールドが準備されイベントが多数追加されていましたし、第2部のキーパーソンでもあるアンが第1部の序盤でパーティに同行することもあって、話がきれいに膨らまされていました。
- またアニメのようなキャラクター造型に、映画・アニメと同じキャストによる熱演、鳥山テイストが忠実に再現された風景やメカ、キャラクターなど、スタッフの原作愛が十分伝わってくるものだったと思います。
- またサイドストーリーもよく出来ています。70を越えるサブクエストが用意されていますが、どれも適当なお遣いクエストではなく、この世界の人々の暮らしぶりや価値観、また主人公たちのキャラクター性がよく分かるものになっていました。それ以外にも強力なボスと戦う賞金首クエスト、指定された条件で敵と戦うバトルアリーナなどの大きめのコンテンツに加え、宝箱探しや落とし物集めなどの細かいイベントなど全部が作り込まれていました。ストーリーを追うだけであればおそらく40~50時間もあれば十分だと思いますが、全ての要素をやりこもうとすれば90~100時間くらいは楽しめるのではないかと思います。
システム
- アクションゲーですが基本はRPGで、イベントと町から町への移動を繰り返してストーリーが進んでいきます。フィールドやダンジョンでは住み着いている動物・魔物や敵対する軍人や野盗とバトルしながら進んでいくことになります。
- 前述の通り非常に広いフィールドが用意されています。徒歩で移動するのは大変ですが、様々なメカを乗りかえることで快適に旅をすることが出来ます。足は遅いが不意な戦闘にも対応できるバトルタンク、水上でも移動できるホバーメカ、高所に移動できるジャンプメカ、奈落を飛び越えられるバイク、道を塞ぐブロックを動かせるバトルタンクなど種類も豊富です。
- フィールドでは5つのメカを持ち歩くことが出来ます。小さく圧縮して持ち運べるカプセルのようなものがあるからな…これドラゴンボールのアレだろwただ本音を言えば13種類全部持ち歩きたかったですね。入れ替えは拠点かキャンプでしか行えないので、あらゆる場面に対応しようと思うと、結局戦闘力の高いバトルタンク/高所移動用/水上移動用/高速移動用/ブロック移動用で埋まってしまいます。どうしても使うメカと使わないメカの差が出ちゃうのがもったいない。
- ただダンジョンはな…構造がパターン化していること、マップが非常に使いづらいこと、狭い空間でカメラが動き回るため画面酔いしやすいことなど結構攻略は大変でした。個人的にはもう少しボリュームを減らして構造を単純化してくれてもよかったと思います。このあたりは好みの問題でもあると思うのですが…戦艦などの大きなダンジョンだと1日でクリアすると確実に乗り物酔いするので、2~3日に分けてプレイしてました。フィールドは広いからなのか、懸念していた乗り物酔いは気になりませんでしたね。
- また敵の基地に潜入するとスニーキングアクションになります。敵に見つかると警報を鳴らされてやり直しになるので、うまく敵の視界から外れるように潜入していきましょう。敵の背後から脅かして気絶させることで、安全に行動する範囲を増やしていくことも出来ます。
キャラクター
- 主人公のベルゼブブは原作でも非常に魅力的なキャラクターでしたが、エピソードが増えたことでさらにいいキャラになっていましたね。ワルを気取って決して人助けをしようとはしないのですが、「俺が助けたんじゃない」「悪魔のすごさを見せてやる」「ついでだからな」とか色々言い訳しながら結局助けちゃうところは、子供のような純粋さを持っているというベルゼブブのかっこよさを際立たせていました。
- 周りを固めるおっさん・ラオとシーフもいいキャラしてるんだよな。ラオはきちんとした正義感と信念を持っており、戦闘力ではベルゼブブには全く敵いませんが、きちんとした大人として存在感を放っていました。シーフも物知りという設定を生かす場面が多くなっていて、この世界の解説役として、また王子のお目付役として目立つようになりましたね。二人ともストーリー上のかっこいい見せ場もありました。
- また新キャラのアンも、最初は単なるトラブルメーカーかと思いきや、ムードメーカーとして明るくパーティを引っ張ったり、ベルゼブブを手玉に取ったりと魅力的なヒロインになっていました。第2部では彼女のシビアな生い立ちも明かされましたが、第1部でのやりとりがあるから素直に力になってあげたいと感情移入できるんですよね。彼女はメカニックなので普段はガレージにいて旅には同行しないのですが、たまに同行している時のお喋りが楽しかったので、もっと一緒に旅したかったなぁ…
- アレ将軍もいいですよね。第2部では実務家としても有能なところを見せてくれました。彼がサンドランドを守ってくれていたからベルゼブブたちは好き勝手できたわけで。ロゼッタ戦では共闘できるのも熱い。
戦闘
- ベルゼブブは悪魔の王子なので生身でも戦うことが出来ます。通常攻撃や強攻撃、ジャンプ、回避などを組み合わせて軽快に戦うことが出来ます。生身戦闘は回数は少なく、途中から使えるようになる必殺技が超火力なので若干大味ですが、原作再現(ベルゼブブ人間とは比べものにならないほど戦闘力が高い)でもあるので特に不満は感じませんでした。
- とはいえ本作の目玉は、メカに乗って戦うメカ戦闘でしょう。敵の攻撃を華麗なハンドリングでかわしながら強力な主砲を打ち込み、主砲のリロード中は機銃に持ち替えて敵を削っていく―そんな男心をくすぐるアクションを簡単操作で楽しむことが出来ます。難易度は三段階用意されていますが、EASYにすればボスでもサクサク倒せるため、アクション苦手でも問題ないでしょう(トロコンするなら別ですが…)
- 原作では戦車(バトルタンク)くらいしか登場しませんが、本作では13種類のメカに搭乗することが出来ます。高所から落下攻撃ができるジャンプメカ、水上をホバリングしながら攻撃できるホバーメカ、パンチと銃で戦う格闘メインのバトルメカなど、鳥山先生がデザインした多数のメカを自在に乗り回すことが出来ます。
- また各メカはパーツをカスタマイズすることが出来ます。敵が落とす素材から作れる装備もあれば、店売の装備、敵がドロップする装備など豊富な種類から好きなものを選んで装着することが出来ます。バトルタンクの主砲一つとっても、通常のキャノン、炸裂弾を撃てる滑腔砲、同時に2発撃てる連装砲、広範囲を攻撃できる電磁砲などバリエーションも豊富。前述した賞金首たちは非常に強力な装備をランダムドロップするので、ハクスラとして楽しむことも出来ます(トロコン目的ならそこまでする必要はないですが…)。
- ただメカカスタムのUI周りはいまいちだったかな…メカのカスタムとメカパーツのカスタムなどが別立てになっていて、装備の比較も一手間掛かったりします。必要な素材をどこで入手できるかもわかりにくく(yukkun20みたいに宝箱集めをしていれば素材不足に悩むことはないのですが、ストーリー優先だと結構困りそうです)、ショップごとに販売商品もかなり違う(が一覧する方法がない)ので攻略サイト必須かな。
- 高難易度のボス戦はかなり歯ごたえがありました。敵の攻撃もシビアですし、メカの火力も耐久性も、きちんとメカ強化をしているかに大きく依存してるのでそのあたり手を抜くと瞬殺されます(本作はメカを破壊されるとその時点で敗北)。特にバトルアリーナはアクションをあまりプレイしないyukkun20には結構厳しい仕様でした…とはいえ敵の攻撃はきちんと対処法が準備されているので、理不尽負けはなく、そういう意味で戦闘の完成度も高かったと思います。
総評
- yukkun20は原作も映画も好きですが、何せ粗製濫造のキャラゲーがあふれる時代を生きてきたのでこのゲームもプレイ前は結構心配していました。しかし蓋を開けてみれば、原作ファンとして十分満足できるゲームに仕上がっていたと思います。
- またyukkun20は画面酔いに弱いのでそれも心配していたのですが、オプションで画面揺れ演出をOFFにできるなど細かい点の配慮がなされていて、ダンジョン以外では困ることはありませんでした。
- ところどころ欠点もなかったわけではないのですが、全体としてみれば非常に良質なアクションゲームだったので高評価です。
- ただトロコン難易度は高めです。特にバトルアリーナ関係が鬼門ですね。そのうち簡単な攻略をまとめるつもりです。

































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