*Y.A.S.*

ストーリー

• 世界征服を企む魔王に召喚された破壊神―あなた。その力を使って魔物たちを操り、勇者を倒し、城を制圧して世界を魔王色（おもに紫）に染め上げるのだ！
  
• ということでPSPで好評を博したRTS「勇者のくせになまいきだ」シリーズの最新作です。僕は過去作はプレイした経験はないのですが、RTS好きとして気になってました。今回PSVRを購入したのを機にプレイさせてもらいました。まあこのシリーズのお約束よろしく、ストーリーなんてただの飾りですよ。
• ゲームやアニメのパロディネタが存分に含まれていて、色々なところでクスッとさせてくれます。
  
  グランディアネタとか懐かしすぎるだろ。

システム

• プレイヤーは破壊神ですが、直接事態に介入することは出来ません。フィールドに魔物の巣を設置して魔物を繁殖させ、今度はその魔物をエサにする別の魔物の繁殖させていきます。人類側も黙ってみているわけではなく、勇者たちを次々と送り込んできます。勇者らしく単体の戦闘力では大概の魔物を凌駕している勇者たちですが、こちらは魔王軍らしく数の暴力で押し切っていきましょう。人類側の拠点を落とし、最終的に城を征服すればクリアになります。
  
• 産みだした魔物や勇者たちなどを一覧できる機能もあり、箱庭ゲーが好きな人には十分楽しめると思います。魔物たちもバリエーションはさほど多くありませんが、どこか愛くるしい姿になっていて、繁殖させるのが楽しくなる作りになっています。こんなゲームプレイしたら、普通のファンタジーRPGがプレイしにくくなるじゃないですか。魔王側に感情移入しすぎて。スタッフロールでは魔物たちが登場してダンスを披露してくれるのですが、ちょっとうるっときた。
  
• マップを使ったRTSなのですが、フィールドは90度ごとに回転が出来るだけで、あとは視点の高さを3段階に調節する機能しかありません。しかしながらだからと言ってマップが見にくいということもありませんでした。逆に3D酔いをしなくて良いので、激しい動きのあるゲームが苦手でも全然問題ないと思います。でもギャラリーモードの時はフリーで移動できてもよかったかも。
• またカーソルは、コントローラーから放物線上に伸びる矢印の先に位置しているのですが、この作りが絶妙で、コントローラーを前後左右に傾けることで自由に位置を操ることが可能になっています。直感的な操作ができて、その辺でストレスがたまることは全くありませんでした。

キャラクター

• セリフのあるキャラは魔王とその娘だけですね。
• 魔王は一応魔王軍のリーダーというポジションなんですけど、基本的に何にもしません。破壊神にアドバイスするのとよいしょするのが主な仕事です。といってもそのトークもネタ満載で、なんだか友だちの家でゲームを一緒にやっているような感覚になります。魔王軍が敗北すると勇者たちが破壊神と魔王のいる部屋になだれ込んでくるのですが、そこでも抵抗らしい抵抗をすることなくあっさり囚われの身となったりして、終始笑いを提供してくれました。
  
• そしてこのゲームを語る上で絶対欠かせないのが、魔王の娘の存在でしょう。これまたなかなかに毒舌少女なのですが、ちょっと舌っ足らずなしゃべりと、時々破壊神にデレる姿と、「もっと私を大事にしろ」という王道のツンデレセリフで破壊神のハートを破壊しにかかります。黒目と白目の反転した娘EYEもかわいく見えてくるから不思議だ。
  
  最初に取ったトロフィー？これにきまってるだろ。
  

戦闘

• シミュレーションとしての難易度はさほど高くないです。難易度は3段階で調節できますので（トロコンはどの難易度でも可能）RTSが苦手でも問題ありません。僕はふつうでプレイしましたが、中盤のビッグブリッジ攻防戦と最終面で一度ゲームオーバーになったくらいで、最終的には全面Sランクでクリアできました。
• 効率を言うと、エレメント系とリリス系を強化しておけばそれだけで全面クリアが可能ですので、優先して育てておきましょう。始まったらまずエレメントの巣を2つとリリスの巣を1つ置き、あとは子宝肉でリリスを一気に増やし、力押しで侵攻していけばOK。餓死しそうになったリリスは吸収合体でゴーレムに転生させてあげましょう。

総評

• 購入したものの、いいソフトがないなーと嘆いていたyukkun20にしっかりと刺さるタイトルでした。初めてのPSVRゲームでしたが（ダンロンVRはさておき）、これだけでもPSVR購入したかいがありました。
• VRだからって別にリアル寄りのゲームがしたい層ばかりじゃないと思います。現実では無理なこういうファンタジーの世界にがっつり浸れるゲームも必要なはずです。とはいえあまりに2次元的なキャラ造形になると、3次元化した時に気持ち悪くなるかなーと思いましたけど、完全に杞憂でしたね。
• 唯一の難点はボリューム不足でしょうか。トロコンしても8時間ほどで、これまでのトロコン記録をあっさり更新してしまいました。1ステージが10分もかからず終わるのは、目への負担が大きいPSVRには適していて良かったと思うのですが、だからこそもうちょっとボリュームがあるとうれしかったですね。でもそうするとユニットの種類ももう少し増やした方がいいし、ギミックも増やさないと飽きが来るでしょうからなかなか難しいかな。とにかく最後まで飽き足りだれたりせずクリアできたのは事実です。
• このゲームもぜひ続編を出してほしいですし、こういうボードゲーム系はVRとの相性もよさそうですね。またPSVRのファンタジック界隈を盛り上げてくれるゲームが出ることを期待しています！

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