2015-07-11

【ゲームグッズ】『テイルズ オブ』シリーズ アニメーション ヒストリア レビュー

テイルズのアニメーションを特集した書籍。

この手の本についてはあまり言わないんですけど、今回は言える、すげー面白かったと。Amazonレビューで低評価付けてる人は何もわかってない!(怒

『テイルズ オブ』シリーズ アニメーション ヒストリア

レーベル:ニュータイプ編
価格:2916円

レビュー

  1. SPECIAL INTERVIEW
    この本の肝にして高評価のポイント。僕もテイルズファン歴が長いので、藤島先生やいのまた先生のテイルズ関係のインタビューは大体読んでいる自負がありますが、今回は新しい情報が多い上に内容が面白い。
    • 藤島康介先生
      • (印象に残っているのは)『ヴェスペリア』で、全体の雰囲気を和風のデザインにしてほしい、と言われたことです。
      • キャラクターデザインはシンプルな方が本当は良いんです。たとえば『ドラえもん』は、(誰が書いても)おそらくだれもが何となくドラえもんと分かるはずです。それを考えると、ドラえもんを生み出した(藤子)先生はやっぱり凄いなと思います。
      • 漫画ですと、現実世界で同じ服を着続けている人があまりいないように、できるだけ同じ服を描かないようにしています。
      • (ヴェスペリアのパッケージイラストに描かれているユーリの顔に差している影は)結局自分ではあそこまで暗く出来なくて、アートディレクターの方にお願いしたんです。…私はPCではなく手で描いていますから、やり直しがきかないんですよ。
      • (複数のデザイナーが関わる場合は)他のキャラクターのイメージと被らないように「ポニーテールは使えません」とか「スカートも避けてください」などとオーダーされるんです。
    • いのまたむつみ先生
      • 『デスティニー』でオープニングのアニメーション制作をどこに頼むかという話になったときに、わたしのお付き合いのある中から「Production I.Gさんにお願いしてみてはどうでしょうか?」と提案させていただいたんですよ。
      • たしかに腹筋は好きなんですけど(笑)。ただ、リッド(の腹出し)のデザインとは関係ないですね。
      • ジューダスだけが全身真っ黒なのは、私がどうしても一色にしてほしいと無理をお願いしたからなんですね。…提出したあとにやはり一度戻ってきたんですけど、「直したくないんです」と無茶を言ったりして……(笑)。
      • 事前にもらってたソフィーの髪型のオーダーは、そもそもポニーテールだったんですよね(笑)。(※製品版のソフィはツインテール)
      • (ミラのアホ毛について尋ねられたときは)「有り余るエネルギーが毛に集中しているんです、この先の方を光るように出来ませんか?」とか言ってたりしましたね。
      • (ゼスティリアの天族については)実は天族として過ごす月日が長ければ長いほど、デザインに白いパーツが増えるという設定なんです。
    • Production I.Gの寺川P・松竹作監
      • (TOV劇場版の)ガリスタは…亀井監督が『ジ アビス』のジェイドを出したいというようなことを言っていて、…その名残があるからか、ガリスタとジェイドって似てると思いませんか?(松竹氏)
    • ufotableの近藤社長・外崎監督・松島作監
      • (TOSのOVAのテセアラ編)の制作が決まったのは、「シルヴァラント編」最終話の外崎さんの絵コンテが上がってきてからなんです。(近藤氏)
      • 本当は1本30分で作る契約だったはずなのに、大半が30分オーバー。ひどい巻は40分以上、50分近くもありますからね。もう意味が分からない(笑)。(近藤氏)
      • スレイに対したときのミクリオのポーズは、他のキャラクターを相手にしたときとは変えるとか…そういうことに意外と僕らうるさいんです。(外崎氏、松島氏)
  2. ARCHIVES
    テイルズのゲーム、アニメ、劇場版などのほぼ全てを網羅した年表。「ブレイカー」「コモンズ」「ビブリオテカ」などのマイナータイトルもきっちり網羅。バンナム頑張ったね。
  3. ILLUSTRATION GALLERY
    P、E、Aの過去の一枚絵の紹介。アニメ雑誌や製品パッケージなどに用いられたもの。アニメ関係のもののみで、全てを網羅しているわけでもない。
  4. HISTORIA 1 ANIMATION
    P(OVA)、E(TVアニメ)、S(OVA)、A(TVアニメ)、V(劇場版)、Z(TVアニメ)のアニメーションの特集。
    各作品については以下の構成になっている。
    • 概説(2ページ)
      スタッフ、キャスト、本編のスクリーンショット(以下SS)数枚、オープニングやエンディングムービー曲名とアーティスト名、SS数枚、原作ゲームとの関係、作品全体のあらすじ、世界観・設定の簡単な解説
      解説はあまり詳しいわけではなく、ゲームないしアニメを知っている人向け。
    • キャラクター紹介(数ページ)
      主人公&ヒロインについては1人当たり1ページ、その他のメインキャラについては半ページをあてて、キャラクターの基本情報や作中での活躍、メインストーリーへの絡み方などを解説。
      やや量は少ないものの手堅いまとめ方。
    • ストーリー紹介(数ページ)
      ストーリー1話1話(話数が別れていないものは編集者が適当に分割)についての紹介。アニメーションのSSが充実。
      その分あらすじが割を食っていて、初見の方にはちょっと分かりにくいかも。
    • 原画ギャラリー(S、V、Zのみ)
      作中の印象的なシーンの原画ギャラリー。
      場面のチョイスが秀逸で、解説も短いながらも読み応えがある。
  5. HISTORIA 2 GAME
    これまでに発売されたテイルズのゲームの紹介。といってもゲームそのものに関する解説は少なく、その大部分がオープニングとエンディングのムービー紹介に割かれている。
    ムービーがない作品についてもほぼ全て網羅されている(エスコートタイトル、携帯アプリ、
    またミントの声優にこおろぎさとみさんの名前があったり、エターニアオンラインやタクティクス、ヴァールハイト、マテリアルダンジョンなどの知ってる人の方が少ない作品もきちんと触れているのは偉い。
    あえて言えば、TOI-Rのオープニング、TOVのPS3バージョンのオープニングが収録されてないのが残念。

というわけで、非常に読み応えのある資料集でした。ページデザインも全体的に美しく、アニメ雑誌を長年作っている角川さんらしい仕上がりになっていて満足です。学生の頃、ムービーのスクリーンショットをプリントアウトして冊子を作っていた自分からすると、これだけの充実した内容の本を出してくださったことに感謝です。

原画集みたいなものを期待されると多分がっかりだと思いますのでそこだけ注意。

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