*Y.A.S.*

レビュー

近年まれに見る最高のストーリーアニメでした。

ゲーム版は色々ストーリーで叩かれていましたけど、その不満点を全て浄化してここまでのアニメに仕上げてくださるとは、ufotable、恐ろしい子！

スレイについて

ゲームでは、ライラが肝心な部分をぼかしているせいで、どうにも流されている感がありましたけど、今作ではまさに主人公として、様々な人々を繋ぐ要として存在感を示してくれました。「人と天族が共存できる社会は実現できる」、そして「どんな穢れも浄化できる」という２つの信念（これはゲーム版でも持っていましたが、宗旨替えが早すぎた）を最後まで貫いたのも良かったです。

エンディングもきちんとハッピーエンドに落ち着いてくれて良かった。やっぱり物語はこうでないと。エンディングが最終決戦からどのくらいたっているのかをぼかして描いていたので、ヘルダルフの浄化があっさり成功したような印象を与えずにすんでいました。

アリーシャ＆ロゼについて

これが見たかったー！なんで恋のライバルでもないのに、ゲーム版では二人にケンカさせなきゃいけなかったんだよ。

僕はゲーム版アリーシャの役回りにもあまり大きな不満は抱いていない方なのですが、それでも本作は良かった。神依化したシーンでは全俺が泣いた。アリーシャは確かにロゼに比べると従者としての能力は劣っていたのかもしれませんが、王女としての責任や権能、騎士としての戦闘能力など勝っている部分も多かったわけで、お互いを比較させながらいいところを目立たせてくれた本作の演出は本当に良かったです。マルトラン救出という大きな見せ場もありました（あれアニメオリジナルですからね？）。

ロゼもゲーム版に比べるとはるかに理解しやすいキャラになってました。殺人をしている理由についてはやや曖昧な感じになっていましたけど（あまり深入りすると今度はなぜ彼女は穢れないのかという矛盾が出ちゃいますからね）、あれでよかったのではないでしょうか。あくまで世直しが目的だったので、スレイの重視という命がけの役目も積極的に負うことが出来たのだと思います。

ライラについて

急逝されたゲーム版ライラの松来さんの後を見事に継いでくださった下屋さんには感謝の言葉しかありません。松来さんの面影を残しつつ、新たなライラを演じきってくださいました。ありがとうございました。

ミクリオについて

相変わらずのメインヒロインぶり。戦闘シーンが全体的にかっこよかったですね。出生についての話が端折られちゃったけど、まあしょうがないかな。

エドナについて

お兄さん助かってよかったね！次回予告ではなかなかの暴れぶりでした。

デゼルについて

ものすごい生存フラグ立てまくりで、これは生存エンドあるか…と思いましたが、文字通り1～2話で一気にフラグを立てて回収してしまいましたね。サブタイトル「風になる」でネタバレしちゃったのはあまりにあまりだと思いますけど。サイモンとの因縁がなくなってしまったので、なんで彼があそこまでサイモンの浄化にこだわったのかは少しわかりにくくなっていましたが、きちんとゲーム通り見せ場が作られていて安心しました。

ザビーダについて

ツンデレ成分が薄まってましたね。というか原作ではなんでツンツンしてたのか分からなかったし。

ただ、グラードマンとセルゲイがいつの間にか仲良くなってたり、ルナールがいきなり覚醒したり、最終戦でスレイが突然アルティメット化を思いついたり、若干展開を急ぎすぎた部分もあったように思います。あと1話あればなぁ。というかベルセリアに1話使ったという配分ミスのような気がしなくもない。

とはいえ、それを差し引いてもすばらしいアニメでした。特に最終話の初代OPをバックに決戦→Jouney’s Endの流れはずるすぎ。涙腺決壊しそうになったわ。ゲームOPで登場したのにゲーム本編では登場しないという憂き目に遭ったヘルダルフへの天族パンチも良い感じで再現されていて感動。ひとりじゃ勝てない相手に、みんなの力を束ねて挑むという王道ストーリーの牡基本はやはり押さえるべきなのですよ！

結局プレイヤーが求めているのは、王道なのだと思います。別にたまには邪道なストーリーでもいいですよ？TOBも人気があったみたいですし。でも新しさを求める余りプレイヤーの裏をかき続けるような物語は、やはり大衆の支持は得られないのだと思います。TOX2、TOZ、TOBとややひねった物語が続いたので、次回作は普通に作ってほしいなぁ。結局僕の中ではPとかEとかSとかが評価高いんだよ（まあVも好きですけどね）。

あともうアニメ版が正史でいいので、TOZ-Rも早く！それからこの尺とクオリティでTOPも再アニメ化よろしく！

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