最終回 星を継ぐ者…

これまでのあらすじ

 最後までありません。

ストーリー

 ナディアに銃口を向けるジャン。しかし、ジャンにはやはり撃てなかった。ガーゴイルに意識を消されたナディアと、ガーゴイルによって意識のない機械にされていたネオの銃弾が再びネモを貫く。
 だが、エレクトラとひそかにコンタクトをとっていたN-ノーチラス号が主砲を撃つ。砲撃はネオの制御装置を破壊、その衝撃でネオの意識が奇蹟的に甦った。甦ったネオはネモの言葉で、ナディアを操る制御装置を壊そうと歩き出す。しかし、あと一歩のところでガーゴイルがネオの電源を切ってしまう。勝ち誇るガーゴイル。しかし、ネオの意志の力はそれよりも強かった。彼は最後の力でナディアの制御装置を破壊し、全てをナディアに託して爆発した。
 目の前で起こったことに激しいショックを受けるナディア。しかし、彼女はブルーウォーターの継承者としてレッドノアを沈めることを決意する。言うことをきかないナディアに対し、エレクトラに電撃を浴びせて脅迫するガーゴイル。しかし、ナディアの決意は揺るがない。すると、ガーゴイルはジャンを見せしめに殺してしまった。
 ジャンにすがり付いて泣くナディア。ネモ船長は自分のブルーウォーターをナディアに渡す。2つのブルーウォーターに願えば、ジャンは甦る、と。ナディアの祈りにこたえ、ブルーウォーターが光り出した。それを阻止しようとするガーゴイル。しかし、ブルーウォーターの光に触れた途端塩の柱と化してしまう。彼はアトランティス人ではなく、地球人だったのだ。ガーゴイルは驚愕のうちにこの世を去っていった。
 ブルーウォーターの力でジャンは息を吹き返した。一同はN-ノーチラスに乗りこみ、もはや大気圏に突入しようとしているレッドノアからの脱出を図る。しかし、満身創痍のN-ノーチラス号は動かない。ネモはレッドノアに搭載されていた旧ノーチラス号の同型艦にみんなを乗せ、自分はN-ノーチラスと運命を共にする。ナディアたちの血路を開くため、『生きろ!』というメッセージを最後に残して―――
 脱出した宇宙船。その中でジャンは意識を取り戻す。『あなたの故郷に帰っているの』というナディアに、ジャンは優しく告げる。『ぼくらの故郷さ…君の生まれた星だよ。ぼくらは同じ、地球人じゃないか』。その言葉にナディアは涙を流すのだった。

コメンタリー

  • 【ガーゴイル『まさか主砲の直撃を受けるとは…迂闊だったな…』】
    本当に迂闊ですよ。N-ノーチラス号がおとなしくしてるとでも思ったんでしょうか。
  • 【ネオに弾き返される銃弾】
    最終決戦だというのにガーゴイルさまの銃は通常仕様かよ!(絵コンテによれば「物質弾です ビームにあらず」とある)ジャンですらコスモガンを持っていたのに…
  • 【ガーゴイル『人の意志の力は、科学をも超えるというのか…!』】
    どんなに優れた科学でも、人の心をコントロールすることはできない。お約束といえばそれまでですが、それが色あせないのは、みんながそれを信じている(あるいは信じようとしている)からでしょう。このシーンがあったからこそ、ジャンは科学に絶望しなかったんだと思います。
  • 【ガーゴイル『さてナディア姫、茶番はここまでだ』】
    キレたナディアにいきなり射殺されなくてよかったですね。
  • 【ガーゴイル『ネオ皇帝がなくなった今、ブルーウォーターの継承者は君だよ』】
    つうか本当の継承者のネモはどうしたんだよ。
  • 【電撃にもだえるエレクトラさん】
    もはや確信犯。
  • 【ジャン死亡】
    主人公なのに「死」の瞬間があんまりにもあっさりしていて、初めて見た時はものすごいショックだったのを覚えてます。
  • 【ネモ『ネメシス=ラ=アルゴール、君は人間だ…!』】
    このことをもっと早く言っていたら、ガーゴイルも変な選民思想に取り付かれることはなかったし、クーデターも起きなかったし、ナディアも孤児にならなかったし…あれ?諸悪の根源この人なんじゃね?
  • 【エーコー『―頼むから…頼むから…分かってくれよ…』】
    ここで泣いた。流れ的にエーコーさんが言うのは少々不自然に感じないではないけど、そんなことを吹き飛ばすくらいの力がこの台詞にはあったと思う。
  • 【イコリーナ『マリーは何をお願いしたの?』】
    第37回では中の人が水谷優子さん(マリーの中の人)だったのに今回は井上喜久子さん(エレクトラさんの中の人)だ…エピローグの某キャラとかぶるからか…
  • 【ストーリー】
    作画打ち合わせ時の絵コンテでは、本編の最初に、以下のようなシーンが挿入されていました。
    ネメシスの光のせいでガーゴイルの部下は全滅。アトランティス人は人間に対する安全装置として、ネメシスの光を浴びると塩の柱になるよう自爆遺伝子を組み込んでいたのだ。そしてネメシスの光と、それに対抗できるアウラの光は、ブルーウォーターを持つアトランティス人にしか使えないのだ。

元ネタ

  • サブタイトル「星を継ぐ者」
    ジェイムス・P・ホーガンによるSF小説のタイトル。「ふしぎの海のナディア」に限らず、GAINAXアニメの最終回はSF小説のタイトルを使用するのがいつものパターン。
  • 大気圏に突入するレッドノア
    敵の要塞がコントロールを失って大気圏に突入し燃え始める、というのは、テレビアニメ「無敵超人ザンボット3」最終回から。
  • マリー『あっ、流れ星』
    地球に落下する物体が燃えているのを見て、地上にいる女の子が流れ星と勘違いして願いをかけるのは、SF小説「万華鏡」に登場するシーンから。

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コメント & トラックバック

ガーゴイルの退場なんですけど なんというかここまで世界を揺るがした悪党が
あっさり消滅したのに 今までの戦いは何だったんだ?と当時小学生の僕は思った
あの頃は悪党はドラゴンボールみたいに すごい必殺技で倒す!のが常識だと思っていた
今思えば 僕のアニメに対する偏見をこのナディアは色々打ち砕いてくれたのだ
主人公が超人的に強くなくても ワクワクするような冒険物はあるのだと

主人公が倒したわけじゃなかったですからね。まあ宇宙戦艦の主砲がかすって生きていただけでわりとしぶとかったと思いますがw

絵コンテの没シーン、どこかで似たような流れを見たと思ったのですが、旧劇エヴァの人類補完計画発動シーンを思い出しました

レッドノア爆発シーンに飛び散る光球が後の使徒であるという逸話もあり、この時点で庵野さんはエヴァの構想をしていたのでしょうかね…?

おののののづかさんこんにちは。最初の人間アダムとか第2新東京市とか、エヴァに繋がる設定の片鱗が見えますよね。構想があったんだとすると夢がありますけど、こればっかりは監督に聞いてみないとわかりませんね…

まぁガーゴイルに真相話しとけよとはたまに言われますが話したとして自分を止める為の方便だと思って聞かなそうな気はしますね
血統を誇りとしていたかつての友へのせめての気遣いだったのではないでしょうか

黒田さんこんにちは。
> 話したとして自分を止める為の方便だと思って聞かなそうな気はしますね
たしかに。そもそもアトランティス人かどうかを確認する手段はないような気もするし、仮に聞いていても信じようがなかったでしょうね。

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