第25回 はじめてのキス
これまでのあらすじ
今から100年ほど前の昔、新しい生活の場所となった無人島でもナディアのワガママはとどまるところを知りません。
人の迷惑も省みず、ナディアは朝早くからジャンたちを引っ張り出し勝手に動物や島のあちこちに名前をつけて回り、どういうわけか自分は生まれ変わったと言い張る始末です。
あげくの果てに科学や文明とは一切縁を切ると言い出して、ナディアはたった一人でジャングルの中に入っていってしまうのでした。しかし、一人で自然の中を生きていくことの難しさを身をもって知ったナディアは、結局ジャンたちの元に戻ることになったのです。
二人は仲直りをしたものの、はたして本当にナディアのわがままは治ったのでしょうか。そしてナディアは一体何を考えて生きているのでしょうか。
ストーリー
朝からナディアとジャンは大ゲンカ。理由はジャンが朝食のオムレツに肉を混ぜたこと。菜食主義者のナディアは独自の理論を大展開してジャンを責めたてる。あげくの果てに食べ物も水もいらない!と宣言してしまった。
ところが次の日から大干ばつ。雨はまったく降らないし、ジャンの魚釣りも一向に成果が上がらない。ジャンとマリーは肉の干物をかじりながらなんとかしのいでいたが、ナディアは食べるものがない。最初は強がりを言っていたナディアだったが、空腹に耐えかねて腐って捨てられたほうれん草の缶詰を食べてしまい、お腹を壊してしまった。
その頃。ネオ・アトランティスではネモの葬儀が盛大に行われていた。ネモを弔い、ガーゴイルは次なる目標として神聖大要塞レッドノアの復活を宣言する。宇宙まで飛ぶことができるというその復活の暁には、人類支配が達成される、というガーゴイルの声は次第に力を帯びるのだった。
一方、ナディアは幼い頃の夢を見ていた。友達だった動物が安楽死させられたこと。サーカスの団長が自分のことを思って厳しく接していたこと。夢にうなされるナディア。
ジャンとマリーはナディアのために薬草を採りにいっていた。ところが、このところの干ばつで森にはロクな薬草がない。それでも探しつづけるうちに、2人は洞窟に迷い込んでしまう。ジャンが奥を見に行くと、そこにはどう見てもあやしい色をしたキノコが…図鑑でそれを調べていたジャンは、いつしかキノコの胞子の幻覚におかされ、キノコをむさぼるように食べてしまう。結局マリーのおかげでキノコからは解放されたが、幻覚を見続けるジャン。マリーに引っ張られて帰ってきたジャンに対し、ナディアはいつも自分のそばにいて助けてくれたことに感謝し、そっとキスをしたのだった。
コメンタリー
- 【シナリオ】
企画段階では、ジャンがけがをしてナディアが看病するという今とは真逆の話だった。 - 【サブタイトル】
絵コンテ段階では「楽園の罠」だった。サブタイトルが出る時の効果音は島編監督の樋口氏のアイデア。 - 【マリー『ジャン、お肉ちょうだい』】
喉が渇いている時にジャーキーは辛いな… - 【3人組】
グラタンが沈んでいるのは、第21回でガーフィッシュの砲撃を受けて穴が開いているから。というかここまで浮かんでいたのが奇跡なのだが…。ちなみにサンソンはその時に徹甲弾が命中したことに感動して固まって状態のまま。
「なんてフカ解な状況なんだ」「目がサメましたぜ」「シャークに触る奴らだ!」「おジョーズ」という怒濤のダジャレも素晴らしい。 - 【ナディア『遅いわねえ!』】
欲張って大きな容器にためようとしているので余計遅く感じている。 - 【ナディア『ほうれん草だわ!』】
これナディアって黙ってひとりで食べちゃったんですよね…マリーもいるのに。「卵は卵よ生き物じゃないわ」、蒸留水作りに失敗して逆ギレなど今回のナディアは擁護不能なところが多すぎ。 - 【ネモの葬式】
久々に登場したガー様ですが自意識過剰な演出は相変わらずです。「この地球は誰のもの?」「「「ネオ・アトラン!!」」」って本番前に何度も練習してるんですよ、きっと。
そして葬儀とは名ばかりの大演説大会。これだけの大舞台をおっぴろげておきながら、直後にナディアが想像したネオ・アトランティスは、缶詰ひとつずつに怪しげなガスを注入する地味な姿、という落差も笑いを誘います。 - 【キノコを貪るジャン】
当初はナディアが食べる予定だったが、ナディアのモデルである庵野総監督がキノコを食べないため、ジャンの役回りに変更された。 - 【マリー『あたしは幼児体型だもん!デブじゃないわ!』】
この台詞じわじわ来るw - 【ジャンを引っ張って帰るマリー】
マリーのパワーすげぇー! - 【ナディア『あたしは今までみんなに支えられて生きてきたのよ』】
ナディアの夢に出てきた団長の笑顔はなにか腹黒いものを感じずにはいられなかったんですが、その夢を見たナディアの結論がこれということは、あの笑顔も「可愛いナディア」というセリフもマジだった、という解釈でいいんでしょうか。 - こんなサブタイトルをつけておきながらイキナリ2人のケンカシーンから始まり、前編はギャグ調で進み、ロマンティックなのは最後の3分だけというぶっとんだ構成の話でした。作画も微妙なところはありましたけど、大事なところはなんとか。
元ネタ
- ナディア『好き嫌いじゃないわ!ポリシーよ!』
庵野総監督の言葉から。 - ジャン『イカないで~!イカあった!』
桃屋の「イカの塩辛」のテレビCMから。 - ジャン『マリー、お水だよ』 マリー『いつもすまないねえ』
テレビ番組「シャボン玉ホリデー」でザ・ピーナッツとハナ肇がやっていたコント。「おとうさん、おかゆができたよ」「いつもすまないねえ」「それは言わない約束でしょ」が鉄板の流れ。 - ジャン『びっくりしたなア、もウ』
てんぷくトリオのリーダー三波伸介の定番ギャグから。 - おかしなキノコ
特撮映画「マタンゴ」に登場するマタンゴというキノコから。映画では食べるとキノコに変身してしまった。
次回予告
ナディア
今度って今度は許せないわ!わたし本当に怒ってるのよ!わたしのあげたはじめてのキスを全然覚えてないらしいの!ジャンったらどうしていつもこうなのかしら…
マリー
ナディア~!大変よ、キングが家出しちゃったんだぁ!
マリー&ナディア
ふしぎの海のナディア第26回『ひとりぼっちのキング』見てね~
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