第10回 グラタンの活躍
これまでのあらすじ
時に西暦1889年。ネオ・アトランティスの基地を脱出したジャンたちは、ノーチラス号に助けを求め、乗船を許可される。未来科学の塊であるその船に、ジャンとハンソンは大喜びし、グランディスはネモに一目ぼれしてしまう。そんな中でついにナディアとネモは出会う。その運命に衝撃を受けるネモ。彼もまた、ブルーウォーターを持っていたのだ。
いったいブルーウォーターにはどんな秘密があるのだろうか。
ストーリー
あれから二日。ノーチラス号、グラタン共に修理がすみ、一行は再び大海原に乗り出すこととなった。それからすぐ、ノーチラス号はガーゴイルの飛行船を発見する。罠を疑いながらも、ネモは追跡を指示。
スピードを上げていく飛行船。ノーチラス号はルメール海峡にある地下水道を使って近道しようとするが、水道の出口には機雷が。あわてて後退しようとするが、既に入口にも機雷が配置されており、ノーチラス号は地下水道に閉じ込められてしまうのだった。
絶体絶命のノーチラス号。海流の逆流が始まる3時間後には機雷が爆発し、ノーチラス号はやられてしまう。この状況を打破するために、グランディスはグラタンを使って手動で機雷を除去することを提案する。かくして、グラタンを水中仕様に改造して、グランディスたち3人が出撃することになった。
その改造作業も終わりにさしかかったとき、サンソンはグランディスに当身を食らわせて気絶させてしまう。危険な目に遭うのは自分たちだけで十分だと語るサンソンとハンソン。結局、サンソン、ハンソン、それにこっそりグラタンに忍び込んだジャンの3人で作業は行われることとなった。
ノーチラス号が脱出するために排除しなければいけない機雷は4つ。与えられた時間は20分。2つは簡単に片付いたが、3つ目を回収中に水中カメラが水圧で壊れてしまう。しかし、気がついたグランディスがノーチラスのブリッジから直接指示を伝えることでなんとか成功。ところが、最後の一つをグラタンのマジックハンドが握ったところで海流の逆流が始まってしまう。ところが、なかなか機雷を手放すことが出来ない。機雷ごとノーチラス号にぶつかるかと思われたそのとき、3人が力を合わせて引いたレバーに満身創痍のグラタンが応える。機雷を無事排除したグラタンは、ジャンの機転でなんとかノーチラス号にしがみつき生還を果たす。3人を出迎えたのは涙を流すナディアとグランディスの熱いビンタだった。
みどころ
- 【マリー『だから男ってダメなのよ』】
この話からキャラが固まり始めます。マリーがちょっとおしゃまになるのもこの話から。 - 【機関長『機関長よりブリッジへ。メインエンジンの修理完了』】
絵コンテではこの前に、グランディスがネモの好みに合いそうな服を選ぶシーンが予定されていました。 - 【ネモ『あの連中のことだが…』】
今なら分かる、複雑な親心が。 - 【ナディア『嫌いよ…みんな嫌い…大っ嫌いよ!!』】
ナディアのわがままが加速し出すのもこの話から。 - 【ルメール海峡】
同名の海峡が実際に南極半島の近くにあります。ただしマハル島が大西洋にあることを考えると、架空の地名と考えるべきかな。 - 【測的長『艦尾5時方向の空中に反応があります!』】
ノーチラス号の探査システム(ソナーなど)を担当する探査測的長。CV:松本保典。ノーチラスクルーの中では珍しい、作中で本名が出てくる人物の一人。この人についてはおいおい語るということで… - 【ネモ『罠かもしれんな』】
事件から2日たって現場に戻り、島に着陸することもなくどっかに行こうとしてるんですから、100%罠でしょ。
こんな仕事部下にやらせておけばいいのに、わざわざボスが出張ってくる辺り、ガーゴイルのネモに対する歪んだ感情を感じます。 - 【水準操作員『各部潜行準備良し』…『メインタンク注水』】
ブリッジで操舵長の隣にいる長髪の人。CV:桜井敏治。いまいち何をしているのか分からない人ですが、これを見る限りタンクの注排水とかを担当しているのかな。一応副操舵士という肩書きも持っていますが、特に操舵する場面はありません。 - 【操舵長『潜行角度25。深度30メートル』】
ノーチラス号の操舵を担当するクルー。CV:田原アルノ。黒のタンクトップでひげのおっさん。絵コンテでは「グラウコス」という名前が付いています。 - 【ネモ『監視装置用意』】
ややわかりにくいですが、船長室の上部から出しています。 - 【地下水道】
海中に没した鍾乳洞。 - 【操舵長『プラス2度。ヨーソロ』】
「ヨーソロ」とは「宜しく候」に由来する言葉で、「了解」という意味。 - 【女性秘書『ガーゴイル様。投下完了しました』】
ネオ・アトランティスで唯一確認できる女性構成員。なおここにしか出てこないため安否が気づかわれます。処刑されていなければいいのですが…。仮面をかぶっている上に冷静沈着なガーゴイルに、『楽しそうですね』とか言えちゃう人だったのに。 - 【航海長『船長…潮の流れが変わりつつあります』】
ノーチラス号の進路や位置を、海図や羅針盤から読み取るクルー。CV:清川元夢。バンダナにメガネ。ヨガを会得している。 - 【グランディス『うるさいね!ナマ言ってんじゃないよ2人とも!』】【ハンソン『危ない橋を渡るのはサンソンと僕の2人で十分だ』】
ネモのためにグランディスが命を張り、グランディスのためにサンソンとハンソンが命を張るという熱い展開。ただのお笑い3人組ではないことが分かります。そして付いてこようとするジャンを止めるサンソンとハンソンが、いい兄貴分ポジションを獲得するのもこの話から。 - 【グラタン改】
ノーチラス号での改造により潜水機能を付与されたグラタン。ガーゴイルの通信が「海流が早まるまであと3時間と10分」で、作戦がスタートした時点では「あと20分しかない」状態だったので、わずか2時間50分で改造したことに。すごすぎ。 - 【サンソン『水中電話の感度は良好です』】
電波式ではなく有線電話。 - 【ハンソン『どうする?一度戻るか』】
このシーンのネモは笑っています。ジャンの男を認めているんです。 - 【測的長『グラタン接触!』】
子どもの頃はハッキリわかりませんでしたけど、これ本当に危険な作戦だったんですよね。最後ジャンの好プレーがなかったら間違いなくグラタンは海の藻屑だったわけですし。子どもの頃はインターミッション的な話と思ってましたが、大人になって改めて見るとかなり内容的に濃い話と言う事が分かりました。最後ダジャレでしめるのもいい。 - メインキャラクターたちの性格やガーゴイルの罠に知恵と勇気で立ち向かうノーチラス号など、見どころ満載でかつナディア初心者にも安心してオススメできる回でした。
元ネタ
- グランディス『ちょい右、そこでまっすぐ!』
テレビアニメ「機動戦士ガンダム」第43話「脱出」でカツ・レツ・キッカが言った『ちょい右、そこでまっすぐ!』
次回予告
ナディア
グランディスたち3人は、ノーチラス号で働くことになったの。
マリー
ナディア~あたしもキングも働く~。
ナディア
ダメよマリー、子供は勉強するの。
マリー
子供はイヤッ!大人になりたーい!
ナディア
あたしは、大人になんかなりたくないわ。
マリー
第11回『ノーチラス号の新入生』見てね。
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