第8回 ナディア救出作戦
これまでのあらすじ
時に西暦1889年。謎の組織ネオ・アトランティスに捕らえられたナディアは、ガーゴイルと名乗る仮面の男にブルーウォーターを要求される。その男の非情さに折れてしまったナディアは、ジャンが持っていることを告げてしまう。
その一方でジャンは3人組と共に殺人兵器バベルの塔の基部に隠れていた。その目前でついにバベルの塔の実験が行われる。その力は洋上の島を軽く吹き飛ばしてしまった。今ここに世界を滅ぼす悪魔の光がよみがえったのである。
ストーリー
ジャンと3人組はバベルの塔の基部でナディアを救出する作戦を立てていた。グランディスたちもブルーウォーターのため(本当はジャンが持っているのだが)、ナディアの救出に協力してくれるという。その後ろで、基部に備え付けられていた人造オリハルコンにひびが入ったが、それに気付く者はいなかった。
4人は基地の発電所が湖から水を引いているのを発見し、その水をせき止めて停電を起こすという作戦を立てる。4人は二手に分かれ、ハンソンは森にグラタンを回収しに、残りの3人は基地に潜入することにしたのだった。
一方、ガーゴイルはブルーウォーターを手に入れられないことにいらだち、ナディアたちを盾に基地内放送でジャンに投降するよう呼びかける。ジャンは仮面の兵士に変装したグランディス、サンソンと共にガーゴイルの前に出ていくことになった。
ジャンは兵士たちに囲まれた広間でガーゴイルと対峙していた。ブルーウォーターを引き渡すよう求めるガーゴイルに、ジャンはまず兵を下げるよう求める。その言葉に応じて兵を下げるガーゴイル。すかさず、サンソンがガーゴイルに銃の狙いをつけ、ナディアの解放を要求する。しかし、ガーゴイルは応じない。怒ったサンソンは銃を撃つが、弾は全てガーゴイルの前に張られていた見えない壁にはじかれてしまった。
絶体絶命かと思われたそのとき、基地が突然停電する。その隙を逃さず、ハンソンのグラタンが突入。暗闇と襲撃で仮面の兵士たちが混乱に陥る中、ジャンたちはナディア、マリー、キングを奪還しガーゴイルの前から脱出する。
ハンドルを握ったサンソンは見事な操縦で敵の兵器を退け、見る見るうちに出口へ近づく。湖上に着水し、後は取水口から脱出するだけかと思われたその時、眼前にネオ・アトランティスの潜水艦が浮上する。応戦するが、火力が違いすぎて逃げることもままならない。今度こそダメかと思われたが、そこにネモ率いるノーチラス号が登場する。あっという間に潜水艦を沈黙させるその力に驚きを隠せない一同。
一方、ネモ侵入の報を受けたガーゴイルは、ノーチラス号に向けてバベルの塔を発射する準備を進めていた。その目論見に気付き、急いで艦を潜航させるネモ。しかし、到底間に合いそうにない。まさにバベルの光が発射されようとしたその時、中枢部の人造オリハルコンが完全に砕け散ってしまう。行き場を失ったエネルギーは暴走し、今度は基地を消し飛ばしてしまうのだった。
なんとか飛行船で脱出したガーゴイルは基地の責任者を処刑し、人間の愚かさを嘆く。他方、こちらも無事に脱出したジャンたちは互いの無事を喜んでいた。しかし、ノーチラス号やネオ・アトランティスについて浮かんだ疑問はジャンの心の中で渦を巻くのだった。
コメンタリー
- 【研究員『全システム異常ありません』】
肝心要の人造オリハルコンのチェックをせずして何の確認だ。 - 【ジャン『でも…ナディアが持ってるとは限らないよ』】
ジャンのいい人さが垣間見えるシーン。 - 【グランディス『あれにはあたしのつけた「カトリィヌ」っていう素敵な名前があるんだからね!』】
カトリーヌではなくてカトリィヌ。結局最終話までこの呼び方は浸透しませんでしたね。なおカトリーヌはフランス語。グランディスはイタリア人なので、カタリナの方が自然な気も。 - 【サンソン『ったく世話の焼けるボーヤだぜ…』】
サンソンのいい人さが垣間見えるシーン。 - 【ガーゴイル『時間が来れば1人ずつ殺していく…数が多い方が長生きできる』】
ほんとガーゴイル様はブレないなぁ。芸術の講釈をしていた次のカットでいきなりこれだもんな。 - 【グランディス『冷却水とやらは止まったようだね』】
…?火力発電のボイラーに注入する水をせき止めるって言う作戦だったような気がするんですけど…いつの間に冷却水をせき止めることに?? - 【ガーゴイル様登場】
最初に広間が映るカットでは、ガーゴイル様の台座は既にせり上がっているんですが、なぜかその後のカットで台座がせり上がってくるシーンが…。絵コンテでもそうなっているので単純なコンテミスと思われます。
しかしガーゴイル様はほんと高い所が好きだな。 - 【グランディス『グッバイ、アディオス、さようなら~』】
この緊張感あふれるシーンで見栄を切れるところが悪役の鑑。アディオスとはスペイン語でさよならの意味なのだが、なぜイタリア人なのにイタリア語じゃないのかは不明。 - 【軌道型人間タンクをなぎ倒して進むグラタン】
絵コンテによれば笑うところ。
ちなみに軌道型人間タンクは台座部分に人が乗り込んで操縦します。つまりこのシーンでは… - 【装甲列車を破壊するグラタン】
サンソンは装甲の弱点であるライト部分を狙って撃つことで、後ろにある列車ごと破壊してるんですよね。地味ながらも射撃の腕が分かるシーンです。 - 【ナディア『キャー!!もう許してぇー!!』】
ナディアが泣きながら許しを乞うという世にも珍しいシーン。というかここだけ。 - 【サンソン『チェンジ!水上モード!スイッチオン!』】
着水するならサイドハッチは閉めるべきだろ。 - 【ネモ『第二次攻撃!』】
攻撃に使われたのは船首上部に設置されている飛行爆雷。発射口は8基あり、自動装填システムで連発も可。 - 【ネモ『無茶な!バベルの塔を使うというのか!?』】
ネモ船長ともあろう方がその可能性を考慮してなかったなんて… - 【ガーゴイル『さらばだ、ネモ、そしてノーチラス号…』】
分かりにくいですが、セリフの終わりに仮面のサングラスが降りてます。 - 【ガーゴイルの飛行船】
正式名称カルカロドンで、ラテン語でメジロザメ科の意味。8基のエンジンでプロペラ推進する大型高速飛行船。 - 【ガーゴイル『死をもって償ってもらおう』】
悪役らしい処刑方法。このためだけにわざわざ飛行船に落とし穴の仕掛け付けたんですよね。ガー様が。 - ガーゴイル様も認めるジャンの勇気と、ガーゴイル様も引いちゃうサンソンの活躍がみどころでしたね。特にサンソンは怪力、射撃、運転と持ち味が存分に発揮できていました。
- これでマリーの島編は終わり、次回からはノーチラス編に突入です。12話まではこれまでと違いかなり軽いノリで話が進むので、御期待下さい。
元ネタ
- グランディス『みんなはひとりのために、ひとりはみんなのために』
ダルタニャン物語第1部「三銃士」で登場するセリフ。NHK的に言えば、NHK教育金曜19:30枠でナディアの2つ前に放送していたアニメ三銃士の同じセリフから。原作には1度しか出て来ないが、アニメでは決め台詞として使われていた。 - ガーゴイル『ネモの侵入を許したのか?!』
機動戦士ガンダム第29話「ジャブローに散る」でウッディ大尉が言った『ジオンの侵入を許したのか?』。
次回予告
ジャン
助けていただいてありがとうございます、ネモ艦長!
ネモ
わたしを艦長と呼ぶな!この船は軍艦ではない。
ジャン
えっ?…あっ、わかりました。ネモ船長、ご案内します。友達のナディアとマリー、ライオンのキングです。
ネモ
ナディア?まさか!
ジャン
第9回『ネモの秘密』みんな見てね。ジャーン!
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