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■ 星界マスターガイドブック追加分

 □ あ行
アーヴ Abh
.皇族、貴族、士族の総称。
全部で2500万人ほど。そのうち大部分は士族で、貴族は20万人ほど。
子弟に対する遺伝子改造の義務を負う。
.ホモ・サピエンスから遺伝子改造によって生み出された変異人類。語源は「あま」であり、宇宙あるいは海の種族を意味する。
1.と区別するため「遺伝的な」「生まれながらの」アーヴ、とも呼ばれる。
地上人に対し自らについて語ることが少ないため、多くの誤解も生まれている。
【身体】
 青系統の髪(緑から紫まで幅広い)。
 美形(アーヴにしては平凡、と言えば地上人でも1000人集めれば対抗できるくらい、という意味)で性別の区別がつきにくいことも多い。
 15歳くらいまでは人間と同じように加齢(成長)、それから25年ほどをかけて10歳分ほど外見が年をとる(成熟)。その後は死ぬまで老けない。
 しかし、脳細胞は再生しないため不死ではない。年をとるにしたがって眠る時間が長くなり、知性が破壊される前に脳の呼吸領野が機能停止することで死亡する。寿命は200〜250年。
 骨格と循環器系の特性によりかなりの高加速(20標準重力以上)にも耐えられる。
 感覚器官が遺伝子操作によって鋭敏に調整されているため、絶対音感を持つなど、感覚的に地上人より優れている部分もある。また、地上人にはない空識覚という感覚も持つ。
 27000箇所の塩基配列が指定されており、それにより先天性疾患の防止と、種としての同一性の保持を行っている。そのため、誕生から2000年近く経つ今でも基本的な遺伝子組成は変わっていない。
【出生】
 自然受胎出産は危険が伴う(2%程度の確率で重大な先天性疾患が発生する)ため、人工子宮で受胎・育成されるのが普通。したがって一卵性双生児は極めて珍しい。また、遺伝的な地上人との間で子供が生まれる可能性はほとんどなく、生まれたとしても先天的な欠陥を負っている。
 血縁ではなく家風を重視するため、遺伝子提供者の性別などにはこだわらないが(ただし人間以外の生物を用いるのは禁止)、普通は自分と愛する者の遺伝子を掛け合わせる。
 子供に遺伝要素を教えられるのは親だけ。遺伝記録は公開されているが、未成年者の閲覧には親の許可を要するし、遺伝子提供者に確認することは失礼だとされている。
【性格】
 「アーヴ、その性、傲慢にして無謀」。
 自分の誇りを大事にする。
 人質を取られたとしても相手の要求を飲むことは決してない。
 誰が建造したものであれ空間にあるものは自分たちのものだという感覚があるが、地上世界の資源は地上の民のものだという認識があり、むやみに奪うことを嫌う。
 星界軍の艦艇に仲間と共に葬られることは最高の栄誉であると考えている者が多い。
 真摯に戦うことが、殺す相手への礼儀と考えている。
 戦時には乗員を艦の部品とみなす傾向がある。
 無重力空間で泳ぐこと、宇宙船を操縦することは一般的な楽しみ。饗宴も好まれ、各地で定期的に催されている。
【家族】
 恋は激しく短いものが多いので結婚という制度はない。
 したがって、親は一人しかおらず、親子の性別により父の娘フリューム・ローラン母の息子フルーク・サーランなどと呼ばれる。
 子供の間は遺伝子交換や子供を作ることは許されていない。20歳になるか翔士に叙任されれば成人と認められる。その際にアーヴの原罪について親が話すのがいわば成人儀式。また、翔士、交易者、親としての生き方を経験することで一人前だといわれる。
 他家の内部事情には関わらないのが常識。
【文化】
 自然な1日がない空間が生活の場であるため、時間帯によって挨拶を使い分ける習慣がない。
 宗教は持たず、霊の存在も解決済みの問題として否定しているが、何か不可知なものへの恐怖は心の奥底に残っている。また冗談の種にするくらいには心霊という概念に親しんでいる。宗教的なものを感じさせる行事も多い。
 弔いの晩餐など、独自の習慣も多い。
 武器携行の習慣はない。
 性差というものにあまり意味を感じず、社会での役割分担も明確に意識されてはいない。
【名前】
 アーヴの名前は以下の要素・順番で構成される。
 ・氏姓フィーズ
 ・姓称号サペーヌ
 ・初代当主の名(生格)。姓称号と合わせて家姓と呼ぶ。
 ・称号(貴族、皇族のみ)
 ・個人名
【教育】
 幼い頃の初等教育はもっぱら親が行い、家風の継承に勤めると共に、読み書き等を教える。軍士は休暇を取り、領地のある親は代官を雇うのが普通。
【衣服】
 性差がない。つなぎを着るのが普通で、他に貴族の正装としての長衣などがある。基本的に首の上と手首の先以外は露出しない。
【住居】
 たいてい人工環境の中にあり、屋外も屋内も区別がない。雨も好きな時間、好きな場所に降らせることが出来る。
【食生活】
 薄味を好む。塩や香辛料は控えめで、素材の味を楽しむことを重視。油の強いものは湯通ししたり、煮こぼしたりして食することも多い。料理の見た目はもちろん、それをのせる食器、箸や盆などにも最大限の注意を払うのが特徴。
 素材は肉(鶏肉、子羊肉など)、野菜(南瓜、玉蜀黍とうもろこしなど)、魚介類(貝、海亀、鱒、海老など)、米、小麦、果物(桃、柑橘類、梨など)、香辛料・調味料(醤油など)など。
 料理法は羹、碗物、吸い物、澄し汁ルベス、麭包み、香辛料煮込み、香味焼き、炙り肉アピュリル、刺身、生(野菜など)など。
 飲み物は珈琲、桃果汁、柑橘果汁、葡萄果汁、紅茶、緑茶、林檎酒、麦酒、発泡米酒、混合酒、蜜酒、林檎火酒、白酒など。血液中の酒精分を片っ端から分解していくので、酒を飲んでもほろ酔いにとどまり、泥酔することはない。
【歴史】
 元々は軌道都市で都市予算の半分をつぎ込んで生み出された人工生命体。人の遺伝子改造によって作り出され、人と区別するために青い髪を与えられた。また、独自の思考は持たされているものの、宿命遺伝子により自由や独立といった概念は有さないように造られていた。
 最初に作られた原アーヴは30体、うち1体は訓練過程で失われたが、残りの29体は植民地開発のため、可住化の可能性が高い外宇宙の星系に派遣された。
 探査船は出発してから艦内時間で約9年後、ユアノンを発見、約5ヶ月後に捕獲に成功し、母船をユアノン推進に改造。無限の軌道を得た彼らは母都市との訣別を決意し、深宇宙で独立を宣言。その後船を近くの恒星系(おそらく本来の目的地)につけ、母船であった探査船をより大きな都市船アブリアルに改造した。
 改装による居住区の拡張に伴い、急激な人口爆発が発生。一人の親から子供が生まれるという特異な家族形態から、人口が増えても各成員は極めて強固な先祖意識を捨てなかった。このような意識を共有する、同じ黎明の乗り手を先祖にいただくグループは氏族と呼ばれるようになった。
 都市船時代、職業訓練は徒弟制度によって行われた。多くの乗り手は自分の子供を徒弟にすることを望んだため、都市船内の部門は氏族と同義になった。また、自分の子供たちのうちもっとも優秀な者を選んで後任とするのが一般的だったため、各部門の長は実質的に世襲となり、黎明の乗り手の直系と認識されるようになった。
 各部門は基本的に平等だったが、船の航法をつかさどる航法氏族だけは別格で、その長は船王と呼ばれていた。彼らは帝国創建後、皇族を形成するようになる。
 やがて巨大な都市船を運用するようになったアーヴだが、母都市の派遣した懲罰隊を恐れて自衛するようになり、ついには自分たちの故郷である母都市を殲滅してしまう。しかし、空間に散逸する母都市の残骸を目にした彼らは、自分たちが故郷を愛していたことに気付き、母都市の文化の守護者として生きることを種族としての目的にする。また、母都市を滅ぼしたという罪を忘れないために、青い髪を遺伝子に刻み付けるようになる。同時に、自らをアーヴと名乗るようになり、以降宇宙をさすらう武装商人となる。
 大放浪時代のアーヴが主に扱ったものは人類社会の情報である。その時代、彼らは半径一光世紀に広がった人類社会をつなぐか細い、唯一の糸であった。同時に、都市船内部でもアーヴどうし、氏族単位の財産を交換することによる交易が行われていた。
 やがて交易により人類社会の科学の精髄を蒐集したアーヴは平面宇宙航行理論を確立。それによって可能になりうる恒星間戦争を防ぐために、その理論を武力で独占することを決定、帝国を創建した。
 詳しい歴史は→
アーヴによる人類帝国フリューバル・グレール・ゴル・バーリ

アーヴ語
帝国の公用語。ヤマト語族・トヨアシハラ語派に属する。地上世界で使われることもある(多数の邦国から移民を受け入れた、新しい地上世界に多い)。軌道都市で用いられていた古アーヴ語を起源としている。現在の正統アーヴ語はラクファカールで話されているもので、特に皇族が用いるものは古い音を守っている。
多くの地上世界出身者を家臣や従士として迎え入れてきた伝統があるので、語学教育法は洗練の極みに達しており、一月もみっちり練習すれば十分会話できるようになる。
アースと呼ばれる独自の文字を使って記すが、アルファベットでの標準的な表記も確立している。
【歴史】
 元は軌道都市で用いられていた言語。軌道都市の住人が地球で生活している時代に使用していた言語から、外来語を全て廃することで作り上げたもの。原アーヴにも伝えられたが、文字は与えられなかった。
 しかし、元々音節数が多い言語であり、さらに原アーヴたちには文字がなく、しかも小人数で閉塞的な生活を営んでいたこともあり、音韻法則をも破壊するほどの急激な(恐らく2〜3世代のうちに)短縮化現象が起こった。まず、母音の脱落が起こり、次に同音異義語の発生を避けるため残った母音が脱落したものに引きずられるという現象が発生、母音の種類が増えた。子音についても発音部位の遷移、鼻音の非鼻音化などの現象が生起し、その過程で語幹の末尾音と格助詞の融合が起こったと考えられている。(アブリアルの事故により制定者やその過程についてはよく分かっていない)
 自立後にはアースと呼ばれる独自の文字が制定された。
 帝国創建後は標準アーヴ語が確定。離れて暮らす同胞たちとのコミュニケーションを円滑にするため、正しいアーヴ語を保存しようという意識的な努力が払われるようになったため、大きな変化は生じなくなり、現在に至っている。

家紋アージュ agh
貴族、士族が有する、家柄を象徴する紋章。
他家の家紋を批判することは皇族にすら許されない無礼だと考えられている。

紋章アージュ
家柄(領地がある場合は共通)、艦隊、鎮守府などを象徴する意匠。単純なものが洗練されているとみなされる。
【歴史】
 アーヴの紋章使用は空間放浪時代に遡る。だが、それは家の紋章ではなく、氏族の、言いかえれば各部門のシンボルというものだった。
 家ごとの紋章として最も古いものは八頸竜である。ただし、これも最初は帝室の紋章ではなく、国章として作られたものだった。帝国暦元年、初代皇帝ドゥネーの即位式において、新生帝国の象徴として厳かに披露されたのである。
 帝国が地上世界を支配化に置き、貴族を封じるようになると、各邦国もそれぞれに紋章を持った。やがて邦国の紋章は諸侯の紋章として扱われるようになる。
 諸侯たちに倣い、士族までが家紋を定めるようになると、八頸竜も国章であると同時に帝室の紋章という地位に落ち着き、王家ごとの紋章旗も定められた。
 時代が下ると共に紋章の公的な意味が強まったため、国家が管理する必要性が生じ、紋章院が設立された。それ以降、アーヴは全て家固有の紋章を持つことが義務付けられるようになった。

アース ath
アーヴ語で用いられる文字。独立後に制定されたが、アブリアルの事故により制定者などは判然としない。

アテーフ・ウェフ=ラソル・テーレ
トルージュの息子。ハイド伯国の発見者。まだ1歳にもなっていない(945年当時)。

アテーフ・ウェフ=ラソル・トルージュ
テーレの父親。20代前半(945年当時)。ムークルソージュの乗員で探査屋。好きなものは小惑星。家風は素敵な小惑星を探すこと。

アトスリュア・スューヌ=アトス・フェブダーシュ男爵リューフ・フェブダク・ロイ
 Atosryac ssynéc atosr lymh faibdacr Lauïc
スルーフの娘でクロワールの妹。遺伝子提供者はコセール。
ラフィールやユースの上官として働く。
【容姿】
 後ろで束ねた青みがかった銀色の髪。豹のような黄玉色の瞳。光沢のある眉。朱色の唇。
【性格】
 自らを道楽者と自認し、饗宴、遊戯、美食を好む。
 父親譲りの饒舌。むしゃくしゃしたときは革製の砂袋を殴るのが癖。
【嗜好】
 林檎酒が好き。
【経歴】
 ・帝国暦906年頃 ラクファカールで誕生
 ・時期不明(上記の後すぐ) フェブダーシュ男爵領へ移住
 ・時期不明 父や兄と帝都へ移住
 ・帝国暦955年頃 フェブダーシュ男爵に叙爵
 ・帝国暦955年 ヴォベイルネー鎮守府所属突撃分艦隊ラトゥーシュ第1058突撃戦隊第一突撃隊司令に着任。階級は百翔長
 ・帝国暦958年 千翔長に昇格。第一蹂躙戦隊司令官に着任

アプティックIII
アプティック星系の第三惑星。有人。星界軍が幻炎作戦の一環として空間を封鎖した後、休養施設や軌道船渠が展開され、星界軍の後方基地となっている。
【人口】
 1億に少し欠ける程度。
【組織】
 最高官僚は星系首相。
【産業】
 工業惑星で食糧の自給は不可。

アブリアル Ablïarsec
.根源29氏族の一つ。主航法子の末裔。その名は巨大都市船アブリアルに基づく。語源は「天照アマテラス
【都市船時代】
 航法をつかさどる氏族。氏族長は船王として、アーヴを統べ、進路等の重要事項を決裁し、裁判を主催し、新しい仕事があれば担当する氏族を決めた。また、戦時には最高指揮官として采配を振るった。帝国創建以降は皇帝氏族となった。
【特徴】
 宗家以外の者はアブリアルの姓を名乗ることが許さない。
 帝国暦初期の頃には男系はキー、女系にはリューシュの姓が与えられていたこともあったが、いらぬ混乱の元としてそれぞれの家の初代が決めることになった。
 この一族に属する貴族は多く、諸侯だけでも100家を越える。
 短気で怒りっぽく、『逆鱗で魂をよろう』といわれる。反面怒りに任せてヒステリックに喚き散らしたり、暴力を振るうことは決してあってはならないと幼い頃からしつけられている。また皇帝になるかもしれないため、臣下に依怙贔屓する人物だという印象を与えないよう、誰かのために泣いたり、虚言したりすることは厳に戒められている。
 軍士としてはきわめて優秀。率先して戦地に赴くのが伝統。
【宗家】
 八王家。
【家紋】
 八頸竜ガフトノーシュ。家により紋章旗の地色が異なる。
【家徴】
 アブリアルの耳ヌイ・アブリアルサルと呼ばれる上部が尖った耳。
.ユアノン推進の巨大都市船。幾度かの改装を経て、今は帝宮として使用されている。最高時で100万、現在でも20万人以上が生活している。人類の作り出した最大の建造物の一つ。ユアノンは8つの門となっていて、7つは中心領域、1つは第十二環に通じている。
 元々は母都市から送り出された探査船で、ユアノン推進に改装された際にこの名で呼ばれるようになった。探査船部分はそのままに残されており、その操舵室は聖墓、人工子宮保管室は始祖の間と呼ばれている。
.アブリアル伯国の中心からラクファカールを照らす恒星。帝国の乳房と呼ばれる人類宇宙最大の反物質燃料製造工場がある。

アブリアル・ネイ=ドゥアセク・上皇ファニーガ・ドゥラーズ
952年当時の上皇。100年以上前にシャシャイン戦役を指揮した。

アブリアル・ネイ=ドゥブレスク・アブリアル伯爵ドリュー・アブリアルサル・ラマージュ
アーヴによる人類帝国第27代皇帝。前クリューヴ王。ドゥビュースの母で100歳近い。孫娘のラフィールのことを気に入っている。
【容姿】
 長いはなだ色の髪。琥珀の色を帯びた眼に赤褐色の虹彩。ラフィールに良く似た美貌。象牙色の手。薄紅色を基調とした長衣。皇帝杖。

アブリアル・ネイ=ドゥブレスク・ウェムダイス子爵ベール・ウェムダイサル・ドゥヒール
ドゥビュースの息子でラフィールの4歳下の弟。遺伝子提供者はおそらくレクシュ。
【容姿】
 藍色髪。漆黒の瞳。美少女といっても通りそうな面差し。
【性格】
 物思いに沈みやすく、嘘がつけない。
【嗜好】
 好きなものは熱い桃果汁。
【経歴】
 ・帝国暦940年(0歳) 誕生
 ・帝国暦956年(16歳) 修技館入学
 ・帝国暦959年(19歳) 修技館卒業
 ・同年(19歳) 列翼翔士に叙任。カイソーフ次席通信士に着任

アブリアル・ネイ=ドゥブレスク・パリューニュ子爵ベール・パリュン・ラフィール
 Ablïarsec néïc dubreuscr boerh parhynr Lamhirh
本編のヒロイン。クリューヴ王ドゥビュースの第一王女。遺伝子提供者はレクシュ。
兵籍番号は01-00-0937684(952年当時)・01-00-093768(958年当時)。
名前は珠玉ラーフ星霧ヒールからとってドゥビュースが名付けた。
【容姿】
 黝く長い髪。淡い小麦色をした卵型の顔。ぱっちりした印象的な目に黒瑪瑙のような闇色の瞳で眦は高い。長い睫。細いがくっきりと優美な眉。小造りで繊麗な鼻。優美な曲線を描く鼻梁。ふっくらとした唇。アブリアルにしては小さ目の耳。切れる寸前まで張った琴線を爪弾いたような、清冽な声。真珠の光沢と色を持ち、光の加減で紅玉色にも見える菱形の空識覚器官。冴々とした美貌。細面。明るい小麦色できめこまやかな肌。均整の取れたからだ。その遺伝子は自然結合のままで、手が加えられていない。
【性格】
 本質的には素直で嘘をつくのが下手。耳が小さいのをいくらか引け目に感じている。
【嗜好】
 好きなものは温かくして檸檬を浮かべた桃果汁。酒なら蜜酒の林檎火酒割り(と彼女が主張するもの)。林檎酒は余り好きではない。
 嫌いなものは地上戦。
【特技】
 射撃。いつでもどこでも熟睡できること。
【経歴】
 ・帝国暦936年(0歳) 誕生
 ・帝国暦949年(13歳) 修技館入学
 ・帝国暦952年(16歳) 修技館卒業。翔士修技生としてゴースロスに配属
 ・同年(16歳) 列翼翔士に叙任。艦橋勤務を行う
 ・帝国暦953年(17歳) 後衛翔士に昇格
 ・帝国暦954年頃(上記の1年半後) 前衛翔士に昇格。ドゥネー星界軍大学入学
 ・帝国暦955年(上記の半年後)(19歳) ドゥネー星界軍大学卒業
 ・同年(19歳)十翔長に昇格。バースロイル艦長に着任
 ・同年(19歳)アプティック門沖会戦
 ・同年(19歳) アプティック伯国領主代行に着任
 ・同年(上記の約半月後)(19歳) アプティック伯国領主代行を離任
 ・帝国暦956年(20歳) ロブナス伯国領主代行に着任
 ・帝国暦956年(20歳) 副百翔長に昇進
 ・帝国暦956年(20歳) 星界軍の休暇を取る
 ・帝国暦958年頃(22歳) 休暇を終え、星界軍に復帰
 ・帝国暦959年(23歳) フリーコヴ艦長に着任

アブリアル・ネイ=ドゥブレスク・クリューヴ王ラルス・クリュブ・ドゥビュース
 Ablïarsec néïc dubreuscr larth clybr Dubeusec
クリューヴ王家の当主。ラマージュの息子でラフィール、ドゥヒールの父。。十翔長の時にプラキアと出会う。
【容姿】
 青灰色の髪。
【性格】
 一族の中では例外的に穏やかな性格。出生の秘密があったほうが子供の人格は豊かになると信じている。懐古趣味あり。
【経歴】
 ・時期不明(16歳) 修技館入学
 ・時期不明 退役。階級は提督。予備役准提督に
 ・帝国暦935年 プレアーヴの乗った宇宙船を発見
 ・帝国暦936年頃 クリューヴ王に
 ・帝国暦955年頃 現役復帰
 ・帝国暦956年頃 淡雪第二艦隊司令長官に着任。階級は大提督

アブリアル・ネイ=ラムサール・バルケー王ラルス・バルケール・ドゥサーニュ
 Ablïarsec néïc lamsar larth barcoer Dusanh
帝国皇太子にして帝国艦隊司令長官。ドゥサーニュより3か月年下。ラフィールより年上(もしくは同じ年)の息子がいる。
【容姿】
 腰の辺りまで垂れた濃紺の髪。尖った耳。新雪のように白い顔。
【性格】
 ケネーシュ曰く『度しがたい性格』。
【経歴】
 ・帝国暦945年 ハイド星系制圧
 ・帝国暦955年 幻炎艦隊司令長官兼幻炎第三艦隊司令長官に着任
 ・帝国暦956年 狩人艦隊司令長官に着任
 ・帝国暦959年 双棘艦隊司令長官に着任

アブリアル・ネイ=ラムリュラル・前皇帝スピュネージュ・レカ・ドゥガス
アーヴによる人類帝国第26代皇帝。952年当時の上皇。上皇たちの間では若い部類に入るが、100歳を越えている。
【容姿】
 童顔。

アブリアル・ラムステューム
帝国暦前52年当時の船王。ドゥムイの娘。

帯留アペズ
飾帯を留めるための装飾品。フェブダーシュ男爵領でラフィールが使ったものは白金の台座に紅玉をうめこんだもの。

先任翔士アルム・ロダイル
突撃艦などの小型艦における次席指揮官。

アロン
姓称号の一つ。帝国創建以来の貴族が名乗る。

イオラオス作戦
人類統合体の行った、対帝国の軍事作戦。帝国中枢部を最短距離で攻撃する航路を探索するために計画され、予算も時間もたっぷりと用意された。
作戦司令部はイリーシュ王国に通じるFLIST0223(アーヴ呼称スィーヴ882門)とVRGE1447(アーヴ呼称ケイシュ193門)を発見、成功裏に終了した。これにより、ヘラクレス作戦が発動された。

イドリア
フリーコヴの初代副長。
【経歴】
 ・帝国暦958年 フリーコヴ副長に着任。階級は十翔長
 ・帝国暦958年 副百翔長に昇進。新造艦の艦長に着任

電磁投射砲イルギューフ irgymh
核融合弾を光速の1%にまで電磁加速して射出する、巡察艦等の主戦兵器。射出された核融合弾は無秩序噴射で弾幕をかわした後、最後の姿勢制御をし、残りの噴射剤で最終加速して目標に衝突する。
反動が大きいため、発射時は艦内に警告音が鳴る。

書記ウィグ üigtec
中型艦以上の軍艦において、事務、乗員の健康管理、食料・備品の管理、艦内環境(重力制御・空調・与圧など)を担当する先任主計科翔士。
大型艦の場合、出入港と戦闘時以外は書記室で業務を行うことが多い。

軍艦ウィクリュール üicreurh
戦闘用の艦艇。
星界軍のものの内部には地上世界の絵が飾られていたりもする。艦内では武器を携行しないのが習慣だが、不測の事態に備えて個人用武器を納めた武器庫が設置されている。
帝国以外の星間国家では戦闘時の操艦が思考結晶に任されているが、星界軍では人の手で行われる。
大型艦には専用の育児室があり、無重力部屋が完備されている。

ウェフ
姓称号の一つ。帝国創建以前に創氏された士族が名乗る。

軍大学ヴォスクラ bhosecrac
十翔長に任官されるための専門教育を施す大学。入学には最低4年半の軍役が必要。ただし皇族のみ2年半。

ウムリ
帝国歴前973年頃当時のアーヴ。通信担当。ルーの祖先。

エークルル
トライフ艦隊所属の連絡艦。

エキゾティック・ジャングル
惑星マーティンにある、自然のままのジャングル。

エクリュア
アーヴ士族の一族。代々貧しい軍士の家系のため個人では軌道城館を持たず、一族が集まってエクリュア館で生活している。交易で成功した先祖はいないらしい。
死に行く者への礼式は、一緒に遊ぶこと。子供も共同で育てる大家族主義。成熟期が来るまで育児園に入り浸る習慣がある。

エクリュア・ウェフ=エク・スカーシュ
エクリュア一族の男性。ノールより年上。ノールとは四代前か五代前の先祖を同じくする。

エクリュア・ウェフ=グルズ・サイゼ
ノールのすぐ年下のエクリュア。

エクリュア・ウェフ=トリュズ・ノール
 Aicryac ïémh tlyzr Naurh
アーヴ女性。有能な砲術士。バースロイルで砲術士として活躍したあと、ソバーシュの指名でフリーコヴに乗りこみ、航法士となった。初めて会った同世代の地上人であるジントに興味を持っている。
【容姿】
 柔らかそうな空色の髪。空色の眉。
【性格】
 立ち居振舞いは物静か。基本的には無口、無表情。だが、実は口が悪く、音痴でスピード狂。音痴なのは父親譲りで、本人もそのことには気付いている。
【嗜好】
 好きなものは林檎の香りをつけた紅茶。時空分離時に現れる虹を眺めること。船を駆ること。
 年老いるから猫が嫌い。
【経歴】
 ・帝国暦933年(0歳) バルケー王国の平面宇宙航行中の交易船で誕生
 ・帝国暦938年(5歳) エクリュア館に猫と共に送られる
 ・帝国暦948年頃 曾々々祖父が永眠
 ・帝国暦955年(22歳) バースロイル次席翔士に着任。階級は列翼翔士
 ・帝国歴956年頃 後衛翔士に昇進
 ・帝国暦958年頃 前衛翔士に昇進
 ・帝国暦958年(25歳) フリーコヴ航法士に着任
 ・帝国暦959年(26歳) 十翔長に昇進。フリーコヴ副長兼航法士に就任

エクリュア館
エクリュア一族が暮らす軌道館。古い突撃艦を元に増設したもの。兵装の代わりに居住区が置かれている。主機関が搭載されていた館の中央部は無重力空間になっており、子供用の育児園(お昼寝部屋)と大人用の無重力庭園がある。

四等勲爵士エナーヴ
士族の宮中序列の一つ。三等勲爵士に次ぐ地位。主に列翼翔士が叙される。

海亀の羹オートン・フィフェマル/海亀の羹オートン・フィムフェルマ
アーヴ料理の碗物。馥郁たる香りがする一品。

オールト雲
太陽系をとりまく、水や一酸化炭素、二酸化炭素、メタンなどのガス、あるいは鉱物性の小天体の集まり。

透明面頬オベート
与圧兜の透明部分。端末腕環からの情報が表示され、左手を露出せずに端末腕環の機能を扱えるようになっている。

 □ か行
参謀カーサリア
艦隊ないし戦隊に置かれる、状況分析・作戦立案等を行う軍士。平時にも異なった仮想状況を想定して模擬演習を行っている。

ガーフェウ
フェゼール伯国の有人惑星。有人惑星としては平凡な存在。首都はポルト・ヴェルダ。
領民政府はアーヴが地上に降りることに無頓着。
【言語】
 ガーフェウ語。
【産業】
 ガーフェウ芝が主要輸出品。
【住居】
 黄道面と公転軌道面がほぼ一致しているため、定着都市は赤道近くに集中している。その他に小規模な村落や軌道住宅の集合体である移動都市がある。
【単位系】
 一自転時間=275標準時間。

カシュナンシュ・ウェフ=ゴス・エール
952年当時の軍令本部情報局長官。階級は提督。トライフ(レムセール)との間に、翔士修技館の一室と空色髪の少女にまつわる挿話から始まった確執がある。

カヒュール・ボース=サテク・公子ヤルルーク・レメーシュ
トライフ(レムセール)司令長官付参謀長。アーヴ男性。(ボート=サテクは誤字らしい)
【容姿】
 濃紺の髪。アーヴとしては平凡な容貌。眠たげでぼんやりしているような印象を与える眼。ほっそりした体型。
【性格】
 分析を述べるときもったいぶる傾向がある。無表情。
【経歴】
 ・帝国暦952年 トライフ艦隊参謀長に就任。階級は千翔長
 ・時期不明 准提督に昇進
 ・帝国暦956年 狩人第二一艦隊参謀長に着任

八頸竜ガフトノーシュ Gaftnochec
.八つの頭を持つ竜。アーヴによる人類帝国が紋章としている想像上の生物。語源は「八岐大蛇(ヤマタノオロチ)」。
.帝国国章。
.帝室の紋章。

艦橋ガホール/船橋ガホール
船の航行等を指示する場所。
平面宇宙航行機能を備えた船の場合、床下には時空泡発生機関があり、共通の球体壁で厳重に守られているため、艦橋では戦闘時でも与圧兜を着けないのが不文律。
戦隊以上の場合、司令座艦橋ガホール・グラールと呼ばれる司令官用の艦橋が別に置かれる。

ガムフ級突撃艦ゲール
星界軍の突撃艦艦種の一つ。

八王家ガ・ラルティエ Ga Lartiéc/Ga Lartïéc
皇族を構成する王家でアブリアル氏の宗家。いずれも建国帝ドゥネーの兄弟または子女の子孫で、アブリアルの氏姓を共有し、ここに属す者にのみ皇位継承権がある。スキール王家、イリーシュ王家、ラスィース王家、ウェスコー王家、バルケー王家、バルグゼーデ王家、スュルグゼーデ王家、クリューヴ王家の八つ。各家は全て同格。
それぞれがラクファカールに置かれた8つの門の管理をしており、門の使用者から徴収する通行料が収入源となっている。

軌道城館ガリーシュ garich
貴族や裕福な士族が惑星上もしくは軌道上に築く居住地。
古いものは回転による疑似重力を利用する車輪型だが、重力差が安定しないため、最近(ここ300年くらい)はやや高価な重力制御機関を備えたものが主流となっている。

城館ガリーシュ
1.軌道城館ガリーシュ帝都城館ガリーシュ・アロクの総称。軍艦を流用したものもあるが、一から設計されたものもある。一定方向に1標準重力の重力制御がされている。
2.(帝都城館に対する)軌道城館。

ハイド伯爵城館ガリーシュ・ドリュール・ハイダル
ハイド伯爵家の城館。
領地が占領下にあった955年にはバースロイルの翔士個室に置かれ、「帝国で最もちっぽけな貴族の館」という文句が扉に書かれていた。
領地が回復してからはマルティーニュの0.8光秒上空の軌道にある元巡察艦ボークビルシュに置かれている。

カリュー Calyc
根源29氏族の一つ。語源は「はつい
【都市船時代】
 航行日誌を中心とした公的記録を採取整理し、保管していた氏族。帝国時代初期には高級官僚を輩出した。都市船アブリアルの事故により航行日誌を喪失してしまったことを未だに恥じている。
【特徴】
 人の上に立つのは得意ではないが、事務や調整を任せればこれほど心強い存在もない、といわれる。
【宗家】
 キザセーフ大公爵家。
【家紋】
 羽を広げた鷲。
【家徴】
 共通するものはないが、一般に痩せ形で長身。

惑星改造技師組合ガリュール・ファゼール・ディウィム
可住化惑星を生み出すための調査から生態系整備まで一貫して仕事を請け負う団体(恐らく固有名詞)。イーデフ氏により運営されている。

梯索カリュグ careugec
真空漂流中の人間を救出するため連絡艇等に備え付けられているひも状の道具。先端部は小型推進弾のようになっており、ある程度制御できる。

カルツェン
人類統合体平和維持軍駆逐宇宙艦KEO3799艦長(952年当時)。ゴースロスとの戦闘で戦死。戦死時の階級は少佐。

平面宇宙航行実習ガルビコス・ファーゾト
翔士修技館の教育の総仕上げとして行われる実習航行。ラクファカールから近傍の門へ3日ほど、連絡艇で旅をする。
最も相性の悪い者を二人ずつ組ませて行うのが伝統。

感知地雷
ミン自作の対人地雷。直径3ダージュ(=3cm)の円盤型。車にも効果がある。

エグムント星系キーヨース・エグムンタル
ラスィース王国とスュルグゼーデ王国に挟まれた人類統合体領に位置する星系。
956年、狩人作戦により帝国領となった。

二等勲爵士キゼー
士族の宮中序列の一つ。一等勲爵士に次ぐ地位。主に十翔長と艦長称号を受けていない副百翔長が叙される。

キュア
ルーヌ・ビーガ市警察犯罪捜査部巡査部長(952年当時)。

弔いの晩餐ギューク・ロボロト gycec loborhotr
死んだ人の誕生日を祝う、アーヴ独自の習慣。死んだ人を思い出すことで、自分が死んだ後に誰かが思い出してくれることを期待する。生きている者への義務と考えられている。

クィンズ・ベル
炙り牛肉と甘藍の麪麭挟み(おそらくローストビーフバーガー)。マルティーニュ料理。手でつかんで食べる。

グェン・タウロン
952年当時に帝国に派遣されていたハニア連邦大使。男性。アーヴ語を完璧に解するが、機械通訳を使っている。
955年に任期満了で離任、帰国。

淡雪作戦クファゼート・ファギュク
帝国暦956年に星界軍が行った作戦。恐らく敵に占領されたイリーシュ王国の再占領を目的としたもの。

クファディス・ウェフ=エスピール・セスピー
 Cfadiss üémh éseuir Sésric
アーヴの男性。前任者の育児休暇のためペネージュの参謀となって以来、彼女の補佐役として活躍。成人して以来星界軍一筋で、交易に出たことはない。ソビーク好きの姉がいたが、イリーシュ門沖会戦で戦没している。なお、クファディス家は無名の士族。
【容姿】
 鮮緑色の髪。端麗な眉目。
【経歴】
 ・時期不明 第184打撃戦隊先任参謀に着任
 ・帝国暦952年(開戦の一ヶ月前くらい) フトゥーネ先任参謀に着任。階級は百翔長。宮中序列は二等勲爵士
 ・時期不明 一等勲爵士に叙爵
 ・帝国暦955年 千翔長に昇格
 ・同年 幻炎第一艦隊参謀長に就任
 ・帝国暦956年 狩人第一艦隊参謀長に就任

戦隊旗艦グラーガ・ソブ
戦隊の旗艦。自らも戦闘に参加し、司令部の規模も小さいので、仕様は通常艦と変わらない。

艦隊旗艦グラーガ・ビューラル
艦隊の旗艦。分艦隊旗艦用の巡察艦に大規模な改装を施したもの。六隻の連絡艇を搭載し、司令座艦橋、会議室等の部局を治め、司令部要員の居住区を備えるため、機雷を十二基納める広大な空間をすべて司令部設備に当てている。
艦橋は二段構造で、一段高いところに司令座艦橋が置かれる。司令座艦橋にある司令座の背後には、帝国旗、艦隊司令長官の出身家の紋章旗(左)、艦隊の紋章旗(右)が三角形に配置されている。

クラスビュール
スファグノーフ星系第三惑星。スファグノーフ侯国唯一の有人惑星。ルーヌ・ビーガ、グゾーニュなどの都市がある。元々は一酸化炭素を主成分とする大気に包まれた無人惑星だが、惑星改造により可住惑星となった。その名は領主ソスィエ家の家紋に基づく。
【人口】
 3億8000万人(952年)。
【組織】
 21の州(ローハウ州など)がある。
 領民代表は州首相会議議長(952年当時はキンディ)。
 議会には民主党や自由党、独立党が存在する。
【言語】
 クラスビュール語(簡易化されたアーヴ語。ただし訛りがひどい)。
【文化】
 市民は個人情報と口座情報を収めた財布をいつも持ち歩いている。
 一般人には武器を装備する習慣はなく、比較的治安はいい。
 挨拶は合掌。
 死体は霊柩弾で真空に流す。
【衣服】
 原色を好む。つなぎは男性専用。長衣は着用しない。髪を染めるのが一般的。ジント曰く『悪趣味の帝国』。
【住居】
 一つの建物にたくさんの家族を収容するのが主流。都市樹と呼ばれる建物は円筒形が多く、外壁から街灯が伸びている。建物どうしの間隔は広い。
【単位系】
 約2標準重力。
 一自転は33.121標準時間。住人はこれを32時間に分割し、1日を24時間と定めている。自転と生活時間のつながりが薄いため、時差は設定されない。
 通貨単位はデュース。
【歴史】
 ・帝国暦648年頃 惑星改造開始
 ・帝国暦729年11月29日(入植暦0年1月1日) 13の邦国から入植開始
 ・時期不明(入植暦93年) 人口一億人を突破
 ・帝国暦952年 人類統合体により占領

クラスビュール
マルカたちが借りている軽輸送艦イサーズ・ソーラ

司令座グラハレリバーシュ glaharéribach
艦隊旗艦に置かれる司令長官の座席。

凝集光クランラジュ
放射の誘導放出による光増幅装置からとり出した、同一位相、同一波長を有する光線の集合体。いわゆるレーザー光線。武器、通信、医療などに広く用いられている。
光速で移動し、きわめて殺傷力が高い。

クローボス
帝国暦959年当時のカイソーフ副長。階級は十翔長。

敬礼
軍隊式の礼。人差し指と中指を頭環に触れさせるのがアーヴ式。

ケールディジュ
トライフ艦隊旗艦。艦橋は二段構造で、一段高いところに指令座艦橋がある。

ケネーシュ・ウェフ=ステューマル・キペール
 Cénéch üémh stymer Cieuair
アーヴの女性。半生を星界軍にささげている。昔ネレースを愛していたが、何か複雑な事情があるらしい。ドゥサーニュの良き参謀であり、からかいの対象。宮中序列は帝国公爵(955年当時)。
【容姿】
 波打ちながら肩を覆う豊かな藤色の髪。髪と同色の瞳。
【性格】
 立っているときは常に直立不動。
【経歴】
 ・帝国暦955年 幻炎艦隊参謀長兼幻炎第三艦隊参謀長に着任。階級は星界軍元帥
 ・帝国暦956年 狩人艦隊参謀長に着任


修技館ケンルー cénruc
軍士の養成や予備役翔士の再訓練を行う3年制の学校。各科ごとに12館(15?)、帝都に置かれている。
入学するには、12歳以上で、募集事務所で行われる入学試験に合格することが必要(翔士修技館のみ、遺伝的にアーヴであることも条件)だが、試験自体はそんなに難しくなく、18歳程度なら十分合格する。入学生は帝国の艦艇に便乗する特権を持つ。
人類統合体公用語なども教えられる。
訓練生時代の評価は一人前になれば参照できる。

家臣ゴスク
皇族や貴族のために働く国民。場合によっては領主の給仕など身の回りの世話をすることもある。それぞれの仕事に誇りを抱き、それなりに気高いらしい。人事権は領主(もしくは王)が握っている。
アーヴの家臣も少なくないが、彼らはみな一様に気まぐれで長く勤めることをしない。

コセール
アトスリュア(ロイ)の遺伝子提供者。ベルポウコスの名手。
【容姿】
 光沢のある青い髪。

コリュア・ウェフ=コル・サグゼール
コリュアの男性。ノールに好意を持っている。

コンドリン
ルーヌ・ビーガ市警察犯罪捜査部警察官(952年当時)。

 □ さ行
従士サーシュ sach
星界軍の下士官。地上世界出身者が多い。帝国国民の子弟の他、領民からも募られる。最先任従士長、先任従士長、従士長、一等従士、二等従士、三等従士、四等従士、一等錬兵、二等錬兵の階級に分けられている。軍艦勤務は四等従士からで、最低でも1年の専門教育が必要。
帝国は領民政府に対し、領民の志願を妨害することは禁じていたものの、間接的に意欲をそぐキャンペーン程度なら容認している。それでも、従士が故郷に送るスカールは、貧しい世界にとっては貴重な帝国基準通貨収入となるため、少なからぬ地上世界が従士を出すことに意欲的である。また、アーヴの世界に触れることを得がたい経験とみなす世界もある。そのため、創設以来星界軍が従士志願者の不足に悩んだことはない。
身分は国民。一等従士から昇進すると列翼翔士になり、士族となる(従士長以上は階級名ではなく役職名か?)。

成長ザーロス zarhoth
遺伝的なアーヴの成長過程における最初の段階。出生〜15歳くらいまで。地上人と同じように年をとる期間。

サムソン・ボルジュ=ティルサル・ティルース
 Samsonn borgh tiruser Tirusec
地上世界出身の男性。40歳近い。従士からの叩き上げの翔士。退役して、年金で買った農場を営むのが夢だが、給料と年金分の働きをするため星界軍に残っていた。
958年頃退役し、農場経営の参考にするために、ハイド伯爵家の家臣になった。
【性格】
 それなりに義理堅い(自称)。
【嗜好】
 好きなものは酒。特に玉蜀黍から作った強い蒸留酒。
【経歴】
 ・帝国暦945年より前 星界軍に入隊
 ・帝国暦952年 スカレーシュ門沖会戦に参加
 ・帝国暦955年 バースロイル監督に着任。階級は軍匠列翼翔士
 ・帝国暦958年頃 星界軍退役。最終階級は軍匠列翼翔士
 ・帝国暦958年頃 ハイド伯爵家家宰に着任

家風ジェデール ghédairh
アーヴの重視する、趣味、人格まで含んだ家系上の特徴。
家風を次代に伝えるため、アーヴは子供がある程度に成長するまで自らの手で教育する。
もとは都市船時代に、自己の徒弟に対して伝えた専門技術、作業に対する心構えなど。

シドリュア・ボルジュ=シド・シーズ
955年〜959年当時の帝国宰相。アファレーシュ伯国の惑星セーバ出身の地上人男性。帝国公爵。959年没。
【性格】
 息抜きという概念をあまり重視せず、益体もない時間を過ごすことを許さない傾向がある。
【嗜好】
 趣味は花壇を丹精すること。

ジムリュア
ジムリュアの乱の首謀者。

シャシャイン戦役
100年以上過去に、ドゥラーズの指揮により行われた戦役。星界軍は10万隻の大艦隊を組織し、シャシャイン連邦と戦って勝利した。

主観測子
黎明の乗り手の一人。ビボースの祖先。

主機関子
黎明の乗り手の一人で、核融合推進の専門家兼主航法子の相談役。男性。スポールの祖先。29人の中で唯一瞳が茶色い。機能分化前の呼び名は一七号。
軌道都市評議会の作業生体製造計画遺伝子設計主任の遺伝子に基づいて設計されている。

宿命遺伝子
原アーヴたちが本来の機能から逸脱することがないように、遺伝子レベルで思考や情動を制御する処理。自らの存在意義に悩んだり、植民地開発という目的を危うくする自由や独立といった概念を持たないように調整された。
強い帰属意識を本能に植え付けることで、自分自身よりも自分が所属している集団、すなわち母都市に対する忠誠心を抱かせることが目的だった。

主整備子
黎明の乗り手の一人。作業生体を点検整備する役目を負っている。レペスの祖先。

ヴォベイルネー鎮守府シュテューム・ヴォベイルネール
八鎮守府の一つ。黄色矮星を中心とする星系。ルルケズと呼ばれる有人惑星があり、軍士たちの休養場所となっている。ルルケズの軌道上には軍施設やアーヴのための娯楽施設があり、無重力庭園などが置かれている。

翔士個室
軍艦勤務の翔士に与えられる個室。
どこもそう変わらない作りになっており、寝台を2台並べたくらいの広さの居室に、寝台、椅子、卓子が置かれ、そのほかに洗面所と浴室が用意されている。
大型艦になると定員よりも余分に設置されることが多い。

人民主権星系連合体
星間国家の一つ。星間国家の中では最も国力が低い。遺伝子調整は合法。
地上世界が全てと考えているため、各星系が大きな権限を持ち、軍隊すら各星系が自前のものを有している。市民は連合体への忠誠も求められていない。ただし、惑星間共通語は存在する。
連合体正規軍は加盟諸星系軍の集合体。防衛艦や高出力の凝集光砲を多数運用していることが特徴。

人類統合体
帝国に次ぐ国力を誇る星間国家。
【人口】
 6000億人あまり。
【組織】
 市民を統合体市民(一級市民)と星系市民(二級市民)に分け、統合体市民にのみ統合体政治への参政権などの特権を与えている。
 統合体市民になる条件の一つはリクパルが話せること。
 強力な宇宙軍を有し、各艦種の戦闘力は帝国の同等艦とほぼ互角。ただ、軍の運用に関しては柔軟性に欠けると言われている。
【言語】
 公用語はリクパル。
【文化】
 市民に星間国家の一員であることを強く要求している。そのため各惑星の文化を均質化し、人的交流を推奨して、一体感を醸し出そうとしているが、今のところ成功していない。
 アーヴを生体機械、人類の敵と公言してはばからず、帝国を激しく敵視している。
 遺伝子治療を超える遺伝子改造は重犯罪。受精卵段階での遺伝子検査も禁じられている。
 督戦艦や報道官などの官僚を戦場に伴う風習がある。
 麻薬禁止。煙草も200年も前に禁止されている。
 死刑制度はなく、犯罪者に対しては矯正と社会復帰を目指すが、それが望めない者のために隔離惑星を用いた矯正施設も置かれている。

貴族スィーフ simh
アーヴのうち、宮中序列において皇族に次ぐ立場を持つもの。主として大公爵、公爵、侯爵、伯爵、子爵、男爵、およびこれらの子女である公子、公女、家を継がなかった皇族、貴族である公子、公女などの世襲貴族のことで、それ以外の一代貴族などを含むこともある。
全部で20万人程度で、そのうち諸侯家は2万人弱。
標準的な服装はつなぎに長衣。様々な権利と義務を有する。
原則として貴族籍からの離脱は自由。その場合は貴族としての特権を全て失い、領地は帝国に返上することになる。
領地を持つ貴族は交易の独占権、恒星周辺での反物質燃料の生産権、無人惑星の鉱物資源採掘権を帝国によって保障されている代わりに生産物の一部を帝国に提供しなければならない。
不幸な親子関係が存在することも珍しくないが、帝国は貴族の家族内事情には干渉しない。
家臣や領民を見捨てるのは最高に恥ずべき事とされており、帝国法による厳罰が待っている。
世襲貴族の場合、領地と爵位を受け継ぐ者以外は公子、公女という爵位のみを得る。
領地を持つ翔士は星界軍でも無給だが、領地を占領された場合は年金(初級翔士の俸給の10倍以上)が国庫から支給される。
同:帝国貴族ルエ・スィーフアーヴ貴族バール・スィーフ

主君スィーフ
家臣が第三者に対して領主のことを話す際に用いる敬称。

帝国高等法院スカス・ラザソト/高等法院スカス・ラザソト Scass Lazassotr
貴族に対する処罰を司る機関。罰金刑や領地剥奪などの刑を科すことができる。

スネーシュ Snœch
根源29氏族の一つ。語源は「とろき
【都市船時代】
 搭載艇の整備を担当していた氏族で、「格納甲板の主」とも呼ばれる。兵器の改良、開発にも重要な役割を果たした。帝国時代初期には後に言う従士の仕事を行っていた。
【特徴】
 機械でも組織でもその限界を見極め、ぎりぎりまで酷使する傾向がある。たまに見極めを誤って作業を破綻させてしまうので、『スネーシュに重要な部署は任せるな』といわれている。
【宗家】
 ケズドー大公爵家。
【家紋】
 天秤を配することを好む。
【家徴】
 スネーシュの星コス・スネクと呼ばれる虹彩にある銀色の斑点。

皇帝スピュネージュ speunaigh
アーヴによる人類帝国の軍事・政治双方の最高統括指揮者。常にアブリアル伯爵の称号を帯びる。
帝国の統合の基礎は軍事力であり、皇帝はそれを把握しなければならない、という思想のもと、世襲と星界軍における階級により選出される。すなわち、八王家に生まれた者のうち、同世代でもっとも早く帝国元帥になったものが皇太子となり、次の皇太子が決まった時点で登極する。その時点での皇帝は譲位し、上皇になる。
その時点で、皇太子より年上、または年下でも20年以上の年齢差がない皇族は、星界軍から退き、予備役への編入を願い出るのが慣わし。
虚言できぬ存在として人類社会に知られている。
現皇帝(第27代)はクリューヴ王家出身のアブリアル・ネイ=ドゥブレスク・アブリアル伯爵・ラマージュ。

スペーシュ
平面宇宙側の門が中心領域を取り囲むように密集した、ドーナツ状の領域。中央のものから第一環、第二環と名が付けられている。

スポール・アロン=セクパト・前レトパーニュ大公爵ニーフ・レカ・レトパン・アセーヌ
ペネージュの母。起きてから6時間は固形物を取らないのが習慣。
ペネージュが12歳になるまでは代官に領主の仕事を全て預け、教育に専念。それ以降は毎日、1時間帝王学を教えながら領主の仕事をしている。娘の16歳の誕生日にかりそめの統治を行わせた。

スポール・アロン=セクパト・レトパーニュ大公爵ニーフ・レトパン・ペネージュ
 Sporh araunn saicseuatr nimh laitpanr Painaich
アセーヌの娘。貴族としての軍役義務は果たしているが、趣味で軍にとどまっているらしい。司令座を、白大理石製で精緻な彫刻を施した4本の柱と、それによって支えられる人間の手で刺繍された豪華な天蓋によって飾っている。
【容姿】
 丹念に結い上げられた蒼炎色の髪。流れるような蒼炎色の眉。終末期の巨星表面のような紅の瞳。毒々しいまでに妖しく紅い唇。艶やかで猛々しい。肉食性の蝶を連想させる。
【性格】
 わがままで気まぐれだが、指揮官としては優秀。ラフィール曰く、『スポールの中のスポール、スポール一族が1000年にわたって洗練してきた婉曲な罵倒の技術を芸術の域まで高めた人物』。
【嗜好】
 蹂躙戦が大好き。起きてから6時間は固形物を取らないのが習慣。
【経歴】
 ・時期不明(17歳) 修技館入学
 ・帝国暦949年頃 准提督に昇進
 ・時期不明 偵察分艦隊フトゥーネ司令官に就任
 ・時期不明 提督に昇進
 ・帝国暦955年 ラルブリューヴ鎮守府副長官に就任
 ・同年 幻炎第一艦隊司令長官に着任
 ・帝国暦956年 狩人第一艦隊司令長官に着任

スューヌ
姓称号の一つ。帝国創建以降に創氏された貴族が名乗る。

第一突撃隊スューフ・アシャル・カースナ
ヴォベイルネー鎮守府所属突撃分艦隊ラトゥーシュ第1058突撃戦隊所属の個隊。司令はアトスリュア・スューヌ=アトス・フェブダーシュ男爵・ロイ百翔長。旗艦は突撃艦ガムロイル。
【組織】
 司令部
 ┣司令 アトスリュア・スューヌ=アトス・フェブダーシュ男爵・ロイ百翔長
 ┣参謀
 ┗副官
 嚮導突撃艦 ガムロイル
 突撃艦 バースロイル
 突撃艦 キドロイル
 突撃艦 ルズロイル
 突撃艦 2隻
【経歴】
 ・帝国暦955年 編成
 ・同年(上記の約3ヶ月後) 強行威力偵察部隊殲滅戦。ルズロイル撃沈
 ・同年 アプティック防衛戦。 キドロイル、バースロイル撃沈。

スリート
人類統合体平和維持軍大尉(952年当時)。スファグノーフ派遣地上軍団所属。ミンたちを追跡するために編成された歩兵三個小隊の指揮官。

聖ペテル号事件
帝国暦495年頃に起こった事件。宇宙船の推進力として用いられていた閉じた門(ユアノン)を平面宇宙側から開いてしまい、航行中の宇宙船を爆散させた。推定死者3000人余り。

セムレーシュ
第一蹂躙戦隊の初代司令官付先任参謀。階級は百翔長。
演習終了後は千翔長に昇進し、第四蹂躙戦隊の司令官に補任された。

葬儀屋 Lonoré
反帝国クラスビュール戦線グゾーニュ細胞構成員の男性。訛りはあるものの正確なアーヴ語も話せる。家はリムゼール亭から10街区ばかり離れた都市樹の3階。ラフィールたちに協力した結果、士族に叙され、軽輸送船クラスビュールを借りて働いている。
【容姿】
 小男。
【性格】
 怒りっぽく愚痴っぽい。

突撃戦隊ソーヴ・アシャル
突撃艦を中心とした戦隊。戦闘の最終局面で敵を串刺しにする槍。機雷に弱いため、護衛戦隊を先行させて運用するのが普通。

本部戦隊ソーヴ・グラール
分艦隊旗艦を含む戦隊。

第一蹂躙戦隊ソーヴ・ディレール・カースナ
.星界軍で最初に編成された蹂躙戦隊。初代司令官はアトスリュア・スューヌ=アトス・フェブダーシュ男爵・ロイ千翔長。初代旗艦はリュームコヴ。
アトスリュアが独断で決めた様々な伝統がある。第一に、宴での敬礼禁止。第二に、料理で遊ぶことの禁止。
【組織】
 司令部
 ┣司令官 アトスリュア・スューヌ=アトス・フェブダーシュ男爵・ロイ千翔長
 ┣先任参謀 セムレーシュ百翔長
 ┗次席参謀
 旗艦 襲撃艦 リュームコヴ
 襲撃艦 フリーコヴ
 襲撃艦 バートコヴ
 襲撃艦 スィールコヴ
 襲撃艦 カーンコヴ
 襲撃艦 スルムコヴ
 襲撃艦 6隻
【経歴】
 ・帝国暦958年 司令部のみ設置
 ・帝国暦958年 編成
 ・同年 ハイド門沖演習
 ・同年 解散。再編成
【紋章】
 有毒竜コーヴに数字の一をあしらったもの。
.双棘第24艦隊突撃分艦隊ボスル所属の蹂躙戦隊。司令官はアトスリュア・スューヌ=アトス・フェブダーシュ男爵・ロイ。旗艦はシュトゥーコヴ。隊員は200人以上。1.が再編成されたもの。
アトスリュアが独断で決めた様々な伝統に、諸侯が戦隊にいるときは、機会があればみんなに奢るという第三のものが追加された。
【組織】
 司令部
 ┣司令官 アトスリュア・スューヌ=アトス・フェブダーシュ男爵・ロイ千翔長
 ┗先任参謀 ソバーシュ・ウェフ=ドール・ユース
 旗艦 襲撃艦 シュトゥーコヴ
 襲撃艦 フリーコヴ
 襲撃艦 マルスコヴ
 襲撃艦 ケールコヴ
 襲撃艦 ナーコヴ
 襲撃館 クロルコヴ
 襲撃艦 パーンコヴ
 襲撃艦 タークコヴ
 襲撃艦 2隻以上(おそらく4隻)
【経歴】
 ・帝国暦958年 再編成
 ・帝国暦959年 ケマル門沖の戦い。パーンコヴ、タークコヴ爆散
 ・同年 ケマル門制圧戦
 ・同年 ケマル星系建艦厰群撃滅戦

ソード saudec
開いた門とも呼ばれるユアノンの第二形態。通常宇宙と平面宇宙をつなぐ役割を果たす。通常宇宙側では燐光を放つ、直径1セダージュ(=1000km)ほどの実体のない球状特異空間、平面宇宙側では不完全な螺旋状曲線を描く。
ほとんど質量を持たず、自身がエネルギーを輻射しているため、通常宇宙側では星系外縁部に位置するのが普通。既知領域の門は約300億。
門を通過する場合、時空泡の通過後の位置は確率論的にのみ知ることが出来る(時空泡内での相対位置は変わらない)。また、通過により門との相対速度がなくなる。平面宇宙側から船が通過するときには、門の表面に波紋が立っているように見える。
巨視的に見ると、通常宇宙側は必ず天川銀河にあり、大部分が銀河の渦状腕に存在する。一方、平面宇宙側では中心部を門の集合である環が何重にも取り巻くように配置されている。環の間の間隙は外側のほうが広い。また環はほぼ同数の門を含むので、外側の環ほど門の密度は低い。外縁部に濃密に門が密集している場所が確認されており、別の銀河に対応する門群の環と重なり合った領域であると推定されている。
低エネルギー状態で放置されると自然に閉じた門になる。半減期(50%の確率である現象が起こるために必要な期間。半減期が12年とは、12年経ったとき閉じた門になっている可能性が50%という意味である)は12年。
同:開いた門ソード・グラーカ

イリーシュ門ソード・イリク
通常宇宙側ではアブリアル伯国、平面宇宙側ではイリーシュ王国に属する門。

ウェスコー門ソード・ウェスコール
通常宇宙側ではアブリアル伯国、平面宇宙側ではウェスコー王国に位置する門。

スィーヴ882門ソード・ガガマタ・スイブ
通常宇宙側では人類統合体に属する星系の近く、平面宇宙側ではイリーシュ王国に位置する門。三ヵ国連合が帝都襲撃に利用したが、狩人作戦により帝国領になった。
人類統合体での呼称はFLIST0223。

ケイシュ193門ソード・キクトソクンビナ・ケイク
通常宇宙側ではバスコットン星系から4.1光年のところ、平面宇宙側ではイリーシュ王国、ヴォーラーシュ門とフェブダーシュ門の間に位置する門。現在通常宇宙側はバスコットン星系に移動され、ヘラクレス作戦の陽動に用いられたが、狩人作戦により帝国領となった。
人類統合体での呼称はVRGE1447。

ソスィエ Sosïéc
根源29氏族の一つ。語源は「えきえ
【都市船時代】
 無機物のリサイクルを担当した氏族。都市船が成長し、各種工場が設置されるにつれ存在感は小さくなっていった。
【特徴】
 交渉術に長けているため交易者として大成しやすく、富豪の代名詞とも言われる。一方で軍士として傑出した人物は珍しく、武功により家を起こした諸侯は少ない。
 年に一度、一族の総力をあげてケヒュール記念饗宴を開く。
【宗家】
 ケヒュール大公爵家。
【家紋】
 枝を這う蝸牛。デザインは共通で、枝の色で家を区別する。
【家徴】
 ソスィエの冠ソビュール・ソスィエルと呼ばれる光沢のある髪。

ソスィエ
952年当時のスファグノーフ侯爵。男性。公女が2人いて、長女は8歳。ペネージュ曰く「嫌なかた」。
【容姿】
 虫青の髪。

ソスィエ・ウェフ=サイラル・エトレー
第三代スファグノーフ子爵にして初代スファグノーフ伯爵。無人だったクラスビュールに入植を開始し、帝国暦729年に伯爵に叙された。

ソスィエ・ウェフ=サイラル・ディスクレー
第二代スファグノーフ子爵。男性。すでにクラスビュールは可住化していたが、入植を行わなかった。その理由は不明。

ソバーシュ・ウェフ=ドール・ユース
 Sobach üémh dor Ÿuth
アーヴの男性。年齢は50歳をすぎている。若い頃星界軍で働いたあと、長い間交易に携わってきたため、年齢の割に階級は低い。噂によるとかなりの富豪で、帝都に大きな城館を持っている。若い頃の交易では帝国商業史上屈指の利益をあげたこともある。すでに成人して独立した子供が二人いる。
【嗜好】
 好きなものは砂糖をたっぷり入れた緑茶。他人の悪癖が大好き。
 趣味は手紙を書くこと。
【経歴】
 ・帝国暦955年 バースロイル先任翔士に着任。階級は前衛翔士
 ・帝国暦958年頃 副百翔長に昇格
 ・帝国暦958年 フリーコヴ艦長に着任
 ・帝国暦959年 第一蹂躙戦隊先任参謀に着任

育児園ソムローニュ/無重力庭園ソムローニュ sodmronh
球形の人口惑星。中は無重力でふかふかの内張りがしてあり、発泡剤の星が浮かんでいる。育児園は子供用の施設。アーヴの子供は、生まれてしばらくすると頭環をつけてそこに放り込まれ、作用反作用の法則を体得したり、頭環の使い方を覚えるなどして、航法野を形成する。
大人用のものは無重力庭園と呼ばれ、大人にとっても楽しめる。

 □ た行
対宇宙防衛システム
惑星マルティーニュが有する対惑星外勢力兵器群。10基弱の対宇宙・地上発射レーザー(フォ・ダ・アントービタなど)と20基ほどの対宇宙ミサイルから成り、施設省の一部局がその保守点検に当たっている。発射管制は地下のコントロールルームからパートタイムの将軍によって集中的に行われる。

太陽系
恒星・太陽を中心とする星系。人類発祥の地。アーヴが母都市を滅ぼした帝国暦前973年頃から近傍の門が発見された685年頃までのいずれかの時点で太陽が爆発、現在では星霧になっている。爆発の原因は不明。

ダスワニ
反帝国クラスビュール戦線グゾーニュ細胞構成員の男性。
ラフィールたちに協力した結果、士族に叙され、軽輸送船クラスビュールを借りて働いている。
【容姿】
 黒い肌。がっしりした体格の大男。
【性格】
 無口で、二言以上はめったにしゃべらない。
【特技】
 応急手当、鍵盤入力。

多弾頭型機雷
本体から弾頭が分裂したあと、しばらく機能を休眠させ、一定時間が経過すると甦って手近な敵にぶつかっていく兵器。

タマユラ
帝国暦前973年頃当時のアーヴの船王。女性。
母都市の戦力を恐れるあまり武装解除を迫ったが断られ、母都市を殲滅した。
【容姿】
黝い髪。漆黒の瞳。

慣習ダルサース
貴族と帝国の関係などを定める不文法。多岐に渡り複雑怪奇で、皇族でも全てを把握しているわけではない。

探査船
軌道都市が外宇宙探査のため、黎明の乗り手たちを乗せて派遣した核融合推進探査船。52年の歳月をかけて、可住化可能性が高い惑星があるといわれる、黄色矮星を中心とするとある星系にたどり着くことを目的に送り出された。船体構造は華奢で、2標準重力下では自立することも不可能。植民地を開設することを目的としていたが、その航行中に乗り手たちの意志によって航路からはずれた。
後にユアノン推進に改造され、都市船アブリアルと呼ばれるようになった。
燕亭
マイラル星系に展開された軌道酒保街ドー・スリュクにある宿泊施設。賭博場まで歩いて1分。

ディレール
フリーコヴの初代書記。
【経歴】
 ・帝国暦958年 フリーコヴ書記に着任。階級は主計前衛翔士
 ・帝国暦959年 転任

ティン・クイハン
959年当時のハニア連邦大使。グェン・タウロンの後任。ハニア連邦の諸星系が帝国の支配下に入ることを提案した。交換条件はいくつかの重要星系の諸侯に連邦の有力者を任じること、無人の居住可能惑星を一つ提供すること、服属星系を防衛することの三点。
ハニア連邦の帝国侵攻に伴い外交官特権を停止された。

アーヴ猫デューク
アーヴに人気がある動物。船内のねずみを駆除するという実用的な理由と、飼い主から一定の距離を置く生き方が歓迎され、現在でも飼っているアーヴは多い。体毛の色や柄が多彩。体毛が短いのが特徴。寿命は一般的な猫と変わらない。
祖先は地球にあった弧状列島に住む家猫。人々の宇宙進出と共に他の惑星へも移り住み、ある惑星でアーヴにも譲られる。1500年ほど前からこの名で呼ばれるようになった。
エクリュア(ノール)曰く、『いい気でない猫なんて見たことがない』

デルクトゥー語
デルクトゥーの公用語。

軌道館トービア tobiac
.何らかの理由で乗員を艦内に搭乗させたままにする必要が生じたときに接続される居住用施設。自己圧縮能力を持ち、小型船の船艙にも納まる。最低クラスのものは重力制御装置を積んでいないため、地上世界出身者には居心地が悪い。これが接続された状態を俗に「巣をはる」という。
.士族などの住居。

黎明の乗り手ドーリア・ラムゼク
都市船アブリアルの前身である核融合推進外宇宙探査船で探査に派遣された生体機械(原アーヴ)29体のこと。

代官トセール tosairh
領主の代わりに領地の管理を行う者。皇帝の代官は調査使の要請を極力受けることが義務付けられている。


ケマル門沖の戦いトラーショス・ウェク・ソーダル・ケマラル
帝国暦959年に双棘第二四艦隊と人民主権星系連合体との間で行われた戦い。人民主権星系連合体にとっては初めての本格戦闘。
戦いは星界軍に有利に進行、星界軍は恒星、門、内惑星系を押さえ、敵建艦厰群を破壊した。

トライフ
アーヴ士族の一つ。家徴は発達した犬歯。紋章は歎く雉クテーシュ

トライフ・ボルジュ=ユブデール・レムセール
 Tlaïmh baurgh ybdér Laimsairh
アーヴ男性。修技生時代は戦列艦で過ごした。
【容姿】
 濃緑色の髪。浅黒く中高で猛禽類を思わせるような精悍な顔。発達した犬歯(トライフ家の家徴)。
【性格】
 たまに冗談を口にしても、なぜかそうと受け取られず、本気だと思われてしまう。
【経歴】
 ・時期不明 ラルブリューヴ鎮守府副長官に就任
 ・帝国暦952年 トライフ艦隊司令長官に着任。階級は提督
 ・時期不明 大提督に昇格
 ・帝国暦956年 狩人第二一艦隊司令長官に着任

大爆誕ドリアロン
全宇宙の始まりといわれるビッグバンのこと。

ハイド伯爵家ドリュージェ・ハイダル
ハイド星系の領主。実質的に国を売ることで現在の立場を手に入れたため、領民からは裏切り者と呼ばれている。
【歴史】
 ・帝国暦945年 創設。初代伯爵はリン・スューヌ・ロク=ハイド伯爵・ローシュ
 ・帝国暦952年 領地が三ヵ国連合により占領
 ・帝国暦954年頃 ジントが第二代伯爵に叙爵される
 ・帝国暦958年 領地を帝国が併合
 ・同年 スォッシュが代官に就任
【紋章】
 レズワン。紋章旗は緑地に赤いレズワンをあしらったもの。

ハイド伯国ドリュヒューニュ・ハイダル Dreuhynh Haïdec
イリーシュ王国に属する有人星系。恒星ハイドを中心とし、有人惑星マーティンを有する。マーティンの外側には気体惑星ベルグウィットも存在する。平面宇宙側ではイリーシュ王国において、イリーシュ門の反対側に位置する。
第十二環の周回航路完成間際に見つかった、忘れられた人類世界。
帝国侵攻時に独立を放棄、マーティンの対宇宙防衛システムを無力化することを条件に、ハイド星系から政府主席であったロック・リンを領主とするハイド伯国に生まれ変わる。
帝国再征服後、独立を放棄したが、同時に領主であるハイド伯爵家と以下の内容で条約をかわした。ハイド伯爵、あるいは元ハイド伯爵はマルティーニュから半径1光秒以内には立ち入らないこと。また、ハイド伯国全体でも10日以上滞在しないこと。地上世界への通信も控えること。ハイド伯爵家の代官はマルティーニュの領民政府が選出すること。
【歴史】
 ・着陸暦第1年 レイフ・エリクスンの乗組員により入植開始
 ・着陸暦172年(帝国暦945年)第1季57日 レイフ・エリクスン爆発
 ・同年第1季81日 アーヴ艦隊出現
 ・同年第1季84日 ハイド星系の独立を放棄。帝国領に
 ・帝国暦952年 人類統合体により占領
 ・同年 ティル・コリントが星系首相に
 ・帝国暦956年 淡雪作戦により空間領域占領
 ・時期不明 独立を宣言。ティル・コリントが星系元首に
 ・帝国暦958年 ハイド星系政府は主権放棄。帝国領に

 □ な行
ナディア・フーディニ
アディーブ星系の有人惑星アッサウーマンにあるスメネリ理学院の学生。女性。博士論文「複合時空のエネルギー平衡についてのタリスマン図」で博士号を受けた。もっとも理論の実験にはユアノンといくつかの技術的ブレイク・スルー、それに莫大なコストが必要であったため、結局アディーブ星系で実験が行われることはなかった。
その論文はアーヴに譲渡され、後に平面宇宙航法の基礎となった。

ネイ
姓称号の一つ。皇族が名乗る。

ノヴ・ラテン語
セクティア連邦の公用語。

 □ は行
軌道都市バーシュ
地球にあった火山性の弧状列島の住人の一部が建設した軌道都市。トヨアシハラ市と名づけられている。全地球規模での文化混淆に際し、列島の独自文化を守るために小惑星帯に建設された。最初の住民は弧状列島住民の1000分の1ほど。
地に足をつけた生活をするため、外宇宙探査を進めていたが、ユアノンを持っていなかった。そのため、低加速の核融合船による探査にも耐えうる乗員が必要になり、資質に優れた住民の遺伝子を改造することで原アーヴを創り出した。
母都市の影におびえ、武装解除を迫ったアーヴに対し、当時の指導者層は、彼らを再び管理下に組み入れ、武装することをもくろんだため、交渉は決裂。わずか1000人ほどのアーヴによって滅ぼされ、100万を数えた住民も全滅した。

バースロイル Basrogrh
.星界軍のロイル級突撃艦。初代艦長はラフィール。艦内に二つの貴族城館があることで有名。
【組織】
 艦長 アブリアル・ネイ=ドゥブレスク・パリューニュ子爵・ラフィール十翔長
 先任翔士(航法士) ソバーシュ・ウェフ=ドール・ユース前衛翔士
 次席翔士(通信士兼砲術士) エクリュア・ウェフ=トリュズ・ノール列翼翔士
 書記 リン・スューヌ=ロク・ハイド伯爵・ジント主計列翼翔士
 ┣司厨従士
 ┣経理従士 女性
 ┗衛生従士
 監督 サムソン・ボルジュ=ティルサル・ティルース軍匠列翼翔士
 ┣従士長 パーヴェリュア
 ┗従士 11名
【経歴】
 ・帝国暦955年 ラクファカールで就役
 ・同年 練習艦隊に配属。慣熟航行(ラクファカール〜ヴォベイルネー鎮守府)
 ・同年 突撃分艦隊ラトゥーシュ第1058突撃戦隊第1突撃隊に配属
 ・同年(上記の約3ヶ月後) アプティック門方面強行威力偵察部隊殲滅戦(初陣)
 ・同年 アプティック防衛戦。爆散。従士3名が死亡、5名が負傷。
.星界軍のロイル級突撃艦。先代のバースロイル爆散後に補充された同型艦。初代艦長はラフィール。翔士の顔ぶれは代わらないが、従士は一部変わっている。
【経歴】
 ・帝国暦955年 ヴォベイルネー鎮守府で就役
 ・帝国暦956年 狩人第四艦隊に配属
 ・同年 乗員は解散

背嚢
背中に背負う荷物入れ。連絡艇等には緊急地上避難用のものが置かれている。中身は戦闘配食、水蒸気凝集装置、炭素結晶繊維紡錘、円匙など。

バクーニン
ルーヌ・ビーガ市警察犯罪捜査部警部補(952年当時)。三年越しの強盗殺人事件や、浮揚車強奪事件(ジントたちが起こした事件。事件番号04-337-8404)を担当している。

募集事務所バンゾール・ルドロト
帝国内の全有人惑星に設置が義務付けられている施設。移民、家臣や従士の募集・申し込み、修技館の入学試験などが行われる。
執務と警備のために星界軍軍士が派遣されるが、これ以上の軍人が領民政府の許可無くして派遣されることは原則ない。

ピア・ハウツィ
アーヴ言語文化学院教諭をつとめる言語学者。著書に「アーヴ語会話入門」(デルクトゥー・アーヴ語文化学院出版部)、「アーヴ−その言語と文学−」(ティン兄弟社)など。帝国国民としての名はベールファーシュ・キュールギューシュ。
【経歴】
 ・植民暦37年 誕生
 ・植民暦60年 デルクトゥー・アーヴ言語文化学院の第一期生として卒業
 ・同年 星界軍に入隊。掌砲従士
 ・時期不明(上記の10標準年後) 除隊。最終階級は最上等掌砲従士長
 ・植民暦72年 ヴォーラーシュ伯国に戻る
 ・同年 ヴォーラーシュ伯爵家家臣に
 ・植民暦75年 家臣を退職。デルクトゥー・アーヴ語文化学院に語学教師として招聘

勅封命令ビソゼール・キムナ
.帝国・星界軍の最高機密通信。内容は皇帝の端末腕環で暗号化され、記憶片に収められる。その後、箱に入れて皇帝自身が封印し、発送される。暗号は極めて限られた者(翔士に叙任された皇族や艦隊司令長官、艦隊参謀長など、銀河で100人以下)の端末腕環にしか解読できない。さらに解く際には所持者自身が端末腕環をはめて暗証文を唱えなければならず、また内容は読了後直ちに破棄しなければならないなど、制約も多い。
.帝国暦959年にコトポニー双棘第一三艦隊司令長官に対し送付されたもの。ハニア連邦への進駐と連邦軍の武装解除の手順について艦隊としての準備研究に当たることというのが内容。艦隊参謀長と皇族の翔士には閲覧権があり、実際に参謀長とドゥヒールは閲覧を許されている。

ビボース Biboth/Bibothec
根源29氏族の一つ。主観測子の末裔。語源は「みぼし」。
【都市船時代】
 観測を担当し、恒星や恒星間物質の観測、分析を行っていた氏族。。独自の研究によって開発した情報で交易を行うことを好んだが、そのほとんどは屑だが、そのうち1%くらいは非常に貴重な情報、というものだった。
【特徴】
 祖先の一人は平面宇宙技術の確立に多大な寄与をなし、その他にも優秀な科学者や技術者を輩出したことで知られている。その一方で一族の歴史はアブリアルでさえ一目置くほどの華やかな狂気に彩られている。その狂気はときにプラスに働きながらも、おおむねはた迷惑な存在だった。
フィムゲームからフーディニ論文を入手したこの一族によって平面宇宙の研究は進められた。アーヴを知るものの中には、彼らこそ典型的なアーヴだという者も多い。
【宗家】
 スカーボール大公爵家。ちなみにアロン=ネレムは傍流もいいところ。
【家紋】
 特に共通するデザインはない。
【家徴】
 ビボースの冠ソピュール・ビボトと呼ばれる柔らかい巻き毛。

ビボース・アロン=ネレム・公子ヤルルーク・ネフェー
 Biboth aronn nérémr ïarlucec Néféc
アーヴ男性。ネレースの双子の兄弟。母親の気まぐれでネレースと同じ遺伝子を有する。
【容姿】
 菫色の巻毛。白銀色の瞳。陰影の多い美貌。ネレースと瓜二つ。
【性格】
 恋多き男(自称)。ネレース曰く、『一つの恋をだらだらと続ける』男。
【経歴】
 ・帝国暦955年 幻炎艦隊副司令長官付参謀長に着任。階級は千翔長
 ・同年 アプティック防衛艦隊司令長官付参謀長に着任
 ・帝国暦956年 狩人第四艦隊司令長官付参謀長に着任

ビボース・アロン=ネレム・公子ヤルルーク・ネレース
 Biboth aronn nérémr ïarlucec Nélaith
幻炎艦隊副司令長官の一人。アーヴの男性。ネフェーの双子の兄弟。信条は『戦争にも愛情が必要だ』。帝国伯爵(955年当時)。
【容姿】
 菫色の巻毛。白銀色の瞳。陰影の多い美貌。ネフェーと瓜二つ。
【性格】
 いかにもビボース。本人は『僕ほど健全な常識を備えている人間はいない』と思っている。
【嗜好】
 入浴好きで邪魔されると機嫌が悪くなる。
【経歴】
 ・帝国暦955年 幻炎艦隊副司令長官に着任。階級は提督
 ・同年 アプティック防衛艦隊司令長官に着任
 ・帝国暦956年 狩人第四艦隊司令長官に着任

狩人第一艦隊ビュール・カースナ・ブレグ
狩人艦隊所属部隊。司令長官はスポール・アロン=セクパト・レトパーニュ大公爵・ペネージュ。旗艦は巡察艦ラーシュカウ。
幻炎作戦終結後、狩人作戦でまとまった偵察部隊が必要となる場合に備えて幻炎第一艦隊がそのまま移行した。
【組織】
 司令部
 ┣司令長官 スポール・アロン=セクパト・レトパーニュ大公爵・ペネージュ提督
 ┗参謀長 クファディス・ウェフ=エスピール・セスピー千翔長
  ┣通信参謀
  ┗補給参謀
 旗艦 巡察艦 ラーシュカウ
 巡察艦 クレクカウ(臨時集成本部戦隊)
 巡察艦 スームビルシュ(臨時集成第二戦隊第一小隊)
 巡察艦 リュームビルシュ
 巡察艦 スリュズビルシュ
 巡察艦 ドウビルシュ
 巡察艦 ヴゼトカウ
【歴史】
 ・帝国暦956年 幻炎第一艦隊から移行
 ・同年 ロブナス門沖会戦(巡察艦33隻のみ)
         最終的な損害は26隻完全撃破

幻炎第一艦隊ビュール・カースナ・レニブ
幻炎艦隊所属先行偵察部隊。司令長官はスポール・アロン=セクパト・レトパーニュ大公爵・ペネージュ。旗艦は巡察艦ラーシュカウ。
【組織】
 司令部
 ┣司令長官 スポール・アロン=セクパト・レトパーニュ大公爵・ペネージュ提督
 ┗参謀長 クファディス・ウェフ・エスピール・セスピー千翔長
  ┣通信参謀
  ┗探査参謀
 本部戦隊
 ┗旗艦 巡察艦 ラーシュカウ
 偵察分艦隊 デクスファ
 偵察分艦隊 11個+13個(増強分)
 ┣偵察分艦隊 フトゥーネ
 ┣偵察分艦隊 スクニー
 ┣偵察分艦隊 クリュダーズ
 ┣偵察分艦隊 ビルカ
 ┣偵察分艦隊 ケンガーフ
 ┣偵察分艦隊 ゴスィーロル
 ┣偵察分艦隊 フェルトネー
 ┣偵察分艦隊 サイドー
 ┗偵察分艦隊 トラリストゥー
 補給分艦隊
【経歴】
 ・帝国暦955年 編成
 ・同年 アプティック星系制圧
 ・同年 25個分艦隊に増強
 ・同年 アプティック門沖会戦
 ・帝国暦956年 狩人第一艦隊と改称

幻炎第四艦隊ビュール・ゴーナ・レニブ
幻炎艦隊所属左方侵攻部隊。司令長官はコトポニー大提督。
【組織】
 司令部
 ┣司令長官 コトポニー大提督
 ┗参謀長 セスカース准提督
【経歴】
 ・帝国暦955年 編成
 ・同年 アプティック門沖会戦

幻炎第三艦隊ビュール・ビーナ・レニブ
幻炎艦隊所属中央侵攻部隊。司令長官はアブリアル・ネイ=ラムサール・バルケー王・ドゥサーニュ帝国元帥。
【組織】
 司令部
 ┣司令長官 アブリアル・ネイ=ラムサール・バルケー王・ドゥサーニュ帝国元帥(兼任)
 ┗参謀長 ケネーシュ・ウェフ・ステューマル・キペール星界軍元帥(兼任)
 突撃分艦隊 ムドート
 分艦隊 コナセール
 分艦隊 ガリコーシュ
【経歴】
 ・帝国暦955年 編成
 ・同年 アプティック門沖会戦

狩人艦隊ビュール・ブレグ
狩人作戦の実施部隊。司令長官はアブリアル・ネイ=ラムサール・バルケー王・ドゥサーニュ帝国元帥。総旗艦は巡察艦サンカウ。
【組織】
 司令部
 ┣司令長官 アブリアル・ネイ=ラムサール・バルケー王・ドゥサーニュ帝国元帥(皇太子)
 ┗参謀長 ケネーシュ・ウェフ=ステューマル・キペール星界軍元帥
 旗艦 巡察艦 サンカウ
 狩人第一艦隊(先行偵察部隊)
 狩人第二艦隊〜第一三艦隊(狩人戦域制圧部隊)
 狩人第二一艦隊
【歴史】
 ・帝国暦956年 編成
 ・同年 ロブナス門沖会戦
 ・同年(上記の23日後) サルクス門沖会戦

淡雪第二艦隊ビュール・マータ・ファギュク
おそらく956年に編成された淡雪作戦の実施部隊。司令長官はアブリアル・ネイ=ドゥブレスク・クリューヴ王・ドゥビュース大提督。

幻炎第二艦隊ビュール・マータ・レニブ
幻炎艦隊所属右方侵攻部隊。司令長官はルレーフ大提督。
【組織】
 司令部
 ┣司令長官 ルレーフ大提督(帝国侯爵)
 ┗参謀長 トリール准提督(セズレーニュ男爵)
【経歴】
 ・帝国暦955年 編成
 ・同年 アプティック門沖会戦

狩人第二一艦隊ビュール・マトロキュトナ・ブレグ
狩人艦隊所属。狩人戦域における敵残存艦隊の殲滅のために組織された臨時艦隊。司令長官はトライフ・ボルジュ=ユブデール・レムセール大提督。旗艦は巡察艦スールビルシュ。43個分艦隊。
【組織】
 司令部
 ┣司令長官 トライフ・ボルジュ=ユブデール・レムセール大提督
 ┗参謀長 カヒュール・ボース=サテク・公子・レメーシュ准提督
  ┗通信参謀
 旗艦 巡察艦 スールビルシュ
【歴史】
 ・帝国暦956年 編成
 ・帝国暦956年 サルクス門沖会戦(敵軍の無条件降伏)

双棘第二四艦隊ビュール・マトロゴナ・ボルペル
双棘艦隊(バルケー王国方面)所属。旗艦は巡察艦エルカウ。
【組織】
 司令部
 旗艦 巡察艦 エルカウ
 突撃分艦隊 ボスル
【経歴】
 ・帝国暦959年 編成
 ・同年 ケマル門沖の戦い
 ・同年 ケマル門制圧戦

双棘第二五艦隊ビュール・マトロジュタ・ボルペル
双棘艦隊(バルケー王国方面)後方警備部隊。前線からラクファカールまでの進撃路を防衛している。959年編成。

幻炎第五艦隊ビュール・リューナ・レニブ
幻炎艦隊所属後方補給部隊。司令長官はレケーフ星界軍元帥。955年編成。
【組織】
 ┣司令長官 レケーフ星界軍元帥
 ┗参謀長 キー提督

双棘第一一艦隊ビュール・ロキュトナ・ボルペル
双棘艦隊(新領土方面艦隊)先鋒部隊。959年編成。

双棘第一四艦隊ビュール・ロゴナ・ボルペル
双棘艦隊(新領土方面艦隊)所属。拡大アルコント共和国に備えている。959年編成。

双棘第一三艦隊ビュール・ロビナ・ボルペル
双棘艦隊(新領土方面艦隊)中核部隊。旗艦は巡察艦シャイカウ。959年編成。
【組織】
 司令部
 ┗司令長官 コトポニー星界軍元帥
 旗艦 巡察艦 シャイカウ
 打撃分艦隊 グデルス

ビル
反帝国クラスビュール戦線グゾーニュ細胞構成員の若者(952年当時)。飛ばし屋としてグゾーニュでは有名。職業は輸送車の運転手。
彼の自家用車はクラスビュール最速で、安全装置が取っ払ってある。
ラフィールたちに協力した結果、士族に叙され、軽輸送船クラスビュールを借りて働いている。
【容姿】
 短く刈って黄色く染めた髪。

平面宇宙航法ファーゾス
平面宇宙を航行するための技術。

皇族ファサンゼール fasanzœrh
建国帝ドゥネーとその兄弟や子女の子孫であり、アブリアルの氏姓と帝位継承権を有する一族。八つの王家に分けられる。
その子女は、出生と同時に領置を与えられ、爵位を叙せられるのが慣わし。
貴族同様軍役に就き、飛翔科翔士になる義務を負う。列翼翔士に叙任後、一年で後衛翔士、一年半で前衛翔士になり、自動的にドゥネー星界軍大学に進学、半年の研修の後卒業して十翔長になる。(通常軍大学進学には4年半の軍役が必要だが、特例として認められている)
退役までにひとかどの位階を得て、有事の際には軍の一翼を担うことが全員に求められている。そのため、出世は権利ではなく義務。
また不当な圧力にならないよう、上官に不条理な批判を加えるのは厳に慎むよう教えられている。

平面宇宙航行技術ファズ・ファーゾト/平面宇宙技術ファズ・ファーゾト
平面宇宙を航行するための技術。単に平面宇宙航法ファーゾスとも。

上皇ファニーガ fanigac
退位した皇帝と、その職に互選された元王たちの称号。各王家から一人ずつ選ばれ、上皇会議を構成する。扇状の袖がついた法衣をまとう。
952年当時の構成員は、ドゥガス(前皇帝・ラスィース王家)、ドゥラーズ(スュルグゼーデ王家)、ラミューニュ(スキール王家)、ラモーズ(イリーシュ王家)、ラムローニュ(ウェスコー王家)、ドゥセーフ(バルケー王家)、ドゥスーム(バルグゼーデ王家)、ラメーム(クリューヴ王家)の8人。

領主ファピュート
星系を封ぜられた貴族等の呼称。皇帝の直臣。広い意味では王も含む。
徴税権等の政治的権能は有さないが他星系との交易の独占権を帝国により認められ、その利益が生活の資本となっている。そのため、領地の経営は代官に任せて、帝都で取引相手を探したり商談をまとめたりしながら生活する者も多い。
自己の領地が関係する問題について星界軍に詳細な情報を求める権利を有する。領主と家臣の関係にはたとえ皇帝といえども口を挟むことは出来ない。
新たに星系が軍事力により征服された場合、通常帝国に従順でなく、褒賞として与えられるには統治に負担がかかりすぎるので、皇帝が領主となり、代官が派遣されるのが普通。しかし、戦時にはこのような手続きが間に合わないこともあり、そのような場合に領主代行が置かれる。正式な領主が決まるまでその星系の管理責任は降伏を受け入れた指揮官にゆだねられるため、指揮官が軍士、特に貴族の子弟を指名するのが一般的である。
【歴史】
古くはおしなべて伯爵と呼ばれていたが、やがて序列をつける必要性が感じられるようになり、侯爵、侯爵、大公爵の爵位が設けられた。また、無人星系にも領主が封じられるようになり、子爵、男爵の爵位も置かれるようになった。

フィムゲーム Fimegaimec
根源29氏族の一つ。語源は「うみやめ」。
【都市船時代】
 大気循環系と水耕農業を管理し、船内大気と食料をつかさどった氏族。
【特徴】
 陽気で快活、人間として面白い。帝国暦前122年に一族が経済危機に見舞われたとき、安値で美術論文集(フーディニ論文も含む)をビボースに売却したことから、物事を余り深く考える習慣がないと信じられている。
【宗家】
 ギュムスィー大公爵家。
【家紋】
 蜂。
【家徴】
 フィムゲームの星コス・フィムゲーマルと呼ばれる眉間にある黒子。

フェグダクペ・セールナイ Faigdacpéc Sérnaïc
フェブダーシュ男爵家の家臣。フリーザ伯国出身の地上人女性。幼い頃から国民になることを夢見ていたが、軍人になる気はなく、だからといって家臣になるための技能も持っていなかった。しかし、フェブダーシュ男爵の目に止まり家臣になる。その後教育を受け、燃料槽の専門家として整備点検を担当している。
男爵領におけるラフィールの叛乱に荷担。その功績から、クリューヴ王家の援助を受けてセールナイ商会を立ち上げ、会長となった。
真空作業の免許あり。音楽的な訛りのあるアーヴ語を話す。
【嗜好】
 趣味はアーヴの貴公子たちの立体映像を眺めること。ラフィールを崇拝している。
【経歴】
 ・帝国暦952年 フェブダーシュ男爵家家臣を辞職
 ・帝国暦955年頃 セールナイ商会会長に着任

フトゥーネ
.トライフ艦隊所属の偵察分艦隊。司令官はスポール・アロン=セクパト・レトパーニュ大公爵・ペネージュ准提督。旗艦は巡察艦ヘールビュルシュ。地上戦能力はない。
【組織】
 司令部
 ┣司令官 スポール・アロン=セクパト・レトパーニュ大公爵・ペネージュ准提督
 ┣先任参謀 クファディス・ウェフ=エスピール・セスピー百翔長
 ┣通信参謀
 ┗航法参謀
 本部戦隊
 ┣旗艦 巡察艦 ヘールビュルシュ
 ┣巡察艦 ボーグビュルシュ
 ┗巡察艦 ハスンビュルシュ
 偵察戦隊 6個
 ┣第一戦隊
 ┃┗巡察艦 キュービュルシュ
 ┗他 第二〜第六戦隊
 補給戦隊 1個
【経歴】
 ・帝国暦952年 スファグノーフ門沖会戦
 ・同年 スファグノーフ侯国制圧。クラスビュール駐留軍司令部以下15000人を捕虜に
 ・同年 軌道上を漂流中のラフィールとジントを救助
 ・同年 ケイシュ193門を迂回し、ヴォーラーシュ伯国へ連絡を行う
【紋章】
 舞踏の女神フトゥーネ
.幻炎第一艦隊所属の偵察分艦隊。1.がそのまま後任に引き継がれたものと思われる。955年編成。

ブラーシュ
959年当時の帝国宰相。地上世界出身者。前任者のシドリュアの死後、使節庁長官から昇任した。

フリーコヴ
.星界軍第一蹂躙戦隊所属のコーヴ級襲撃艦。初代艦長はソバーシュ・ウェフ=ドール・ユース副百翔長。
【組織】
 艦長 ソバーシュ・ウェフ=ドール・ユース副百翔長
 副長兼砲術士 イドリア十翔長
 航法士 エクリュア・ウェフ=トリュズ・ノール前衛翔士
 通信士 ヤテーシュ後衛翔士
 監督 グリンシア軍匠十翔長
 ┗軍匠従士 エイドリアン
 書記 ディレール主計前衛翔士
【歴史】
 ・帝国暦958年 就役
 ・同年 練習艦隊に配属。慣熟航行
 ・同年 第一蹂躙戦隊に配属
 ・同年 ハイド門沖演習
 ・帝国暦959年 再編成
.双棘第二四艦隊突撃分艦隊ボスル第一蹂躙戦隊所属のコーヴ級襲撃艦。艦長はアブリアル・ネイ=ドゥブレスク・パリューニュ子爵・ラフィール副百翔長。1.が再編成されたもの。
【組織】
 艦長 アブリアル・ネイ=ドゥブレスク・パリューニュ子爵・ラフィール副百翔長
 副長兼航法士 エクリュア・ウェフ=トリュズ・ノール十翔長
 砲術士 アルボフ前衛翔士
 通信士 ヤテーシュ後衛翔士
 監督 グリンシア軍匠十翔長
 書記 リン・スューヌ=ロク・ハイド伯爵・ジント主計前衛翔士
 伝令 グノムボシュ列翼翔士
【歴史】
 ・帝国暦959年 再編成
 ・同年 双棘第24艦隊突撃分艦隊ボスル第一蹂躙戦隊へ配属
 ・同年 ケマル門沖の戦い
 ・同年 ケマル門制圧戦
 ・同年 ケマル星系建艦厰群撃滅戦

アーヴによる人類帝国フリューバル・グレール・ゴル・バーリ Frybarec Gloer Gor Bari
1500以上の有人星系(半数以上はアーヴが開発した星系)と20000以上の半有人星系を支配する汎星系国家。略してアーヴ帝国バール・フリューバル帝国フリューバルとも呼ばれる。帝都はアブリアル伯国のラクファカール。元首は皇帝。国章は八頸竜。国歌は「我ら、ともに永遠を抱かん」。
妙な露悪趣味があり、地上の民には無慈悲と見られたがっているようだが、内乱には遠慮なく介入する。空間、恒星、無人惑星はおしなべてアーヴのものという方針を採っている。
【人口】
 アーヴ2500万人、国民約10億人、領民9000億人。
 帝国創建時はアーヴ27万2904人。(当時の人類の人口は1000億以上)
【組織】
 皇帝を頂点とする帝政+貴族制。理念なく存立し、多様な人類社会をアーヴによって統合することにのみ専念する。そのため地上のことには干渉しないのが原則で、星系政府に要求するのは惑星間航行が可能な宇宙船の建造禁止と帝国星界軍の募集事務所の設置のみで、これを超えた要求を領民政府は拒否できる。臣民に対しても忠誠を期待することはしない。
 官僚府も存在するが、そこに属する官僚のほとんどは地上世界出身者。
【外交】
 他国と外交官を交換し、外交官特権を尊重しているが、外交自体は全く重視していない。
 戦争においては情容赦なく、自身が滅亡するか、敵国の星間航行能力を奪い、星系単位で帝国に編入する以外に決着の方法はない。その苛烈さのため、皇帝2人と皇太子7人を含む多くの帝国の貴顕が戦死している。
 もっとも、星間国家でない限り帝国の大切な領土として扱うので、無意味に荒廃することを嫌う。そのため星間航行能力を失った星系の空間を封鎖するなどして降伏させ、降伏せずに飢餓が始まった場合も貸付などを行い援助するのが普通。
 やられたら10倍にしてやり返す、というのが行動原理。いかなる脅迫にも屈することなく、脅迫した者はそのほとんどが死に、生き延びても不幸な人生を送ることになる。
【経済】
 通貨単位はスカール。
【産業】
 他国船が領内星系に立ち入ることを禁じているが、七つの貿易港を指定して経済交流は行っている。
【言語】
 公用語はアーヴ標準語。文字はアース。
【文化】
 →アーヴ
【単位系】
 地球以来のCGS単位系。標準年=365日、標準日=24時間、標準時間=60分、標準分=60秒。
 長さの基本単位はダージュ(=cm)、質量の基本単位はボー(=g)。この基本単位系に倍数を表す接頭辞をつけて用いる。以下参照。
規模接頭辞長さ質量
1020ドリアル1000兆km100兆t
10161000億km100億t
1012ゼサ1000万km100万t
1081000km100t
104ウェス100m10kg
1
1cm1g
10-4シェス1μm(=1000分の1mm)0.1mg
10-8ソワフ1Å(オングストローム)0.01μg
10-12コス10Y(ユカワ)
10-16ペタ0.001Y
 もっとも、光秒(=約300セダージュ)、光年(=約95トダージュ)などの単位も利用するので、ゼサダージュ以上の単位はあまり使わない。また、プランク長とプランク重(プランク定数h=6.6261×10-34を基礎にする単位)を基本とした微小単位系もある。
 平面宇宙では特殊な長さ単位が使われる。天浬ケドレル(1セボーの質量で、完全移動状態をとる時空泡が1秒間に進む距離)と天節ディグル(時空泡内時間で1時間に1天浬進める速度)である。
【歴史】
 帝国建設に乗り出すにあたり、その根幹が最初に置かれた分野は交易であった。
 最初に大きな権益を得たのは船長職を世襲していたアブリアル一族である。アブリアルの長が皇帝となり、全ての平面宇宙航行船を所有することになった。さらに、8つの門も独占し、その利用に使用料を科した。
 ・帝国暦前1200年くらい 原アーヴ誕生
 ・帝国暦前1173年(離脱暦1年) 独立を宣言。
 ・時期不明 探査船を近くの恒星系につけ、都市船に改造
 ・時期不明 アース成立
 ・帝国歴前973年頃 母都市を滅ぼす。大放浪時代に
 ・帝国暦前157年 「複合時空のエネルギー平衡についてのタリスマン図」入手
 ・帝国暦前120年頃 都市船アブリアルで事故発生。航行日誌を消失
 ・帝国暦前98年 ビボースが平面宇宙航行理論を完成。船王に報告
 ・時期不明 マアト・カー・ラーと接触
 ・帝国暦前52年 一星系に投錨、門を開く実験の開始
 ・帝国暦前19年 門を開くことに成功
 ・帝国暦前3年 最初の平面宇宙航行船セルドーが門をくぐり、帰還
 ・帝国暦前2年 平面宇宙側から門を開くことに成功
 ・帝国暦1年 建国帝ドゥネーが帝国の創建と帝国暦開始を宣言。帝国時代に
 ・同年 初代皇帝即位式。国章が八頸竜に
 ・時期不明 3つの星系を征服。3つの主要氏族(恐らくエスレル、ニューシュ、スポール)の長が領主として封じられる
 ・帝国暦42年(以下2項との前後関係は不明) 3人の地上人がアーヴに
 ・時期不明 5つ目の星系を征服
 ・時期不明 平面宇宙の先客に気付く
 ・帝国暦645年頃 ヤクティア戦役
 ・帝国暦685年頃 太陽系に近い門の発見
 ・帝国暦750年頃 星界軍における最後の乗員反乱勃発
 ・帝国暦812年 セクティア連邦併合
 ・帝国暦852年より前 シャシャイン戦役
 ・帝国暦905年 カミンテール戦役終結
 ・帝国暦940年 対帝国軍事組織、四ヵ国連合結成
 ・帝国暦945年 ハイド星系征服
 ・帝国暦952年 ゴースロス襲撃事件
 ・同年 スファグノーフ侯国、人類統合体により占領
 ・同年 四ヵ国連合と開戦
 ・同年 スファグノーフ門沖会戦で勝利。スファグノーフ侯国再占領
 ・同年 ラクファカール防衛戦に辛勝
 ・同年 イリーシュ王国の3分の2、三ヵ国連合により占領
 ・同年 スカレーシュ門沖会戦
 ・帝国暦955年 幻炎作戦
 ・帝国暦956年 狩人作戦
 ・帝国暦956年 淡雪作戦
 ・帝国暦959年 双棘作戦
 ・同年 雪晶作戦
 ・同年 ハニア連邦がクリューヴ王国に侵攻
疑問:マアト・カー・ラーとの接触時に100万近くいたアーヴが帝国創建時には30万以下になったのはなぜ?
 ・前120年頃の事故による大量死
 ・アメニイの推定違い

空識覚器官フローシュ froch
アーヴの額にある、空識覚をつかさどる器官。一億以上の個眼の集合体で宝石の薄片のような外見。頭環が収集した情報を脳の航法野に流し込むためのもの。

空識覚芸術フロクライ
画像と音声を組み合わせた情報を空識覚で楽しむ芸術。空識覚に加え視覚や聴覚も用いるものは総合芸術と呼ばれる。

帽子
頭にかぶる装飾品。空識覚器官を隠したり耳を隠したり髪の毛を隠したり(失敗)するために使われることも。

旧ボークビルシュボークビルシュ・ムーラ
ハイド伯爵家が帝国から譲り受けた軽武装貨客船。元は退役した巡察艦で、現在は武装のほとんどをはずしているが、現在でもボークビルシュの名で呼ばれている。船長はログドーニュ。
帝国暦958年にマルティーニュの軌道上に繋留。残っていた可動凝集光砲、主機関、時空泡発生機関をはずしてハイド伯爵城館になった。

宰相府ボーシミアシュ
帝宮にある官僚機構の頂点をなす組織またはその本部。本部はかなり広く、庭園もある。

ボース
姓称号の一つ。皇族から分家した家が名乗る。アロンより格上とされる。

ボスル
双棘第ニ四艦隊所属の突撃分艦隊。
【組織】
 司令部
 第一蹂躙戦隊
 突撃戦隊 4個以上
【経歴】
 ・帝国暦959年 編成
 ・同年 ケマル門沖の戦い
 ・同年 ケマル門制圧戦
 ・同年 ケマル星系建艦厰撃滅戦


ボルジュ
姓称号の一つ。帝国創建後に創氏された士族が名乗る。

 □ ま行
マルカ Malka
反帝国クラスビュール戦線グゾーニュ細胞の細胞指導者。女性。推定30代初め(952年当時)。夫と子供がいるが、身分については隠している。
ラフィールたちに協力した結果、士族に叙され、軽輸送船クラスビュールを借りて働いている。
【容姿】
 黒い髪や眉。目鼻立ちのすっきりした顔立ち。褐色に日焼けした肌。

マルティーニュ
恒星ハイドを巡る酸素大気惑星。有人。ハイド門が軌道上にある。入植においても生態系を保存する努力がなされたため、地球とは異質な生態系が根付いている。そのため、海が赤茶けている。
クランドン市が唯一の居住区域で、生態系の都合上他の場所での生活は困難。ほとんどが自然のままのエキゾチック・ジャングルになっている。
マーティン語ではマーティンと呼ばれており、この名は入植時のレイフ・エリクソンの船長の名から取られている。
生態系を乱す可能性のある生物の輸入禁止。
【人口】
 1000万程度。
【組織】
 政府主席を頂点とする行政府と議会。
【防衛】
 対宇宙防衛システム。(対外)武装警察。(対内)
【言語】
 古代英語起源のマーティン語。人名は名・姓の順。文字はアルファベット。
【文化】
 複合機能建築はかなり高度に発達している。遺体は土葬か火葬。民間人の武装禁止。
【食生活】
 単調。培養白身魚の揚げ物、馬鈴薯の揚げ物、クィンズ・ベル、メロン・オー・シューなど。甘辛い味付けが特徴。
【単位系】
 表面気圧1.117。
 大気組成は窒素0.728、酸素0.241。
 時間単位は約26時間=一自転時間からなる1日。

ミケ・アンガスン
ロブナスII東部矯正区代表(955年当時)。男性。子供が5人いる。神と地獄の存在を信じている。女性囚人の国外退去を妨害するため反乱を起こすが、手下に見捨てられ行方不明になった。
【容姿】
 険しい目つき。太い首。たくましい胸。逞しい脚。
【性格】
 粗暴だが、卑怯な行為を嫌う。ある種の宗教の原理主義者的な価値観を持つ。
【嗜好】
 腰抜けと生意気なやつが嫌い。

ミン・クルサップ
反帝国クラスビュール戦線グゾーニュ細胞構成員(952年当時)の男性。元は独立党員の上級幹部だったが、3年前に離党。
グゾーニュから1000ウェスダージュ(=100km)ほど離れた山中に武器を隠すための別荘を持っている。
ラフィールたちに協力した結果、士族に叙され、軽輸送船クラスビュールを借りて働いている。
【容姿】
 剃った頭(もとは青い髪だったが占領時に剃られた)。左右を赤と黄色に塗り分けた口髭。減量中の鶴のような痩身。
【性格】
 軍事マニア。武器、弾薬の自作も行う。

ムハメドフ
人類統合体平和維持軍スファグノーフ派遣地上軍団RC管区憲兵隊所属の憲兵中尉(955年当時)。恐らくアランガの部下。

 □ や行
人工子宮ヤーニュ
アーヴの受精卵を出生まで育てる装置。大多数のアーヴが使用するもの。

遺伝子検査ヤナルムコス
.アーヴが受精卵に対して、医療施設で行う検査。遺伝子の塩基配列を検査、修正、調節する。
.髪の毛等から種族などを判別するための検査。警察の捜査等に用いられる。

公子ヤルルーク/公女ヤルリューム
.宮中序列の一つ。貴族の息子や娘。
.宮中序列の一つ。貴族。皇族から離籍した者や、爵位を継がなかった貴族の子女が叙される最下級爵位。

ユーナ・ファジルス
955年当時のアプティック星系最高判事会議長。

 □ ら行
軌道酒保街ラクネーヴ・ホーカ racnébh hoca
帝国艦船の乗組員のため軌道上に設置される軍営の休養施設。

ラジェイ島
惑星ロブナスII唯一の有人島。惑星でもっとも大きな島。海洋性で温暖な気候。
南端、島の1割ほどが管理区で、行政庁を始めとする諸施設、刑務官たちの住宅、商店、公園、非常に美しい砂浜、海港と港務部庁舎(3階建ての瀟酒な建物)、宿舎などがある。
その他の場所は矯正区で、男性が収容される東部矯正区、不妊処置を受けた男女が収容される中央矯正区、女性が収容される西部矯正区に分けられている。

ラナ・ファズン
ロブナス矯正施設の女性刑務官。配給隊責任者。

星界軍ラブール laburec
帝国の正規軍。帝国の軍事力を担うと同時に、平時には政治、行政の大部分を動かす、帝国そのものともいえる組織。
飛翔科と特殊兵科である主計科、空挺科、軍医科、技術科、警衛科、法務科、看護科、軍匠科、造兵科、造船科、造機科、光子科、航路科、軍楽科の15科、および掌兵科や薬剤科などの術科から成る。
現在の艦艇数は、突撃艦以上の戦闘艦だけでも約7万8000。構成人員は約1330万人。そのうち空挺科が最大で1000万人いるが、そのほとんどは地上世界出身者。
階級のみによって上下関係が律せられる。
募集は主に地上の募集事務所でなされ、領民は自由意思により従軍できる。徴兵がされることはないが、他人の従軍意思を妨害する行為は禁じられている。
確たる理由もなく他者へ戦闘を挑む無法者はおらず、戦不戦の選択権を握った時に、確実に勝てない戦いを始めるものもいない、というのが公式見解。非戦闘員を戦闘に巻き込むことを嫌う。
演習や戦闘の後の饗宴では羽目を外すのが伝統。
やる気がない翔士を排除し、指揮官の部下掌握能力を把握するため、部下の転属願いを上司が握りつぶすことは出来ない。転属願いは人事局で処理されることになる。
従士・翔士には給料が支払われる。ただし領地を持つ翔士は無給。
星間船を住居とみなすアーヴが中心となって構成されているため、平時は戦列艦、輸送艦についてのみ育児をしながらの勤務も認められている。
部隊が孤立した場合はその場の最高指揮官が皇帝陛下の名代として指揮を執る。
自分たちのやり方に拘るため、他人が造ったものを兵站系に組み込むことはない。
【歴史】
 帝国創設前後の主力は一人から三人くらいが乗りこんだ高機動ユニットであり、その操縦士兼指揮士が翔士である。当時は四機で菱形に並ぶ編成が基本であり、先頭に位置する指揮官が前衛翔士、後尾を固める次席指揮官が後衛翔士、左右の操縦士が列翼翔士と呼ばれていた。この編隊は二機ずつに分かれることもあったが、その場合は前衛・後衛翔士がそれぞれ一人の列翼翔士を率いた。
 さらに、この編隊二つに指揮官ユニットとその同僚機を加えた10機がより上級の戦闘ユニットを作ったので、指揮官は十翔長と呼ばれた。
 都市船アブリアルがアーヴの領土の全てであったときには、戦闘ユニットは全部合わせて100〜200機ほどであった。そのため、やや不正確ながら総指揮官を百翔長と呼び、その補佐役として数人の副百翔長が置かれていた。
 やがて、星界軍の膨張に従い、より上級の階級として千翔長が設置された。この頃になると機数と階級の関係はあいまいになってくる。
 帝国創設後、アーヴは数隻の母艦を運用するようになり、統率者として提督が任命された。
 帝国の膨張と共に母艦も増え、提督の補佐として分艦隊を率いる准提督が置かれるようになった。
 そのうち、宇宙船技術の進歩により高機動ユニットは廃れ、大型艦艇が主力化、大砲巨艦主義の実現を迎えるに従い、百翔長以下の呼称は完全に階級名となり、職責との関係を喪失した。
 提督の膨張がさらに続き、複数の艦隊が組織されるようになると、より上位の階級が必要となり、大提督、元帥が置かれた。
 同時期、星界軍では十分に対応できない地上戦のために地上軍が置かれることになる。それまでの元帥は星界軍元帥となり、地上軍の統率者として地上軍元帥が置かれた。そして、その両者の上位者として帝国元帥が置かれる。
 しかし、地上軍が中心となり帝国史上最大のものとなった反乱「ジムリュアの乱」が発生。帝国は苦労して鎮圧した後、直ちに地上軍を解体した。これ以降、地上軍は空挺科となり、一兵科として各鎮守府や艦隊に所属することになった。
 地上軍元帥の職分は廃止されたが、空挺元帥という階級は残り、星界軍元帥もまた階級として残る。さらに、各科の地位向上に伴って、主計元帥、軍医元帥、技術元帥などの階級が登場するのである。
同:帝国星界軍ルエ・ラブール

一等勲爵士ラローシュ
士族の宮中序列の一つ。士族の中では最も高い。主に艦長称号を受けている者が叙される。

後衛翔士リニェール
列翼翔士の上、前衛翔士の下に位置する位階(第11位)。襲撃艦監督補など。

五等勲爵士リヘール
士族の宮中序列の一つ。四等勲爵士に次ぐ地位。主に士族として生まれ、成人しているが、まだ列翼翔士になっていない者が叙される。

士族リューク reucec
皇族、貴族以外のアーヴ。一等勲爵士、二等勲爵士、三等勲爵士、四等勲爵士、五等勲爵士の宮中序列を有する者も多い。国民から叙されるのが普通だが、例外的に領民から叙される者も存在する。翔士は自動的に、従士は長年勤めることによって叙される。

リン・スューヌ・ロク・ハイド伯爵ドリュー・ハイダル・ジント
 Linn ssynec raucr dreuc haïder Ghintec
本編の主人公。ロック・リンと鉱山技師だった母の間に生まれた息子。地上人のアーヴ男性。信条は「人間関係ははじめが肝腎」。マルティーニュ語、デルクトゥー語、アーヴ語、リクパルを話せる。代々の長老派基督教会の信徒だが神は信じていない。射撃は全くダメ。軍籍番号は21-17-839951(958年当時)。
【容姿】
 茶髪。典型的な都市の青年。どことなく頼りなさそうでひよわな感じ。
【性格】
 素直。気が弱い。
【嗜好】
 子供時代はメロン・オー・シューが好きだった。
【経歴】
 ・帝国暦935年(着陸暦164年)(0歳) 誕生
 ・帝国暦945年(着陸暦172年第1季84日)(10歳) 父の叙爵によりハイド伯爵公子に
 ・同年(10歳) デルクトゥー留学。アーヴ言語文化学院入学
 ・帝国暦952年(17歳) アーヴ言語文化学院卒業
 ・同年(17歳) 主計修技館入学
 ・帝国暦954年頃 父の死によりハイド伯爵に叙爵
 ・帝国暦955年(20歳) 主計修技館卒業。主計修技生に
 ・同年(20歳) 主計列翼翔士に叙任。
 ・同年(20歳) バースロイル書記に着任
 ・同年(20歳) アプティック伯国領主副代行に着任
 ・同年(上記の半月後)(20歳) アプティック伯国領主副代行離任
 ・帝国暦956年頃 主計後衛翔士に昇進
 ・帝国暦956年(21歳) ロブナス伯国領主代行に着任
 ・同年 星界軍の休暇をとる
 ・帝国暦958年(23歳) マルティーニュ領民政府と条約締結
 ・帝国暦959年頃 休暇を終え、軍に復帰。主計前衛翔士に昇進
 ・帝国暦959年(24歳) フリーコヴ書記に着任




三等勲爵士ルフール
士族の宮中序列のひとつ。二等勲爵士に次ぐ地位。主に後衛翔士、前衛翔士が叙される。

位階レーニュ
星軍における階級。上から順に帝国元帥、元帥、大提督、提督、准提督、千翔長、百翔長、副百翔長、十翔長、前衛翔士、後衛翔士、列翼翔士の翔士十二階と、最先任従士長、先任従士長、従士長、一等従士、二等従士、三等従士、四等従士、一等錬兵、二等錬兵の従士九階。飛翔科の場合、元帥は星界軍元帥と呼ばれる。飛翔科翔士以外の兵科に属する場合、位階の前(アーヴ語だと後)に兵科名をつける(例:主計列翼翔士フェクトダイ・サゾイル)。

スファグノーフ侯国レーバヒューニュ・スファグノム
イリーシュ王国に属する星系。恒星スファグノーフに、有人惑星クラスビュールを含む7つの惑星を有する。星界軍の通信艦隊スファグノーフ基地がある。
【歴史】
 ・帝国暦648年 スファグノーフ子爵領創設。初代子爵はダグレー
 ・帝国暦729年11月29日(入植暦0年1月1日) 三代子爵エトレーの代に入植開始
 ・帝国暦729年頃 スファグノーフ伯国に。初代伯爵はエトレー
 ・入植暦93年 人口一億人突破。スファグノーフ侯国に
 ・帝国暦952年 人類統合体により占領
 ・同年 星界軍が空間領域を再占領

国民レーフ
帝国のために働く、アーヴ以外の人間。領民政府との関係はなく、帝国の庇護を直接受ける。帝国との関係を喪失すると、領民になる。領民と同格。従士、家臣、官僚など。
同:帝国国民ルエ・レーフ

レクシュ・ウェフ=ローベル・プラキア
 Laicch üémh lobér Placïac
巡察艦ゴースロスの初代艦長。ドゥビュースの想人でラフィールの遺伝子提供者。女性。星界軍の中でも優秀な翔士といわれている。
列翼翔士のときにドゥビュースに出会った。
ちなみにレクシュはローフに連なる家。
【容姿】
 眉と肩で切りそろえた青鈍色の髪。黄金を湛えたような虹彩に黒い瞳孔。青鈍色の眉。容貌はラフィールにどことなく似通っている。
【経歴】
 ・帝国暦936年 十翔長に昇進。突撃艦長に着任
 ・時期不明 百翔長に昇進
 ・帝国暦952年 ゴースロス艦長に就任。一等勲爵士に叙爵
 ・同年 人類統合体との交戦により乗艦爆散、戦死

アプティック防衛艦隊レクポリア・アプティカル
幻炎作戦における主戦場アプティック星系防衛のために編成された臨時艦隊。司令長官はビボース・アロン=ネレム・公子・ネレース提督。旗艦はスカーカウ。12個分艦隊。
主力艦隊到着までのアプティック星系防衛を任され、多大の犠牲を出しながらも任務を完遂した。
【組織】
 司令部
 ┣司令長官 ビボース・アロン=ネレム・公子・ネレース提督
 ┃┗副官
 ┗参謀長 ビボース・アロン=ネレム・公子・ネフェー千翔長
  ┣補給参謀
  ┣機関参謀
  ┗通信参謀
 旗艦 巡察艦 スカーカウ
 突撃分艦隊 ラトゥーシュ
 突撃分艦隊 他6個
 偵察分艦隊 2個
 補給分艦隊 2個
 打撃分艦隊 1個
【経歴】
 ・帝国暦955年 編成
 ・同年 アプティック門防衛戦
 ・同年 解散

レズワン
.惑星マルティーニュの海に棲息する淡水性の有毛魚類の一種。その毛で光合成も行う。泳翼を持つため鳥のようにも見える。その食生活は悲惨極まるらしい。
.ハイド伯爵家の家紋。

ロイル級突撃艦ゲール
星界軍の突撃艦の一つ。
【乗員】
 艦長
 先任翔士
 次席翔士
 書記
 ┣司厨従士
 ┣経理従士
 ┗衛生従士
 監督
 ┣従士長
 ┗従士 11名
 当直要員は飛翔科翔士3人の三交代制。
【攻撃兵装】
 反陽子砲
 可動連装凝集光砲
【防御兵装】
 防御磁場
【特殊機関】
 重力制御装置
【艦載艇】
 短艇
 救命莢 十数個
【紋章】
 似我蜂ロイル

フェブダーシュの淑女ロージュ・フェブダク
クロワールが私有する乗用艇。アーヴ専用機。フェブダーシュ男爵領唯一の武装艇。
アーヴであることを忘れないよう、1日に一度はこの船を駆るのがクロワールの日課。
【型番】
 ダテーフ造船所製のセグノー947型。
【攻撃兵装】
 レンガーフ40艦載凝集光銃特別仕様 二挺

ロース級巡察艦レスィー
星界軍の巡察艦の一つ。952年当時の最新鋭艦。艦橋は半円形で床は二段になっており、外側が一段低くなっている。高い部分は艦長階床と呼ばれ、平面宇宙図が投影される。
【乗員】
 艦長
 副官兼先任航法士
 監督
 書記
 先任砲術士
 先任通信士
 航法士
  他艦橋要員5名
  乗員約220名
 当直要員は4名。
【外観】
 全長12.82ウェスダージュ(=1282m)
【攻撃兵装】
 ・電磁投射砲 6門(艦首4門、艦尾2門)
 ・機動時空爆雷 10基
 ・可動凝集光砲
 ・可動反陽子砲
【防御兵装】
 ・外殻(結晶陶質)
 ・内殻(重金属)
 ・防御磁場
【特殊機関】
 ・重力制御装置
【搭載艇】
 ・短艇 艦載数不明(2つ以上)
 ・連絡艇 複座型
【艦章旗】
 有翼竜ロース

主君ローニュ
家臣が領主に対して用いる敬称。

翔士ロダイル lodaïrh/lodairh
星界軍の上級士官。位階が列翼翔士以上のもの。叙任と共に成人と認められる。法定の最低賃金は月16スカール。
軍艦勤務の者には翔士個室が与えられる。

ロック・リン Rock Lynn
ジントの父親。アーヴ艦隊のマーティン来襲時に政府主席だった。その対応を一任され、対宇宙兵器のコードを渡すことと引き替えに、帝国貴族リン・スューヌ=ロク・ハイド伯爵ドリュー・ハイダル・ローシュになった。三ヵ国連合侵攻時に処刑される。
【経歴】
 ・時期不明 ハイド星系議会議員に就任
 ・時期不明 ハイド星系政府主席に就任
 ・着陸暦172年(帝国暦945年)第1季84日 ハイド伯爵に叙爵
 ・帝国暦952年 処刑

円遊祭ロナローヴォス
毎年帝宮を開放して行われる、帝国でもっとも盛大な饗宴フレーグ

ロブナスII
ロブナス星系唯一の有人惑星。ほとんどが海に覆われており、陸地はわずかな島のみ。そのうち最大のものがラジェイ島で、唯一人が住んでいる。
もともとは惑星改造に失敗した星で、海ばかりの上、地質が不安定なため、人類統合体の刑務所惑星として利用されている。
【人口】
 120万人(957年当時)。うち刑務官、職員、非職員が2万(非職員は1867人)。西部矯正区に10万。
【組織】
 最高責任者は中央政府任命による行政長官。
【産業】
 刑務所管理。自給できるのは水と塩のみ。
【単位系】
 自転周期11.8標準時間、公転周期417.8標準日。
 表面重力1.87標準重力。

ロブナス輸送隊スューフ・サリュグ
956年にロブナスへの援助物資を送るために編成された輸送隊。司令はガボート百翔長。
【組織】
 司令部
 ┗司令 ガボート百翔長
 旗艦 強襲輸送艦 ダークセス
 輸送艦 2隻

次席翔士ロヤルム・ロダイル
突撃艦における艦長、先任翔士に続く三席翔士。

情報連結ロンジョス・リラグ
思考結晶を接続することで行う情報通信。1光秒以上離れると行えない。

 □ わ行
乗用艇ワーフ
個人が所有する星系内航行船。

戦闘配食ワニール
栄養剤を練り込んで棒状に焼き固めた、高栄養の食品。一食ごとに異なる味だが、アーヴ好みの薄味で、地上世界出身者には人気がない。水なしで食べるともそもそする。

重力制御ワムロス
無重力状態でも生活しやすいように、一定方向に人工重力を生み出すこと。加速によるもの、遠心力を利用するもの、重力制御機関を用いるものなどがある。


統帥府ワロディアシュ
帝宮にある軍組織の最高機関。

 □ アルファベット
FLIST0223
スィーヴ882門の人類統合体側の呼称。

VRGE1447
ケイシュ193門の人類統合体側の呼称。