あ行

アーヴ語ルビ  

説明

アーヴ  abh

  • 皇族、貴族、士族の総称。全部で2500万人ほど。そのうち大部分は士族で、貴族は20万人ほど。
    子弟に対する遺伝子改造の義務を負う。
    【名前】
     アーヴの名前は以下の要素・順番で構成される。
     ・氏姓
     ・姓称号
     ・初代当主の名(生格)。姓称号と合わせて家姓と呼ぶ。
     ・称号(貴族、皇族のみ。複数有する場合はそのうちの一つ)
     ・個人名
  • ホモ・サピエンスから遺伝子改造によって生み出された変異人類。1.と区別するため「遺伝的な」「生まれながらの」アーヴ、とも呼ばれる。
    語源は「あま」であり、宇宙あるいは海の種族を意味する。
    地上人に対し自らについて語ることが少ないため、多くの誤解も生まれている。
    【身体】
     青系統の髪。美形(アーヴにしては平凡、と言えば地上人でも1000人集めれば対抗できるくらい、という意味)で性別の区別がつきにくいことも多い。空識覚という独特な感覚と、それを司る空識覚器官という器官を有する。
     15歳くらいまでは人間と同じように加齢(成長)、それから25年ほどをかけて10歳分ほど外見が年をとる(成熟)。その後は死ぬまで老けない。
     しかし、脳細胞は再生しないため不死ではない。寿命は200~250年。年をとるにしたがって眠る時間が長くなり、知性が破壊される前に脳の呼吸領野が機能停止することで死亡する。
     骨格と循環器系の特性によりかなりの高加速(20標準重力以上)にも耐えられる。その他の身体能力も高い。例外なく絶対音感を持つ。総じて寝起きがいい。
     27000箇所の塩基配列が指定されており、それにより先天性疾患の防止と、種としての同一性の保持を行っている。そのため、誕生から2000年近く経つ今でも基本的な遺伝子組成は変わっていない。
    【出生】
     自然受胎出産は危険が伴う(2%程度の確率で重大な先天性疾患が発生する)ため、通常は人工子宮で受胎・育成される。したがって一卵性双生児は極めて珍しい。また、地上世界出身者との間で子供が生まれる可能性はほとんどなく、生まれたとしても先天的な欠陥を負っている。
     血縁ではなく家風を重視するため、遺伝子提供者の有無、性別などにはこだわらないが(ただし動物を用いるのは禁止)、普通は自分と愛する者の遺伝子を掛け合わせる。
     子供に遺伝要素を教えられるのは親だけ。遺伝記録は公開されているが、未成年者の閲覧には親の許可を要するし、遺伝子提供者に直接確認することは失礼だとされている。
    【性格】
     「アーヴ、その性、傲慢にして無謀」と一般的に評されている。
     自分の誇りを大事にする。
     人質を取られたとしても相手の要求を飲むことは決してない。
     自身が空識覚器官と航法野を備え、通常宇宙を駆けるために生み出された種族であることを自負し、舟艇を真空に馳せることを好む。
     誰が建造したものであれ空間にあるものは自分たちのものだという感覚があるが、地上世界の資源は地上の民のものだという認識があり、むやみに奪うことを嫌う。また商業種族であることから、個人の財産についても重視している。
     真摯に戦うことが、殺す相手への礼儀と考えている。星界軍の艦艇に仲間と共に葬られることは最高の栄誉であると考えている者が多い。戦時には乗員を艦の部品とみなす傾向がある。
    【家族】
     恋は激しく短いものが多いので結婚という制度はない。したがって、親は一人しかおらず、親子の性別により父の娘フリューム・ローラン母の息子フルーク・サーランなどと呼ばれる。
     星間交易を天職と心得ているため、良好な関係の親子が数十年も顔を合わさないのもよくあることと考えている。
     20歳になるか翔士に叙任されれば成人と認められる(皇族を除く)。翔士、交易者サルーギア、親としての生き方を経験することで一人前だといわれる。
     他家の内部事情には関わらないのが常識。
    【文化】
     自然な1日がない空間が生活の場であるため、時間帯によって挨拶を使い分ける習慣がない。
     宗教は持たず、霊の存在も解決済みの問題として否定しているが、何か不可知なものへの恐怖は心の奥底に残っている。また冗談の種にするくらいには心霊という概念に親しんでいる。宗教的なものを感じさせる行事も多い。
     弔いの晩餐など、独自の習慣も多い。武器携行の習慣はない。
    【教育】
     幼い頃の初等教育はもっぱら親が行い、家風の継承に勤めると共に、読み書き等を教える。その期間、軍士であれば休暇を取り、領地のある親であれば代官を雇って教育に専念するのが普通。初級学校はないが、私塾は存在する。
    【衣服】
     性差がない。つなぎを着るのが普通で、上に長衣や短衣を着ることもある。基本的に首の上と手首の先以外は露出しない。
    【住居】
     たいてい人工環境の中にあり、屋外も屋内も区別がない。雨も好きな時間、好きな場所に降らせることが出来る。星間船や軌道施設を渡り歩く生涯を送るため、あまり住処には拘泥しないが、生まれ育った邸宅には格別の思いを抱く。
    【食生活】
     薄味を好む。料理の見た目にも最大限の注意を払うのが特徴。
     素材は肉(鶏肉、子羊肉、山羊肉など)、野菜(南瓜、玉蜀黍とうもろこしなど)、魚介類(貝、海亀、鱒、海老など)、小麦、果物(桃、柑橘類、梨など)、香辛料・調味料(醤油など)など。
     料理法は羹、碗物、吸い物、澄し汁ルベス、麭包み、香辛料煮込み、香味焼き、炙り肉アピュリル、果実あんかけ、生(野菜など)など。
     飲み物は珈琲、桃果汁、柑橘果汁、葡萄果汁、紅茶、緑茶、柑橘茶、林檎酒、麦酒、発泡米酒、混合酒、蜜酒、林檎火酒、白酒、白葡萄酒など。血液中の主成分を片っ端から分解していくので、酒を飲んでもほろ酔いにとどまり(それなりに性格も変化する)、泥酔することはない。
    【歴史】
     元々は軌道都市で都市予算の半分をつぎ込んで生み出された人工生命体。人の遺伝子改造によって作り出され、人と区別するために青い髪を与えられた。また、独自の思考は持たされているものの、宿命遺伝子により自由や独立といった概念は有さないように造られていた。
     最初に作られたのは30体、うち1体は訓練過程で失われたが、残りの29体は植民地開発のため可住化の可能性が高い外宇宙の星系に派遣された。彼ら29体は黎明の乗り手と呼ばれた。
     探査船は出発後しばらくしてユアノンを発見、捕獲に成功し、母船をユアノン推進に改造。無限の軌道を得た彼らは母都市との訣別を決意し、深宇宙で独立を宣言。その後船を近くの恒星系につけ、母船であった探査船をより大きな都市船アブリアルに改造した。
     改装による居住区の拡張に伴い、急激な人口爆発が発生。一人の親から子供が生まれるという特異な家族形態から、人口が増えても各成員は極めて強固な先祖意識を捨てなかった。このような意識を共有する、同じ黎明の乗り手を先祖にいただくグループは氏族と呼ばれるようになった。
     都市船時代、職業訓練は徒弟制度によって行われた。多くの乗り手は自分の子供を徒弟にすることを望んだため、都市船内の部門は氏族と同義になった。また、自分の子供たちのうちもっとも優秀な者を選んで後任とするのが一般的だったため、各部門の長は実質的に世襲となり、黎明の乗り手の直系と認識されるようになった。各部門は基本的に平等だったが、船の航法をつかさどる航法氏族だけは別格で、その長は船王と呼ばれていた。彼らは帝国創建後、皇族を形成するようになる。
     やがて巨大な都市船を運用するようになったアーヴだが、母都市の派遣した懲罰隊を恐れて自衛するようになり、ついには自分たちの故郷である母都市を殲滅してしまう。しかし、空間に散逸する母都市の残骸を目にした彼らは、自分たちが故郷を愛していたことに気付き、母都市の文化の守護者として生きることを種族としての目的にする。また、母都市を滅ぼしたという罪を忘れないために、青い髪を遺伝子に刻み付けるようになる。同時に、自らをアーヴと名乗るようになり、以降宇宙をさすらう武装商人となる。
     大放浪時代のアーヴは人類社会の情報を主に扱いうものは人類社会の情報であった。その時代、彼らは半径一光世紀に広がった人類社会をつなぐか細い、唯一の糸であった。同時に、都市船内部でもアーヴどうし、氏族単位の財産を交換することによる交易が行われていた。
     やがて交易により人類社会の科学の精髄を演習したアーヴは平面宇宙航行理論を確立。それによって可能になりうる恒星間戦争を防ぐためにその理論を武力で独占することを決定、帝国を創建した。
     以降の歴史については「アーヴによる人類帝国」の項を参照。

アブリアル  Ablïarsec

  • 根源29氏族の一つ。主航法子の末裔。その名は巨大都市船アブリアルに基づく。語源は「天照アマテラス
    【都市船時代】
     航法をつかさどる氏族。氏族長は船王として、アーヴを統べ、進路等の重要事項を決裁し、裁判を主催し、新しい仕事があれば担当する氏族を決めた。また、戦時には最高指揮官として采配を振るった。帝国創建以降は皇帝氏族となった。
    【特徴】
     宗家以外の者はアブリアルの姓を名乗ることが許さない。分家には、帝国暦初期の頃は男系にキー、女系にリューシュの姓が与えられていたこともあったが、いらぬ混乱の元としてそれぞれの家の初代が決めることになった。
     この一族に属する貴族は多く、諸侯だけでも100家を越える。しかし、自分の領地にかまけるのは皇族の義務から解放されてから、というのが伝統。
     短気で怒りっぽく、『逆鱗で魂をよろう』といわれる。反面怒りに任せてヒステリックに喚き散らしたり、暴力を振るうことは決してあってはならないと幼い頃からしつけられている。また皇帝になるかもしれないため、虚言することや、臣下に依怙贔屓する人物だという印象を与えないよう、誰かのために泣いたりすることは厳に戒められている。また不安のために泣くこともあり得ないとされている。
     スポール一族とは伝統的に仲が悪い。帝国創立期前後にスポール一族が近くにいたことと関係があるのか、身近に苦手な人物がいないと落ち着けないという奇妙な性質も有する。
     軍士としてはきわめて優秀。率先して戦地に赴くのが伝統。
    【宗家】
     八王家。
    【家紋】
     八頸竜。家により紋章旗の地色が異なる。
    【家徴】
     アブリアルの耳と呼ばれる上部が尖った耳。
  • アーヴが大放浪時代に母船として運用していた、ユアノン推進の巨大都市船。幾度かの改装を経て、今は帝宮として使用されている。最高時で100万、現在でも20万人以上が生活している、人類の作り出した最大の建造物の一つ。推進力であったユアノンは、現在八門となっていて、7つは中心領域、1つは第十二環に通じている。
    元々は軌道都市から送り出された探査船で、ユアノン推進の都市船に改装された際にこの名で呼ばれるようになった。現在でも都市船部分はそのままに残されており、帝国の卵と呼ばれている。またその操舵室は聖墓、人工子宮保管室は始祖の間と呼ばれている。
    不死鳥作戦時には帝宮から分離されて帝都防衛団に編入され、竜卵要塞と名付けられた。第2次ラクファカール防衛戦で四ヵ国連合軍の攻撃により爆散。
  • アブリアル伯国の中心からラクファカールを照らす黄色矮星。帝国の乳房と呼ばれる人類宇宙最大の反物質燃料製造工場がその周囲を取り巻いている。当初は錨星四七と名付けられていた。

アブリアル・ドゥネー  

アブリアルの船王(前19年よりあとに即位)。アーヴによる人類帝国初代皇帝。建国帝とも呼ばれる。アブリアル・ラムステュームの孫。

アブリアル・ドゥムイ  

アブリアルの船王(前98年当時・マアト・カー・ラー接触当時)。アブリアル・ラムステュームの父。
【容姿】
 銀の斑のある瞳。
【性格】
 親しみやすい人柄。こうと決めたら滅多なことでは覆さない。酔狂(ロビート・ボイガの祖父評)。

アブリアル・ネイ=ドゥブレスク・クリューヴ王ラルス・クリュブ・ドゥビュース  
 Ablïarsec néïc dubreuscr larth clybr Dubeusec

クリューヴ王家の当主。アブリアル・ネイ=ドゥブレスク・アブリアル伯爵・ラマージュの息子で、ラフィール及びドゥヒールの父。遺伝子提供者はラマージュの何人目かの想人(男性)。訓練生時代はガイタソール子爵を名乗っていた。
【容姿】
 青灰色の髪。
【性格】
 一族の中では例外的に穏やかな性格。出生の秘密があったほうが子供の人格は豊かになると信じている。懐古趣味あり。訓練生時代から皇帝ではなく王になることを目指していた。
【嗜好】
 子供の頃はランシュ伯爵帝都城館に行くことを好んでいた。
【経歴】
 ・時期不明(16歳) 修技館入学
 ・時期不明 レクシュ・ウェフ=ローベル・プラキアと出会う。階級は十翔長
 ・時期不明 退役。階級は提督。予備役准提督に
 ・帝国暦935年 プレアーヴの宇宙船を発見
 ・帝国暦936年 ラフィール誕生
 ・帝国暦936年頃 クリューヴ王に
 ・帝国暦940年 ドゥヒール誕生
 ・帝国暦955年頃 現役復帰
 ・帝国暦956年頃 淡雪第二艦隊司令長官に着任。階級は大提督

アブリアル・ラムステューム  

前52年当時の船王。アブリアル・ドゥムイの第一王女ラルトネー・カースナ
【性格】
 無口だが、必要なことは話す。厳しい性格だが、理の通った諫言には耳を傾ける。

双翼頭環アルファ・マブラル  almfac matbrar

※日本語表記が変更された可能性があるため、双翼頭環アルファ・マブラル/双翼の頭環アルファ・マブラルへ移行。

双翼頭環アルファ・マブラル/双翼の頭環アルファ・マブラル  almfac matbrar

勅任翔士がつける頭環。

先任書記アルム・ウィグ  

ドゥムイ委員会書記部の最高責任者。

先任参謀アルム・カーサリア  

※日本語表記が変更された可能性があるため、先任参謀アルム・カーサリア/主任参謀アルム・カーサリアへ移行。

先任参謀アルム・カーサリア/主任参謀アルム・カーサリア  

分艦隊・戦隊の最上級参謀(艦隊の場合は参謀長と呼ぶ)。

イダーヴ  

アーヴが初めて門を開く実験をしたときに用いられた12隻の観測船の一つ。ラ・エディ・ポイ・ベブナが乗船することになっていたが、乗船間際に爆発物が仕掛けられたとの情報が流れ、使用しないことになった。

軍政本部ヴォソール  

おそらく星界軍の人事などを担当している組織。最上級指揮官は軍政長官と思われる。艇長徽章授与式も担当している。

エクリュア・ウェフ=トリュズ・ナース  

エクリュア・ウェフ=トリュズ・ノールの父。コリュア・ウェフ=ボーザク・コンサの幼なじみで、かつての想人。
【性格】
 エクリュア一族の中でも変わり者として扱われている。コリュア・ウェフ=ボーザク・コンサ曰く、『時と場を弁えぬ男』。その歌は一族にも評判が悪い。
【経歴】
 ・時期不明 翔士修技館入学
 ・時期不明 後衛翔士に昇進
 ・時期不明 トルークビルジュ次席通信士に着任
 ・時期不明 前衛翔士に昇進。休暇に入る
 ・時期不明 コンサと共に旅行。遺伝子を交換する
 ・時期不明 休暇中に退役。一匹の猫と共に、人工子宮を乗せた船で交易に出る
 ・帝国暦933年 ノール誕生
 ・帝国暦959年頃 帝都防衛団に登録
 ・同年 帝都防衛団に召集。第2次ラクファカール防衛戦で戦死

エディリュア・エディ  

ラ・エディ・ポイ・ベブナのアーヴ名。

陛下エルミトン  

皇帝・船王に対する尊称。

か行

クテス星系  

有人惑星サロスを有する星系。通常宇宙経由ではアブリアル伯国から8.1光年の距離にある、最も近い星系。独自の門は有さず、最寄りの門はアブリアル伯国の八門だが、通常の星系内航行船だと片道80年ほどかかる。門がないためどの勢力にも属しておらず、帝国の支配も及んでいない。
ラ・ゲルシスマと同一の星系かもしれない。

ベリサリア星系  

恒星ベリサリアを中心とする有人星系。唯一の有人惑星モメンタの他、観測や採掘などの有人基地がある惑星などがあり、恒星から13671.4光秒離れた空間には門がある。
前50年頃スーメイ人から平面宇宙航法を購入し、その対価として50年後に居住可能惑星を引き渡すことになっていた。しかし期限までに新たな惑星を可住化することは出来ず、星系唯一の有人惑星モメンタの引き渡しを迫られたが、その交渉中にアーヴの介入を受け、帝国に征服された。
【歴史】
 ・帝国暦前227年頃 アーヴと交易
 ・帝国暦前83年頃 スーメイ人が星系に到達
 ・帝国暦前50年頃 スーメイ人から平面宇宙航法を購入
 ・帝国暦1年頃 アーヴ艦隊が帝国創建の報知のため来訪。星系が無政府状態と判断し、帝国領に編入

キュルティ  

ドゥヒールが密航した船の乗員。アーヴ男性。サロスを目指している。

臭跡追跡機クネク・ドゥ  

物体に付着した臭跡を追跡するための自走式機械。

臭跡追跡機クネク・ドウ  

※ルビが「クネク・ドウ」ではなく「クネク・ドゥ」であることが判明したので、臭跡追跡機クネク・ドゥへ移行。

クファディス  

無名のアーヴ士族の一族。代々軍士の家系。それほど結束の強い一族ではない。
クファディス・ウェフ=エスピール・セスピーが生まれる前、その大叔母が借金して交易船を借りたことがあるらしいが、その話は禁忌になっている。

クファディス・ウェフ=エスピール・セスピー  

アーヴ男性。父の息子。前任者の育児休暇のためスポール・アロン=セクパト・レトパーニュ大公爵・ペネージュの参謀となって以来、彼女の補佐役を継続して務めている。成人して以来星界軍一筋で、交易に出たことはない。
ソビーク好きの姉がいたが、イリーシュ門沖会戦で戦没。祖父は交易船での勤務経験がある。
【容姿】
 鮮緑色の髪。端麗な眉目。
【性格】
 実直であると自負している。
【嗜好】
 好きな料理は揚げ山羊肉の果実あんかけ。
【経歴】
 ・帝国暦935年グナージュ月1日 列翼翔士に叙任。四等勲爵士に叙爵
 ・時期不明 第184打撃戦隊先任参謀に着任
 ・帝国暦952年(開戦の一ヶ月前くらい) フトゥーネ先任参謀に着任。階級は百翔長。宮中序列は二等勲爵士
 ・時期不明 一等勲爵士に叙爵
 ・帝国暦955年 千翔長に昇進
 ・同年 幻炎第一艦隊参謀長に着任
 ・帝国暦956年 狩人第一艦隊参謀長に着任
 ・時期不明 ソトリュール鎮守府副長官付参謀長に着任
 ・帝国暦959年 准提督に緊急昇進
 ・同年 不死鳥第七艦隊参謀長に着任

クファパール  

ゲムファーズ子爵領の所領駐在生態系調整官。惑星改造技師補。

クラベール・ソス  

ラクファカールにある(またはラクファカール近くにある)、アブリアル伯国最大の惑星。直系約2セダージュ(=2000km)。表面重力は2標準重力。強力な重力制御機関を備えた人工地核に、微小天体の搾り滓である土石をかぶせた人工惑星で、大気圏を持つ。表面には地上世界から輸入した肥沃な土が敷かれ、豊かな生態系を保持している。また伯国唯一の軌道塔もある。
地上世界を体験するために建設されており、星界軍の訓練用(空挺科の訓練や訓練生の地上演習)に用いられているため、全体が帝国星界軍管理区画。一般の人間も利用でき、広大な野生動物園は人気がある。

衛旗士グラボリア  

訓練生の地上演習において、帝国旗を管理し、朝の掲揚式と夕方の降納式を行う役職。二人一組で訓練生の中から選ばれる。降納式で下ろされた帝国旗を前任者から受けとり、一晩交代で不寝番をしながら保管し、翌日の掲揚式と降納式を済ませて、後任に渡すのが役目。あくまで形式的な役目と考えられており、武器も貸与されない。
大体は成績優秀な者から選ばれるため、名誉な任務と考えている者が多いが、夜間に拘束されるため、そうでない者もいる。また一日だけは宮中序列の高い者が優先的に選任される。成績優秀をもって選ばれた者は、相棒を指名する特権を持つ。

平面宇宙航法理論クロフェール・ファーゾト/平面宇宙理論クロフェール・ファーゾト/平面宇宙航法理論ソトフェール・ファーゾト  

アーヴやスーメイ人が確立した、平面宇宙航行に用いられる理論。

宇宙の民ケサチュード  

※日本語表記が変更された可能性があるため、宇宙の民ケサチュード/宇宙の民ケサテュードへ移行。

宇宙の民ケサチュード/宇宙の民ケサテュード  

アーヴのこと。

翔士修技館ケンルー・ロダイル/翔士修技館ケンルー  

帝都にある飛翔科の修技館。生まれながらのアーヴにのみ入学資格がある。十万以上の人口を収容する人工惑星で、いくつもの庭園がある。客船が何隻か横付けされ、訓練生達の居住区となっている。
帝国で平面宇宙航法を学べるのはここしかないため、星界軍への入隊希望者だけでなく、交易者などが平面宇宙航行資格を取得するために入学することも多い。
戦闘術の修得よりも、平面宇宙航法の習得に時間が割かれており、教育課程の総仕上げとして平面宇宙航行実習を行う。またクラベール・ソスで10日間の地上訓練も行われる。二部制で運用。

コリュア  

エクリュアと1000年ほど前の先祖を共有する一族。エクリュアとはそれ以来交流がある。
【特徴】
 成熟期のうちは軍務に励むのが伝統。商才にはそれほど恵まれておらず、星界軍での立身出世を目指す者が多い。最終目的は元帥となり叙爵されることだが、かつてそれに成功した者はコリュア・ウェフ=エピーナル・レクゼクのみ。
【家紋】
 鉤爪。
【家徴】
 コリュア色と呼ばれる空色の髪と瞳。

コリュア・ウェフ=クナペム・サガージュ  

エクリュア・ウェフ=トリュズ・ノールの幼なじみのアーヴ女性で、修技館の同級生。
訓練生時代の成績は首席を争うほどに優秀で、将来双翼の頭環を頂くのは確実とみなされていた。
ノール曰く、『ノールを漠然とでも理解してくれる、貴重な人間のひとり』。

コリュア・ウェフ=ボーザク・コンサ  

アーヴ女性。エクリュア・ウェフ=トリュズ・ナースの幼なじみでかつての想人。エクリュア・ウェフ=トリュズ・ノールの遺伝子提供者。
【経歴】
 ・時期不明(2歳) ナースと出会う
 ・時期不明 翔士修技館入学
 ・時期不明 後衛翔士に昇進
 ・時期不明 トルークビルジュ次席航法士に着任
 ・時期不明 前衛翔士に昇進。休暇に入る
 ・時期不明 ナースと共に旅行。遺伝子を交換する
 ・時期不明 千翔長に昇進
 ・帝国暦959年 特設1052独立戦隊司令官に着任
 ・同年 准提督に緊急昇進

さ行

サロス  

クテス星系の有人惑星。主産業は農業。帝国からの離脱を望むアーヴの移住先として用いられている。なお、離脱したアーヴが復帰することは禁じられていない。
ラ・ラティプと同一の惑星かもしれない。

書記部  

ドゥムイ委員会の膨大な庶務を処理するため設置された部署。最高責任者は先任書記。

スィルメー  

ゲムファーズ子爵領にある可住化惑星。その軌道上には子爵館が設置されている。惑星上には毒々しい色をした亜硫酸の海がある。952年に入植され、有人惑星となった。

スナカシュ  

アブリアル・ネイ=ドゥブレスク・ゲムファーズ子爵・ラムリューヌが、惑星改造のために雇った飼育官。男性。

スネーシュ・フルーリア  

帝国創設前後のアーヴ女性。ドゥムイ委員会機材部会委員補。
【経歴】
 ・時期不明 ドゥムイ委員会機材部会委員補に着任
 ・帝国暦前19年より前 機材部会次席委員ロヤルム・バクサリアに昇進
 ・帝国暦前3年より前 機材部会先任委員アルム・バクサリアに昇進

位記スネロン  

叙爵の際に発給される文書。宮務長官の名で交付される。

スポール  Seuaurh/Spaurh

根源29氏族の一つ。主機関子の末裔。アブリアルに続く格式を誇る大族。語源は「すばる
【都市船時代】
 本務はエンジンの担当だが、技術系諸氏族を統べる立場にもあった氏族。実質上その族長は副船王として君臨した。
【特徴】
 一族の500人以上が爵位を有する大族。傍系でもスポールの姓を名乗ることが多い。
 帝国史を通してアブリアルとは仲が悪く、一部ではお互いへの憎悪を遺伝子に刻み込むと信じられている。スポール曰く、『淑やかなスポールとがさつなアブリアルは反りがあわない』、アブリアル曰く、『性格のいいアブリアルと陰険なスポールは反りがあわない』。しかしその一方、皇族をからかうことを生き甲斐にしているので、帝室に対する忠誠には疑いの余地がない。
 彼らの行動は一見支離滅裂に見えるが、最後には辻褄があってしまう。
 人の上に立つことが好きなだけでなく、上手いのも特徴で、諸侯や指揮官に向いている。星界軍では『スポールの率いる艦隊に配属されるのは幸福、ただし直属の上司に持つのは不幸、部下に持つのは災厄』といわれている。
【宗家】
 レトパーニュ大公爵家。ちなみにアロン=フェンギュルは傍流もいいところ。
【家紋】
 金色の鴉(金色烏ガサルス)。
【家徴】
 スポールの紅瞳キレーフ・ピアナ・スポルと呼ばれる赤色巨星のように暗い紅色の虹彩。

スポール・アロン=セクパト・レトパーニュ大公爵ニーフ・レトパン・ペネージュ  
 Sporh araunn saicseuatr nimh laitpanr Painaich

スポール・アロン=セクパト・前レトパーニュ大公爵・アセーヌの娘。貴族としての軍役義務は既に果たしているが、趣味で軍にとどまっているらしい。座乗艦ヘールビュルシュの司令座を白大理石製で精緻な彫刻を施した4本の柱と、それによって支えられる人間の手で刺繍された豪華な天蓋によって飾っている。
【容姿】
 丹念に結い上げられた蒼炎色の髪。流れるような蒼炎色の眉。終末期の巨星表面のような紅の瞳。毒々しいまでに妖しく紅い唇は、艶やかで猛々しく、肉食性の蝶を連想させる。
【性格】
 わがままで気まぐれだが、指揮官としては優秀。ラフィール曰く、『スポールの中のスポール、スポール一族が1000年にわたって洗練してきた婉曲な罵倒の技術を芸術の域まで高めた人物』。
【嗜好】
 蹂躙戦が大好き。起きてから6時間は固形物を取らないのが習慣。
【経歴】
 ・時期不明(17歳) 修技館入学
 ・時期不明 レトパーニュ大公爵に叙爵
 ・帝国暦949年頃 准提督に昇進
 ・時期不明 偵察分艦隊フトゥーネ司令官に着任
 ・時期不明 提督に昇進
 ・帝国暦955年 ラルブリューヴ鎮守府副長官に着任
 ・同年 幻炎第一艦隊司令長官に着任
 ・帝国暦956年 狩人第一艦隊司令長官に着任
 ・時期不明 ソトリュール鎮守府副長官に着任
 ・帝国暦959年 大提督に緊急昇進
 ・同年 不死鳥第七艦隊司令長官に着任

スポール・アロン=フェンギュル・リゼルガデージュ男爵公子ヤルルーク・リュム・リゼルガデグ・フェリーグ  

リゼルガデージュ男爵(女性)の息子。クファディス・ウェフ=エスピール・セスピーの翔士修技生時代の友人。兄弟が多く、末の妹(935年当時)は934年生まれ。マリ・アンクレールの作品群を気に入り、交易で稼いで母から買い取ろうとセスピーを交易に誘ったが、母に譲渡を断られ、襲爵のため軍務に就くことにした。
【容姿】
 赤色巨星の色をした瞳。
【経歴】
 ・帝国暦935年 列翼翔士に叙任

スレーシュ  

ボーリンシュの艦長(935年当時)。階級は百翔長。

スロール八七二  

前50年頃に建造された救難艇。初任務として、ラ・マカルスルからラ・エディ・ポイ・ベブナを収容するために使用された。

スロール八七二採掘基地  

泊地四七に設置された採掘基地の一つ。前50年頃、爆砕した微惑星の破片と誤って衝突し、要員の4割近くが即死。生存者は救命艇で脱出したが、救出前に生命維持機能が枯渇し、全滅した。この事故を教訓に、救難艇スロール八七二が建造されることになり、ラ・エディ・ポイ・ベブナの収容も可能になった。

星間船  

平面宇宙航行船メーニュ/宇宙船メーニュ/メーニュ/艦船メーニュ/星間船メーニュ/星間航行船メーニュ

セルドー  

前3年に帝国で初めて有人での平面宇宙航行に成功した宇宙船。スネーシュ・フルーリアが製造を統括した。

ゲムファーズ門ソード・ゲムファド  

通常宇宙側ではゲムファーズ伯国、平面宇宙側ではクリューヴ王国の辺境に位置する門。

平面宇宙航法理論ソトフェール・ファーゾト/平面宇宙航法理論クロフェール・ファーゾト  

※日本語表記が変更された可能性があり、アーヴ語もクロフェール・ファーゾトへ変更されたものと思われるので、平面宇宙航法理論クロフェール・ファーゾト/平面宇宙理論クロフェール・ファーゾト/平面宇宙航法理論ソトフェール・ファーゾトへ移行。

泊地四七ゾベール・ゴダナ  

都市船アブリアルが、前52年に資材採掘と門を開く実験のため寄航し、名付けた無人星系。現在のアブリアル伯国。ラ・ゲルシスマから8.1光年離れた場所に位置する。
黄色矮星を、無数の岩石質微惑星が取り巻いているが、内部構造を備えるような大型の岩石惑星はない。13.67標準年の公転周期を持つ巨大気体惑星が第一惑星と呼ばれている。

た行

地上訓練  

地上世界に脱出した場合に備え、クラベール・ソスで10日間行われる訓練生のための訓練。気密とか与圧とかいう状態から離れ、重力が空気を保ってくることを実感するためのもの。テントを張って宿泊し、あたりを歩き回るくらいのことしかせず、訓練生からは息抜きのための旅行とみなされている。

跳躍点  

開いた門のこと。おそらくハニア連邦における呼称。

ドリシュ・ローラル  

都市船アブリアルから取り外され、電磁罠と共に錨星四七を周回している源泉粒子に異状が発生していないか、観測するための観測船。ラ・エディ・ポイ・ベブナが門を開く実験を観測するためにも使用された。

アブリアル伯国ドリュヒューニュ・アブリアルサル  

恒星アブリアルを中心とする星系。領主は皇帝。恒星から6ゼサダージュ(=6000万km)の軌道を帝都ラクファカールが、その1000セダージュ(=100万km)ばかり外の軌道を、等間隔に並んだ八つの門が空間機動要塞を引きつれて、帝都とは逆方向に公転している。人口のほとんどはラクファカールに集中している。
元々はアーヴが門を開く実験を行うために投錨した星系。当初は泊地四七と名付けられていたが、帝国暦元年にこの名前が与えられた。
かつては岩石質の小惑星がたくさんあったが、現在では星系外縁部にあったものを含めてすべて金属資源を絞りつくされ、残滓はクラベール・ソスなどの建材になっている。

ゲムファーズ伯国ドリュヒューニュ・ゲムファド  

クリューヴ王国の辺境に位置する、恒星ゲムファーズを中心とする星系。元は無人星系(子爵領)だったが、唯一の可住化惑星を可住化し、最初の入植者を迎えたことで、952年に伯国になった。

救難艇トロセガ  

救難艇での脱出者などを救難するための交通艇。

な行

ケヒュール大公爵家ニーミェ・ケヒュル  

ソスィエ氏の宗家。

ケヒュール大公爵家ニーミエ・ケヒュル  

※ルビが「ニーミエ・ケヒュル」ではなく「ニーミェ・ケヒュル」であることが判明したので、ケヒュール大公爵家ニーミェ・ケヒュルへ移行。

ベルザ大公爵家ニーミェ・ベルザル  

ダベーム氏の宗家。

ベルザ大公爵家ニーミエ・ベルザル  

※ルビが「ニーミエ・ベルザル」ではなく「ニーミェ・ベルザル」であることが判明したので、ベルザ大公爵家ニーミェ・ベルザルへ移行。

レトパーニュ大公爵家ニーミェ・レトパン/レトパーニュ大公爵家ニメイ・レトパン  

スポール氏の宗家。貴族の中でもっとも伝統があり富裕な名門。後継者は16歳になるとかりそめの統治をするのが習わし。28の邦国の芸術家を集めて、現当主の柩を設計させ、完成したら盛大に披露の饗宴を行うのが伝統。現当主はスポール・アロン=セクパト・レトパーニュ大公爵・ペネージュ。
【紋章】
 金色烏ガサルス。紋章旗には『大公爵じゃ不満だ、けれど皇帝なんて野暮なお仕事はアブリアルにお似合い、我が名はスポール!』と書いてある。

レトパーニュ大公爵家ニーミエ・レトパン/レトパーニュ大公爵家ニメイ・レトパン  

※ルビが「ニーミエ・レトパン」ではなく「ニーミェ・レトパン」であることが判明したので、レトパーニュ大公爵家ニーミェ・レトパン/レトパーニュ大公爵家ニメイ・レトパンへ移行。

は行

帝国暦前バイ・ルエコト/帝国創設以前バイ・ルエコト  

※アーヴ語が変更された可能性があるため、帝国暦前バイ・ルエコト/帝国創設以前バイ・ルエコト/帝国暦前ベイ・ルエコトへ移行。

帝国暦前バイ・ルエコト/帝国創設以前バイ・ルエコト/帝国暦前ベイ・ルエコト  

帝国暦元年より前の時代。

委員会バクサレラシュ  

ドゥムイ委員会の設立当初の名称。

ドゥムイ委員会バクサレラシュ・ドゥムイル  

98年頃、ビボース一族が完成した平面宇宙航行理論を検証するため、アブリアル・ドゥムイが各氏族から科学に造詣の深い者を募って編成した組織。最高責任者は議長。構成員は委員バクサリア委員補バクサレデフ助手ルセースなど。設立当初は単に委員会と呼ばれていたが、アブリアル・ラムステューム即位のころからこの名で呼ばれるようになり、やがて正式名称となった。
【組織】
 議長
 ┣書記部
 ┗機材部会
【歴史】
 ・帝国暦前98年頃 編成。初代議長はアブリアル・ドゥムイ
 ・帝国暦前52年より前 ドゥムイ委員会と改称
 ・帝国暦前52年 第二代議長にアブリアル・ラムステューム着任

観測船ビカクリア  

宇宙空間に存在する物や事象を観測するための宇宙船。

ビボース・ビノー  

帝国創設前後のアーヴ男性。探査部所属。専門は電磁波。ドゥムイ委員会には所属していない。ラ・マカルスルとの通信を主として担当している。
ラ・エディ・ポイ・ベブナと委員会の仲介役をする間に彼の学識に感銘を受け、尊敬の念を抱いている。その後彼の助手ルセースとしてドゥムイ委員会に転属した。
【容姿】
 波打つ藍色の髪。柔らかそうな巻き毛。

フィムテューシュ・ボート=シャイケル・公女ヤルリューム・グナーラーヴ  

935年当時の軍政長官。宮中序列は帝国公爵。

列翼翔士フェクトダイ  

最下級の翔士(第12位)。俸給は約33スカール。艇長徽章授与と同時に叙任されるが、艦隊勤務は義務づけられておらず、軍務に就かない者もいる。

艇長徽章ブセスパス  

※アーヴ語が変更された可能性があるため、艇長徽章ブセスパス/艇長徽章プセスパスへ移行。

艇長徽章ブセスパス/艇長徽章プセスパス  

宇宙船を操縦するために必要な資格。艇長課程の修了と訓練航行が必要。この拝受を成人の儀式と見なすアーヴも多い。

アーヴによる人類帝国フリューバル・グレール・ゴル・バーリ  Frybarec Gloer Gor Bari

1500以上の有人星系(半数以上はアーヴが開発した星系)と20000以上の半有人星系を支配する汎星系国家。略してアーヴ帝国バール・フリューバル帝国フリューバルとも呼ばれる。帝都はアブリアル伯国のラクファカール。元首は皇帝。国章は八頸竜。国歌は「我ら、ともに永遠を抱かん」。
空間、恒星、無人惑星はおしなべてアーヴのものという方針を採っている。妙な露悪趣味があり、地上の民には無慈悲と見られたがっているようだが、内乱には遠慮なく介入する。
【人口】
 アーヴ2500万人、国民約10億人、領民9000億人。
 帝国創建時はアーヴ27万2904人。(当時の人類の人口は1000億以上)
【組織】
 皇帝を頂点とする帝政+貴族制。理念なく存立し、多様な人類社会をアーヴによって統合することにのみ専念する。そのため地上のことには干渉しないのが原則で、星系政府に要求するのは惑星間航行が可能な宇宙船の建造禁止と帝国星界軍の募集事務所の設置のみで、これを超えた要求を領民政府は拒否できる。臣民に対しても忠誠を期待することはしない。
 官僚府も存在するが、そこに属する官僚のほとんどは地上世界出身者。
【外交】
 他国と外交官を交換し、外交官特権を尊重しているが、外交自体は全く重視していない。
 戦争においては情容赦なく、自身が滅亡するか、敵国の星間航行能力を奪い、星系単位で帝国に編入する以外に決着の方法はない。その苛烈さのため、皇帝2人と皇太子7人を含む多くの帝国の貴顕が戦死している。もっとも、星間国家でない限り帝国の大切な領土として扱うので、無意味に荒廃することを嫌う。そのため星間航行能力を失った星系の空間を封鎖するなどして降伏させ、降伏せずに飢餓が始まった場合も貸付などを行い援助するのが普通。
 やられたら10倍にしてやり返す、というのが行動原理。いかなる脅迫にも屈することない。脅迫を試みた者はそのほとんどが死ぬことになり、生き延びても不幸な人生を送ることになるとされる。
【経済】
 通貨単位はスカール。
【産業】
 他国船が領内星系に立ち入ることを禁じているが、七つの貿易港を指定して経済交流は行っている。
【言語】
 公用語はアーヴ語(アーヴ標準語)。文字はアース。
【文化】
 「アーヴ」の項を参照。
【単位系】
 地球以来のCGS単位系。標準年=365日、標準日=24時間、標準時間=60分、標準分=60秒。
 長さの基本単位はダージュ(=cm)、質量の基本単位はボー(=g)。この基本単位系に倍数を表す接頭辞をつけて用いる。以下参照。

規模接頭辞長さ質量
1020ドリアル1000兆km100兆t
10161000億km100億t
1012ゼサ1000万km100万t
1081000km100t
104ウェス100m10kg
1
1cm1g
10-4シェス1μm(=1000分の1mm)0.1mg
10-8ソワフ1Å(オングストローム)0.01μg
10-12コス10Y(ユカワ)
10-16ペタ0.001Y

 もっとも、光秒(=約300セダージュ)、光年(=約95トダージュ)などの単位も利用するので、ゼサダージュ以上の単位はあまり使わない。また、プランク長とプランク重(プランク定数h=6.6261×10-34を基礎にする単位)を基本とした微小単位系もある。
 平面宇宙では特殊な単位として、天浬ケドレル(1セボーの質量で、完全移動状態をとる時空泡が1秒間に進む距離)と天節ディグル(時空泡内時間で1時間に1天浬進める速度)が用いられる。
【歴史】
 ・帝国暦前1200年くらい 原アーヴ誕生
 ・帝国暦前1173年(離脱暦1年) 独立を宣言
 ・時期不明 探査船を近くの恒星系につけ、都市船に改造
 ・時期不明 アース成立
 ・帝国歴前973年頃 軌道都市を滅ぼす。大放浪時代に
 ・帝国暦前157年 フーディニ論文入手
 ・帝国暦前120年頃 公的記録の一部破棄により航行日誌を消失。カリュー氏の反抗(後世には都市船アブリアルの事故として伝わっている)
 ・帝国暦前98年 ビボースが平面宇宙航行理論を完成
 ・帝国暦前52年 後のアブリアル伯国に投錨、門を開く実験の開始
 ・帝国暦前19年 都市船の第三主機関オプセー・ビーナの核として用いられていた源泉粒子を開いた門にすることに成功
 ・帝国暦前3年 最初の平面宇宙航行船セルドーが門をくぐり、帰還
 ・帝国暦前2年 平面宇宙側から門を開くことに成功
 ・帝国暦1年 建国帝ドゥネーが帝国の創建と帝国暦開始を宣言。帝国時代に。当初は交易に中心が置かれる
 ・同年 初代皇帝即位式。国章が八頸竜に
 ・時期不明 3つの星系を征服。3つの主要氏族(恐らくエスレル、ニューシュ、スポール)の長が領主として封じられる
 ・帝国暦42年(以下2項との前後関係は不明) 3人の地上人がアーヴに
 ・時期不明 5つ目の星系を征服
 ・時期不明 平面宇宙の先客に気付く
 ・帝国暦645年頃 ヤクティア戦役
 ・帝国暦685年頃 太陽系に近い門の発見
 ・帝国暦750年頃 星界軍における最後の乗員反乱勃発
 ・帝国暦812年 セクティア連邦併合
 ・帝国暦852年より前 シャシャイン戦役
 ・帝国暦905年 カミンテール戦役終結
 ・帝国暦940年 対帝国軍事組織、四ヵ国連合結成
 ・帝国暦945年 流砂作戦
 ・帝国暦952年 ゴースロス襲撃事件
 ・同年 スファグノーフ侯国、人類統合体により占領
 ・同年 四ヵ国連合と開戦
 ・同年 スファグノーフ門沖会戦で勝利。スファグノーフ侯国再占領
 ・同年 ラクファカール防衛戦に辛勝
 ・同年 イリーシュ王国の3分の2、三ヵ国連合により占領
 ・同年 スカレーシュ門沖会戦
 ・帝国暦955年 幻炎作戦
 ・帝国暦956年 狩人作戦
 ・帝国暦956年 淡雪作戦
 ・帝国暦959年 双棘作戦
 ・同年 雪晶作戦
 ・同年 ハニア連邦がクリューヴ王国に侵攻
 ・同年 第2次ラクファカール防衛戦。ラクファカール・セラに遷都。ラクファカール陥落
疑問:マアト・カー・ラーとの接触時に100万近くいたアーヴが帝国創建時には30万以下になったのはアメニイの推定違いが原因か

反物質爆弾ベクスュール  

反物質を利用した爆弾。

ボーリンシュ  

星界軍の戦列艦。クファディス・ウェフ=エスピール・セスピーが翔士修技生時代に訓練を受けていた軍艦。

百翔長ボモワス  

前衛翔士の上、副百翔長の下の位階(第7位)。巡察艦艦長、戦列艦艦長、分艦隊先任参謀など。

ま行

マスクード  

ベリサリア星系政府が使用する宇宙艦。アーヴ艦隊へ使者を送る際に用いられた。当時の艦長はマリア・パリネオ大佐。

マリ・アンクレール  

とある地上世界で生まれた、才気煥発たる狂人。13歳の時に精神病院に収容されて、生涯をそこで過ごした(精神病は治療可能だったが、その才能を惜しんだ医師が放置したとされる)。入院中、紙に筆で書くという手法で一篇の長い物語を綴り、107歳で未完のまま死去。その作品は寝食を忘れて読んでも10年はかかると言われ、それゆえに商業的価値はない。執筆の傍ら、小説を主題とした絵画、音楽、彫刻も、膨大な量制作している。
何代前かのリゼルガデージュ男爵がその作品群を気に入って全て購入し、代々受け継いでいる。

ミスィー  

ドゥヒールが密航した船の乗員。アーヴ女性。サロスを目指している。
【容姿】
 頭環を付けず、空識覚器官をむき出しにしている。

平面宇宙航行船メーニュ/宇宙船メーニュ/メーニュ/艦船メーニュ  

※日本語表記が変更された可能性があるため、平面宇宙航行船メーニュ/宇宙船メーニュ/メーニュ/艦船メーニュ/星間船メーニュ/星間航行船メーニュへ移行。

平面宇宙航行船メーニュ/宇宙船メーニュ/メーニュ/艦船メーニュ/星間船メーニュ/星間航行船メーニュ  

恒星間航行を可能とする平面宇宙航行機能を有する船。
帝国のものは全て皇帝に属し、大貴族と言えども私有は許されない。そのため会社や貴族は必要なときに帝国商船団から乗員ごと借り入れる。期限は借り手が指定できるが、人事権は商船団にある。貸し出しには士族以上の身分が必要。航行には修技館で習得できる平面宇宙航行資格が必要。
帝国は地上の民が交流することを望まないので、移民以外の地上人が乗ることは禁じられている。
基本的にただひとたびの大気圏突入を前提に造られており、しかもその突入とは、そうしなければ乗員が死ぬ場合に限られる。当然航行能力も失う。

メルクロ  

惑星モメンタにある最小の大陸。最大の島だとする説もある。

モメンタ  

ベリサリア星系の主星である有人惑星。サトゥルノ、マーロ、ヴィーナ、メルクロの4大陸及び島々がある。

や行

反物質燃料製造工場ヨーズ/工場ヨーズ  

※日本語表記が変更された可能性があるため、反物質燃料製造工場ヨーズ/反物質燃料工場ヨーズ/工場ヨーズへ移行。

反物質燃料製造工場ヨーズ/反物質燃料工場ヨーズ/工場ヨーズ  ïodh

反物質燃料を製造する工場。円盤型が標準的で、恒星側の面に太陽電池、裏側に16本の直線加速器が放射状に並べられている。製造された反物質燃料は接続された容器に詰め込まれ、事故のときに工場を巻き添えにしないよう、燃料槽小惑星として工場より外側の軌道に置かれる。
人類宇宙最大のものはアブリアル伯国にある帝国の乳房。

ら行

ラ・エディ・ポイ・ベブナ  

ドゥムイ委員会に参加するため、ラ・ゲルシスマから泊地四七にやってきた地上人男性。名前の「ラ」は冠詞で、「ボイ・ベブナ」は渾名のようなもの。自称エディ。
土の下に埋めてほしいという遺言を残したため、ロビート・ボイガにより後のクラベール・ソスに葬られた。
【性格】
 自分の身の周りのことに気を遣わない。壁に覚え書きをする習慣がある。
【経歴】
 ・時期不明 泊地四七に到達
 ・時期不明 ドゥムイ委員会理論部会委員に着任
 ・帝国暦前3年 アブリアル・ドゥムイによりエディリュアの氏姓を授けられ、地上世界出身者として初めてのアーヴになる
 ・帝国暦前2年頃 死亡

ラ・ゲルシスマ  

アブリアル伯国から通常宇宙経由で8.1光年の距離にある有人星系。アーヴが、大放浪時代(前98年から前52年の間)に交易のため訪れた最後の星系。
クテス星系と同一の星系かもしれない。
【人口】
 約500万人弱(アーヴとの交易時)。

星界軍ラブール  laburec

帝国の正規軍。帝国の軍事力を担うと同時に、平時には政治、行政の大部分を動かす、帝国そのものともいえる組織。帝国星界軍とも。
飛翔科と特殊兵科である主計科、空挺科、軍医科、技術科、警衛科、法務科、看護科、軍匠科、造兵科、造船科、造機科、光子科、航路科、軍楽科の15科、および掌兵科や薬剤科などの術科から成る。
現在の艦艇数は、突撃艦以上の戦闘艦だけでも約7万8000。構成人員は約1330万人。そのうち空挺科が最大で1000万人いるが、そのほとんどは地上世界出身者。
階級のみによって上下関係が律せられ、宮中序列を持ち込むことは許されていない。
募集は主に地上の募集事務所でなされ、領民は自由意思により従軍できる。徴兵がされることはないが、他人の従軍意思を妨害する行為は禁じられている。退役も基本的には自由。ただアーヴの場合、交易者として生きることを選択した場合でも、しばらくは予備役で過ごし十翔長を目指すのが、分別ある嗜みとされている。
確たる理由もなく他者へ戦闘を挑む無法者はおらず、戦不戦の選択権を握った時に、確実に勝てない戦いを始めるものもいない、というのが公式見解。非戦闘員を戦闘に巻き込むことを嫌う。
演習や戦闘の後の饗宴では羽目を外す、部下を選ぶことができる、愛し合う二人が同じ部署を希望した場合、それを最大限に考慮する、などの伝統がある。
やる気がない翔士を排除し、指揮官の部下掌握能力を把握するため、部下の転属願いを上司が握りつぶすことは出来ない。転属願いは人事局で処理されることになる。
従士・翔士には給料が支払われ、退役時には恩給も出る。ただし皇族や領地を持つ翔士は無給。
星間船を住居とみなすアーヴが中心となって構成されているため、平時は戦列艦、輸送艦についてのみ育児をしながらの勤務も認められている。
部隊が孤立した場合はその場の最高指揮官が皇帝陛下の名代として指揮を執る。
自分たちのやり方に拘るため、他人が造ったものを兵站系に組み込むことはない。
【歴史】
 帝国創設前後の主力は一人から三人くらいが乗りこんだ高機動ユニットであり、その操縦士兼指揮士が翔士と呼んだ。当時は四機で菱形に並ぶ編成が基本であり、先頭に位置する指揮官が前衛翔士、後尾を固める次席指揮官が後衛翔士、左右の操縦士が列翼翔士と呼ばれていた。この編隊は二機ずつに分かれることもあったが、その場合は前衛・後衛翔士がそれぞれ一人の列翼翔士を率いた。
 さらに、この編隊二つに指揮官ユニットとその同僚機を加えた10機がより上級の戦闘ユニットを作ったので、指揮官は十翔長と呼ばれた。
 都市船アブリアルがアーヴの領土の全てであったときには、戦闘ユニットは全部合わせて100~200機ほどであった。そのため、やや不正確ながら総指揮官を百翔長と呼び、その補佐役として数人の副百翔長が置かれていた。
 やがて、星界軍の膨張に従い、より上級の階級として千翔長が設置された。この頃になると機数と階級の関係はあいまいになってくる。
 帝国創設後、アーヴは数隻の母艦を運用するようになり、統率者として提督が任命された。
 帝国の膨張と共に母艦も増え、提督の補佐として分艦隊を率いる准提督が置かれるようになった。
 そのうち、宇宙船技術の進歩により高機動ユニットは廃れ、大型艦艇が主力化、大砲巨艦主義の実現を迎えるに従い、百翔長以下の呼称は完全に階級名となり、職責との関係を喪失した。
 帝国の膨張がさらに続き、複数の艦隊が組織されるようになると、より上位の階級が必要となり、大提督、元帥が置かれた。
 同時期、星界軍では十分に対応できない地上戦のために地上軍が置かれることになる。それまでの元帥は星界軍元帥となり、地上軍の統率者として地上軍元帥が置かれた。そして、その両者の上位者として帝国元帥が置かれた。
 しかし、地上軍が中心となり、帝国史上最大の反乱「ジムリュアの乱」が発生。帝国は苦労して鎮圧した後、直ちに地上軍を解体。これ以降、地上軍は空挺科となり、一兵科として各鎮守府や艦隊に所属することになった。
 地上軍元帥の職分は廃止されたが、空挺元帥として階級は残り、また星界軍元帥の階級も残された。さらに、各科の地位向上に伴って、主計元帥、軍医元帥、技術元帥などの階級が登場し、現在に至っている。

ラ・マカルスル  

ラ・ゲルシスマが、ラ・エディ・ポイ・ベブナを泊地四七に送り届けるために発射した宇宙船。元の形状は涙滴型だったと思われるが、星間物質との衝突で表面は痘痕だらけになっている。減速能力がないため、乗員はアーヴにより救出された。

ラ・ラティプ  

ラ・ゲルシスマの第四惑星。星系唯一の有人惑星。
サロスと同一の惑星かもしれない。
【文化】
 科学技術文明をかろうじて維持している程度で、源泉粒子を失い、星系内移動にすら苦労している(前98年頃当時)。

領地リビューヌ  

帝国が支配する、皇族や貴族が封じられた場所。通常、一星系を指す。有人惑星を有するものを邦国、有さないものを所領と呼ぶ。所領の方が邦国よりも圧倒的に多い。
男爵領リュームスコルが最も多く、以下伯国ドリュヒューニュ侯国レーバヒューニュ子爵領ベールスコル(ただし時代によっては公国より少ないこともある)、公国レクリューニュ大公国ニーフューニュ(28星系)の順に数が多い。
よくよくの緊急性が認められない限り、領主の承認を得ずして領地に属する天体、特に有人惑星を攻撃することは許されない。

ボデューム男爵領リュームスコル・ボデューマル  

クリューヴ王国に属する無人星系。若い星系で、微惑星の帯が幾重もあり、第三微惑星帯には直径約1.5セダージュ(=1500km)の原始惑星が存在する。

揚げ山羊肉の果実あんかけルーゲージュ  

クファディス・ウェフ=エスピール・セスピーが大好きな料理。

船団長席ルーヒュリバシュ  

船橋に設置されている、船団長のための席。

錨星四七ロキー・ゴダナ  

泊地四七の中心に位置する黄色矮星。現在の恒星アブリアル。

ロセーシュ・セーダ  

アブリアル・ラムステュームの侍従。

星界軍翔士ロダイル・ラブーラル  

翔士のこと。

官記ロダイロン  

軍人の辞令。軍政長官の名で交付される。

ロビート・ボイガ  

帝国創建前後のアーヴ。ラ・エディ・ポイ・ベブナの収容後はその生活の面倒を見ることになった。
【経歴】
 ・時期不明 ドゥムイ委員会書記部に配属
 ・時期不明 書記部次席書記に昇進
 ・帝国暦前19年から3年の間 委員会を退任。恋をし、子供をもうける

次席書記ロヤルム・ウィグ  

ドゥムイ委員会書記部の次席責任者。8名。

わ行

惑星改造  

地球以外の惑星を人間が居住可能な星にする技術。通常、資金を集めたあと(回収は確実なので戦時中でもない限り投資者には事欠かない)、惑星改造技師組合等により改造作業が行われる。
具体的には氷惑星を利用した水の循環、微生物による酸素生成、薄い大気の濃度を高め、あるいは高圧の大気の余分な部分を固定して薄める作業などをまず行う。それから単細胞微生物、多細胞生物を順番に撒き、その後高等植物による土壌生成、生態系の構築などを行う。帝国創設の頃は1世紀以上かかるのが普通だったが、現在では30年以上を要することは滅多にない(通常50年程度という記述もある)。
かつては代官とは別に熟達の惑星改造技師を開拓代官に任命し、技術者の一段と共に常駐させるのが普通だったが、技術の進歩に伴い、200年頃から、専門の開拓代官が設置されることは珍しくなっている。ただし予定が狂うこともあり、その際に資金を貸し付けるための機関も複数存在する。

軍政長官ワロズ・ヴォソル  

官記の交付を担当する役職。

宮務長官ワロズ・フリソル  

位記の交付を担当する役職。

英数

備考

  • 「出奔」の「クリューヴ王宮ルエベイ・クリュブ」(p.81)は「クリューヴ王宮ラルベイ・クリュブ」の誤記と思われるため掲載していない。
    →Kindle版で修正された。
  • 「出奔」がいつの出来事なのかはっきりしない。ドゥヒール(940年生まれ)が13歳(p.86)なので、953年か954年のいずれか。ラフィールが修技館の制服を着ているが(p.109)、ラフィールが訓練生だったのは949年~952年(本編が始まる前。修技館卒業後に翔士修技生になるので)なので整合しない。また「海嘯」の時点ではゲムファーズ子爵領は惑星改造中だったが、これは953年以降の事件であることはほぼ確定。「出奔」はそれより後の話なので、結局953年か954年と考えざるを得ない。このときラフィールはすでに軍属になっているので、なぜ制服を着ていたのかについては説明が出来ない。またそうだとするとすでに四カ国連合と開戦した後のエピソードということになるが、それにしては話の流れが悠長すぎるように思えるのも疑問。
  • 伯国ドリューヒューニュ(p.181)のルビは「ドリュヒューニュ」の誤記と思われるため掲載していない。
    →Kindle版で修正された。
  • 帝国創建の頃、アーヴの惑星改造は一世紀程度かかったのに、「介入」でベリサリア星系が50年で可住化惑星を作り出せると考えていた理由がよく分からない。アーヴは武装商人という性質上、人類社会の中でもかなり高いレベルの技術を(少なくとも知識としては)有していたと思われるが…ただ帝国創設前の時点では惑星改造にほとんど興味がなかったはずなので、情報を収集していなかったと考える余地もあるか。
  • 「来遊」を前提にすると、都市船時代のアーヴたちの移動速度について疑問が残る。詳しい考察は星界の断章3「来遊」ちょっと考察で。