2011-10-14

「とある飛空士への夜想曲」読了


「とある飛空士」シリーズの最新作、「とある飛空士への夜想曲」を読了しました。

今作は時間軸的には「追憶」と「恋歌」の間になります。追憶のスピンオフという側面が強いので、恋歌は読んでいなくても大丈夫です。ただ恋歌で出て来た「彼」がなぜその立場にいるのか、どうして機体にペイントをしているのか、なぜあの人を「親友」と読んでいるのかなどいくつかの伏線が解決されているので、「夜想曲」を読んだあとにでも「恋歌」を読んでいただきたいところです。

で、今作は「追憶」で、「海猫」狩野シャルルと死闘を繰り広げた、天才パイロット千々石の物語です。戦いに敗れた千々石は再び海猫との戦いを求めて空をさすらうのですが、折しも千々石の属する帝国の戦況は悪化。仲間が次々と死に、破滅が近づく中、千々石は幼なじみの少女の歌を支えに空を飛ぶのだが…という話。どこかのんびりした雰囲気を含んでいた前2作と違って、ほぼ終始シリアスに物語が進みます。ラストは涙なくしては読めないです。

とはいえ、前作から考えると普通の小説みたいな感じだったかな。とはいえ作者の圧倒的な技量により描かれる空戦シーンは手に汗握り、ドキドキしながら読んでいけます。恋愛描写は薄めですけど、ヒロインもけっこういい性格をしていて(羽佐見の「誰だ、これは」というツッコミには笑った)魅力的です。前作より戦術レベルでの描写も増えているので、そういう視点でも楽しめるかと思います。たぶん太平洋戦争における日本をモチーフにしているんだろうなぁ。ラノベにしてはかなり珍しいかも。

あと結局「イスマエル・ターン」の挙動がよく分からなかった。