2016-06-05

【ゲーム】いけにえと雪のセツナ レビュー

1周目クリアと同時にプラチナ獲得できると気持ちいいですね。というわけで通算30個目のプラチナトロフィーを獲得しました。プラチナトロフィーを取得するまでにかかった時間(現実時間)は絶対絶望少女に次いで短かったです。

※6/8追記:すみません。2番目に短かったのはシュタインズゲート・ゼロで,これは3番目でした。

いけにえと雪のセツナ

開発:Tokyo RPG Factory
プラットフォーム:PS4/PSV
価格:4800円(税別)

レビュー

ストーリー

雪に閉ざされた世界。その世界の端に存在する村には、一つの風習があった。それは、10年に一度、生け贄を捧げ、世界を魔物たちから守るといういけにえの儀式。

ところが、次の儀式の年を待たずして、魔物の凶暴化が始まってしまう。

村に暮らす少女・セツナ。彼女はいけにえとして、彼女の護衛役になった少女クオン、そして彼女の最後を見守ることを誓った暗殺者・エンドと共に、儀式が行われる最果ての地を目指して旅立つのだった―

90年代のRPGの(特にクロノ・トリガーの)オマージュとして作られたRPGです。ストーリーは短く、またあまり複雑なものではありません。寄り道要素も少ない一本道のゲームですが、サクッとプレイできる軽めのプレイ感覚は、忙しい現代人にこそプレイして欲しい仕上がりになっています。

ただ、あらすじからお分かりの通り、セツナは最終的に生け贄になる運命にあるため、話は常にシリアスです。エンディングも解釈が難しい作品で、人を選ぶ作品のような気がします。いつも言っていますが、僕はゲームに一番求めるものはエンターテイメント性なので、そういう意味では肌に合わない作品でした(※これは個人の感想なので、べつにだから駄作というつもりは毛頭無いです)。

また、マップはほとんどが雪景色であり、そこにピアノのみのBGMが流れるという、独特な雰囲気のゲームでもあります。

キャラクター

パーティキャラは7人です。

それぞれかなり重い過去や正体を抱えており、ゲームのシリアスさに拍車を掛けています。ヨミとキールがコメディリリーフ的なポジションなんですけど、とても笑えるような雰囲気ではないことが多かったです。またサブイベントをこなさないと、彼らが抱えているものの本当の意味は分かりませんので、ぜひサブイベント(最強法石イベント)はこなしてほしいですね。

主人公「エンド」はいわゆる無口キャラで、選択肢でのみ話すルドガー@TOX2の様なキャラです。選択肢によってもストーリーは一切変わらないのですが、かなり両極端な選択肢が準備されていること、また選択のチャンスがかなり多いことから、プレイしていくうちに自然と「自分(プレイヤー)のエンド像」が確立されるようになっていて、没入感があって良かったです。ネタバレになるのでぼかしますが、この没入感こそ制作者がエンドに期待した役割だと思いますので、そういう意味でよくできていたキャラだと思います。

ヒロインのセツナは博愛主義者ですが、それが鼻につくこともなく、また自らパーティの方針を決める力も持っていて、好感の持てるヒロインでした。

戦闘

7人のうち3人をパーティメンバーに選ぶことができます。選ばれなかったキャラにも経験値が半分入ります。レベルによる経験値補正があるため、基本的に適当に育成しても後で簡単に追いつけます。

戦闘はウェイトターン制のバトルが採用されています(FFでいえばATB)。行動順が回ってきた者から、通常攻撃や魔法(この世界ではいわゆる術も技も全て魔法扱い)、連携(複数のキャラの行動を消費して放つ大技)、アイテムなどの行動を取ります。行動順が回った状態でもすぐに行動せず待機することなどで「刹那ゲージ」がたまり、これを行動の際に消費することで、攻撃に様々な付加効果を付けることもできます。

シンボルエンカウントかつシームレスバトルを採用しており、戦闘は非常にスムーズに進みます。敵も味方も火力が高めですし、様々な属性を駆使して戦った方が戦闘報酬も多くなるので、基本的にはバックアタックをかけ(バックアタックに成功すると、刹那ゲージが貯まった状態で戦闘が始まる)、強力な技を刹那ゲージを消費しながら仕掛けて殲滅する、というのが基本です。
ですがシンボルとは言え敵を回避しにくいマップも多かったので、その辺りはどうにかして欲しかったですね。

ボスは一転長期戦になります。90年代らしく、時折かなり強力なボスが突っ込んであったりして気が抜けませんが,戦闘に緊張感があってよかったと思います。ただ隠しボスは理不尽に強く(初手で全滅に追い込むくらいの火力キャラとか)、アンリミテッド(一定確率で行動順がものすごい速さで回ってくるようになる装備品)でごりおしするくらいしかなかったのが残念でした。

とはいえ、バックアタック、刹那システム、短めの戦闘などの要素ががっちりかみ合っていて、コマンドバトル苦手な自分もかなり楽しめたように思います。せっかく位置取りの概念があるのだから、それもうまく絡めれば…いや煩雑になるか…

システム

オーソドックスなRPGで、あまり尖ったシステムはありません。

この世界には「法石」という装備品があり、それを装備することで、魔法を使えるようになります。そしてその魔法の発動時に刹那ゲージを消費すると、一定確率で法石が強化されます。強化はある程度コントロールできますがランダム要素もあるため、同じ名前の法石でも効果が異なる、ということもあります。しかし隠しボス等に挑まない限り、この辺は適当にやっても問題ないようになっています。この辺りのバランス調整は見事。

ただ、90年代のRPGを意識しているせいか、意図的に不自由にされているであろう部分がいくつかありましたね。鍵付の宝箱が全てのマップに用意されていて、終盤で鍵を入手したあとに再度ダンジョン巡りをさせられるとか、宿屋がないとか(宿屋がない理由は攻略本で説明されていましたが、それを踏まえても何とかして欲しかったです。普通に考えて主人公一行は歓待されてしかるべき存在なので、村長宅に泊まるとか、雰囲気を壊さない方法はあったでしょうに)、フィールドでの移動速度が遅いとかです。

もっとも、並行してプレイしていたSO5が、システム的には快適とほど遠い(この辺りはSO5のレビューで書く予定です)こともあり、プレイがイヤになるほどでもありませんでした。許容できるレベルです。

一番気になったのが、ワールドマップが存在しないことですね。終盤飛行船が手に入るのですが、どこに何があるのか手探りで見て回らなければいけませんでした。攻略本がある人は問題ありませんが、そうじゃなかったらかなり不愉快だと思います。世界の広さを演出するにも、世界の狭さを演出するにも、いずれも地図は必須だと思うのですがね…。あと関係ないんですが、「最果ての地」なのになんで世界の中心にあるんだよ!

総評

大傑作!と言えるほどではありませんが、よくできたRPGだと思います。おなじみIvanさんの強いプッシュでプレイさせて頂きましたが、決して後悔しない一品でしたね。この時代に新規タイトルでここまでの作品を送り出したTokyo RPG Factoryに、僕は敬意を表するッ!

さっくりとプレイできるRPGをお求めの方、ちょっと切ない物語に浸ってみたい方におすすめです。これから夏で暑くなるし、雪山や雪原や雪景色を眺めながら涼をとってみては。


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コメント & トラックバック

 レビュー気合入ってますね!

>サクッとプレイできる軽めのプレイ感覚は、忙しい現代人にこそプレイして欲しい仕上がりになっています
 スタッフ様狙い通りの感想。

>エンディングも解釈が難しい作品で、人を選ぶ作品のような気がします
 あれ?ラスボス直前の展開からハッピーエンドかと思ったら、そうではないのね?エンド(主人公)最後の選択がどんなものか、楽しみです(私は未クリア)。

>ヨミとキールがコメディリリーフ的なポジションなんですけど
 彼らは戦力としても頼もしいキャラです。

>選択肢によってもストーリーは一切変わらないのですが、なかり両極端な選択肢が準備されていること、また選択のチャンスがかなり多いことから、プレイしていくうちに自然と「自分(プレイヤー)のエンド像」が確立されるようになっていて、没入感があって良かったです
 ここは私も自分のブログで語るつもりなポイント。こういう作劇法、キャラ立てを盛り込んだゲームをあまり知らないので、新鮮と感じました。

>一番気になったのが、ワールドマップが存在しないことですね
 それは私も思いました。いけ雪って全編雪景色なのもあって、自分が世界のどの辺にいるのかわかりにくいんですよ…。レトロRPGはそのへんソツがないのですが、この作品は上手くやってなかった。
>「最果ての地」なのになんで世界の中心にあるんだよ!
 そこはレトロRPGへのオマージュでは。とはいえ「最果ての地」という名は文字通り世界の端っこにあってこそマッチするもの(例えばFF10のザナルカンド)だとは同意。マップの作り方はあまりよくなかったと言えます。

>この時代に新規タイトルでここまでの作品を送り出したTokyo RPG Factoryに、僕は敬意を表するッ!
 メールで何度か語りましたが、「少人数」「低予算」「短期間」そして完全新規タイトルでこれほど面白いものが出来るとは、Tokyo RPG Factoryはモデルケースにもなる大きな仕事をしてくれたと思います。ぜひ同社の新作、あるいは続編を期待します。

ありがとうございます。ゲームに合わせてあっさり風味にしようと思ったけど結局長文に…
> 彼らは戦力としても頼もしいキャラです。
序盤はヨミ、中盤はキールにずいぶん助けられました。
> そこはレトロRPGへのオマージュでは。
DQでもラスダンは序盤の街のすぐ近くですからね。

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